恋山形駅とは
リニューアルしてピンクの駅に
恋山形駅の見どころを大紹介!
恋山形駅周辺のおすすめ観光スポット
智頭宿
流しびなの館
まとめ

鳥取県に、ピンクとハートに包まれたフォトジェニックな駅があるのをご存知でしょう?

その名も「恋山形(こいやまがた)駅」。恋が叶う縁結びのパワースポットとしてだけではなくハートやピンクの壁を背景に、可愛い写真が撮れると近年SNSで注目を集めています。ホームの壁も柱も、全てピンク。駅名標や乗り場案内までハート型にこだわった恋山形駅は、まさにインスタ映えです。

今回はそんな恋山形駅について、周辺情報も含めて紹介します。

恋山形駅とは

恋山形駅は、鳥取県八頭郡(やずぐん)智頭町(ちづちょう)にある無人駅。1日の平均利用客はわずか2人、停車するのは普通列車のみで、1時間に1本電車があるかないかという小さな駅です。

恋山形駅の創業は平成6(1994)年。智頭急行の開業と同時に作られました。当初予定されていた駅名は「因幡山形駅」でしたが、県内外から多くの人に来て欲しいという地元からの強い要望で、「来い山形」を文字って恋山形駅と名付けられました。

恋山形駅 駅標

「来い山形」を文字って名付けられた恋山形駅

恋山形駅では1日に1度だけ、11時23分頃に「特急スーパーはくと」同士の列車交換が行われます。列車交換とは、単線区間で列車同士が行き違うこと。この瞬間は「恋山形駅の待ち合わせ」や「恋山形駅のすれ違い」と呼ばれ、鉄道ファンにとって最大のシャッターチャンスとなっています。

恋山形駅に入る「特急スーパーはくと」

恋山形駅に入る「特急スーパーはくと」

リニューアルしてピンクの駅に

実は、日本には駅名に「恋」がつく駅が4つあります。

東京都国分寺市にある西武鉄道「恋ヶ窪(こいがくぼ)駅」
岩手県三陸町にある三陸鉄道「恋し浜(こいしはま)駅」
北海道母恋北町にあるJR北海道「母恋(ぼこい)駅」

そして、今回紹介する「恋山形駅」です。

恋駅プロジェクト

「恋」がつく4駅で行われた恋駅プロジェクト

平成24(2012)年に、これら4つの駅が連携して地域活性化を目指すため「恋駅プロジェクト」が立ち上がりました。その独自の取り組みとして恋山形駅が行ったのが、駅舎の完全リニューアル。平成25(2013)年に、階段の手すり、フェンス、柱、壁面、ホームミラーもゴミ箱も、全てピンクとハートをモチーフとした駅に生まれ変わったのです。

恋山形駅 ホーム

リニューアルを経て生まれ変わった恋山形駅

恋山形駅の見どころを大紹介!

恋山形駅にはインスタ映えする場所が多くあります。訪れた際には是非写真を撮って欲しいおすすめの見どころを紹介します。

恋ロード

恋山形駅に近づくと、道路に現れるのがピンクのライン「恋ロード」。この道が、恋山形駅までエスコートしてくれます。恋山形駅の斜面には芝桜が植えられていて、春になると駅を一層華やかに飾ります。

恋ロード

恋山形駅の駅前の道路には「恋ロード」が引かれています

ハートとピンクの壁面

入り口に近づくと、ピンクが色鮮やかなホームの外壁に一際大きなハートマークが描かれているのが目に入ります。

恋山形駅 外壁

恋山形駅前の大きなハートマークが目立つ外壁

実はこのハート、ただのハートではありません。足元に注目してみましょう。道路の上に小さな二つのハートマークが描かれているのですが、この上に立つと壁のハートマークと一緒に記念撮影ができるのです。向かい側にはフォトスタンドが設置されているので、セルフタイマーで撮影をすることも可能。2人で記念写真を撮るにはぴったりのフォトスポットですね。

