- 【群馬県】「積善館のトンネル」を通って、さあ千と千尋の神隠しの世界へ
- 【群馬県】「積善館」千尋が辿り着いたのは真っ赤な橋
- 【東京都】「子宝湯」旅館の目の前に突如現れるハク
- 【愛媛県】「道後温泉本館」赤い橋の奥に佇む立派な旅館
- 【山形県】「銀山温泉」刻々と夜が更け始める街
- 【東京都】「鍵屋」に戻ると豚になった両親の姿が!
- 【東京都】「有楽町駅のガード下」ポツポツとお店に灯りが灯る街路
- 【台湾・九份】「阿妹茶酒館」辺りは幽玄な世界に一変
- 【長野県】渋温泉「金具屋」煌びやかに輝く油屋
- 【東京都】「武居三省堂」釜爺がいるボイラー室に向かう千尋
- 【栃木県】「日光東照宮」リンに連れられ、いざ湯婆婆のいる場所油屋の最上階へ
- 【東京都】「ホテル雅叙園東京」油屋で懸命に働き始めた千尋
- 【東京都】「高橋是清邸」鳥の形をした紙に追いかけられ傷ついた龍
- 【愛媛県】「下灘駅」ハクを許してもらうため銭婆に会いに行くことを決意
- 【北海道】「然別湖の湖底線路」水中に伸びる線路を歩いて駅へ
- 【東京都】「海原電鉄」片道切符を手に沼の底駅を目指す千尋たち
- 【愛知県】「清州城」油屋に戻った千尋と湯婆の最終決戦
- おわりに
スタジオジブリの名作『千と千尋の神隠し』。「あの特徴的な町や油屋の舞台はどこ?」「トンネルや線路のモデルになった場所はどこ?」
ジブリファンなら一度は調べたことがあるのではないでしょうか。
『千と千尋の神隠し』は神々の世界へ迷い込んだ少女「千尋(ちひろ)」の成長と友愛を描く物語。不思議な世界観と魅力的なキャラクターたちは、日本のみならず世界中で愛されています。
この記事では映画のストーリー順に合わせてあらすじと共に、映画の舞台となった場所を紹介します。物語を思い出しながら、各シーンに沿ったモデル地を冒険しましょう。
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【群馬県】千と千尋の神隠しの世界と実世界を繋ぐトンネル「積善館のトンネル」
小学生の少女である萩野千尋は両親の仕事の都合により引っ越すことに。新しい家に向かう途中、道を間違え森の奥にあるトンネルにたどり着きます。
千と千尋の神隠しの世界へと導く浪漫トンネル
映画『千と千尋の神隠し』の冒頭で千尋の家族が通った、神々の世界と実世界を繋ぐトンネルのモデルではないかと噂の、四万温泉にある老舗温泉・積善館の「トンネル」。異世界に導く雰囲気を漂わせるこのトンネルは、「浪漫のトンネル」と呼ばれる積善館の館内通路です。
トンネルに入ることを渋る千尋
「桂松亭」「山荘」「本館」の3つの建物で構成される積善館には、それぞれの建物の行き来に使われるエレベーターがあり、エレベーターと本館を繋ぐのが「浪漫のトンネル」なのです。この異風なトンネルは『千と千尋の神隠し』の聖地巡礼に訪れた人々に大人気の写真スポット。「浪漫のトンネル」を通って、千と千尋の神隠しの世界にトリップしましょう。
【群馬県】油屋にそっくりな四万温泉「積善館」
トンネルを通った千尋たちは不思議できれいな街の雰囲気に目を奪われます。帰りたがる千尋を尻目に、店員もいないお店で美味しそうな食べ物を頬張り始める両親。仕方なしに1人で街を散策する千尋が辿り着いたのは真っ赤な橋でした。
ライトアップされた夜の「積善館」。積善館の前に架かるのは赤い橋
『千と千尋の神隠し』のモデルといわれる群馬県四万温泉の「積善館」。旅館の前に架けられている赤い橋は「慶雲橋(けいうんばし)」と呼ばれ、橋の下に流れる小川のせせらぎが心を癒してくれます。『千と千尋の神隠し』でも橋の下には大きくてきれいで真っ青な海が広がっていました。
赤い橋の先に佇む3階建の木造の本館や右手にある旧館上部の部屋はまるで千と千尋の神隠しに出てくる「油屋」や「女中部屋」にそっくり。日本最古の木造湯宿建築で、「四万の病に効く」とされる万能な温泉としても有名です。
