- 熱田神宮はどんな神社?
- 祀られている神様
- 熱田神宮のご利益は?
- 熱田神宮にある宝物
- お守り
- 御朱印と料金(相場)
- 熱田神宮の参拝&観光コース
- 参拝&観光コースマップ
- ①熱田神宮の入り口
- ②熱田神宮 本宮|古来からの建築様式
- ③一之御前神社|荒御魂を祀る
- ④土用殿|元・草薙神剣奉安場所
- ⑤清水社|美肌のご利益
- ⑥信長塀|450年ほど前の土塀
- ⑦大楠|境内に7本あり
- ⑧宝物館|貴重な宝物を展示
- ⑨剣の宝庫 草薙館|名刀が集う展示館
- ⑩くさなぎ広場売店|お土産になる記念品など
- ⑪南新宮社|無病息災のご利益
- ⑫別宮八剣宮|本宮と同じご祭神
- なごやめしランチ&周辺街歩き
- 宮きしめん|きしめん
- あつた蓬莱軒|ひつまぶし
- 名古屋コーチン・旬菜一鳳|名古屋コーチン料理
- きよめ餅総本家|銘菓「きよめ餅」
- 桂新堂 本店|えびせんべい
- 熱田神宮へのアクセス・駐車場
- 【電車で】最寄駅は神宮前駅など
- 【車で】最寄りICは高辻出入口など
- 駐車場
- 熱田神宮の祭り・イベント
- おわりに
日本の皇室にゆかりがあり、1900年の歴史を持つ「熱田神宮」。名古屋駅からのアクセスが良好なこともあり、年間700万以上の人が参拝に訪れます。
ここでは、そんな「一度は訪れたい」神社のひとつ、熱田神宮の神様のこと、ご利益のこと、参拝ルートやアクセス・駐車場情報などについてまとめました。参拝前後の予習・復習、プラン立てにご活用ください。
※この記事に掲載の情報は2023年4月時点のものです。諸事情により変更となる場合があるため、お出かけの際はご自身で最新の情報をご確認ください
※2024年8月、一部情報 を更新しました
熱田神宮はどんな神社?
三種の神器の一つ・草薙神剣(くさなぎのみつるぎ)を祀り、昔から「熱田さま」と親しまれている熱田神宮。境内は広く、本宮のほかに別宮が1社、摂社(※1)が8社、末社(※2)が19社祀られています。
また、熱田神宮は、刀剣をはじめ、絵画や彫刻など幅広い宝物を所蔵することでも知られます。それらを保管・展示している「宝物館」「草薙館」も、有料で拝観することができます。
ちなみに、熱田神宮や伊勢神宮、明治神宮などの名前にある「神宮」とは、神社の称号の一種です。皇室とゆかりの深い神社に「神宮」が用いられます。
※1 摂社(せっしゃ):本社(本宮)に付属する神社のこと。主祭神などと縁のある神様を祀っています
※2 末社(まっしゃ):こちらは本社(本宮)に付属する神社のこと。摂社のほうが社格は上になります。
祀られている神様
熱田神宮のご祭神は「熱田大神(あつたのおおかみ)」です。
どんな神様かというと、太陽の女神・天照大神(あまてらすおおかみ)のこと。より正確にいえば、三種の神器の一つである草薙神剣(くさなぎのみつるぎ)を御霊代(みたましろ=ご神体のこと)とした天照大神です。
「三種の神器」とは、日本神話に登場する3つのお宝です。大昔、天皇家がまだ生まれる前、天から地上に降りたとされる瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)が、祖母である天照大神から3つの宝を授かりました。それが三種の神器=「八咫鏡(やたのかがみ)」「草薙剣(くさなぎのつるぎ)」「八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)」です。
瓊瓊杵尊の孫は、初代天皇の神武天皇になりますが、以後三種の神器は天皇家が引き継ぐことにありました。
現在、三種の神器は各地に散らばって保管されています。「八咫鏡(やたのかがみ)」は伊勢神宮(三重県)、「草薙神剣(くさなぎのつるぎ)」は熱田神宮(愛知県)、「八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)」が皇居(東京都)で保管されています。
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熱田神宮では熱田大神のほかに、素戔嗚尊(すさのおのみこと)、日本武尊(やまたたけるのみこと)、宮簀媛命(みやすひめのみこと)、建稲種命(たけいなだねのみこと)も祀っています。
《熱田神宮に祀られている神・宝まとめ》
●熱田大神(あつたのおおかみ)
草薙神剣を御霊代とした天照大神のこと。
●天照大神(あまてらすおおかみ)
太陽の神。皇室の祖先とされる。
●素戔嗚尊(すさのおのみこと)
天照大神の弟神。8つの頭を持つヘビ・八岐大蛇(やまたのおろち)を退治した。
●日本武尊(やまとたけるのみこと)
代12代天皇・景行天皇の息子。九州から東北のあたりまでを平定した。
●宮簀媛命(みやすひめのみこと)
日本武尊の妃。日本武尊から草薙剣を預かる。夫の死後、預かった草薙剣を熱田に持ち込み祀った。熱田神宮の創祀にまつわる神。
●建稲種命(たけいなだねのみこと)
宮簀媛命の兄。日本武尊とともに東国平定へ行き、その途中で亡くなる。尾張地方の繁栄の祖。
●草薙神剣(くさなぎのつるぎ)
天照大神が神体として瓊瓊杵尊に授けた「三種の神器」のひとつ。日本武尊の東国平定に使われた剣。宮簀媛命が熱田で祀ったとされる。
熱田神宮のご利益は?
