宮崎県北部、神話と伝説が息づく高千穂町。町内には由緒ある高千穂神社をはじめ、高千穂峡にある日本の滝百選・真名井の滝など見どころが多く、九州山地の真ん中にありながら毎年多くの観光客が訪れる九州屈指の観光地です。
そんな高千穂の大自然を2つのアトラクションから体感できるのが「高千穂あまてらす鉄道」。
廃線になった鉄道を現代に生かすべく人力の木製トロッコから歴史が始まった高千穂あまてらす鉄道は、地元の人や観光客の評判が広まり現在は高千穂町を代表する有名な観光スポットになりました。
2022年のGW(ゴールデンウィーク)期間には高千穂あまてらす鉄道に訪れる来場者数が過去最多を記録し、盛り上がりを見せています。
この記事では、高千穂あまてらす鉄道の基本情報や見どころを紹介していきます。
(記事更新日:2023年2月13日)
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高千穂あまてらす鉄道について
高千穂あまてらす鉄道では、オリジナルのカートで雄大な自然を感じながら往復約5kmを走リます。2005年の激しい台風で修復不可能となり、やむなく廃線になった旧高千穂鉄道の終点、高千穂駅から高千穂鉄橋まで、実際に鉄道が走っていた線路を使用します。
廃線を惜しむ声が強く、「自分たちの鉄道を残したい」と鉄道再興に立ち上がったのは地元有志たち。2008年に団体を設立し、高千穂町の誇る景観を武器に唯一無二のアトラクションに作り変え、復活させたオリジナルの鉄道です。
当初は旧高千穂駅構内の線路で手押しトロッコで遊ぶ程度のアトラクションでしたが、もっと線路を使えるよう鉄道跡を管理する町と協議を重ね、2010年に現在のような形で運行を開始し、徐々に走行距離を伸ばしながら高千穂随一の景観を楽しめるアトラクションになったのです。
鉄道ファンの憧れだった鉄道
1935年に国鉄として産声をあげた旧高千穂鉄道は、太平洋に面する宮崎県延岡市から五ヶ瀬川の渓谷を遡って、山の中の高千穂町まで走った約50kmのローカル鉄道。1989年第三セクターへと移行した後も変わらず地元の人の足としてその生活を支え、観光客を町まで運びました。
その車窓からはダイナミックな景観を楽しめ、鉄道ファンにも人気のあった鉄道。町内では延岡~高千穂区間を巡る「トロッコ神楽号」は観光名所のひとつでした。
高千穂あまてらす鉄道の基本情報 ー営業時間・料金など
高千穂あまてらす鉄道の基本情報(営業時間や料金など)をまとめています。訪れる前に確認しておきましょう。
【高千穂あまてらす鉄道 基本情報】
運行時刻
9時40分~15時40分 1日10便(臨時便※を除く)
受付時間
9時25分~15時25分
TEL
0982-72-3216
定休日
毎月第3木曜日はメンテナンスのため休園
(ゴールデンウィーク、夏休みは通常運行)
※祝日の場合は別日に振替え
※雨天の場合は、定休日以外でも休業の場合あり。
入場料
100円
公式サイト
あまてらす鉄道公式ホームページ
※2023年2月時点の情報です。
体験可能なアトラクションは2つ!
高千穂あまてらす鉄道で乗車体験ができるアトラクションは、30人乗りでオープンカートロッコ「グランド・スーパーカート」と旧高千穂鉄道時代に実際に使用していたディーゼルカー「TR-202」の2つです。
それぞれの概要をご紹介していきます。
グランド・スーパーカート
当時の高千穂最高地点(105m)の鉄橋に連れて行ってくれるのは、こちらのグランド・スーパーカート。この車両は2017年3月に運行を開始した最大60人乗りの動力車で、高千穂あまてらす鉄道のオリジナルカートです。
グランド・スーパーカート
客車の床の中心部には透明なガラスが敷かれており、流れていく線路の様子や鉄橋直下の眺めを楽しむことができます。
【グランド・スーパーカートの基本情報】
定員
60名(2両編成)
所要時間
約30分(往復)
乗車料金
高千穂駅⇔高千穂鉄橋
大人 1,500円(1,800円)
子供 900円(1,100円)
未就学 500円(600円)
※カッコ内は2023年4月からの改定料金
高千穂鉄道 TR-202
現役当時のまま残された高千穂鉄道 TR-202
旧高千穂鉄道時代に実際に市民の足として使用されていたTR-202も実際に運転することが可能です!
