兼六園の歴史
兼六園の名前の由来
兼六園の見どころ
兼六園の春夏秋冬
兼六園のライトアップイベント
兼六園の基本情報
兼六園の周辺情報
加賀百万石の絢爛な武家文化を今に伝える兼六園

江戸時代に加賀藩の城下町として栄えた歴史的風情が多く残る街、石川県金沢市に位置する「兼六園(けんろくえん)」。水戸の偕楽園、岡山の後楽園と並び日本三名園の一つに数えられています。

冬の風物詩・雪吊りや紅白の梅が咲き誇る梅林など、四季折々の自然を生かした景観は国内屈指の美しさ。平成21年にはミシュラン観光ガイドで最高評価の3つ星を獲得し、毎年多くの観光客が訪れる人気スポットとなっています。

今回は兼六園の歴史や名前の由来、園内の見どころを紹介します。

兼六園の歴史

兼六園

長い歳月をかけて形作られた兼六園

兼六園は5代藩主・前田綱紀(つなのり)が金沢城に面している傾斜地に蓮池御殿(れんちごてん)という別荘を建て、その周辺を庭園としたのが始まりだといわれています。

これが現在の兼六園の礎となったのですが、宝暦9年の大火で庭園のほとんどが焼失。その後、加賀藩前田家の歴代藩主により長い年月をかけて形作られ、現在のような一大庭園となったのは嘉永4年、幕末のことでした。

当初は庭園としての美しさを重視するだけでなく、金沢城の防衛という戦略的観点も考慮して池や山の配置が考えられていたのだとか。藩主の庭であった兼六園は維新の後、明治7年に金沢市民に一般開放され、多くの人たちが訪れるようになりました。

大正11年には国の名勝に指定、昭和60年には庭園の国宝ともいえる特別名勝に格上げされ、誰もが認める名園として知られるように。平成12年には廃藩の後、惜しくも撤去されてしまった時雨亭(しぐれてい)が復元されるなど、現在も園内の整備や改善が続けられています。

兼六園の名前の由来

兼六園

不可能を可能にした庭園と称される兼六園

兼六園の住所は金沢市兼六町ですが、「兼六園」という名称はもともと土地の名前からつけられたのではありません。

兼六園の名前の由来となったのは、宋の時代に刊行された『洛陽名園記』。これは当時の名園を紹介する書物で、「庭園は優れた6つの景観を兼ね備えることはできないが、湖園という庭園だけは、この6つを兼ね備えている」といった記述がありました。

兼六園の名付け親となったのは江戸幕府で老中を務めていた松平定信。12代藩主であった前田斉広(なりなが)に庭園の命名を依頼された松平定信は『洛陽名園記』からヒントを得て、完璧であるとされる湖園にも見劣りせず、6つの景観を兼ね備えていることから「兼六園」と名付けたといわれています。

六勝とは

六勝

六勝を兼ね備える庭園である兼六園

『洛陽名園記』に記されている優れた6つの景観とは、「宏大(こうだい)」「幽邃(ゆうすい)」「人力(じんりょく)」「蒼古(そうこ)」「水泉(すいせん)」「眺望(ちょうぼう)」のことで、これを総称して「六勝」といいます。

これらは相反する景観であることから、6つ全てを1つの庭園の中で実現することは至難の技だとされていました。

「宏大」とは広く大きいこと。それに対し「幽邃」とは静かで奥ゆかしいこと。開放的で大胆な雰囲気を持つ広大な場所に、穏やかで上品な空間を演出するのはとても難しいことです。

また人の手が加わった人工的な美しさを指す「人力」と、古き良き趣があることを指す「蒼古」も相反する意味を持つ言葉。長い年月をかけて自然に生まれた美しさは、人の手を加えることで損なわれてしまいます。

同じように、池や川などの水辺のことを指す「水泉」と遠くまで眺めることができ見晴らしが良いことを指す「眺望」も共存することは難しく、土地の低いところにある川や池(=水泉)を多くすると必然的に見晴らしが悪くなってしまいます。

このように、6つの景観はそれぞれ対立していて、どちらかを実現しようとすると片方が損なわれてしまうことになります。しかし、兼六園は1つの庭園の中にこれら6つの景観を全て取り入れ、相反する要素を調和させることで対照の美を演出することに成功しました。