ご祭神である熱田大神=天照大神は太陽の神なので、あらゆる願いがかなう「所願成就」のご利益があるとされています。
素戔嗚尊は、国造り神話で知られる神。「五穀豊穣」「厄除開運」「家内安全」「縁結び」などさまざなまご利益があるとされています。
日本武尊も国を築いた神です。「国土安泰」「健康守護」「武道守護」「商売繁盛」などなどのご利益があるとされます。
このように熱田神宮の神々は幅広いご神徳を持つ神なので、まとめると……熱田神宮はあらゆるご利益があるということになりますね。
熱田神宮にある宝物
熱田神宮には「草薙神剣」以外に、さまざまなものを保管しており、それらの多くは「宝物館」「草薙館」にあります。国宝・重要文化財・愛知県文化財に指定されている宝物は177点にもおよびます。
特に刀剣が多く奉納された関係で、20口の刀剣が国宝や重要文化財に指定されています。絵画、彫刻、工芸品なども多く所蔵しています。
お守り
熱田神宮では「身体守」「交通守」「こころ守」「快気守」「学業守」「災難除守」などさまざまなお守りを受けることができます。
少し変わったものだと、笛のお守り「守護船」、鈴が3つついた「三ツ鈴」、白い鳥の形をした「白鳥守」などがあります。白鳥守は、亡くなった日本武尊が、白い鳥となって空を飛び立ったという伝説にちなんだものです。
各種お守りは、授与所(7:00〜日没頃)で受けることができますよ。
御朱印と料金(相場)
熱田神宮の御朱印は「熱田神宮」「別宮八剣宮」「上知我麻神社」の3種類。熱田神宮ならではの厳かな雰囲気を感じられるシンプルなデザインとなっています。
ちなみに、熱田神宮では御朱印のことを「御神印」と呼びますが、呼び方による意味の違いは特にないそうです。
熱田神宮の御神印の初穂料は金額が定められておらず、納める人の「お気持ち」で決まります(「志納」)。いくら納めるかは気持ち次第ですが、ひとつの御朱印につき300円〜500円程度が相場です。
熱田神宮の参拝&観光コース
参拝&観光コースマップ
熱田神宮の参拝&観光コースマップ
①熱田神宮の入り口
熱田神宮の入り口は、東門、正門(南門)、西門、自動車お祓い口があります。北側に入り口はないので、東か南か西に回り込みましょう。
②熱田神宮 本宮|古来からの建築様式
参道を進んだ先にあるのが、熱田神宮の本宮。お参りは拝殿で行います。本殿は、拝殿の奥にある高い建物です。遷宮や空襲により何度か改修されたり造り替えられています。
熱田神宮の本宮は伊勢神宮とほぼ同じ「神明造り(しんめいづくり)」という造り。神明造りの特徴はいろいろとありますが、一部を紹介すると次の通りです。
●切妻(きりづま。本を伏せたような形の山形の屋根)の屋根である
●高床式である
●棟木(むなぎ。屋根の一番高い部分に水平に渡される横木)の両端を支える「棟持柱(むなもちばしら)」という柱がある
●屋根の切妻側の両端には千木(ちぎ。Xの形に交差した木)がある
●かやぶきの屋根の上には鰹木(かつおぎ。勝男木とも。棟木と垂直方向並べた飾りの丸太)がある
ちなみに、屋根の上の鰹木の本数には意味があります。本数が奇数の場合は男神、偶数の場合は女神を祀っていることを示しているそうです。
熱田神宮は熱田大神=天照大神(女神)を祀っているので、鰹木の本数は6本、10本という具合に偶数になっています。
③一之御前神社|荒御魂を祀る
ここには天照大神の「荒魂(あらみたま)」が祀られています。以前は立ち入ることができませんでしたが、2012年から一般向けに解放されました。熱田神宮の中でも最も神聖な場所のため、写真撮影は禁止とされています。
荒魂とは、二つある神様の霊魂のうちの片方で、勇猛さや怒りの側面のこと。祟りを及ぼすような霊力を持っているそうです。もう片方は「和魂(にきたま)」といい、こちらは平和的側面だそうです。
