おはぎの作り方【基本のレシピ】
おはぎの作り方【お米別・炊飯器で炊くレシピ】
[もち米]を使ったレシピ
[うるち米(白米)]を使ったレシピ
[玄米]を使ったレシピ
水加減について
あんこの作り方
あんこの基本レシピ
あんこの固さ調節方法
こしあんの簡単レシピ
余ったあんこで作る! 簡単スイーツ
あんこドリンク
あんこのカップスイーツ
香ばしいあんこスイーツ
おはぎ作りで食欲の秋を楽しもう

昔から日本で食べられてきた素朴なおやつ「おはぎ」。「お彼岸の食べ物」の定番でもあります。

市販のおはぎは、お店によってあんこの甘さもごはんの固さもさまざまで、自分好みのおはぎを買えたときには、少しうれしくなります。

「自分でおはぎを作れば、自分好みの仕上がりにできるんじゃ?」そんな方のために、この記事では「おはぎの作り方」や「あんこのレシピ」をご紹介。

水加減や、あんこの固さ調節など、失敗しやすい部分を丁寧に説明していきます。

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おはぎの作り方【基本のレシピ】

丸めたごはんをあんこで包んで作るおはぎ。ひとことで言うと簡単ですが、まず具体的な材料や作り方の流れを見ていきましょう。

おはぎはシンプルな構成ながら、ご飯のつぶし具合の違い一つをとっても、大きく味わいが変わってきます

おはぎはシンプルな構成ながら、ご飯のつぶし具合の違い一つをとっても、大きく味わいが変わってきます

基本のおはぎの作り方

材料(手のひらサイズ5個分)
ごはん……1合(180g)
水…………適量
塩…………適量
つぶあん…380g
※ごはんは「もち米」「うるち米(白米)」「玄米」をどれを使ってもOK

道具
耐熱ボウル、すりこぎ、ラップ、バット

作り方
[1]温かいごはんをボウルに入れ、塩を振って混ぜる。
[2]水で先をぬらしたすりこぎで、ごはんをつぶす。すりこぎにごはんがくっつき、かつごはんのつぶ感が残っている程度になったら、つぶすのを止める。
[3]バットにラップを敷く。
[4]手に水をつけてごはんを5等分し、俵形に丸め、([3])に並べる。
[5]あんこをてのひらの上で直径6cmほどに広げ、丸めたごはんを1個のせる。
[6]([5])のごはん全体を、下敷きにしたあんこで包み、形を整えて([3])に並べる。
[7]([5])〜([6])を繰り返し、全部で5個作る。

おはぎの作り方【お米別・炊飯器で炊くレシピ】

昔ながらのおはぎは、もち米と蒸し器を使って作るのが一般的。でも、両方揃えて蒸し器で蒸すのは正直面倒くさいですよね。

実はおはぎは、もち米ではなくうるち米(白米)や玄米でも作ることができますし、蒸し器じゃなくて炊飯器で炊いてOK。詳しいレシピを紹介します。

いずれの場合も、つぶしすぎると食感が悪くなるので、粗めにつぶすのがポイントですよ

いずれの場合も、つぶしすぎると食感が悪くなるので、粗めにつぶすのがポイントですよ

[もち米]を使ったレシピ

《もち米の特徴》
粘り気のある性質を持つでんぷん「アミロペクチン」100%でできているお米。うるち米に比べると冷めても硬くなりにくく、美味しさが長持ちしやすいというメリットがあります。

材料
もち米……1合(180g)
水…………適量(浸水用)
水…………180ml(炊飯用)
塩…………少量

道具
ざる、炊飯器、耐熱ボウル、すりこぎ

作り方
[1]もち米をざるに入れてとぐ。
[2]といだもち米と米全体が浸るくらいたっぷりの水をボウルに入れ、1時間置く。
[3]([2])をざるにあけて水を捨て、炊飯器の内釜に米をうつして分量の水を入れる。
[4]([3])を炊飯器にセットして炊く。
[5]炊き上がったらもち米をボウルに移し、塩を加えて混ぜる。
[6]熱いうちに、水(分量外)をつけたすりこぎでもち米をつぶす。

※もち米はそのままで十分もちもちとした食感をしているので、そのままで良い場合は[5]で完成。さらにもっちりさせたい場合は、好みで[6]のようにつぶす。

[うるち米(白米)]を使ったレシピ

《うるち米の特徴》
普段「白米」としてよく食べられているお米のことです。うるち米に含まれるアミロペクチンは65~85%で、もち米とはでんぷん質の違いで区別されます。時間がたつと冷めて硬くなる性質があります。

材料
うるち米…1合(180g)
水…………200ml(炊飯用)

道具
米とぎ用のざる、炊飯器、耐熱ボウル、しゃもじ、すりこぎ

作り方
[1]うるち米をざるに入れてとぐ。
[2]といだうるち米と水を炊飯器の内釜に入れて30分置く。
[3]([2])を炊飯器にセットして炊く。
[4]炊き上がったうるち米をボウルに移し、すりこぎでつぶす。

