宮崎県の北部に位置する日向市。その見どころは、太平洋に面した「日豊海岸国定公園」の南端に位置する日向岬です。約1,500万年前の火山活動によって生み出された日向岬の自然は、独特の景観と魅力ある数々の施設で観光客の人気を集めています。
今回は、日向岬の特徴ともいえる「柱状節理」について紹介するとともに、「願いが叶うクルスの海」「馬ケ背」「細島灯台」「伊勢ケ浜海水浴場」の各スポットの魅力情報をお伝えしていきます。
日向岬について
日向岬
大分県中部から宮崎県北部まで約120kmに渡って延びる「日豊海岸国定公園」は、入り組んだ海岸線と断崖絶壁、大小さまざまな島で構成される変化に富んだ自然公園です。中でも注目は、公園の南端に位置する「日向岬」。リアス式海岸ならではの複雑な地形に加え「柱状節理」と呼ばれる奇岩が独特の景観を生み出しており、行楽シーズンには多くの観光客で賑わいます。
日向岬の主な見どころは、「クルスの海」「馬ケ背」「細島灯台」「伊勢ケ浜海水浴場」「日向岬グリーンパーク」など。各スポットを結ぶ車道には自動車CMにも使われたヘアピンカーブが続いており、太平洋の絶景を眺めながらサイクリングを楽しむのにもぴったりです。
1500万年前に形成された自然の産物
日向岬 柱状節理
火山性の岩石が蜂の巣状に割れ、柱のようになった「柱状節理」。ここ日向岬の柱状節理は、今から約1,500万年前の火山活動によって形成されたものです。現在の日向岬沖にはかつて火山がありました。そこから噴き出した火砕流が溶けて固まり、冷える過程で柱状の亀裂が入り、それが海岸に浸食されることで今日の日向岬が形作られました。
なお日向岬のようにはっきりとした柱状節理が局所的に見られるケースは珍しく、2018年の2月には国の天然記念物に指定されています。
日向岬の断崖絶壁は約70mの高さで、柱状節理の高さとしては日本一とも言われます。断崖の上から見下ろす風景は迫力満点で、福井県の「東尋坊」にも劣らないスケールです。
日向岬の見どころをご紹介!
日向岬のおすすめ観光スポットを四つご紹介します。
日向岬の見どころ① 願いが叶うクルスの海
クルスの海
日向岬の中でも、特に人気を集めるスポットが「願いが叶うクルスの海」です。クルスとはポルトガル語で「十字」の意味。長年の波の浸食で海面の岩場が削られた結果、上から見下ろすと岩が十字状に割れているように見え、そこに海水が流れ込んでいることから「クルスの海」と名付けられました。
また十字状に割れた岩の横には小さな岩場があります。十字の海と小さな岩を合わせると「叶」という漢字のように見え、これが「願いが叶う」と言われるようになった由来です。
願いが叶うクルスの鐘
クルスの海を見下ろす展望所には、訪れた人の願いや希望が叶うようにとの想いを込めて「願いが叶うクルスの鐘」が設置されています。大切な願い事を胸に、ぜひ鐘を鳴らしてみてはいかがでしょうか?
日向岬の見どころ② 馬ヶ背
馬ヶ背日向岬の中で、太平洋に向かって最も突き出した場所にあるのが「馬ケ背」です。馬ケ背という名前は、周囲の岩肌が褐色の馬のような色をしていること、そして海から見ると岩肌が盛り上がった馬の背中のように見えることに由来しています。
馬ケ背の最大の見どころは、高さ70m、幅10m、奥行き200mの断崖絶壁です。柱状節理の断崖を見下ろせる「馬ケ背展望所」へは駐車場から徒歩10分程度で、周囲には「馬ケ背遊歩道」もあり、ゆっくりと散策を楽しめます。
また馬ケ背展望所から先に進むと、太平洋の水平線を一望できる「日向岬展望台」があります。展望台への通路はまるで海の上を歩いているかのような絶景ですが、馬の背中のように道幅が狭いため、十分注意して歩きましょう。
日向岬の見どころ③ 細島灯台
細島灯台
馬ケ背の手前にある展望公園には白亜色の「細島灯台」が。灯台自体の高さは11mとこじんまりしていますが、海面からの灯りの高さは約101mもあります。初点灯は1910年で、これまで100年以上に渡り日向灘を航行する船を見守り続けてきました。ちなみに建設当初は赤レンガ造りの灯台でしたが、1941年に現在のコンクリート造りに建て替えられたそう。
灯台内部は残念ながら見学できませんが、灯台の周囲には南国的な景色を楽しめる遊歩道が整備されています。馬ケ背展望台や日向岬展望台に向かう散策コースの起点にもなっているので、絶景を眺めながらのんびりと散策したり、家族やカップルでピクニックを楽しむのもおすすめですよ。
日向岬の見どころ④ 伊勢ケ浜海水浴場
伊勢ケ浜海水浴場日向岬の根元部分にあるのが、宮崎県屈指の透明度を誇る「伊勢ケ浜海水浴場」です。高い水質に加え2つの岬に囲まれた絶景も楽しめることから、環境省から「快水浴場百選」「白砂青松百選」に選ばれています。駐車場を完備しているほか、休憩室・更衣室・シャワー・トイレなどが整ったビーチハウスもあるため、気軽に利用できるのも魅力です。
砂浜は幅300mほどの広さがあり、しかも遠浅なので家族連れでも安心して楽しめます。一方で、左右を岩場に囲まれた地形が時より高い波を引き寄せるため、サーフィンやボディーボードにも最適。家族連れやカップルからサーファーまで、一年を通して楽しめるのが伊勢ケ浜海水浴場の魅力といえるでしょう。
日向岬へのアクセス
最寄駅:御鉾ヶ浦公園(バス停)
宮崎駅からのアクセス
【宮崎駅】ー JR日豊本線 / 延岡方面
→【延岡駅】ー 路線バス・宮交バス / 宮ノ上行き
→【御鉾ヶ浦公園バス停】→ 徒歩
宮崎空港からのアクセス
【宮崎空港駅】ー JR宮崎空港線 / 延岡方面
→【延岡駅】ー 路線バス・宮交バス / 宮ノ上行き
→【御鉾ヶ浦公園バス停】→ 徒歩
日向岬観光にはレンタサイクルが便利
日向岬の観光にはレンタサイクルがおすすめ。
馬ヶ背やクルスの海を回る「日向岬周遊バス」もありますが、本数は1時間に1本弱(1日7本)しか運行しないため、すべてのスポットを自分たちのペースで見て回るには向いていません。また徒歩の場合は馬ヶ背からクルスの海まで約30分程度かかり、快適に、かつスムーズに移動するには自転車があると便利でしょう。
岬の道には多少のアップダウンもありますが、潮風を受けながらのサイクリングはとても爽快ですよ。レンタサイクルは、日向駅近くの観光協会で貸してもらえます。
・貸し出し場所:日向市観光協会(日向駅すぐ)
・貸し出し時間:9:00〜17:30(日をまたぐ利用は不可)
・料金:3時間未満 / 300円
3時間以上 / 600円