④土用殿|元・草薙神剣奉安場所
本宮の東側にある社殿。かつて草薙神剣を安置していた場所です。以前は本殿に並ぶように建っていたそうですが、本殿が造り替えられたため、現在の入りになっています。
⑤清水社|美肌のご利益
熱田神宮 清水社
水の神である「罔象女神(みずはのめのかみ)」が祀られています。平安時代末期、当時目の病気を持っていた平家の武将・平景清(たいらのかげきよ)がこの湧き水で目を洗ったところ、その病気が治ったとか。
病気平癒のほかもご利益があり、柄杓を使って湧き水に浮かぶ石に3回水をかけると願いが叶う、また、この湧き水で肌を洗うと綺麗になるともいわれています。
⑥信長塀|450年ほど前の土塀
熱田神宮の信長塀
戦国武将・織田信長が「桶狭間の戦い」勝利のお礼として奉納した塀。土と石灰を油で練り高めてあり、上部には瓦が乗っています。もともとは400mあったそうですが、そのうちの200mが現存しています。
⑦大楠|境内に7本あり
熱田神宮境内に7本ある大楠の1本
熱田神宮の境内には、大きなクスノキが複数あります。特に手水舎の近くにあるクスノキは樹齢1000年を超えると言われていて、弘法大師(空海)が植えたという話があります。熱田神宮のパワースポットの一つです。
⑧宝物館|貴重な宝物を展示
皇室・将軍・藩主などに関する、6000点におよぶ資料を収蔵。9:00〜16:30(入館は16:00まで)までの間、大人500円で拝観できます。
※毎月最終水・木曜、12月25日〜31日は休館
⑨剣の宝庫 草薙館|名刀が集う展示館
2021年10月に開館した刀剣展示館。熱田神宮は剣を祀る神社とあり、武家や刀匠から多くの刀が奉納されてきました。草薙館ではそれらの名刀の数々を展示しています。「体験コーナー」では、真剣を実際に手に取って、重さを感じることができます。
⑩くさなぎ広場売店|お土産になる記念品など
「剣の宝庫 草薙館」の隣にある売店。熱田神宮が所蔵する刀剣や宝物をモチーフにした記念品や、名古屋銘菓が買えます。
⑪南新宮社|無病息災のご利益
無病息災のご利益がある南新宮社
「南新宮社」は、無病息災のご利益があると言われており、素盞嗚尊(すさのおのみこと)を祀っている神社です。熱田神宮で唯一朱塗りがされた社として有名です。
毎年6月5日を祭日とし、夏の疫病除けとしてお祭が行われます。他にも6月5日は、茶道の隆盛により始まった「献茶祭」も行われているので、こちらも覗いて見ると面白いかもしれません。
⑫別宮八剣宮|本宮と同じご祭神
本宮とは反対側にある神社。ご祭神は本宮と同じ、熱田大神=天照大神です。社殿の建築様式や年中行事も本宮と同じように行われます。特に武家からの信仰が篤く、織田信長や徳川家康といった武家の人々によって修造されてきました。
なごやめしランチ&周辺街歩き
あつた蓬莱軒|ひつまぶし
名古屋名物 ひつまぶし
短冊状に刻んだうなぎの蒲焼きをご飯の上に載せた一品。最初はそのまま、次に薬味をかけて、最後はダシやお茶でお茶漬けにしていただきます。熱田神宮近くにある「あつた蓬莱軒」はひつまぶし発祥の店といわれています。
【あつた蓬莱軒 神宮店】
●住所:名古屋市熱田区神宮2-10-26
●時間:
11:30~14:30LO
16:30~20:30LO
●定休:火曜・第2月曜・第4月曜(祝日の場合は営業)
●公式サイト:あつた蓬莱軒 神宮店
●Googleマップ
名古屋コーチン・旬菜一鳳|名古屋コーチン料理
弾力のあるしまった肉質と、こくのある旨みで知られる鶏「名古屋コーチン」。名古屋コーチン・旬菜 一鳳(しゅんさい いちおう)では、手羽の唐揚げ、名古屋コーチンの水炊き鍋など、こだわりの名古屋コーチン料理がいただけます。ランチの「極上親子丼」は名物。全室個室です。
