冬の風物詩といえば、やっぱりイルミネーション。一年を通して比較的温暖な和歌山県にも人気のイルミネーションスポットがあります。
訪れたのは「和歌山マリーナシティ」で開催されるイルミネーションイベント「フェスタ・ルーチェ」。広大な敷地に広がる独創的な光空間が特徴のイベントです。そしてイルミネーション鑑賞のあわせて楽しみたいのが、和歌山マリーナシティに併設されている温泉施設「紀州黒潮温泉」。
この記事ではイルミネーション&温泉の和歌山・冬の王道コースを筆者が体験。レポートにしてお届けします。
※体験レポートは2019年当時の内容です。
【2023年情報】「フェスタ・ルーチェ in 和歌山マリーナシティ」開催概要
開催概要
期間:2023年11月3日(金)〜2024年2月12日(月)
※2023年1月9日(火)〜2月12日(月)は土・日曜、祝日のみの開催
時間:17:00〜21:00(最終入場20:30)
料金:
●入場料(当日券)大人1800円/子ども800円
●アトラクションナイトパス(当日券)1600円
公式HP:FeStA LuCe in 和歌山マリーナシティ
アトラクションナイトパスは10種のアトラクションが乗り放題でおトク。ただし土日祝のみの販売です。
またPassMarketやコンビニで購入できる前売りチケットが100〜200円、おトクに購入できますよ。
2023年のテーマは?
開催7年目となる2023年のテーマは、「Light Parade !!」。ヨーロッパやアメリカなど、世界各地で光のフェスティバルを手掛けてきたMKイルミネーション社がプロデュース。壮大なスケールの光の世界を、ナイトウォーキングしながら楽しめます。街全体の光がまるでパレードしているような世界を体験できます。また、今年はお城に幻想的な映像が映し出されるキャッスルプロジェクションマッピングが4年ぶりに復活します。
「フェスタルーチェ in 和歌山マリーナシティ」とは
和歌山マリーナシティはこんなところ
和歌山駅から車で約30分、和歌山市の「和歌の浦」に広がる海沿いの複合施設「和歌山マリーナシティ」。遊園地やショッピングモール、釣り堀、温泉など、一日中遊び尽くせる施設が集まり、和歌山市民や観光客が多く訪れるレジャースポットです。園内の「黒潮市場」では、新鮮な魚を買ってその場でバーベキューが楽しめますよ。
毎年開催されるイルミネーションイベント「フェスタ・ルーチェ」とは
イルミネーション期間中開催「クリスマスマーケット」の様子(写真提供:和歌山マリーナシティ)
イタリア語で「フェスタ」はフェスティバル、「ルーチェ」は光という意味です。2017年にはじめて開催されました。その後、千葉・栃木・新潟・青森など、和歌山意外でも開催されるようになり、毎年多くの人が訪れる〝光のフェスティバル〟です。
最新の技術に加え、和歌山マリーナシティの広大な敷地とヨーロッパ風の街並みが活かされているのが「フェスタ・ルーチェ in 和歌山マリーナシティ」の特徴。趣向を凝らした光の演出の数々に、心躍ること間違いなしです。
さらに11月と12月の土日祝はクリスマスマーケットも同時に開催されます。
【体験ルポ】マリーナシティのイルミネーション&温泉に出発!
イルミネーションの会場は、マリーナシティの一角に広がる「ポルトヨーロッパ」という遊園地。さっそく足を運んでみましょう!
