北陸新幹線の新駅③《福井駅》
【どんな駅?】悲願の新幹線駅到達
【ここに注意】1面2線の新幹線ホーム
【改札外スポット】コンセント付き交流施設&トレインビュースポット!
【福井駅からお出かけ】恐竜博物館へ
北陸新幹線の新駅④《芦原温泉駅》
【どんな駅?】駅名はかつての駅の名残
【ポイント】バスの乗り換え表示が親切
【改札外スポット】交流施設「アフレア」
【芦原温泉駅からお出かけ】東尋坊へ
北陸新幹線の新駅⑤《加賀温泉駅》
【どんな駅?】加賀温泉郷への玄関口
【改札外スポットA】駅弁屋プロデュースのカフェバー「髙乃蔵」
【改札外スポットB】おもてなしと日常が同居する「アビオシティ加賀」
【加賀温泉駅からお出かけ】加賀温泉郷巡りへ
北陸新幹線の新駅⑥《小松駅》
【どんな駅?】世界的建機メーカーのお膝元
【改札外スポットA】高架下の交流施設「Komatsu9」
【改札外スポットB】建機が学べる「こまつの杜」
【小松駅からお出かけ】小松空港へ
番外編《金沢駅》

2024(令和6)年3月16日に開業した北陸新幹線・金沢駅〜敦賀(つるが)駅間で、6カ所の新幹線駅が新たに開業しました。この記事では、新しい駅での待ち時間の過ごし方や、近くの観光地を紹介します。

前編では、「敦賀駅」「越前たけふ駅」を紹介しました。後編では、「福井駅」「芦原温泉駅」「加賀温泉駅」「小松駅」の4駅をご紹介します。

TOP画像 芦原温泉駅に併設する交流施設「アフレア」(写真:PIXTA)
※本記事に掲載の情報は2024年4月時点のものです。諸事情により変更となる場合があるので、お出かけの際はご自身で最新の情報をご確認ください

《前編》
【敦賀駅・越前たけふ駅】北陸新幹線延伸! 新駅6駅の構内&駅周辺スポット+観光地①

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絶景の宝庫【福井】おすすめ観光名所12選

北陸新幹線の新駅③《福井駅》

【どんな駅?】悲願の新幹線駅到達

東京から北陸・福井県を経由して大阪に至る新幹線の建設計画が、早急な建設を求める「整備新幹線」に指定されたのは1972(昭和47)年11月のこと。そこから50年余りの年月を経て、福井県の中心駅・福井駅に新幹線が到達しました。悲願である新幹線開業が叶ったとあって、開業当日の福井駅は人波で動けないほどの賑わいぶりを見せていました。

なお、福井駅は北陸新幹線、ハピラインふくい(旧JR北陸本線)のほかに、私鉄の福井鉄道、えちぜん鉄道が乗り入れています。後で触れますが、福井駅から観光地へ向かうなら、「えちぜん鉄道」への乗り継ぎが便利です!

福井駅

福井駅と長い首が特徴のフクイティタン

【ここに注意】1面2線の新幹線ホーム

北陸新幹線・福井駅は、建設当時の諸事情があって、上り線・下り線の線路に、細長くホームが挟まっている「1面2線」と呼ばれるスタイルをとっています。上り線・下り線が分かれている通常のホームより人がたまりやすいため、混み合っている場合は新幹線を降り、エスカレーターを降りるまで少し時間がかかるかも。

福井駅のホーム

北陸新幹線・福井駅ホーム(写真:筆者)

【改札外スポット】コンセント付き交流施設&トレインビュースポット!

福井駅での新幹線待ちは、改札のすぐ横に併設されている「福井市観光交流センター」で。

この施設の1階はゆったりめの休憩所(数は少ないもののコンセントもあり)、2階は期間限定のカフェや各種展示スペース。そして3階は、新幹線やえちぜん鉄道、福井鉄道の車両を眺めることができる屋上広場になっています。

3階は開業初日から子ども連れの家族で賑わい、さっそくトレインビュースポットとしての人気が出ているようです。

福井市観光交流センター3階 屋外広場

福井市観光交流センター3階の屋外広場(写真:筆者)

【福井駅からお出かけ】恐竜博物館へ

1:えちぜん鉄道に乗る

「福井駅で新幹線を降りて、どこかを観光したい」。そんな方は、東口を出て左手の「えちぜん鉄道」に乗り換えるのがおすすめです!