※もし粘りが足りないと感じたら、すりこぎでつぶす際に下記の材料をごはんに満遍なく回しかける。
片栗粉……大さじ1
水…………大さじ3(水溶き片栗粉用)

[玄米]を使ったレシピ

《玄米の特徴》
稲の実からもみ殻だけを取り除いた状態の、ぬかや胚芽が残ったお米です。ビタミンB群、カルシウムやマグネシウムなどのミネラル、食物繊維、タンパク質などが多く含まれています。ただし、もち米やうるち米よりも、浸水や炊飯に時間がかかります。

材料
玄米………1合(180g)
水…………300ml(炊飯用)

道具
米とぎ用のざる、炊飯器、耐熱ボウル、しゃもじ、すりこぎ

作り方
[1]玄米をざるに入れてとぐ。
[2]といだ玄米と水を炊飯器の内釜に入れ、冷蔵庫で一晩置く。
[3]([2])を炊飯器にセットし、玄米専用コースで炊く。
[4]炊き上がった玄米をボウルに移し、すりこぎでつぶす。

※もし粘りが足りないと感じたら、すりこぎでつぶす際に下記の材料をごはんに満遍なく回しかける。
片栗粉……大さじ1
水…………大さじ2(水溶き片栗粉用)

水加減について

おはぎはもち米、うるち米(白米)、玄米のどれを使っても作ることができますが、注意が必要なのは水加減。もち米は水を少なめに、玄米は水を多めにして炊くのがコツです。

1合あたりの水の量は、以下を参考にしてみてくださいね。いずれも浸水させた米を炊く時に必要な水の量です。炊飯用の水を入れる前に、米を浸水させるのをお忘れなく!

●もち米1合……水180ml(炊飯用)
●うるち米1合……水200ml(炊飯用)
●玄米1合……水300ml(炊飯用)

あんこの作り方

甘さや固さを調節しながら、自分好みの味に仕上げてみましょう。基本レシピとして紹介するのはつぶあんですが、意外と手間がかかるこしあんを、つぶあんを使って簡単に作るレシピも掲載。あんこの固さの調節方法も紹介するので、お見逃しなく。

できるだけ簡単なあんこの作り方を紹介します

できるだけ簡単なあんこの作り方を紹介します

あんこの基本レシピ

材料(つぶあん約800g分)
あずき………250g
砂糖…………250g
水……………適量

道具
深めの鍋、ざる、木べら、バット

作り方
[1]水洗いしたあずきは、たっぷりの水と一緒に鍋に入れ一晩置く。
[2]([1])を火にかけ、軽く沸騰させる。
[3]火傷に気をつけながら、鍋の中身をざるにあける。ゆで汁は全てこぼしてOK。
[4]ざるからあげたあずきは、たっぷりの新しい水とともに鍋に戻す。鍋はふたをして火にかける。沸騰したら弱火にし、そのまま60分ほど煮る。
[5]似ている最中に、水かさが減ってあずきの頭が出るようなら、火加減はそのままに減った分の水を鍋に加える。
[6]指でつぶせるくらいあずきが柔らかくなったら、砂糖を加える。
[7]([6])を木べらで混ぜながらゆっくりと煮る。
[8]水分がなくなり、引き上げた木べらからぽてっとあずきの塊が落ちるくらいの粘度になったら完成。
[9]バットに広げて冷まし、容器に入れるか、50〜100gずつラップに包んで保存する。

※冷蔵庫保存なら5日以内、冷凍庫保存なら1カ月以内に食べるようにする。

あんこの固さ調節方法

鍋で練り直す方法もありますが、今回は電子レンジを使った簡単な方法を紹介します。

ごはんを包むので、おはぎのあんこはあまりゆるくない方がいいですね

ごはんを包むので、おはぎのあんこはあまりゆるくない方がいいですね

材料
つぶあん/こしあん……好きな量

道具
耐熱皿、電子レンジ、キッチンペーパー

調節方法
[1]あんこを耐熱皿に入れる。
[2]あんこが飛び散らないよう([1])にキッチンペーパーをかけ、1分ずつ様子を見ながら電子レンジで加熱し、好みの固さに仕上げる。

こしあんの簡単レシピ

本来は、作るのにかなり手間と時間がかかるこしあん。今回はつぶあんとミキサーを使った、簡単で手軽な作り方をご紹介します。

なめらかな舌触りが特徴のこしあん

なめらかな舌触りが特徴のこしあん

材料
つぶあん………800g(前述のレシピ参照)
水………………適量

道具
耐熱皿、ミキサー、電子レンジ、キッチンペーパー

作り方
[1]つぶあんをミキサーにかける。(必要に応じて水を足す)
[2]([1])は耐熱皿にうつしキッチンペーパーをかけ、好みの固さになるまで電子レンジで加熱する。
[3]バットに広げて冷まし、容器に入れるか、50〜100gずつラップに包んで保存する。