「ポルトヨーロッパ」は、マリーナシティの中央にあります。第1駐車場からすぐ、正面のゲートをくぐり、まっすぐ進んでいけば到着。ヨーロッパの街並みを細かく再現し造りこまれた世界観が広がり、どこを切り取ってもフォトジェニックです。カメラを片手に、ヨーロッパにトリップしたよう。
見どころ満載!「イルミネーション」エリア
「Bon Voyage(素敵な良い旅を)」ウェルカムゲートがお出迎え
チケット売り場でフェスタ・ルーチェのチケットを購入し、パンフレットをもらいウェルカムゲートへ。かわいらしい制服に身を包んだ案内スタッフが、チケットをちぎり半券を渡してくれます。
ウェルカムゲートをくぐると、目の前に広がるのは、見渡す限りイルミネーションの美しい世界。あっという間にその情景に引き込まれてしまいます。
この日の気温は4℃。温暖な和歌山県といえども、さすがに真冬の夜の寒さは厳しいものです。ゲートの近くではホッカイロのプレゼントもありましたが、あたたかい服装での来場をおすすめします。
入場ゲートからまっすぐ歩いているとカラフルな星のイルミネーションを発見。上り坂になっていますが、誘われるままに進んでいきます。
星の揺れる坂道をのぼっていく
聖なる夜をイメージするような優しい音楽が流れ、カラフルな星が風で揺れて、とても綺麗です。星が揺れる坂道を登りきると、「ポルトヨーロッパ」のお城にたどり着きました。
坂道を上る様子
お城に向かって歩いていくと、今にも動き出しそうなリアルなトナカイのオブジェを発見。ここから先は「冬の光の森」エリアのようです。近くに光と影でできたトナカイの足跡もあり、その後を追っていきます。
トナカイの足跡を辿っていくと
幻想的な冬の光の森へ
トナカイの足跡が向かう、トンネルを潜り抜けると、星のように光が落ちるスペースへ出てきました。ここには、影のトナカイが。少し暗い雰囲気の中に色の付いたライトが浮かび上がり、幻想的です。
階段を下りた先には、投影された「フェスタルーチェ」のタイトルと共に、トナカイの影が。追っていた足跡は、ここに続いていたようです。
「光の森」エリアを抜けると、「巨大ツリー」と「星降るヤシの木」のある広場に出てきました。
「巨大ツリー」と「星降るヤシの木」
「巨大ツリー」の広場の先には橋があり、その橋を渡ると遊園地ゾーンへと行くことができます。橋には、人の背丈を遥かに超えるトナカイが3体。「アニマルブリッジ」です。
大きなトナカイをカメラに収めながら橋を渡っていると、近くで「フェスタ・ルーチェオーロラ」の演出がありました。
橋の下から霧のような煙が出ており、それに光を投影しているようです。次から次へと変わっていく光の道筋。音楽の効果もあり、幻想的で引き込まれます。
大迫力の光のトナカイたち
フェスタ・ルーチェオーロラの様子
橋の終わりで500本の〝光のバラ〟に見送られ、イルミネーションエリアをあとにします。次は「光の遊園地」エリアへ。
かわいらしい「花の森」
煌めく「光の遊園地」エリア
光と音が織りなす「テレポートアーチ」
進んでいくと、アーチ状のイルミネーションが見えてきました。こちらは、イルミネーションエリアと「光の遊園地」エリアを結ぶ長さ40mの「テレポートアーチ」です。アーチの中を歩き始めると、光の動きにより、まるでワープしているような感覚に。子どもたちははしゃぎ、アーチの光に追いつこうと走り抜けていきます。
「テレポートアーチ」を抜けた先にあらわれるドームは「プリズムスケイプ」。流れてくる音楽に合わせて、光が縦横無尽に動き回ります。
心が躍る「プリズムケイプ」
プリズムスケイプを後にし、さらに進むと半円状にカープした光の壁「ルミナスピーシス オーバルボード」が出現。不定期にボックス型の電飾の色が変わり、全面同じ色に変わったり、カラフルになったり。そのライトを顔に映すように、記念撮影を楽しんでいる人もいました。
自撮りスポットとしてもおすすめ「ルミナスピーシス オーバルボード」
「光の遊園地」を歩いていると、膝程の高さのカラフルな光の球が至る所に置いてあり、とても鮮やかで綺麗です。その光の球は、遠くからでもカラフルな「光のしずく」。橋を渡った時に川沿いに置いてあったのを思い出し、川縁へ向かいます。
橋から見る「光のしずく」
川縁に行くと、ずらりと「光のしずく」がありました。そのまま川縁を歩いていると、無数にある「光のしずく」の中に、手のマークがついている球を発見しました。
