【倉敷デニムストリート】国産デニムの聖地を巡る

観光名所 倉敷について

倉敷美観地区の景色

岡山県、西部に位置する倉敷市。ここで有名な観光スポットといえば、「倉敷美観地区」。国の重要伝統的建造物群保存地区にも選定されている、江戸・明治時代の古き良き文化がうかがえるエリアです。

白壁土蔵のなまこ壁や、格子窓の町家、倉敷川沿いに立ち並ぶ建物の美しさには思わず心奪われてしまうほど。町屋や蔵を改装したおしゃれなカフェやショップが集まっており、風情あふれる空間のなかでモダンな倉敷観光も楽しめる人気のスポットなのです。

国産デニム産業の歴史

倉敷産のデニムは高品質と全国でも有名

歴史的な観光名所である倉敷ですが、実はジーンズの聖地でもあります。そもそも、国産デニム産業はどのように誕生したのでしょうか。

もともとは大小の島々が連なる内湾であった倉敷エリア。江戸時代初期から各地で新田開発が盛んになり、県南部の海が埋め立てられました。雨が少なく温暖な気候に加え、塩分を含んだ新田は綿の栽培に最適。染色の作業に欠かせない水を豊富に確保できるという好条件にも恵まれ、次第に繊維産業が発達していきます。産業は明治時代まで栄え、戦前には倉敷エリア内に位置する児島地区で、日本全国の学生服が生産されていました。

しかし、戦後は合成繊維の登場により経営が困難に。そこで1960年代に始まったのが、国内初となるジーンズの開発です。藍染め綿織物の流れを汲み、学生服生産で培った技術を活かした「国内初のジーンズ産業」が児島地区で誕生しました。秀逸な技術は海外からも高く評価され、現在では海外の有名ブランドの仕上げ・加工も児島で行われています。

岡山県産デニム、「倉敷デニム」と「児島デニム」の違いとは？

デニム（イメージ）

倉敷市にある地域のひとつ、児島地区は、ジーンズ発祥の地として知られています。岡山県ではこの児島地区を中心に現在でも品質の高い国産デニムが生産されており、岡山県で作られる国産デニムには「岡山デニム」「倉敷デニム」「児島デニム」など、さまざまな呼び名が存在します。

実はそれぞれの呼び名に確固たる定義はなく、詳細はやや曖昧なもの。「岡山デニム」は倉敷・児島デニムを包括した呼び名ですが、一般的には生産地やブランドの本拠地があるところを区分して呼ばれています。

今回はジーンズ発祥の地で生まれた「児島デニム」、観光の要・倉敷地区で生まれた「倉敷デニム」の違いについて紹介します。

児島デニム

倉敷市の児島地区で生まれたデニム生地、製品、ブランドを指す「児島デニム」。老舗代表ブランドの「ベティスミス」や「ビッグジョン」などが有名です。

江戸時代から続く日本の伝統技術「藍染め」で染色をしたジーンズも児島デニムの名物。藍で何度も染めることによって生地が色褪せにくくなり、色落ちのない長持ちするジーンズが誕生します。「ジャパンブルー」や「児島ブルー」の愛称を持つほど美しい青色が特徴。ジーンズにさらなる付加価値を生み出します。

児島で100年にわたって手染め製品を手がける「高城染工」では、藍染めの体験も可能。児島ならではの藍染めへの歴史とこだわりを感じたい人にオススメです。

倉敷デニム

ファッションよりも観光の街と思われがちですが、国内で初めて本格的なデニム生地を手がけた会社「クラボウ（倉敷紡績）」が存在したのがここ、倉敷地区。アメリカから生地を輸入してジーンズを生産していた1970年代、国内初のデニム生地「KD-8」を開発し、国産デニム業界の発展に貢献しました。

「倉敷アイビースクエア」は、明治時代に建てられたクラボウ発祥工場の外観や木材を再利用した複合商業施設。紡績工場の名残を感じられる館内では陶芸体験や食事が楽しめ、宿泊も可能です。国産デニムにに興味があるという人は、毎年開催される国産デニムの展示販売イベント「デニム・オン・ライフ」にあわせて訪れてみてはいかが。

岡山デニム全体の特徴

老舗から新しく生まれたクリエイターブランドまで、およそ40のブランドを抱える岡山県産のデニム。そのほとんどが岡山県内での生産にこだわり、国産のデニム生地を使用することから、高品質・高価格の製品が多いことが特徴です。価格帯の平均は、ジーンズ1本1万円〜2.5万円。ヴィンテージ品には数百万の値がつけられることも。

丁寧に作られている分長持ちしやすく、年数を重ねるごとに色や素材がなじんでいき、味が出てくるのも醍醐味です。

倉敷デニムストリートとは

倉敷デニムストリートの外観

世界でも名高い国産デニム商品を、なんと倉敷駅から徒歩約12分の距離にあるスポットで手にすることができます。それが、2014年にオープンした「倉敷デニムストリート」。本場・児島で作られたジーンズから個性豊かなデニムの小物雑貨まで、幅広い品揃えで展開する施設です。岡山県内のデニムブランド商品、約1,000点を取り扱っています。

観光名所である「倉敷美観地区」の一角にあることから、ふらっと立ち寄れる立地が大きな魅力。倉敷の歴史情緒あふれる町並みの中にひそむファッションの聖地を、早速見て行きましょう。

倉敷デニムストリートで買えるもの

倉敷デニムストリートにはお店がずらり

倉敷デニムストリートは、デニムを扱うブランドが集結した小路。メンズ館、レディース&キッズ館、雑貨館、別館「きゃら工房」に、フードを取り扱うテイクアウトコーナーの5つのエリアで構成されています。商品を選ぶ際には、専属の「ジーンズソムリエ」が丁寧に対応してくれるそう。