「えちぜん鉄道」は福井駅を拠点として勝山線・三国線の2路線を運行し、永平寺(永平寺口駅から路線バス)、東尋坊(三国駅・三国港駅からバス)など、数々の観光地に行けます。

訪問するなら、1日乗車券が1200円という破格のプライス(各観光地への往復運賃より安い!)で販売されている週末の訪問がおすすめです。それでは、「えちぜん鉄道」に乗って、福井市の北隣にある勝山市の「福井県立恐竜博物館」に行ってみましょう。


えちぜん鉄道の路線図。オレンジ線=勝山永平寺線、紫戦=三国芦原線。恐竜博物館、永平寺、東尋坊といった観光地に行けます

2:福井県立恐竜博物館へ

2000(平成12)年に開館したこの博物館には、恐竜の化石などの展示物が約4万1000点も揃っています。これらの恐竜は全国各地にいたものの、勝山市には「ボーンヘッド」と呼ばれる恐竜の骨が溜まりやすい地層があり、早くから発掘や研究が進められてきました。いつしか福井県は「恐竜王国」とも呼ばれ、発掘を行う研究者が集まるようになったのです。

館内には巨大なティラノサウルスの展示や、アジアを代表する大型の獣脚類(二足歩行の肉食恐竜)「タルボサウルス」、鳥脚類(最大10m 、2足方向の巨大な鳥類)の「サウロロフス」など、見上げるような展示が盛りだくさん。館内のスロープが緩やかな上り坂になっているため、化石をさまざまな角度で眺めることができます。

疲れたら、併設されているレストラン「FPDM RESTAURANT」でひと休み。恐竜の背びれがプレートの中央に立つ「スピノサウルスカレー」、スプーンでオムライスを発掘(すくう)と何かが起きる「化石発掘オムライス」など、楽しいメニューが目白押し!

福井県立恐竜博物館

福井県立恐竜博物館(写真:筆者)

北陸新幹線の新駅④《芦原温泉駅(あわらおんせんえき)》

【どんな駅?】駅名はかつての駅の名残

芦原温泉駅は1897(明治30)年の開業当初、金津(かなづ)駅という名称でした。しかし、この駅から分岐して温泉街近くの芦原駅へ向かう国鉄三国線が1972(昭和47)年に廃止となり、名称を譲り受けるかたちで現在の駅名に変更されています。

そういった経緯もあり、駅名の由来である芦原温泉に行くには、バスへの乗り換えが必須です。

あわら温泉駅

芦原温泉駅外観。駅舎は奥にあり、手前側の施設は交流施設「アフレア」(写真:筆者)

【ポイント】バスの乗り換え表示が親切

芦原温泉駅では、全体的に乗り換えの表示がしっかり行われています。在来線・ハピラインふくい(旧JR北陸本線)芦原温泉駅への誘導看板も大きく、次に発車するバスの案内モニターもしっかり設置済み。お得なバスのチケットも京福バスの窓口で販売しています。

【改札外スポット】交流施設「アフレア」

新幹線への乗車待ち、お土産の購入は、駅併設の交流施設「アフレア」が便利です。1階の「いろはゆAWARA」では海鮮丼や、ふわふわの油揚げがバンズ替わりの「ふくいお揚げバーガー」などを味わうことができ、かつお土産も充実。

2階にあるのは、あわら市の自然・歴史・文化・食を案内する「ふくいミゅ~ジアム」。湯桶をイメージやしたプロジェクションマッピングなどを見ることができます。そして、「ふくいミゅ~ジアム」に併設して待合スペースがあるで、新幹線待ちはここで時間をつぶすとよいでしょう。

アフレア2階・ふくいミゅ~ジアム

アフレア2階の「ふくいミゅ~ジアム」(写真:筆者)

アフレア1階・いろはゆAWARA

アフレア1階の「いろはゆAWARA」(写真:筆者)

【芦原温泉駅からお出かけ】東尋坊(とうじんぼう)へ

1:路線バスに乗る

芦原温泉駅を出る路線バスからは、温泉街があるえちぜん鉄道の「あわら湯のまち駅」や、10kmほど東にある名勝・東尋坊に行くことができます。

2:東尋坊へ

東尋坊の一帯では、火山のマグマが柱状に固まった「柱状節理」状の岩が約1kmにわたって続き、なんとも不思議な景色が広がっています。

世界でもここまで大規模に広がる柱状節理は珍しく、イタリアのチロル地方、アメリカのロッキー山脈とともに「世界三大奇勝」に数えられ、国内でも国の名勝・天然記念物に指定されていたり、日本の地質百選にも選ばれています。