夜になるとライトアップされて、昼の自然光とはまた違った幻想的でロマンチックな雰囲気に。宿泊や温泉以外にも『千と千尋の神隠し』の聖地巡りや積善館の歴史ツアーなどあらゆる過ごし方が楽しめそう。
【東京都】油屋のモデルの一つ「子宝湯(こだからゆ)」
赤い橋の下に広がる大きな海の美しさや海の上を走る電車を発見し興奮する千尋。そんな不思議な街に見惚れる千尋に声をかけたのが白い服を着た少年・ハクだったのです。
唐破風の屋根を持つ「子宝湯」
「子宝湯」は『千と千尋の神隠し』公式のモデルである「江戸東京たてもの園」の中にある建物の一つ。映画の油屋の設定である”商店街の一角にそびえ立つ銭湯“というコンセプトの参考になったとされています。
子宝湯は神社仏閣を思わせる唐破風(からはふ)や玄関上の七幅神(しちふくじん)の彫刻、脱衣所の折上格天井(おりあげごうてんじょう)など当時の銭湯にしてはとても贅沢な造り。子宝湯の建物自体は油屋のように大きいわけではないので、少々イメージは異なりますが、子宝湯の中央部の屋根と油屋の屋根の形が似ています。
油屋のモデル「子宝湯」にある脱衣所
またもう一つ注目すべきなのが、子宝湯にある脱衣所横のガラス戸と庭園風の庭。水を捨てに庭に出た千が、外に立っていたカオナシをお客さんだと思い込み、ガラス戸を開けたままにしたことで、カオナシがスーッと油屋に入り込んでしまうシーンを思い出します。
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【愛媛県】宮崎駿監督本人が認めた油屋のモデル「道後温泉本館」
1人散策中、赤い橋にたどり着いた千尋でしたが、その先には大きくて威風堂々たる建物がそびえ立っていました。建物の玄関正面には「油屋」という文字が書かれた看板が。
『千と千尋の神隠し』の公式モデル「道後温泉本館」
夏目漱石や正岡子規ら文人にも愛された「道後温泉」。実は宮崎駿監督本人も認めた、千と千尋の神隠しの湯屋の公式モデルでもあります。制作スタッフが道後温泉本館に滞在した際に、スケッチを行ったという記録も残っているそう。
道後温泉本館の玄関正面に現れるのは、中央部にある丸みを帯びた形が特徴的な屋根。実際に映画内の温泉宿「油屋」でも、道後温泉の屋根とそっくりな丸みを帯びた屋根が目に留まります。
四国・愛媛県にある道後温泉は、約3,000年の歴史を誇る日本三古湯の一つ。泉質はアルカリ性単純温泉で美容にも効果があり、女性にとっても一生に一度は行ってみたい魅力のある素敵な湯屋です。
【山形県】街並みの雰囲気が似ていると噂の「銀山温泉」
「ここへ来てはいけない!!すぐ戻れ!」というハクの言葉と同時に街に明かりがつき始めます。異常な速さで夜が更けていく街の異変に気が動転する千尋。
夕暮れになりガス灯に明かりが灯る「銀山温泉」
『千と千尋の神隠し』のモデルと噂の山形県にある「銀山温泉」は、大正ロマン漂うレトロな景観が人気な温泉地です。500年の歴史を持つ銀山温泉には、小川に架けられる赤い橋やレトロな木造の旅館が立ち並び、道沿いに建てられたガス灯に明かりが灯る様子などまさに映画さながらの雰囲気に。
銀山温泉の泉質は疲労回復や健康増進、病後回復などに効果的。紅葉や雪景色など、自然と調和した幻想的な雰囲気が作り出される銀山温泉は、四季折々でさまざまな景色を楽しむことができます。
【東京都】千尋の両親が豚に変貌する場所「鍵屋」
ハクの忠告により街の異変を感じた千尋は父母がいるお店に戻ります。しかし、そこには両親の姿はなく、服を着た2匹の豚が…。両親の面影はなく、食べ物を食いあさる豚に変貌した父母の姿を目の当たりにするのでした。
千尋の両親が豚になるお店のモデルとされる「鍵屋」
