樹氷ってなに?
樹氷ができる仕組みとは?
樹氷が育つ時期と見頃はいつ?
樹氷を楽しむのにおすすめのスポット
樹氷は日本が誇る白銀の絶景

雪の花のように繊細で美しい姿から雪の怪獣のように自然の力強さを感じさせる姿までさまざまな表情をもつ「樹氷」。日本の冬の風物詩の1つである雪の絶景です。

実は樹氷は世界的にみても非常にレア。日本の他にはドイツでしか見ることができない希少な絶景なんです。

今回はそんな樹氷の秘密や魅力、おすすめスポットについて紹介します。

樹氷ってなに?


富士山と繊細な樹氷が織りなす絶景
樹氷とは0℃以下の水の粒が樹木にぶつかることで凍ってくっつき、薄い氷の層を作り出す現象のこと。世界的にみても非常に珍しく、多くの自然条件が整うことで見ることができる雪の絶景です。

樹氷は非常に層が薄く、繊細なものから、大きな雪の塊のような形をしたまるで怪獣といえるような大迫力のものまで徐々に成長していきます。中でも大きなものは「スノーモンスター」や「アイスモンスター」と呼ばれ、日本国内だけでなく、海外からの観光客までも魅了しています。

樹氷はどうやってできる?


太陽を浴びてキラキラと輝く樹氷
神秘的な雪景色である樹氷。実は雪が大量に積もっただけの現象ではないんです。スノーモンスターとも表現される巨大な雪の塊はどのようにしてできるのでしょうか。

樹氷は3つのステップを繰り返すことで成長していきます。

①着氷:雪や風の中の増えた水分が枝や葉にぶつかり、凍る
②着雪:吹雪などで着氷した氷の隙間に多くの雪が入り込む
③燃結:雪がくっつき、風上に向かって成長する

この3ステップを繰り返し行うことで、薄かった氷の層が成長し、やがてスノーモンスターを生み出すまでに至るのです。


雪をまとい巨大化したスノーモンスター
また、樹氷ができるには多くの自然条件が整っている必要があります。

その条件とは、
・適切な降雪量
・常緑針葉樹が自生している(落葉広葉樹には氷がつきにくい)
・同じ方向から冷えた水分を含んだ強風が吹き続ける
・亜高山地帯の西側の傾斜である
・気温が0℃以下で、たまに氷点下10℃以下の猛吹雪が吹く

これらの条件が揃った上で3ステップを繰り返すと樹氷ができるというわけです。樹氷は風上に向かってとび出るように成長していき、その姿は「エビの尻尾」と呼ばれることも。条件が全て揃う場所はかなり珍しく、日本以外では黒い森を意味するドイツのシュヴァルツヴァルトでしか見ることができません。


雪原一面に広がる樹氷郡
人間の背丈を優に超えるモンスターが立ち並んだ光景はまさに言葉を失う絶景といえるでしょう。

樹氷が育つ時期と見頃とは?


2月に見頃を迎える樹氷
常緑針葉樹が氷で覆われ始めるのは11月から12月頃。季節風によって冷えた水分が運ばれ、着氷し始めます。そして徐々に着雪が始まり、大きさを増していきます。

1月は成長期と呼ばれ、風上に向かってエビの尻尾が発達し始めます。この頃には着雪も盛んになり、大きな樹氷となるものも出てきます。

2月は最盛期と呼ばれ、まさに見頃。このシーズンになると着氷と着雪が最も盛んで、スノーモンスターが次々と生まれ、巨大な雪の塊が立ち並びます。この時期になると有名なスポットでは多くのイベントが開催。観光客も増え、多くの人で賑わいます。

3月に入ると気温の上昇に伴い、段々と樹氷が細くなっていきます。雨などをきっかけに一気に崩れることもある、いわゆる衰退期へと向かっていくのです。

樹氷のおすすめ絶景スポット5選

ここでは樹氷を見るのにおすすめのスポットを紹介します。見れるだけで奇跡の絶景をその目で堪能してみましょう。

蔵王(山形県・宮城県)


日本随一の知名度を誇る蔵王の樹氷
山形県と宮城県にまたがっている蔵王連峰は言わずと知れた樹氷の名所。それぞれの県に特色があるため、自分好みの樹氷が見れるようにチェックしておきましょう。

山形蔵王はアクセスの良さが特徴的。ロープウェイが通っているため、誰でも簡単に樹氷を楽しむことができます。凄まじい数の樹氷が自分の周りを360度ぐるっと囲んだ景色は思わず息を飲んでしまいます。


