観光都市である福岡のメインステーション、JR博多駅から地下鉄空港線でわずか5分の距離にある福岡空港。
都心部の空港ということで、福岡市内から福岡県外各地へのアクセスも良好かつ、国内線は28路線、国際線は19路線と利便性も高い点が魅力です。
そんな福岡空港では、利用できる飲食店もバラエティ豊富。その中でも、この記事では福岡発祥の店をはじめ全国各地のラーメンが味わえる「ラーメン滑走路」に焦点を当て、各店の特徴やおすすめの来店時間について解説していきます。
福岡といえばラーメンが有名ですが、どのお店で食べようか迷っている方はぜひ参考にしてくださいね。
※福岡空港の路線数については平成30年6月時点の情報です。（福岡市の魅力｜福岡市公式サイト参照）
福岡空港の「ラーメン滑走路」とは？
ラーメン滑走路は「知る人ぞ知るラーメン店が福岡空港に着陸し、ここで有名になった店舗がまた全国に飛び立って欲しい」という思いのもと、2017年にオープンしました。
ラーメン滑走路は、全国各地のラーメンを食べ歩いた担当者が選りすぐったラーメン店9軒と、食後のデザートに利用してほしいとの思いから、スイーツショップ1軒で構成されています。
食べられるラーメンの種類は幅広く、地元である福岡発祥のとんこつラーメン店から、みそやつけ麺などを看板に掲げる他県の有名店までラインナップ。
このうち2店舗は期間限定の出店で、定期的にお店が入れ替わるのがラーメン滑走路の特徴です。
また、ラーメン滑走路があるのは、地下鉄空港線が乗り入れる国内線旅客ターミナルビルの3階なので、飛行機を利用しない方でも簡単にアクセスできます。地下2階のホームに到着したら、3階の中央エリアを目指して進みましょう。
それでは、次の項目からお店を紹介していきます。ラーメン滑走路内の店舗から、THE GATE編集部おすすめのお店を選りすぐりました。今回紹介するお店は全て常設店舗なので、福岡観光の際にぜひお立ち寄りくださいね。
※掲載するお店情報や価格は2023年8月時点のものです。
【福岡空港のラーメン】博多一幸舎 福岡空港国内ターミナル店
どんなお店？
泡系とんこつの元祖といわれる、2004年創業のラーメン店・博多一幸舎。「泡系」とは、名前の通りスープの表面にきめ細やかな泡が浮かんだとんこつラーメンを指します。創業以来、地元民・観光客を問わず支持されてきたこだわりの一杯を、ぜひお試しください。
とんこつのうま味だけでなく、骨の味にこだわった博多一幸舎のスープは、九州産の豚骨を100％使用。最大の特徴である泡の正体は、「脂泡（しほう）」と呼ばれ、水と空気と脂がしっかりと混ざり合ったよい状態を表しています。
「旨さの証」とも呼ばれる泡は、骨のうま味を凝縮した濃厚な味わいながら、くどさのないまろやかな口当たりで多くの人々を魅了しています。
おすすめのラーメンは？
おすすめは「スペシャルラーメン（1400円）」。看板メニューである泡系とんこつラーメンに、チャーシューや半熟味玉子など全てのトッピングをのせた、見た目も華やかなラーメンです。
福岡の人気製麺所「製麺屋慶史」に特注した細平打ち麺は、小麦の風味豊かでもっちりとしており、濃厚なとんこつスープにもよく合います。
博多一幸舎 福岡空港国内ターミナル店のおすすめ「スペシャルラーメン（1400円）」（写真提供：博多一幸舎）
とんこつラーメンは替え玉を楽しむ方が多いのも特徴で、2杯目は自分好みにアレンジできるのも醍醐味の一つ。スペシャルラーメンはトッピングが多いからこそアレンジの幅が広がり、とっておいたトッピングや卓上の辛子高菜・白ショウガなどで、2杯目は趣向を変えたラーメンを楽しむことができます。
博多一幸舎のラーメンの味の決め手は、泡のほかにもう一つ「秘伝のタレ」があります。福岡にある創業120余年の老舗蔵元のしょうゆを使った特製だれは、ラーメンはもちろん、チャーシューや半熟味玉子の味付けにも使われています。九州しょうゆ独特の甘みがありつつも、キレがあり後味もすっきりした特製だれは、博多一幸舎でしか味わえない門外不出のたれです。
サイドメニューの人気商品は「博多一口餃子（5個入り380円）」。名前の通り、一口でパクパク食べられるサイズの餃子は、アルコールメニューとの相性も抜群です。うま味を感じるあんが特徴で、パリッと焼き上げた皮を噛めば、ジュワッとうま味があふれ出します。