元高千穂鉄道運転士の指導のもとに運転することができるので、初めての方でも安心です。全国でも実際に電車を運転できる場所は少ないため、貴重な体験や思い出をつくるべく、たくさんの方が訪れているそうですよ。
【TR-202の基本情報】
開催日時
定期開催(2ヶ月に1回ほど)
臨時開催(申し込みにより開催)
乗車料金
10,000円/人(定期開催)
15,000円/人(臨時開催)
※2023年4月からの改定料金
12,000円/人(定期開催)
18,000円/人(臨時開催)
所要時間
30分/人(定期開催時)
40〜60分/人(臨時開催時)
参加可能人数
1日10名程度
参加条件
普通自動車免許又は自動二輪免許(原付含)をお持ちの20歳以上の方
持ち物
印鑑(認印可)・運転免許証
グランド・スーパーカートの時刻表
グランド・スーパカートの時刻表をご紹介します。1日10本運行しており、席が空いていれば自由に乗車時間を設定することが可能です!事前に時刻表を確認して、ご自身の予定に合わせて乗車しましょう。
グランド・スーパーカートの時刻表 参考:高千穂あまてらす鉄道公式サイト
混雑状況
近年、高千穂あまてらす鉄道の人気が高まっています。地元新聞紙によると、2022年のGW(ゴールデンウィーク)期間には過去最多の5000人以上が訪れたそうです。
また、大型連休や観光シーズンに入ると、多くの観光客が訪れるそうです。そのため、混雑が予想されます。確実にグランド・スーパーカートに乗車したい方はできる限り早めに乗車券を購入することをおすすめします。
予約することは可能?ー予約はできません。
「混雑するなら、予約をすればいいんじゃないの?」
そう思われるかも知れません。しかし公式サイトによると、グランド・スーパーカートの乗車券購入の事前予約は承っていないそうです。
混雑が予想される日は、朝早めに行って窓口で購入をするのがオススメです。
反対に、もうひとつのアトラクションである高千穂鉄道TR-202の運転体験は個別に予約可能です。
ご興味がある方は以下の申込みフォームからお問い合わせください。
【TR-202の運転体験予約はこちら】
申し込みフォーム
高千穂あまてらす鉄道の見どころを3つ紹介
高千穂あまてらす鉄道のその知名度は広がりつつあります。それほど多くの人々を魅了する理由はなんでしょうか?次からは見どころを3つにまとめて紹介いたします。
現役当時のまま残された高千穂駅
スリル満点!高さ105mの「高千穂鉄橋」
高千穂あまてらす鉄道の線路は単線。小さな旅はローカル鉄道の趣が色濃く残る駅を出るところから始まり、緑のトンネルを抜けて国道を走る車列の上を通り、天岩戸駅を通過。道中清々しい風を受けながら、グランド・スーパーカートの右に左に広がる山並みや田園風景、美しい大自然に気持ちが高まります。
駅を出て10分ほど経つと、この線路のメインイベントに入ります。鉄道の折り返し地点は渓谷の上に渡された「高千穂鉄橋」。下を流れる岩戸川からの高さは105m、全長352m、1972年の開業当時は東洋一の高さを誇る鉄橋で、現在は日本一の高さです!
スリル満点の景色は思い出に残ること間違いなし!(写真提供:高千穂あまてらす鉄道)
震えがくるような高さですが、鉄橋からの景色はまさに絶景!
橋の上からは四季折々に表情を変える渓谷の景色も楽しめます。橋の中央付近で、少しの時間停車。思う存分眺めることができます。グランド・スーパーカートの足元の一部はガラス張りになっていているので、鉄橋直下の眺めも楽しめますよ。スリル満点ですね!
乗客を魅了する演出
グランド・スーパーカートでは乗務員のガイドさんが同行。そのため乗車している間も風景を眺めながら、高千穂鉄道の歴史を知ることができます。
さらに乗客を楽しませてくれる演出もあちこちに散りばめられています。
小さな旅の中で通過する真っ黒な2本のトンネルの天井を照らしているのは、かわいらしいイルミネーション。実は車体の前方からイルミネーションを映し出しているので、特に前の方に座るとよく見ることができます。
最大の見所である高千穂鉄橋では乗務員さんがシャボン玉を飛ばしてくれるので、夢のような景色に。高さ105mの鉄橋から、風に乗って飛んでいくシャボン玉は幻想的です。この場所ならではの写真が撮れること間違いなしです。
シャボン玉を飛ばす乗務員(写真提供:高千穂あまてらす鉄道)
当時の車両が見学できる車両基地
出発地点の高千穂駅には、旧高千穂鉄道の本物の車両が展示されている車両基地があります。当時の姿のまま保存されており、車内の見学もできます。ヘルメットをかぶれば、車体の下に潜り込んで見ることも可能です。
高千穂鉄道の車両
より高千穂あまてらす鉄道を楽しむ
地元の人の鉄道愛が作りあげた「高千穂あまてらす鉄道」。乗りに行くだけじゃもったいない!駅でゆっくり過ごすひとときもオツなものです。
高千穂あまてらす鉄道オリジナルのお土産
高千穂駅構内にはお土産コーナーがあり、高千穂あまてらす鉄道に関するお土産が買えます。おすすめは神社マークをデザインに取り入れた「タカチホてぬぐい」。乾きやすいくてコンパクトに折りたためる手ぬぐいは、旅の必須アイテムとして重宝しそうです。
ほかにも、高千穂あまてらす鉄道のスーパーカートと橋梁が描かれた手ぬぐい、駅名の入ったストラップ、高千穂あまてらす鉄道のイラストがかわいいTシャツなど。 ここでしか手に入らないお土産もあり、こちらも見逃せません。
高千穂あまてらす鉄道へのアクセス
最寄駅:高千穂バスセンター(バス停)
宮崎駅からのアクセス
【宮崎駅】- JR日豊本線特急 / 延岡方面
→【延岡駅】- 路線バス・宮崎交通 / 高千穂行き
→【高千穂バスセンター】→ 徒歩(約10分)
熊本駅からのアクセス
【熊本駅】- 高速バス / 延岡行き
→【高千穂バス停】→ 徒歩(約10分)
宮崎空港からのアクセス
【宮崎空港】- JR宮崎空港線 / 延岡方面
→【延岡駅】- 路線バス・宮崎交通 / 高千穂行き
→【高千穂バスセンター】→ 徒歩(約10分)
車でのアクセス
高千穂あまてらす鉄道周辺の駐車場:あり(15台)満車の場合は道路沿いの共用駐車場へ。
天候チェックを忘れずに
高千穂あまてらす鉄道はオープンカータイプの車両。360度高千穂の大自然を堪能できる観光名所です。全天候型ではあるものの、強風などの悪天候時は運行中止になることも。また、風速が強い日などは高千穂橋梁の手前で折り返し、橋を渡れない場合もあるのでご注意ください。