兼六園の見どころ

唐崎松(からさきまつ)の雪吊り

雪吊り

お菓子のモデルにもなった兼六園の雪吊り

兼六園の中で最も枝ぶりが見事な唐崎松(からさきまつ)。13代藩主であった前田斉泰(なりやす)が近江八景の一つである琵琶湖畔の唐崎松から種子を取り寄せて育てた黒松です。

金沢の冬の風物詩といわれる雪吊り作業が園内で最初に行われるのがこの唐崎松。雪吊りは日本海側特有の湿った雪の重みで枝が折れないようにする作業のことで、冬になると金沢市内の至るところで雪吊り作業を目にすることができます。

日本最大の大きさを誇る兼六園の雪吊り。円錐型のシルエットが霞ヶ池の水面に映る様子は、他の庭園では見ることができない美しさです。

霞ヶ池(かすみがいけ)

霞ヶ池

四季折々の庭景が美しい霞ヶ池

兼六園の中心部に位置する霞ヶ池。13代藩主・前田斉泰が以前の3倍の大きさに拡張したこの池は現在の園内で最も大きな池となっています。

面積は約5,800㎡、深さは最も深いところで1.5mほど。池の周辺には徽軫灯籠(ことじとうろう)や唐崎松、蓬莱島(ほうらいじま)、虹橋などの名勝や銘石、数多くの木々が配され、廻遊しながら四季折々の庭景を楽しめるようになっています。

徽軫灯籠(ことじとうろう)

徽軫灯籠

読み方が難しい兼六園のシンボル・徽軫灯籠

兼六園のシンボルとして知られる2本脚の灯籠・徽軫灯籠(ことじとうろう)。水面を照らすために使われていた雪見灯籠が変化したもので、形が楽器の琴の糸を支え、音を調整する琴柱(ことじ)に似ていることからその名がついたといわれています。

2つの脚は元々同じ長さでしたが、何かの原因で折れてしまい、現在は石の上に片脚を乗せてバランスを保っているのだとか。曲水に架かる虹橋とかたわらの紅葉の古木との三位一体となった風景からは日本特有の風情が感じられます。

雁行橋(がんこうばし)

雁行橋

別名・亀甲橋とも呼ばれる雁行橋

11枚の石を使用してつくられた雁行橋(がんこうばし)。雁が夕空に列をなして飛んでいくように見えることから雁行橋と呼ばれるようになったそうです。

雁行橋に使われている赤戸室石(あかとむろいし)は加賀藩が採掘を独占していた門外不出の石。金沢城や兼六園では灯籠や橋、石垣などに贅沢に使われています。

現在は石の磨耗が著しく通行できなくなっている雁行橋。石の1枚1枚が亀の甲の形をしていることから「亀甲橋」とも呼ばれ、かつてはこの橋を渡ると長生きできると信じられていたそうです。

根上松(ねあがりまつ)

根上松

兼六園名物の一つである根上松

徽軫灯籠に次ぐ名物の一つである根上松(ねあがりまつ)。大小40数本もの松の根が地上2mにまでせりあがった様子は訪れた人を驚かせるほどの迫力があります。

この松は13代藩主であった前田斉泰が土を盛り上げて若松を植え、成長後に土を取り除いて根をあらわにしたものだと伝えられています。

梅林

梅林

白い雪と紅色の梅のコントラストが美しい冬の梅林

3月に見頃を迎える金沢の梅の花。兼六園の梅林は、昭和44年に明治百年記念事業として約3,000㎡ともいわれる広大な場所に全国から約20種200本を超える梅の苗木が寄贈され造園されたものです。

2月下旬に咲き始める濃いピンク色の八重寒紅をはじめとした数多くの梅で園内が華やかに染まり、白い雪と紅色の梅の美しいコントラストを楽しむことができます。

瓢池(ひさごいけ)

瓢池

神秘的な雰囲気を醸し出す瓢池

園内で最も古い時代につくられたといわれる瓢池(ひさごいけ)。池の中程がくびれて瓢箪(ひょうたん)のような形をしていることからこの名前がつけられました。

瓢池は池の周りをゆっくりと歩いて楽しむのがおすすめ。周囲をひとまわりすると、場所によって同じ池とは思えない多彩な表情を見ることができます。

池の中に浮かぶのは不老長寿の島と、神仙島をかたどった大小2つの島。他にも瓢池の中島に建つ海石塔(かいせきとう)や翠滝(みどりたき)など、兼六園でしか見ることができない荘厳な景観が訪れる人たちを楽しませてくれます。