ビールのお供にもおすすめです（写真提供：博多一幸舎）
来店のポイント
平日のオープン直後からは混雑することも多い博多一幸舎ですが、回転率が高いため「50人並んでいても30分ほどで着席できる」傾向があるそう。たとえ行列の最後尾についても、店頭に掲示してある「待ち時間の目安」よりも早めに入店できることが多いようなので、時間に余裕がある方はぜひ挑戦を。
並ぶのが苦手な方は、平日の14:00〜17:00頃か、閉店前の時間帯に訪れるのがおすすめです。博多の玄関口である福岡空港で地元の人たちにも愛される一杯を食べて、博多観光の思い出をより充実したものにしてください。
【博多一幸舎 福岡空港国内ターミナル店の基本情報】
場所：福岡県福岡市博多区 下臼井761-1
福岡空港国内線ターミナルビル3階 ラーメン滑走路内
営業時間：10:00〜21:45（L.O.21:00）
公式サイト：博多一幸舎
【福岡空港のラーメン】豚そば月や 福岡空港店
どんなお店？
2010年に福岡市博多で創業した、福岡にゆかりのあるラーメン店。 豚そば月やの本店は中洲にありますが、現在は「クリア豚骨」を看板に掲げ、福岡県内や首都圏を中心に展開中です。
著名音楽プロデューサー・松浦俊夫氏のオリジナルBGMが流れる、カフェをイメージした内装（写真提供：株式会社 F-THREE）
豚そば月やの特徴は、「清湯（ちんたん）」と呼ばれる澄み切った「クリアとんこつ」スープ。白濁した一般的なスープ「白湯（ぱいたん）」は砕いた骨を煮立たせて作りますが、清湯スープを作る際は、骨は砕かず沸騰もさせません。
豚そば月やでは、骨についた肉の血抜きやあく取りまで丁寧に行うことで、臭みがなく豚骨の風味豊かなスープを生み出しています。煮込む際に沸騰させると味が変わってしまうため、スープ作りの工程はいつも特に慎重になるそうです。
おすすめのラーメンは？
そんな豚そば月やのおすすめは「豚そば（800円）」。ラーメン専用の福岡県産の小麦「ラー麦」を使用した、極細で歯切れのいい低加水麺に、うま味たっぷりのクリアとんこつスープがよくからみます。
豚そば月やおすすめの「豚そば（800円）」（写真提供：株式会社 F-THREE）
食べ進めながら、付け合わせの国産ネギを加え、大分県産カボスをしぼれば、味わいも変化して最後まで楽しめること間違いなし。
ちなみに豚そば月やでは、九州産の食材を使うことを意識しています。大分県産カボスの出荷が止まってしまう3〜7月は、カボスの代わりに紅ミョウガの梅酢漬けを提供しているので、来店時期によってはカボスではなく紅ミョウガで味変することになるかもしれません。
一番人気の「シウマイ（3個600円）」は直径5〜6cmと、ボリューミーなサイズ感。国産肉を中心にエビやイカを練り込んだ、風味豊かな一品です。
一緒に供される自家製ポン酢で召し上がれ（写真提供：株式会社 F-THREE）
来店のポイント
「福岡ラーメン」といわれて多くの人が思い浮かべるのは、白く濁ったスープではないでしょうか。しかし、豚そば月やが作るクリアとんこつは、見た目こそ塩ラーメンのようですが、食べればスープに閉じ込められた豚骨の風味を十分に感じられるはず。博多発祥の新しいとんこつラーメンを、ぜひあなたも味わってみてくださいね。
【豚そば月や 福岡空港店の基本情報】
場所：福岡県福岡市博多区 下臼井761-1
福岡空港国内線ターミナルビル3階 ラーメン滑走路内
営業時間：10:00〜21:00（L.O.20:30）
公式インスタグラム：豚そば月や
【福岡空港のラーメン】つじ田 ラーメン滑走路店
どんなお店？
とんこつ魚介のつけ麺専門店として、2005年に東京神田で創業した「つじ田」。動物系と魚介系の2種のスープを混ぜ合わせた「とんこつ魚介」のパイオニアであり、つけ麺専門店の中で初めて「味付けをしながら食べ進める＝味変（あじへん）」を取り入れた、革新的なつけ麺専門店です。
首都圏を中心に日本各地に展開中で、海外出店も果たしているつじ田。福岡のつけ麺専門店の中でもその人気は高まっており、空港を利用する人はもちろん、つじ田のつけ麺をめがけて福岡市内から足を運ぶ人も多いそうです。
おすすめのラーメンは？
そんなつじ田の一番人気は「濃厚特製つけ麺（1310円）」。つじ田のつけ麺のコンセプト「一食で三つの味が楽しめる」を体感するのにおすすめの一杯です。