樹氷の間を縫うように滑ることができるゲレンデ
樹氷を観賞しながらウィンタースポーツが楽しめるのも嬉しいポイント。「ザンゲコース」と呼ばれる、スノーモンスターの間をスキーやスノーボードで滑走することができるコースが大人気です。写真を撮るもよし、ウィンタースポーツを楽しむのもよしと自分に合った楽しみ方を選ぶことができます。

また、ライトアップも特徴的で、暗闇の中にモンスター級の大きな樹氷が浮かび上がる姿はなんともいえない幻想的な雰囲気を演出しています。


自然の雄大さに圧倒される宮城蔵王
宮城蔵王は人の手が加えられていないことが特徴。周りには雪しかない白銀の世界で、樹氷のありのままの姿を堪能することができます。

ロープウェイのようないつでも利用できるものではなく、完全予約制の雪上車で樹氷へ向かうため、落ち着いてゆっくりと観賞したい人にはピッタリです。樹氷の見頃である2月頃は予約が込み合うことが多いため、要注意。

志賀高原横手山(長野県)


スノーモンスターが立ち並ぶ横手山の樹氷
雪原を埋め尽くすほどのスノーモンスターが待ち受ける横手山。志賀高原に位置する青空と白銀のコントラストが美しい樹氷の名所です。

横手山で樹氷を見ることができるのは渋峠スキー場。標高2,307mにある日本一の標高を誇るスキー場です。ここではリフトを利用することでウィンタースポーツを楽しみながら樹氷鑑賞をすることができます。晴れた日は北アルプスや日本海を見ることができる眺望も魅力の1つ。

標高の高さの恩恵を受けて、暖冬でも高確率でスノーモンスターを見ることができます。その分気温が非常に低いので防寒対策を意識した服装で見にいきましょう。

八甲田山(青森県)


夕日に照らされて赤く染まる八甲田山の樹氷
日本一との呼び声高い八甲田山の樹氷。青森県八甲田山に位置する豪快なスノーモンスターが雪原いっぱいに広がるスポットです。

山頂付近にはスキーのコースが豊富に揃っており、ウィンタースポーツを楽しむ人からも絶大な支持を得ている八甲田山の樹氷。樹氷だけでなく白銀のパノラマも必見で、一度見たら忘れられない美しさを放っています。


簡単に絶景スポットへ行ける八甲田山のロープウェー
八甲田山の樹氷を見るのにおすすめなのは八甲田ロープウェー。101人乗りの広々としたロープウェーで絶景スポットにアクセスできます。都会では決して味わうことのできない景色を堪能してはいかがでしょうか。

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絶景

八幡平樹氷(岩手県)


どこまでも広がっている八幡平の樹氷
蔵王に並ぶといわれるほどの規模を誇る八幡平樹氷。秋田県鹿角市に位置するアオモリトドマツの樹氷郡です。

八幡平樹氷の特徴はスポットに行くために冬山をトレッキングする必要があること。雪山を5kmほど歩く必要があるため、見学ツアーに参加する、もしくはガイドが必要となります。

寒さに耐えて辿り着いた絶景はより一層特別なものになること間違いなし。雪に囲まれた空間で自然の驚異を体感することができます。

旭岳(北海道)


北海道随一の眺望を誇る旭岳から見る樹氷
樹氷だけでなく、雲海やサンピラーなど神秘的な自然現象を見ることができる旭岳。北海道最高峰の眺望を誇る雄大なスポットです。

旭岳は北海道の先住民族であるアイヌから「カムイミンタラ(神々の遊ぶ庭)」と呼ばれてきた神聖な場所。北海道随一の樹氷を誇り、多くの観光客で賑わっています。


北海道で観測された神秘的なサンピラー
旭岳は冬にサンピラーが観測されやすい場所としても知られています。サンピラーとは日没前後に太陽と同じ幅程度の光の柱が出現する現象のこと。運が良ければ眼下に広がる樹氷郡とのコラボレーションを楽しむことができます。

樹氷は日本が誇る白銀の絶景

今回は樹氷の仕組みとおすすめスポットについて紹介しました。雪と氷が織りなす絶景は世界的にも珍しく、日本の冬を象徴するような現象となっています。

風が吹くだけで壊れてしまいそうな繊細さや自然の驚異を体感できるスノーモンスターなど、さまざまな表情を見せる樹氷。そんな景色を楽しむために、都会の喧騒を抜け出して白銀の世界に飛び込んでみてはいかがでしょうか。