夕顔亭

夕顔亭

本格的な茶の湯を催すことができる夕顔亭

瓢池の東岸にある夕顔亭。安永3年に建てられた園内最古の建物で、当時のままの姿を今に伝える茶亭です。

夕顔亭という美しい名前は、茶室内の壁にウリ科の植物である夕顔の透彫りがあることから名付けられたそう。夕顔亭では、瓢池や翠滝を眺めながら本格的な茶の湯を楽しむことができます。

噴水

噴水

日本最古といわれる兼六園の噴水

文久元年につくられた日本最古といわれる兼六園の噴水。藩政末期、金沢城内の二ノ丸に水を引くために試作されたものであるといわれています。

水の高さは約3.5m。噴水より高い位置にある霞ヶ池を水源とし、池の水面との高低差を利用した自然の水圧で吹き上がっています。

兼六園の春夏秋冬

春の見どころ

春の兼六園

満開の桜が美しい春の兼六園

多彩な桜の花を楽しむことができる春の兼六園。園内には至る所に桜が植えられており、小鳥のさえずりや春の心地よい風を感じながら散策すると、どこを見ても可憐に咲き誇る桜の花を眺めることができます。

兼六園には約40種類、400本を超える桜の木々が植えられているそう。ソメイヨシノや八重桜など品種によって開花時期が異なるため、比較的長い期間桜を楽しむことができます。

中でもおすすめなのが菊桜。1つの花に花びらが300枚以上つき、菊の花のように咲くことからこの名前がついたそうです。普通の桜と違って、濃い紅色、薄い紅色、白と色が移っていくのが大きな特徴。毎年4月になると、この菊桜を目当てに多くの観光客が兼六園に訪れます。

夏の見どころ

夏の兼六園

新緑が美しい夏の兼六園

園内を流れる豊かな水が清涼感を感じさせてくれる夏の兼六園。園内の曲水は、小立野口付近にある山崎山の洞窟から流れ出ており、この辺りは人が少ないので誰にも邪魔されず水の音をゆったりと楽しむことができます。

夏に兼六園を訪れる人に特におすすめなのが徽軫灯籠から眺める霞ヶ池。鮮やかに生い茂る木々の緑と美しく澄んだ青空、そしてそれを写し込む霞ヶ池の水面が織りなす風景は絶対に見逃せません。

また、水のキレイな兼六園では夏の夜になると蛍を見ることができるそう。毎年7月上旬頃にはホタル鑑賞会が開催され、美しい蛍の光が園内を幻想的な雰囲気にしてくれます。

秋の見どころ

秋の兼六園

赤や黄色のもみじで彩られた秋の兼六園

カラフルに色づいた紅葉を楽しむことができる秋の兼六園。天気の良い日に眺望台に登れば、そびえ立つ山々の紅葉を大パノラマで見ることができます。

紅葉の他にも園内には萩やススキ、撫子など秋の七草が盛りだくさん。比較的過ごしやすいこの時期は秋の草花を探しながら園内を散策し、ゆったりとした時間を過ごすのがおすすめです。

そしてなんといっても見逃せないのがライトアップイベント。11月上旬頃から下旬頃にかけて開催される秋の段では美しく照らされた雪吊りと紅葉のコントラストを楽しむことができます。

冬の見どころ

冬の兼六園

真っ白な雪に覆われた冬の兼六園

日本最大の雪吊りが美しい冬の兼六園。2月に開催される冬のライトアップでは真っ白な雪に覆われた兼六園が黄金の光で輝き、まるで別世界にいるような非日常感を味わうことができます。

金沢の雪は12月から2月頃に降ることが多いそう。縄に雪が積もり存在感を増した雪吊りを見たい人は来園前日の夜の天気予報をチェックしてから訪れるのがおすすめです。

冬に兼六園を訪れる人に特におすすめなのが三芳庵の水亭。瓢池のほとりで翠滝の音を聴きながら雪に覆われた園内を眺めれば冬の金沢を感じられること間違いなしです。

兼六園のライトアップイベント

ライトアップイベント

兼六園の大人気イベントである秋のライトアップ

金沢市は個性的な夜景が楽しめる街づくりに力を入れていて、夜ならではの幻想的な雰囲気を楽しむことができます。そのシンボル的な存在となっているのが兼六園のライトアップ。