まずは国産ブタの骨や魚介などを約10時間煮込んだスープに、やわらかく水分を含んだ特注麺をくぐらせてそのままいただきましょう。濃厚なスープにつるつるもちもちの麺がよくからみます。
つじ田の一番人気メニュー「濃厚特製つけ麺（1310円）」（写真提供：つじ田）
そのままでも十分美味しいのですが、味変することでつじ田のこだわりを十二分に感じられます。三分の一まで食べたところで麺にスダチをしぼり、残り三分の一になったところで黒七味をかけるのがおすすめの食べ方です。
スダチによって麺がかんきつの風味をまとい、濃厚なスープの奥にさっぱりとした清涼感を感じられる独特な味わいは、くせになることうけあい。味をピリッと引き締める黒七味は、京都の老舗薬味店「原了郭」のもので、一般的な七味よりも香りがよく、つじ田のつけ麺の魅力を最大化してくれます。
サイドメニューの一番人気は「チャーシューご飯（420円）」。つけ麺と同じとんこつ魚介のスープで煮込み、しょうゆベースの特製甘だれに漬けて作るチャーシューには、豚肩ロースを使用。素材からも、つけ麺と同等にこだわって作られていることがうかがえます。
来店のポイント
そんなつじ田のつけ麺が食べられるのは、九州では福岡空港店だけ。福岡の中心部からのアクセスも良いため、福岡観光の際にはぜひ旅行の一環として訪れてみて。
25席ある店内は、一人客から家族連れまで連日幅広い人々で賑わいます。混雑を避けたい場合は、平日15:00以降や土曜日の利用がおすすめです。
【つじ田 ラーメン滑走路店の基本情報】
場所：福岡県福岡市博多区 下臼井761-1
福岡空港国内線ターミナルビル3階 ラーメン滑走路内
営業時間：10:00〜21:45（L.O.21:00）
公式サイト：つじ田
【福岡空港のラーメン】金斗雲UNIVERSE
どんなお店？
鹿児島進化系ラーメンを提供する「Noodle Laboratory 金斗雲」グループ。鹿児島県で創業し、2019年に福岡空港店「金斗雲UNIVERSE」をオープンしました。
鹿児島ラーメンとは、豚骨と鶏ガラの2種類のスープに合わせた中太麺を、玉ねぎやモヤシなどたくさんの野菜とともに食べる、あっさり系ラーメンのこと。
鹿児島県内ではよく知られるラーメンですが、NOODLE LABORATORY金斗雲はこの鹿児島ラーメンにみそや甘口の鹿児島しょうゆをプラスし、味にパンチのある「鹿児島進化系」ラーメンを提供しています。
おすすめのラーメンは？
おすすめは「特製黄雲（1200円）」。自家製の濃口みそに、豚骨と鶏ガラの2種類のスープを合わせ、キャベツやモヤシなどの野菜をたっぷり盛り付けた一品です。見た目に反し、意外にもあっさりとした食べ口で、女性客にも人気なのだそう。
金斗雲UNIVERSEおすすめは「特製黄雲（1200円）」（写真提供：Noodle Laboratory 金斗雲）
肩ロースを使用したチャーシューは、大きく薄切りにしたものと賽の目切りにしたものとをトッピングし、異なる食感が楽しめるよう一工夫。
企業秘密の特製だれに漬けた煮玉子の味わい深さが、ラーメンスープの味をぐっと引き立てます。もっちりとして喉越しも良い中太麺は、3種類の国産小麦をブレンドした自家製のものです。
来店のポイント
現在、鹿児島県外のNoodle Laboratory 金斗雲の店舗は福岡空港店のみ。福岡空港を訪れた際には、ぜひ金斗雲UNIVERSEでレアな一杯をお楽しみください。具材や野菜が多く食べ応え十分なので、福岡観光前や飛行機搭乗前の腹ごしらえにおすすめです。
店内はカウンターやテーブル席を合わせて、全部で28席（写真提供：Noodle Laboratory 金斗雲）
11:30〜14:00のランチタイムは比較的混み合うそう。他の時間帯であれば、並ばずに食べられることも多いようなので、お昼の時間をずらして訪れてみると良いかもしれません。
【金斗雲UNIVERSEの基本情報】
場所：福岡県福岡市博多区 下臼井761-1
福岡空港国内線ターミナルビル3階 ラーメン滑走路内
営業時間：10:00～21:45（L.O.21:00）
公式サイト：Noodle Laboratory 金斗雲
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