名古屋から特急電車で30分、愛知県の犬山市にある「犬山城」は、室町時代に創設されました。1871年の廃藩置県により廃城になった際、城門や櫓は取り壊されましたが、最上階の天守閣は日本で最も古い望楼型の現存天守とされています。お城は、1935年に国宝に指定され、また美しく迫力のある外観により「白帝城（はくていじょう）」とも呼ばれています。
今回は、そんな犬山城の歴史や観光情報を紹介します。
犬山城の歴史
尾張国と美濃国の境、木曽川南岸に位置する犬山城。1537年（天文6年）、織田信長の叔父である織田信康により、同じ犬山市内にあったとされる木之下城から城郭を移して建立されました。一級河川であり、木曽三川の一つとして数えられる木曽川沿いで、なおかつ88mの丘陵上に建てられたため、防衛戦にかなり有利であったとされています。建立から10年後の1547年には、織田信長の乳兄弟である池田恒興が入城しました。
木曽川と犬山城
信長の死後、犬山城主は石川光吉（秀吉の家臣）や小笠原吉次（家康の家臣）など様々な人に渡り、1617年から幕末の1871年までは、徳川家の重臣である成瀬家が城主を務めていたと言われています。
犬山城の所有者変遷
1537年 織田信康により建設
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1547年 池田恒興 入城
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1582年「本能寺の変」織田信長死去
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1584年「小牧・長久手の戦い」豊富秀吉 vs 徳川家康・織田信雄（信長の弟）
織田信雄に返還される
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1600年「関ヶ原の合戦」小笠原吉次（家康側）
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1617年 成瀬正成により拝領。この時現在の天守の姿に改良される。
幕末まで成瀬家が城主となる
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1871年「廃藩置県」により愛知県の所有物となる
廃藩置県後の犬山城
廃藩置県により廃城となった後、政府が城の修理や整備を条件に成瀬家に譲渡したため、2004年までは個人所有の形態が続きました。現在は財団法人犬山城白帝文庫の所有になっています。
【犬山城 基本情報】
入城料金：大人 550円
小中学生 110円
営業時間：9:00〜17:00
休場日：12/29〜31
公式ホームページ：国宝犬山城
犬山城の見どころ
犬山城遊覧船
犬山遊覧船
4月〜5月の間、木曽川を下りながら自然や犬山城の風格を満喫することのできる遊覧船が出航します。期間中毎日ではないですが、日によっては、遊覧船おもてなしガイドとして吉本芸人を呼ぶ日もあるそうです。また、船に乗船するだけでなく、雄大な木曽川に浮かぶ遊覧船を犬山城から見下ろすことができる点も見どころです。
大杉様
眺めのいい天守のすぐ右横に残る木の跡。城が建設される以前からあったもので、樹齢650年の巨木です。長らく天守を見守ってきたため、昔から御神木として崇められてきました。1965年に落雷によって枯れてしまいましたが、今でも「大杉様」として祀られています。
三光稲荷神社
三光稲荷神社
犬山城が建つ丘の麓に位置し、歴史ある神社の一つ「三光稲荷神社」。創建は明らかではないですが、1586年ごろだといわれています。縁結びのご利益があり、ピンクのハートの絵馬が可愛いことで女性から人気があります。
また、この神社の御神水でお金を洗うと何倍にもなって返って来ると伝えられています。
犬山城のイベント
4月の第一土・日曜『犬山祭』
犬山祭
江戸時代から続き、国の重要無形民謡文化財にも指定されている「犬山祭」。見どころは、昼に咲く桜との華麗なコンビネーションや、夕方、車山に灯された提灯の贅沢さなど様々です。特に夜の城下町と提灯のマッチングは幻想的で、豪華絢爛の一言です。
この祭りの主役は13輌の車山で、江戸時代から伝わるからくり人形を使っています。奉納しながらからくり人形をするのは全国的にも唯一のものとされています。
毎年8月1日〜9日『木曽川ロングラン花火』
木曽川鵜飼花火
愛知県と岐阜県の境を流れる木曽川で、9日間連続で開催される花火大会です。期間中は犬山城もライトアップされ、花火をバックとした景色が綺麗だと有名です。
犬山城へのアクセス
最寄駅 : 犬山駅
中部国際空港からのアクセス
名鉄空港線ミュースカイ / 新鵜沼方面
→【犬山遊園】→ 徒歩（約20分）
名古屋駅からのアクセス
名鉄犬山線快速特急 / 新鵜沼方面
→【犬山遊園】→ 徒歩（約20分）
金山駅からのアクセス
名鉄名古屋本線快速特急 / 新鵜沼方面
→【犬山遊園】→ 徒歩（約20分）
車でのアクセス
最寄りIC：東名高速道路 小牧IC
犬山城周辺の駐車場：犬山城第1駐車場 犬山城第2駐車場 犬山城第3駐車場
名古屋鉄道との景色
名鉄電車と犬山城
丘陵城に白くたたずむ犬山城と愛知県内を走る赤色の電車、「名鉄」を一緒に眺めるのもおすすめです。豊かな自然と共に、時代の流れを感じられるひとときです。