年間を通して開催されるライトアップイベントでは、兼六園とともに金沢城と玉泉院丸庭園もライトアップされ、歴史ある空間があたたかな光で包まれます。

春は可憐で美しい夜桜、夏は曲水や滝などの涼しげな風景、秋は艶やかな紅葉、冬は雪明かりに照らし出される唐崎松。いつ見ても異なる風景を見せてくれる兼六園のライトアップは四季折々、何度でも訪れたくなるおすすめイベントとなっています。

ライトアップ年間スケジュール

・冬の段(2月中旬頃〜下旬頃)
・観桜期(4月上旬頃)
・春の段(5月上旬頃)
・初夏の段(6月上旬頃)
・ホタル鑑賞会(7月上旬頃)
・夏の段(7月下旬頃〜8月中旬頃)
・秋の段(11月上旬頃〜下旬頃)

兼六園の基本情報

住所:石川県金沢市兼六町1番
TEL:076-221-6453
公式サイト:文化財指定庭園 特別名勝 兼六園
開園時間:
通常(有料)
3月1日〜10月15日 7:00〜18:00
10月16日〜2月末日 8:00〜17:00

早朝無料入園サービス
3月1日〜3月31日  5:00〜通常開園の15分前まで
4月1日〜8月31日  4:00〜通常開園の15分前まで
9月1日〜10月31日 5:00〜通常開園の15分前まで
11月1日〜2月末日 6:00〜通常開園の15分前まで

休園日:年中無休

入園料:大人 320円 小人 100円
※小人は6歳〜17歳

無料開放期間:兼六園は以下の期間、無料開放されています。
・12月31日〜1月3日までの年末年始(大晦日から元旦にかけては夜間も開放されています。)
・観桜期の1週間(開花の時期によって毎年変わります。)
・金沢百万石まつりの3日間
・8月14日〜16日までのお盆の期間
・11月3日の文化の日
・定期的に行われている「金沢城・兼六園ライトアップ」

バスでのアクセス

1.城下まち金沢周遊バス
右回りルート 金沢駅兼六園口(旧東口)6番のりば→【兼六園下・金沢城(石川門向い)】6番停留所で下車
左回りルート 金沢駅兼六園口(旧東口)6番のりば→【兼六園下・金沢城(白鳥路前)】9番停留所で下車
料金:おとな200円、こども100円

2.金沢ライトアップバス
金沢駅兼六園口(旧東口)6番のりば→【兼六園下・金沢城(石川門向い)】4番停留所で下車

車でのアクセス

1.北陸自動車道/富山方面から【金沢森本IC】下車→山側環状道路経由で約20分
2.北陸自動車道/福井方面から【金沢西IC】下車→新神田・野町広小路経由で約30分

駐車場:
1.兼六駐車場 482台 24時間年中無休 最初の1時間350円 超過30分毎150円
2.石引駐車場 370台 24時間年中無休 最初の1時間まで30分毎100円 以降超過30分毎100円
 
  

兼六園の周辺情報

兼六園と一緒に訪れたいおすすめの周辺スポットを紹介します。

金沢21世紀美術館

金沢21世紀美術館

太陽の光が降り注ぐガラス張りの建物が印象的な金沢21世紀美術館

兼六園から徒歩3分ほどのところにある「金沢21世紀美術館」。「新しい文化の創造」と「新たなまちの賑わいの創出」を目的に開設された現代アートの美術館です。

建築コンセプトは「まちに開かれた公園のような美術館」。館内にはSNSでおなじみの『ラビットチェア』や植物に覆われた壁の作品『緑の橋』など、子どもから大人まで楽しめる作品や展示が盛りだくさんです。

その中でも最も有名なのがレアンドロ・エルニッヒの『スイミング・プール』。この作品は、上から眺めるのと、下から眺めるのではまったく違った景色を楽しむことができ、人が展示の中に入ることで初めて作品が完成する工夫が施されています。

【金沢21世紀美術館 基本情報】
住所:石川県金沢市広坂1-2-1
TEL:076-220-2800
開館時間:
交流ゾーン  9:00〜22:00
展覧会ゾーン 10:00〜18:00(金・土 10:00〜20:00)
入館料:
交流ゾーン  無料
展覧会ゾーン 有料(内容や時期により異なる)
公式サイト:金沢21世紀美術館
アクセス:金沢駅→路線バス・北陸鉄道バス/香林坊方面→【広坂・21世紀美術館】停留所下車→徒歩約1分

金沢城

金沢城

桜の名所としても知られる金沢城

加賀百万石の歴史と文化を肌で感じることができる「金沢城」。加賀藩の藩主・前田氏の居城であった金沢城は、隣接する兼六園とともに金沢を代表する観光スポットとして親しまれています。