ハートのフォトスポット

ハートマークの上に立って記念写真を撮りましょう

恋山形駅の全貌はこちら。

恋山形駅 入り口

恋山形駅入り口

恋ポスト

恋山形駅前にあるのは、恋山形駅リニューアル3周年記念に作られた「恋ポスト」。投函された郵便物は、地域の人や駅職員が毎週月曜日に回収し、ハート型の消印が押されて全国に届けられます。相手と連絡を取るのが便利になった今だからこそ、手紙で思いを伝えてみてはいかがでしょうか。

また、恋山形駅近くの智頭駅、大原駅、上郡駅には木製のハートの形のハガキが販売されています。記念に購入して大切な人に送ってみては。

恋ポスト

この恋ポストから手紙を送れば、思いが一層伝わるはず

このように恋ポストに入れた郵便物にはハート型の風景印(消印)が押されます。とても可愛らしい風景印なので、恋山形駅を訪れた際には手紙を送ってみましょう!

郵便物を投函するときには切手を忘れずに貼ってくださいね。
恋ポストで出した郵便物の消印

恋ポストで出した郵便物の消印

ハートのモニュメントと恋がかなう鐘

1番ホームに足を踏み入れると、ハートのモニュメントがお出迎え。ここでは、恋山形駅構内の自動販売機で購入できるハート型の絵馬をかけることができます。

ホームにあるハートのモニュメント

絵馬は智頭駅でも購入できます

絵馬をかけたら、恋愛成就の願いを込めてモニュメントの上にある鐘を鳴らしましょう。「恋」の字の上にはハートマークの凹みがあり、絵馬をはめて記念撮影ができるようになっています。あらゆるところにフォトスポットが作られているのも嬉しいポイント。絵馬は一年に一度、鳥取市内にある白兎(はくと)神社に奉納されています。

恋山形駅 絵馬

ハートの凹みに絵馬を入れて願うと、恋が叶うと言われています

恋山形ノート

ハートのモニュメントの下の棚には「恋山形ノート」という観光客が恋山形駅で恋心をつづったノートがあります。ノートの数は現在35冊にのぼっており、恋をする多くの人々が訪れていることがわかります。
恋山形ノート

恋心を綴ることのできる恋山形ノート

恋山形駅の鉄道むすめ

恋山形駅の壁に描かれている女の子。誰であるのか気になる方もいるでしょう。実は恋山形駅の鉄道むすめ「宮本えりお」という女の子なのです。

鉄道むすめ(てつどうむすめ)とは、株式会社トミーテックが中心となって、鉄道に関する職場で働く女性をモチーフに、展開しているキャラクター。「宮本えりお」は智頭急行の車掌さんをイメージしたキャラクターデザインです。是非その前で一緒に写真を撮ってみては。

宮本えりお

鉄道むすめ 宮本えりお

ピンク色の駅構内

駅名標や、乗り場案内もハート型。どこを撮ってもフォトジェニックな恋山形駅は、縁結びのパワースポットとしてだけではなくデートスポットにも女子旅にもおすすめです。電車の待ち時間には、細部にまでこだわった駅構内をじっくりと見学してみてくださいね。

恋山形駅 ハート型の乗り場案内

ハート型の乗り場案内

恋山形駅オリジナルグッズ

恋山形駅ではオリジナルグッズを販売しています。ハート型の絵馬だけでなく、恋山形駅の駅名標の描かれたキーホルダーや中に恋山形駅の硬券きっぷをハート型にくり抜いたものが入っているお守りが販売されています。

恋山形駅に訪れた際には是非記念にお土産として購入してみてくださいね。
恋山形駅で購入できるハート型の絵馬

恋山形駅で購入できるハート型の絵馬

また、実際に恋山形駅に行かなくても智頭急行のWebサイトからも購入することができます。そして購入した絵馬を郵送すれば恋山形駅の絵馬掛けに掛けてもらうことが可能です。少し遠いけど良縁があるように願いたいという方は是非Webサイトで購入をして絵馬を郵送してみてくださいね。