ぽん、と叩いてみると、音楽が鳴り、叩いた球の色が変わりました。何度か叩くと、叩いた球を中心に色の変化が全体の「光のしずく」へ広がっていきます。まるで自分が魔法をかけたような楽しさでした。
イルミネーションに包まれながらのアトラクションもぜひ楽しんで
「光の遊園地」エリアでは、イルミネーションだけではなくアトラクションも楽しめます。
観覧車「WAKKA」(2021年に老朽化により撤去)や、ブランコ「ウェーブスインガー」、メリーゴーランドなど。アトラクションに乗るにはチケットが必要ですが、イルミネーションの入場料とアトラクションがセットになったお得なチケットもありますよ。
イルミネーションが美しい遊園地は、もうすでに「アトラクションに乗ったことがある!」という人でも、いつもと違う風景を楽しむことができます。ぜひこの時にしか見られない絶景の中、アトラクションも楽しんでみてくださいね。
冷えた体を温める「紀州黒潮温泉」
マリーナシティの美しいイルミネーションを楽しんで心は温まったものの、やはり体は冷たい空気にさらされ、冷えてしまいました。こんな時、温かいお風呂に浸かれたら……。そんな思いを叶えてくれるのが、和歌山マリーナシティ内にある「紀州黒潮温泉」です。
ポルトヨーロッパの西側エントランスを出て右折、まっすぐ進んで行った先に見える建物です。建物に掲げられた「温泉に入ろう。」という言葉に誘われるがまま、受付へ。
もちろん手ぶらで入館OK。イルミネーションチケット購入時にもらったパンフレットの中に「貸タオル付入浴割引券」がありました。タオルを持ってきていなくても温泉を楽しめるうれしいサービスですね。
イルミネーションの帰りに温泉を楽しむ
もちろんタオルをお持ちの方は、券売機で入浴のみのチケットを購入すればOK。「貸タオル付入浴割引券」を使用する場合は、直接フロントに声をかけて入浴チケットを購入してください。
昼間の大浴場の様子(写真提供:和歌山マリーナシティ)
早速大浴場へ。大浴場では、浴槽のお湯を汚さないよう、先に体を洗うのがマナーです。
ちなみに、少しでも長く温泉に浸かりたいため、髪は入浴後最後に洗うのが筆者流の入浴方法。先に洗髪し、髪が濡れている状態で露天風呂に長く浸かると、外の冷たい空気で頭が冷えてしまうからです。頭が冷え過ぎると血流が悪くなり、頭痛・首痛が起こる場合があるため注意が必要です。
体を洗い終えたら、ようやく温泉へ。浴槽に入るときは、フェイスタオルがお湯に浸からないよう、端に置いておきます。
お湯に入った瞬間、身体が芯から冷えていたこともあり、とても熱く感じますが、すぐに全身の緊張がほぐれていきました。じっくり体を温めたら、次は露天風呂へ。
夜の露天風呂の様子(写真提供:和歌山マリーナシティ)
露天風呂へ続く扉を開けると、夜の海と遠くに船が停泊しているのが見えました。この景観を楽しめるのも、紀州黒潮温泉の魅力です。
露天風呂のお湯は、大浴場よりぬるめ。しかし、段々と慣れていき、とても心地よくなっていきます。露天風呂でのぼせにくい人は、冷たい空気を鼻から吸い込み脳を冷やすからだそうです。のぼせやすいという人は、意識して冷気を吸い込むようにして浸かるのがおすすめですよ。
露天風呂に浮かんでいた「おわせひのき」
露天風呂に浮いていた木材を手に取り見てみると、「おわせひのき」の文字。おわせひのきとは、「尾鷲(おわせ)ヒノキ」という、和歌山が誇る世界遺産「熊野古道」の森林で育ったヒノキのひとつ。紀州黒潮温泉では、熊野古道で育った尾鷲ヒノキをそのまま湯船に浮かべ、ヒノキ風呂として楽しめるのです。和歌山県ならではの粋な演出ですね。
この日はあいにく雲がかかっていましたが、空気は澄んでいて清々しい夜。周りにある竹のライトが、露天風呂に柔らかな雰囲気をプラスし、癒し効果も倍増です。
冷えた体はすっかり芯まで温まり、心も体もほぐされた1日になりました。イルミネーションも温泉も同時に楽しめるなんて、冬の楽しみをまるごと味わったような充足感に満ちた時間を過ごせました。
「和歌山マリーナシティ」のイルミネーションと温泉で、ぜいたくなひとときを
光と音のイルミネーションでは、心に明るさと楽しさを。温泉では、身体に温かさと癒しを。和歌山マリーナシティのイルミネーションは、「ぬくもり」に包まれた素敵な空間でした。この冬はぜひ、イルミネーションと温泉で和歌山の夜を楽しんでみてくださいね。
和歌山マリーナシティのアクセス
車の場合
阪和自動車道 海南ICより約5km
電車の場合
【JR 海南駅】- 和歌山バス / 和歌山マリーナシティ行
→【わかやま館前】もしくは【マリーナシティ】バス停
→ 徒歩すぐ