見どころは重要文化財に指定されている「石川門」や「三十間長屋(さんじっけんながや)」、「鶴丸倉庫(つるまるそうこ)」といった歴史的建造物の数々。また、2001年から2015年にかけて、「五十間長屋(ごじっけんながや)」や「菱櫓(ひしやぐら)」、「河北門」などの木造建造物が再建され、昔ながらの趣ある姿がよみがえりました。

石垣沿いに咲く桜と金沢城が織りなす美しい景観も魅力の一つ。桜の名所としても知られる金沢城公園には金沢大学付属植物園で栽培されたソメイヨシノなど約400本の桜が植えられており、4月上旬から中旬にかけて見頃を迎えます。

【金沢城 基本情報】
住所:石川県金沢市丸の内1-1-1
TEL:076-234-3800
開館時間:
3月1日〜10月15日  7:00〜18:00
10月16日〜2月末日 8:00〜17:00
入館料:無料
菱櫓、五十間長屋、橋爪門続櫓、橋爪門
大人(18歳以上):310円
小人(6歳〜18歳未満):100円
公式サイト:金沢城公園
アクセス:金沢駅→北陸鉄道バス卯辰山線/卯辰山千寿閣方面→【香林坊】停留所下車→徒歩約9分

石川県政記念しいのき迎賓館

しいのき迎賓館

推定樹齢300年の2本のシイノキが入り口にそびえ立つ石川県政しいのき迎賓館

兼六園から徒歩7分ほどのところにある「石川県政しいのき迎賓館」。大正13年に建てられた旧県庁舎を大胆にリニューアルし、建築当初の格調高い空間と現代的なガラスの空間が共存する建物に生まれ変わりました。

建物の背面に位置するガラス張りの空間からは夜にライトアップする金沢城の石垣を眺めることができるそう。

そして、絶対に外せないのが真正面からの眺め。国指定の天然記念物である樹齢約300年の2本のシイノキと、旧帝国ホテルの本館にも使われたスクラッチタイルを用いた外壁レンガのコラボレーションは息をのむ美しさです。

【石川県政記念しいのき迎賓館 基本情報】

住所:〒920-0962 石川県金沢市広坂2丁目1番1号
TEL:076-261-1111
開館時間:9:00〜22:00
入館料:無料(ギャラリー等では有料展示が行われることもあります。)
公式サイト:石川県政記念しいのき迎賓館
アクセス:
北陸自動車道【金沢西IC】から約20分
北陸自動車道【金沢東IC】から約20分
【JR金沢駅】バスターミナルからバスに乗車→【香林坊(アトリオ前)】停留所下車→徒歩約5分

石川県立伝統産業工芸館

石川県立伝統産業工芸館

石川の伝統工芸品36業種の一つである加賀繍(かがぬい)で作られた加賀ゆびぬき

兼六園に隣接した、石川県の伝統工芸を紹介する展示施設「石川県立伝統産業工芸館」。加賀友禅や九谷焼、輪島塗といった石川の魅力溢れる伝統工芸品36業種を常設展示するとともに、工芸品の「今」を紹介する企画展が月替わりで行われています。

毎週土日に行われる伝統工芸師による制作実演やワークショップも見どころの一つ。金箔押しや水引き作りなど、伝統工芸の魅力を肌で感じることができます。

同館付近に移転する「東京国立近代美術館工芸館」と区別するため、2020年から通称が「いしかわ生活工芸ミュージアム」に。兼六園と合わせて訪れたいおすすめスポットとなっています。

【石川県立伝統産業工芸館 基本情報】
住所:石川県金沢市兼六町1-1
TEL:076-262-2020
開館時間:9:00〜17:00(最終入館:16:45)
入館料:
1階 無料
2階 大人(18歳以上)260円、 大人(65歳以上)210円
公式サイト:いしかわ生活工芸ミュージアム 石川県立伝統産業工芸館
アクセス:
金沢駅→北鉄バス/小立野方面行き→【出羽町】停留所→徒歩約1分
北陸自動車道または金沢西インターから車で約30分

加賀百万石の絢爛な武家文化を今に伝える兼六園

今回は兼六園の歴史や園内の見どころを紹介しました。金沢の冬の風物詩・雪吊りや紅葉のライトアップなど四季折々の魅力が盛りだくさん。

日本三名園の一つである兼六園を訪れて加賀百万石の歴史を肌で感じてみてはいかがでしょうか。