倉敷デニムストリート限定！「和蔵（わくら）」のデニム

数あるブランドの中でも、倉敷デニムストリートに来たら要チェックなのが「和蔵」のデニム。日本全国でも倉敷と軽井沢の2店舗にしかない、倉敷デニムストリートでのみ購入できる限定ブランドです。

美観地区のシンボルともいえる、白壁の町並みをモチーフに作られたデザインが特徴。ジーンズとしては珍しい白色の糸が施されてるものや、内側の布に白壁の柄がプリントされたものも。そのほか、ポケットにワンポイントの刺繍があるものなど、倉敷を想わせる粋なデザインが隠れています。

ジーンズだけでなく、スキニーやスカート、Gジャンなども展開中。お気に入りの一点を探してみてはいかがでしょうか。

「きゃら工房」でキャラクターモチーフのジーンズグッズをゲット

倉敷デニムストリートの別館として、2016年にオープンした「きゃら工房」。日本の人気キャラクターをモチーフにしたグッズやデニムを使用したバッグなど、お土産にもぴったりな商品が購入できます。

オススメは倉敷デニムストリートのオリジナルキャラクター「DENIM BEAR（デニムベア）」のグッズ。デニムを身につけたかわいいクマのキャラクターです。倉敷デニムストリートでしか買えないオリジナルグッズのため、ここを訪れた思い出になること間違いなし。

入り口ではデニムベアの大きなぬいぐるみが出迎えてくれ、一緒に写真撮影も楽しめます。

倉敷デニムストリートのきゃら工房の外観（写真提供：@a_atsu_u）

倉敷デニムストリートのおすすめグルメ

倉敷デニムストリートでは、デニムを購入するだけでなく食べることもできちゃうんです。工夫を凝らした「デニム風」グルメは、倉敷へ観光に訪れたら欠かせません。

真っ青な皮が印象的「デニムまん」

「デニムまん（350円）」

なかには黒豚肉のあんを閉じ込めた、真っ青な色の豚まん「デニムまん」。まさしくデニムを彷彿とさせるような鮮やかな青色の生地は、クチナシの花を着色料として使用しています。

ブルーベリー&ラムネ味の「デニムソフト」

見た目も可愛い「デニムソフト（380円）」（写真提供：@jun3.jun19)

こちらはブルーベリー&ラムネ味のソフトクリーム。デニムまんと同様にデニムストリートの路面店で購入できます。

数量限定！「デニムプリン」

1日40個限定で販売されている「デニムプリン」。デニムまんとデニムソフトはデニムストリートの路面店で購入できますが、こちらは洋菓子店「しらかべ倉敷屋」のオリジナル商品。プリンのほか、青いビールなども販売しています。

なまこ壁にも映える真っ青な「デニムプリン（350円）」（写真提供：@jun3.jun19)

【倉敷デニムストリート　基本情報】
住所：〒710-0046　岡山県倉敷市中央1-10-11
営業時間：9:30～17:30（季節により変動）
定休日：なし
公式HP：岡山観光web

もっと本場のジーンズに触れたいなら「児島ジーンズストリート」

「少し足を伸ばしてでも、本場のジーンズを選びたい！」という人におすすめしたいのが、倉敷駅から電車やバスで約1時間の場所に位置している「児島ジーンズストリート」。ジーンズ発祥の地・児島地区に広がる、ジーンズ好きにはたまらない観光スポットです。

およそ400mの通りに、40店舗ほどの児島産ジーンズメーカーがずらりと店を構えます。職人の手作りをモットーにするお店、大人な雰囲気やユニセックススタイルのお店、さらには求めやすいプライスを追求したお店など、ショップによってこだわりもさまざま。自分にぴったりのジーンズが見つかります。

児島ジーンズストリート

さらにジーンズの歴史に触れたい人は

ガーデンやドッグランなども併設している「ベティスミス　ジーンズミュージアム&ヴィレッジ」（写真提供：@ochobow)

さらにジーンズの世界を探求したいなら、児島地区にある「ベティスミス　ジーンズミュージアム&ヴィレッジ」へ。児島の老舗ジーンズメーカー「ベティスミス」が運営する、ジーンズをテーマにしたエリアです。日本初となるジーンズの博物館「ジーンズミュージアム」やジーンズ作りの体験工房、お手頃プライスで正規品を購入できるアウトレットショップも併設されています。

ジーンズミュージアムでは、ジーンズの歴史や製作工程をパネルや実際の商品を使って紹介。100年以上前に使われていたミシンなど、数々の貴重な品も展示されています。

【関連アクティビティー】
倉敷児島の「ベティスミス　ジーンズミュージアム&ヴィレッジ」のジーンズ制作体験の予約はこちら↓
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倉敷デニムストリートへのアクセス

倉敷デニムストリートへは、倉敷駅から徒歩12分。岡山駅から倉敷駅へはJR伯備線を使って一本で行くことができるので、アクセスしやすい場所にあります。「倉敷美観地区」も見たいけれど、児島まではアクセスする余裕がないという時にぴったりのスポットです。

倉敷デニムストリートでいざ、デニムの魅力を再発見

倉敷観光の定番スポットからもほど近い「倉敷デニムストリート」。日本産ジーンズの買い付けやユニークなグルメを堪能して、倉敷観光にプラスアルファの思い出を作ってみてはいかがでしょうか。

倉敷デニムストリートの周辺情報