元々幕末から営業していた居酒屋で、1970年に「江戸東京たてもの園」へ移築された「鍵屋」。『千と千尋の神隠し』の冒頭、千尋の両親が豚に変貌してしまうシーンのお店のモデルにされたといわれています。カウンターに並ぶ椅子の雰囲気や木造の古き風情がまさに映画のワンシーン。
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【東京都】千尋が迷い込んだ不思議な街の風景「有楽町駅のガード下」
豚の姿に変わってしまった父母の様子に困惑した千尋はトンネルを目指して元来た道に戻ろうとします。誰一人いなかった昼とは一変して、オバケのような黒い影が出没し、神様が集まり始める街。
油屋の温泉街のモデルとなった「有楽町駅のガード下」
『千と千尋の神隠し』の美術監督を務めた武重洋二さんが参考モデルにしたと認める「有楽町駅のガード下」。映画中の神様の世界に広がる街並みは不思議な飲食店街として描かれており、有楽町のガード下の雑多な感じや歓楽街の雰囲気が表れています。
【台湾・九份】幽玄な雰囲気を醸し出す「阿妹茶酒館(あめおちゃ)」
辺りは完全に夜になり、提灯の灯りで賑わう街。トンネルを目指す千尋でしたが、小川があった場所は辺り一面海に変貌していました。町中に溢れるお化けたちや自身の体が透明になり始める様子に恐怖で混乱する千尋。
赤提灯が魅せる独特な雰囲気を醸し出す九份「阿妹茶酒館」
台湾・九份を代表するお茶屋の「阿妹茶酒館」。瓦屋根に連なる赤提灯が魅せる独特な雰囲気が『千と千尋の神隠し』の油屋にそっくりと好評になったことで、ジブリファンが押し寄せる大人気のお店です。美味しい台湾茶を味わいながら、ほっこりとした時間とともに『千と千尋の神隠し』の世界観を堪能できます。
不思議な街から一目散に逃げる千尋
光に包まれて幽玄な雰囲気を醸し出す夜の街の風景がとても似ており、『千と千尋の神隠し』のモデルではないかと噂の九份。実は宮崎駿監督が「海外の特定の町はモデルにしていない」と断言しています。『千と千尋の神隠し』の舞台はそもそも日本のよう。
【長野県】油屋のように煌びやかに輝く渋温泉「金具屋」
唯一の味方であるハクに連れられ「油屋」に戻ってきた千尋。昼に見た立派な建物、実は神様たちが疲れを癒しにやってくる旅館だったのです。昼とはまた違った、煌びやかで幽玄な雰囲気を纏う夜の「油屋」。
煌びやかな外観の「金具屋」
長野県渋温泉にある老舗旅館「金具屋」。夜の金色に輝く煌びやかな外観が油屋にとても似ているため、『千と千尋の神隠し』作製の際にモデルになったのではないかと噂されました。
神々しく金色に輝く夜の「油屋」
金具屋の建物の一つである「木造四階建 斉月楼」と「金具屋大広間」は国の登録有形文化財に認定されており、歴史を感じられる風格が魅力的。渋温泉「金具屋」には3つの大浴場と5つの貸切風呂の計8ヶ所のお風呂があります。金具屋には4つの源泉から沸いた温泉を使用しており、大浴場はすべて泉質が異なるため、それぞれの違いを比べてみるのも楽しそう。
【東京都】釜爺とススワタリのいるボイラー室の薬草棚「武居三省堂(たけいさんしょうどう)」
ここで生きていくためには湯婆婆のもとで働かなければならないというハクの助言を受け、釜爺のいるボイラー室を目指す千尋。そこには6本腕を持つ蜘蛛の姿をした釜爺と小さくて真っ黒な働き者のススワタリが。
金平糖を食べるススワタリ
「江戸東京たてもの園」の中でも1,2位を争うほどの人気スポット「武居三省堂」。天井から床まで壁を埋め尽くすたくさんの引き出しが、『千と千尋の神隠し』の登場人物・釜爺がいるボイラー室の薬草棚のモデルといわれています。
釜爺のボイラー室のモデル「武居三省堂」
明治初期に創業した文具店で、当初は書道用品の卸を営んでいました。店内は当時の様子が再現され、四方八方にずらりと並んでいる筆や墨。ちなみに三省堂の棚には約350も桐箱が設置されており、個々の箱には薬草ではなく、筆が種類ごとに収められています。
