崎津教会

熊本県南部の天草市に位置する「崎津（さきつ）教会」。静かな海辺の漁村にそびえる、ゴシック建築のカトリック教会です。同教会周辺は「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産「天草の﨑津集落」として、2018年に世界遺産に登録されています。
西洋風の立派な外観は漁村の風景に溶け込みづらそうですが、実は内部は大変珍しい畳敷き。まるで地域の集会所のような温かい印象を与えます。
250年の禁教政策下でも信仰を捨てなかったこの地域の人々にとって、この教会は今でも日常の祈りの場となっています。元々は、今から130年ほど前、信者が提供した土地に建てられた、こじんまりとした木造の教会でした。それから50年ほどたってから、現在の立派な教会が再建されました。再建された場所はなんと、信者への弾圧として「絵踏（えふみ）」が行われたまさにその場所。地域の信仰の中心であることが窺えます。
元の木造の崎津教会も、集落の山側に現存。入り口ではマリア像がやさしく微笑んでいます。