【名古屋コーチン・旬菜一鳳】
●住所:愛知県名古屋市熱田区金山町2-2-1
●時間:
11:30~14:30(LO14:00)
17:00~22:30(LO21:30)
●定休:不定休
●公式サイト:名古屋コーチン・旬菜一鳳
●Googleマップ
桂新堂 本店|えびせんべい
1866(慶応2)年からえびせんべいを作り続けている老舗。お店に並ぶのは「あられ焼き」「姿焼き」「磯焼き」「炙り焼き」など、さまざなえびせんべい。特にに新鮮なえびをそのまませんべいにした「姿焼き」は見た目もインパクト大。製造工程は機械化ができないため、職人が一尾ずつ手焼きしているそうです。
【桂新堂 本店】
●住所:愛知県名古屋市熱田区金山町1-5-4
●時間:10:00~18:30
●定休:不定休
●公式サイト:えびせんべいの桂新堂
●Googleマップ
熱田神宮へのアクセス・駐車場
電車で|最寄駅は神宮前駅など4つ
熱田神宮の入り口は南側に複数あります。東門、正門(南門)、西門、自動車お祓い口などです。対して、北側には入り口はありません。なのでJR熱田駅からアクセスする際は東門を目指すといいでしょう。
①名鉄[神宮前駅]西口から徒歩約5分(東門まで)
②地下鉄[熱田神宮伝馬町駅]1番出口から徒歩約5分(正門まで)
③地下鉄[熱田神宮西駅]2番出口から徒歩約5分(西門まで)
④JR[熱田駅]から徒歩約10分(東門まで)
車で
①名古屋3号大高線[堀田出入口](下り出口)から車で約10分(東門駐車場まで)
②名古屋3号大高線[高辻出入口](上り出口)から車で約15分(東門駐車場まで)
③名古屋4号東海線[六番北出入口](下り出口)から車で約10分(西門駐車場まで)
④名古屋4号東海線[尾頭橋出口](上り出口)から車で約15分(西門駐車場まで)
駐車場
熱田神宮の駐車場は3カ所にあります。基本的に17時に閉門となるのでご注意ください。夜間の拝観は西門駐車場が利用できます。
●東門駐車場:約300台
●西門駐車場:約40台
●南門駐車場:約40台
熱田神宮の駐車場マップ
熱田神宮の祭り・イベント
初えびす|毎年1月15日
「初えびす」は商売繁盛、家内安全、漁業豊漁を祈るお祭りです。祭りが行われるのは午前0時で、その年一番最初の「福熊手」を購入するため、大勢の参拝者が訪れます。
●場所:大国主社・事代主社
豊年祭 花のとう|毎年5月8日
神職によって作られた畠所(はたどころ)と田所(たどころ)の模型が飾られ、その年の農業を占う祭り。農業関係者は、この行事でその年の出来具合を占います。日本武尊(やまとたけるのみこと)が、人々に農耕・養蚕などの産業技術を授けたことに感謝するための祭りでもあります。
境内には、植木・野菜の苗木・竹細工などが売る市場が立つので、露店巡りをするのもおすすめです。
●場所:本宮・西楽所
熱田まつり|毎年6月上旬
熱田まつり
熱田神宮で最も重要な祭り。日中は、境内で武道や芸能が奉納されます。夜19〜20時頃からは、約1000発の花火が奉納されます。
花火が打ち上げられるのは熱田神宮公園。地下鉄「西高蔵駅」のほうへ移動するとよく見えます。
●場所:熱田神宮・神宮公園
おわりに
熱田神宮の知っておきたい神様のことや、お宝、参拝ルート、周辺グルメなどをご紹介しました。
熱田神宮は皇室に縁のある神社。祀られている神々はいずれも神話の中で活躍する錚々たるメンバー。参拝に行けばパワーを感じられるかもしれません。
熱田神宮の周辺情報
参考:
平藤喜久子『日本の神様 解剖図鑑』(エクスナレッジ)
熱田神宮
神宮・神社の名称|神社本庁
神社Q&A|東京都神社庁
光雲神社
常陸第三宮 吉田神社
名古屋市公式観光情報 名古屋コンシェルジュ
なごやめし普及促進協議会
コトバンク
各種パンフレット
ほか