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【栃木県】油屋の最上階、湯婆婆のいる場所のモデル「日光東照宮」
仕事で手一杯だった釜爺はちょうどススワタリにエサをあげに来たリンに案内を頼みます。リンに連れられ、エレベーターで湯婆婆のいる油屋の最上階へ。ハクに言われたように、千尋は湯婆婆に「ここで働かせてください!」と懇願するのでした。
豪華な装飾を持つ「日光東照宮」
『千と千尋の神隠し』の銭湯最上階、湯婆婆がいる部屋のモデルとされているのが世界遺産の一つである栃木県日光市の「日光東照宮」。特に陽明門や五重塔や廻廊などの豪華な装飾を参考にしたようです。日光東照宮の装飾から感じられる厳格な風格が、どこか湯婆婆のイメージを表しているようにも思えます。
【東京都】まるで油屋の世界「ホテル雅叙園東京」
「千」という名をもらい、油屋で忙しく働き始める千尋。オクサレ様の接客でお礼に苦団子をもらいます。その夜、砂金をばら撒いて大量の食事を運ばせるカオナシにより宴会場は大繁盛。
油屋の豪華な宴会場のモデル「ホテル雅叙園東京」
『千と千尋の神隠し』の湯屋「油屋」内部のモデルとなったと実際に宮崎駿監督が供述している「ホテル雅叙園東京」。有形文化財である百段階段は99段ある木造の階段で、映画の中でも似たような階段シーンが多く出てきます。油屋の豪華な宴会場のモデルともされるホテル雅叙園の広場には今にもカオナシが現れそう。
元々は「目黒雅叙園」という名前でしたが、2017年に「ホテル雅叙園東京」に施設名称を変更。宿泊施設以外にも、ビジネスからパーティー、結婚式まであらゆるシーンで使用することができる宴会場やいくつものレストランが集まっているため、さまざまな目的で利用できます。
【東京都】女中の宿泊場所「高橋是清邸」
他の従業員がカオナシのばら撒く砂金を取りに行く中、1人女中部屋に残る千尋。その時、海の中を白い鳥の形をした式神に追いかけられる龍の姿を見つけます。ハクだと感づいた千尋が呼び込むと、部屋に飛び込む龍。
女中部屋のモデル「高橋是清邸」
「高橋是清邸」は映画『千と千尋の神隠し』の公式モデル「江戸東京たてもの園」にある建物です。「高橋是清邸」の窓のデザインを見て思い出すのが、白い鳥の形をした紙が龍を追いかけ、千尋のいる女中部屋の窓へ飛び込んでくるシーン。女中部屋の窓のデザインは「高橋是清邸」がモデルではないかと言われています。
「高橋是清邸」は明治から昭和の初めにかけて日本の政治を担った高橋是清の住まいの主屋部分。1936年に勃発した、陸軍若手将校が起こしたクーデター、二・二六事件の現場となったところでもあります。
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【愛媛県】海に続く線路が存在する「下灘駅」
湯婆婆の部屋に行くハクを追った千尋はハクが銭婆のハンコを盗んだことを知ります。隙をついてボイラー室へと逃れたハクと千尋。苦団子により吐き出したハンコを銭婆に返しに行くことを決意します。
近くに「海に続く線路」が存在する「下灘駅」
目の前を走る国道が整備されるまでは日本で最も海に近かった愛媛県にある無人駅「下灘駅」。駅から歩いて15分、約1.5km離れた場所に『千と千尋の神隠し』に出てくる「海に続く線路」に似たスポットがあります。
海の中にある線路上を辿るカオナシ
浜辺から海へと続き、沈んで見えるとても不思議な愛媛の線路。「引き上げ船台」というもので、造船所に続いており、点検修理をする船を海から揚げるために使う線路だそう。インスタ映えスポットとして多くの人が訪れています。
【北海道】「然別湖の湖底線路」水中に伸びる線路を歩いて駅へ