※冷蔵庫保存なら5日以内、冷凍庫保存なら1カ月以内に食べるようにする。

余ったあんこで作る! 簡単スイーツ

おはぎ用に作ったあんこが余ってしまった…。そんなときには、次に紹介するレシピで、おいしく食べ切りましょう。

冷凍保存したあんこを使うときは、冷蔵庫で自然解凍するのがおすすめです

冷凍保存したあんこを使うときは、冷蔵庫で自然解凍するのがおすすめです

あんこドリンク

ミルクシェイク

材料(一人分)
つぶあん…………大さじ2
牛乳………………大さじ2
バニラアイス……100g(市販)

道具
ミキサー、グラス

作り方
[1]ミキサーに材料を全て入れ、スイッチを押して混ぜる。
[2]グラスにそそぐ。

※そそいでから表面に抹茶の粉を振るのも、彩りが良くなるのでおすすめ。

あんこラテ

材料(一人分)
つぶあん…………大さじ1
コーヒー…………100ml
牛乳………………50ml

道具
電子レンジ、ミキサー、カップ、スプーン

作り方
[1]電子レンジで温めた牛乳を、ミキサーにかける。
[2]カップにコーヒーとあんこを入れてスプーンで混ぜ、上から泡立った([1])をそそぐ。

あんこのカップスイーツ

あんこの豆乳プリン

材料(100mlの容器×5個分)
つぶあん…………200g
豆乳………………250ml
粉ゼラチン………5g
冷水………………大さじ2

道具
ボウル、ゴムべら、電子レンジ、カップ

作り方
[1]粉ゼラチンは水に振り入れ、10分置いてふやかす。
[2]あんこはボウルに入れ、豆乳を少しずつ加えながらへらで溶く。
[3]([1])はふんわりとラップをかけ、電子レンジ600Wで10秒加熱する。
[4]([3])を([2])に加え、だまにならないよう手早く混ぜる。
[5]カップに流し入れ、冷蔵庫で2時間以上冷やし固める。

ぜんざい

材料(一人分)
つぶあん…………100g
水…………………適量
切り餅……………適量

道具
深めの小鍋、木べら、カップ

作り方
[1]鍋にあんこと水を入れて、木べらで混ぜる。
[2]([1])をカップにそそぎ、焼いた切り餅を入れる。

※鍋で混ぜているときにあんこがかたい場合は水を加える。逆にあんこがゆるい場合は、水分を飛ばすよう鍋を長めに火にかける。

香ばしいあんこスイーツ

あんことほうじ茶のスコーン

材料(4cm角のもの×6.5個分)
つぶあん…………………100g
ごま油……………………大さじ3
★薄力粉…………………120g
★ベーキングパウダー…小さじ1
★塩………………………少々
★茶葉……………………大さじ1
(ティーバッグの場合は2個)

道具
ボウル、へら、オーブン、オーブンシート

作り方
[1]オーブンは200度に予熱し、天板にオーブンシートを敷く。
[2]ボウルに★印の材料を全て入れ、かき混ぜる。
[3]([2])の中央にあんことごま油を入れ、へらで切るように混ぜながら粉となじませる。
[4]生地がまとまってきたら半分に切り、重ねて上から押す。これを10回ほど繰り返す。
[5]ひとまとめにした生地は6等分にし、余った0.1個分はまとめて丸める。
[6]天板に間隔をあけて並べ、予熱しておいた200度のオーブンで10分焼き、さらに180度で5〜8分焼く。
[7]焼けたら取り出し、冷まして完成。

あんバタートースト

材料(一人分)
つぶあん…………適量
食パン……………1枚(4枚切り)
バター……………適量

道具
トースター、バターナイフ

作り方
[1]食パンを縦4等分にし、トースターで焼く。
[2]([1])にバターを塗り、好きなだけあんこをのせる。

おはぎ作りで食欲の秋を楽しもう

炊飯器を使ったおはぎの作り方や、あんこを活用したスイーツレシピを紹介してきました。

2024年秋のお彼岸は、9月19日(金)~9月25日(水)までの7日間。

お米も収穫の時期を迎えるこの時期、ぜひみなさんもおはぎ作りにチャレンジしてみてくださいね。

Text:Sakura Takahashi
Photo:PIXTA

参考文献:
『新版 米の事典−稲作からゲノムまで−』石谷孝佑(幸書房/2002年)
『和のスイーツ(こころがつながるおいしいスイーツ 各巻CD-ROMつき 全5巻④)』萩田尚子(学研教育出版/2013年)
『小さなパティシエのためのお菓子Book 3巻 和のおやつレシピ』松本美佐(教育画劇/2014年)
『和&洋素材とあんこのおいしい組み合わせ あんこのおやつ』森崎繭香(誠文堂新光社/2015年)

参考:
井村屋公益社団法人 米穀安定供給確保支援機構全農パールライス株式会社