冬季にはイルミネーションが開催

智頭急行では毎年12月から2月の間、智頭駅と恋山形駅で「駅イルミネーション」を実施しています。

恋山形駅では「恋」をイメージしたイルミネーションやクリスマスツリーで駅が飾られます。また、見どころであるハートマークに恋の矢が刺さったモチーフなどもピンク色の光で彩られ見応えがあります。

【恋山形駅 基本情報】
住所:〒689-1421 鳥取県八頭郡智頭町大内159-3
電話:0858-75-6600(平日 9:00~17:45、智頭急行株式会社)
アクセス:(電車)JR 智頭急行 智頭駅 → JR 智頭急行 恋山形駅 下車 時刻表・運賃表
     (車)智頭駅から車で約10分
公式サイト:智頭急行株式会社

恋山形駅周辺のおすすめ観光スポット

恋山形駅の周辺には、電車で30分ほどで行くことができる観光スポットがいくつもあります。恋山形駅を訪れる際にはぜひ智頭急行に乗って、智頭周辺の魅力を満喫しましょう。

また、恋山形駅周辺の道は狭く、駐車場も数台分しかないため、車で訪れる際には十分気をつけてくださいね。

智頭宿(ちづしゅく)

智頭宿(ちづしゅく)は、恋山形駅から電車で10分ほどのところにある、因幡街道の旧宿場町。江戸時代に、参勤交代で上京する鳥取藩藩主の宿や休憩の場となる御茶屋や奉行所、制札場が置かれていた要所です。

智頭宿の街並み

智頭宿の街並み

沿道には宿場町として栄えていた往時を偲ばせる町屋の建物や道標が今もなお残り、江戸時代にタイムスリップしたかのようなレトロな雰囲気。その趣から、歴史の道百選と遊歩百選にも選ばれています。

そんな智頭宿を散策する上で、外せないスポットを3つ紹介します。

1. 石谷家住宅

智頭宿のほぼ中央に位置する「石谷家(いしたにけ)住宅」。江戸から昭和にかけて繁栄した地元の豪商、石谷家の邸宅です。

石谷家住宅

重厚な大門が出迎える石谷家住宅

敷地面積は約3,000坪、部屋数は40にも及び、智頭宿で最大の建物である石谷家住宅。大正から昭和にかけて増改築が行われ、江戸〜昭和の建築技術の推移を見ることができる、貴重な近代的建築です。2009年には国の重要文化財に指定されました。

見どころは、赤松を使った吹き抜けの土間。イギリスで学んだ建築家の田中力造が商談の場としてホール風に設計したもので、重厚感に溢れた約14mの吹き抜けからは、職人の心意気が感じられます。

主屋に沿って立つ3つの蔵は、美術品や工芸品を展示するギャラリー。石谷家に修蔵されていた数々の名品や、地元で活躍する作家たちの作品を鑑賞することができます。

【石谷家住宅 基本情報】
住所:〒689-1402 鳥取県八頭郡智頭町大字智頭396
電話:0858-75-3500
開館時間:10:00〜17:00(最終入館16:30)
休館日:水曜(水曜が祝日の場合は翌日)、年末年始(12月28日〜1月2日)
入館料:大人 600円
    高校生 500円
    小・中学生 400円
    幼児・高齢者(80歳以上) 無料(生年月日を示すものが必要)
アクセス:JR 智頭急行 恋山形駅 → JR 智頭急行 智頭駅より徒歩(約5分)
公式サイト:石谷家住宅