劇中では、大雨が降ったことにより、鉄道が走っていたあたり一面が海のような水たまりへと変わってしまっていました。駅に行く道中、千尋やカオナシはその水に沈んでしまった線路の上を歩いて行くことになります。
千尋やカオナシが歩いていそうな「然別湖の湖底線路」
そんな水の中の線路を歩いているシーンを思い起こす場所として、SNSを中心に近年人気なのが、北海道・十勝地方にある「然別湖」。
湖の南側に線路が沈んでいるスポットがあり、水の透明度が高いこともあって、湖底に敷かれた線路がよく見えます。実はこの線路は、冬になる前、凍結する湖から遊覧船を引き上げるための線路だそうです。
【東京都】千尋たちが銭婆に会うために乗った電車「海原電鉄」
ハンコを盗んだハクを許してもらうため銭婆に会うことを決意した千尋。カオナシとネズミ姿の坊とハエドリと共に長年行きっぱなしで戻ることのない電車に乗ります。釜爺からもらった片道切符を手に、銭婆の住む沼の駅を目指すのでした。
車内の内装が「海原電鉄」にとてもそっくりな「都電7,500形」
渋谷駅と新橋駅の間を走っていた都電7,500形で、今は「江戸東京たてもの園」に展示されている「都電7,500形」。『千と千尋の神隠し』の中ではハクを許してもらうため、銭婆に会いに「海原電鉄」に乗ります。
「都電7,500形」は青色のシートで海原電鉄は赤色のシートなので少し違うのですが、車内から溢れる雰囲気がそっくり。見えないけれど、黒く透き通ったお化けが座ってそうです。
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【愛知県】不思議な街と油屋の架け橋が瓜二つな「清州城(きよすじょう)」
銭婆からお守りとして髪留めをもらった千尋は龍の姿で現れたハクの背中に乗り、油屋へ向かいます。帰途で昔に出会ったことやハクの本当の名前を思い出す2人。戻った千尋に湯婆婆は、問題に正解すれば元の世界に帰すという条件付きで宣戦布告します。千尋は、目の前の豚の中から両親を見つけるという難問を見事正解するのでした。
真っ赤な橋と大手橋がとても似ていると話題の「清洲城」
織田信長が住んでいたとされる愛知県に位置する「清州城」。五条川に架かる朱塗りの大手橋が『千と千尋の神隠し』の赤い橋に似ていると話題に。黒色の城と真っ赤な橋のコントラストがとても映えます。
決戦に勝ち、現実の世界に帰れることになった千尋
また大手橋からみる清州城の眺めが、並べられた豚の中から父母を当てるという映画終盤のあのワンシーン。油屋のみんなが湯婆婆と千尋の最終決戦を見守る様子が目に浮かびます。
おわりに:『千と千尋の神隠し』冒険の旅へ
ハクと再会を約束した千尋は、トンネルの前で何も覚えていない両親と再開します。トンネルを通って何事もなかったかのように実世界に戻ってくる千尋でしたが、髪には銭婆がくれた髪留めが。こうして『千と千尋の神隠し』は幕を閉じます。
神々の世界に行った唯一の思い出として残る千尋の髪飾り
映画のシーンを思い返しながら、『千と千尋の神隠し』のモデルとなった場所を紹介しました。ストーリー順に並べてみると、ワンシーンごとにモデル地があるという新たな発見が。
『千と千尋の神隠し』のモデルと噂の旅館は、今回紹介したモデル地以外にも、岡山県・湯原温泉「元禄旅籠(げんろくはたご) 油屋」や栃木県・鬼怒川温泉「あさやホテル」、神奈川県・鶴巻温泉「元湯陣屋」などがあります。どの旅館も千と千尋の神隠しの「油屋」のように和を感じさせる風格のあるものばかり。
『千と千尋の神隠し』の興行収入は300億円越えで、アニメ映画『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』に次ぐ第2位。ファンの聖地巡礼により、数十億円レベルでの経済効果をもたらすといわれています。
宮崎駿監督の不朽の名作『千と千尋の神隠し』。この機会にぜひ、あなたも神々の世界へ迷い込んでみませんか。