2. 諏訪神社

石谷家住宅から徒歩約3分のところにある「諏訪神社」。牛臥山の山麓に位置し、江戸時代は鳥取藩主池田家の祈願所として栄えた古社です。

諏訪神社

境内には社紋である楓が繁茂しています

創建は鎌倉時代の1278年、信州にある諏訪大社の分霊を奉るために建てられました。以来、軍神・農業・鎮火の神として広く信仰されています。

1583年に羽柴(豊臣)秀吉の淀山城(富貴谷城)攻略による兵火で焼失したため、現存する本殿は1832年改築のものですが、柱に施された見事な彫刻は圧巻のもの。

秋になると境内の楓が艶やかに色づき、紅葉の名所として多くの人で賑わいます。

諏訪神社 紅葉

紅葉の見頃は11月上旬〜下旬です

【諏訪神社 基本情報】
住所:〒689-1402 鳥取県八頭郡智頭町智頭227
電話:0858-76-1111(9:00〜18:00、智頭町総合案内所)
アクセス:JR 智頭急行 智頭駅より徒歩(約15分)

3. 杉玉工房

石谷家住宅から徒歩1分の「杉玉工房」。智頭の伝統工芸品、杉玉の手作り体験ができる施設です。

杉玉 イメージ

酒蔵の前に吊るされる杉玉

杉の美林に覆われる智頭町は、古くから「杉のまち」として栄えてきました。そんな智頭の伝統工芸品が、杉玉(すぎだま)です。杉玉とは、造り酒屋が新酒を仕込んだ際に酒蔵にぶら下げ、新酒ができたことを知らせるもの。緑色の杉玉が茶色に変化すると、新酒の熟成が進んだということの証です。

緑の杉玉

新酒ができたことを知らせる緑色の杉玉

智頭宿では、酒蔵だけでなく民家の軒先にも吊るされており、智頭のシンボルとも言える杉玉。

杉玉工房では10月から5月までの期間限定で、杉玉作りを体験・見学することができます。要予約なので、事前に電話で申し込んでから向かいましょう。

【杉玉工房 基本情報】
住所:〒689-1402 鳥取県八頭郡智頭町智頭545
電話:0858-75-2345
休業日:不定休(4~9月)
アクセス:JR 智頭急行 智頭駅より徒歩(約10分)
《杉玉づくり体験》
料金:1個(直径15㎝)3,000円~
※大きさにより異なる
※定員に限りあり(要相談)

流しびなの館

鳥取市用瀬(もちがせ)町に位置する「流しびなの館」。江戸時代から現在までの、各地の雛人形を展示する施設です。

流しびなの館 外観

建物は京都金閣寺に模した木造造り

古くから用瀬町では、旧暦3月3日に紙で作ったひな飾りを千代川(せんだいがわ)に流し、無病息災を願う「流しびな」という習わしがありました。

用瀬の流しびな

用瀬の流しびな

この伝統行事である流しびなを紹介するために作られたのが、「流しびなの館」。施設内では、用瀬の流しびなや雛祭りの歴史が紹介されています。建物は、京都金閣寺をモチーフにした大型木造建築。展示室には、江戸時代をはじめ各時代の雛人形や雛飾りなど、約800体の雛が飾られています。

雛人形の展示

雛人形だけでなく、加茂人形や御所人形も展示されています

旧暦3月3日には流しびなを体験したり、事前予約をすれば流しびな作りに参加することもできますよ。

【流しびなの館 基本情報】
住所:〒689-1211 鳥取県鳥取市用瀬町別府32-1
電話:0858-87-3222
開館時間:9:00~17:00
休館日:水曜(水曜が祝日の場合は営業)、年末年始(12月29日〜1月2日)
    ※15名以上団体割引 200円
    中学生以下 無料
アクセス:JR 智頭急行 恋山形駅 → JR 智頭急行 智頭駅 → JR 因美線 用瀬駅より徒歩(約7分)
公式サイト:流しびなの館

恋山形駅に来たら、ぜひ周辺の観光も楽しもう

フォトジェニックな縁結びのパワースポットとして人気の恋山形駅。ピンクとハートが散りばめられた駅舎には、恋を成就させたいという人の願いや、多くの人に来てもらいたいという地元の人の思いが込められています。

そんな恋山形駅から電車に乗って足を伸ばせば、歴史を感じる街並みや、鳥取の魅力が発見できる観光スポットがたくさん。ぜひ智頭急行に乗って、恋山形駅周辺をゆっくり観光してみてください。