そそりたつ崖から見る柱状節理の奇景はもちろん、日本海の荒々しさや、沈む夕日の美しさも見ものです。

東尋坊の柱状節理

東尋坊の柱状節理

3:東尋坊タワーへ

近くで東尋坊を眺めた後は、「東尋坊バス停」のすぐ近くにある、高さ55mの「東尋坊タワー」から、景色を見渡してみましょう。

東尋坊の柱状節理はタワーの北側でしか見ることができませんが、明治初期まではもっと広範囲で観察できたそうです。

しかし、手前側の三国地区(現在の坂井市三国)に港を建設する際に、オランダ人技師・ゲオルギ・アルノルド・エッセルの指示で柱状節理の岩を築港に使い、大幅に面積が減少したのだとか。

何よりもインフラ(生活基盤)整備が優先された時代には、柱状節理の岩を削るのは、やむを得なかったのでしょう。

なお、ゲオルギ・アルノルド・エッセルの息子であるマウリッツ・エッシャーは版画家となり、だまし絵(トリックアート)先駆者として、世界的にその名を知られています。「福井県立こども歴史文化館」などではエッシャー作品を展示するなど、その縁は百数十年が経った今でも続いています。

なお、駅名の由来である芦原温泉は、東尋坊行きのバスが経由する「あわら湯のまち駅」が最寄り。温泉を楽しみたい方はそちらで下車するか、福井駅でえちぜん鉄道・三国線(三国港行き)に乗るとアクセスできます。

東尋坊タワー

東尋坊タワー

北陸新幹線の新駅⑤《加賀温泉駅》

【どんな駅?】加賀温泉郷への玄関口

今の位置に加賀温泉駅が開業したのは1969(昭和44)年と、比較的近年のことです。

もともとは「作見駅(さくみえき)」として少し離れた位置にありましたが、両隣の「動橋駅(いぶりはしえき)」「大聖寺駅(だいじょうじえき)」が、当時の特急「白鳥」(のちの「雷鳥」「サンダーバード」の前身)の停車駅を巡って争奪戦となったことで、間の作見駅が拡張・移転することに。これは動橋駅・大聖寺駅双方の主張を汲んだことによる措置でした。

こうして拡張・移転した後の駅名が「加賀温泉駅」。周辺の片山津温泉・山代温泉・山中温泉などを総称した「加賀温泉郷」にちなんだ命名でした。

この駅は今でも加賀温泉郷への路線バスの玄関口としての役割を果たしていますが、芦原温泉駅と同様に、駅周辺に温泉は湧いていません。

なお、動橋駅・大聖寺駅を発着していた私鉄(北陸鉄道片山津線・山代線など)は、皮肉にも加賀温泉駅発の路線バスに乗客をとられ、いわば〝共倒れ〟状態で次々と廃止に追い込まれています。

加賀温泉駅

加賀温泉駅の駅舎

【改札外スポットA】駅弁屋プロデュースのカフェバー「髙乃蔵」

加賀温泉駅構内(新幹線改札横、改札外)には、デパート催事で抜群の人気を誇る「高野商店」がプロデュースする「Cafe&Bar 髙乃蔵」があり、地酒の呑み比べなどができます。

高野商店と言えば、1896(明治29)年の創業から130年間近い歴史を誇り、駅弁販売店として加賀の味覚を知り尽くしている存在です。その高野商店が作った「のどぐろ茶漬け」をはじめとしたフードやおつまみの美味しさは、言うまでもありません。

なお、この店舗は新幹線改札のすぐ前という絶好の立地条件にあります。新幹線の乗車待ちは、ここで時間を過ごすといいでしょう。

加賀温泉駅・新幹線改札横のカフェバー「高乃蔵」

加賀温泉駅内、新幹線改札横のカフェバー「高乃蔵」(写真:筆者)

【改札外スポットB】おもてなしと日常が同居する「アビオシティ加賀」

加賀温泉駅は、すぐ近くを幹線道路(県道292号、国道8号)が通っていることもあり、駅前の商業施設「アビオシティ加賀」にはスーパーやケンタッキー・フライド・チキンなどがテナントとして入居。

なお、おなじ「アビオシティ」でも、駅寄りには名産品や焼きもの、絵付けの体験コーナーまで揃った「加賀百選街」があります。でも駅から離れたテナントには格安の散髪屋さんなどがあり……と、観光と日常が同居した街ならではの複合商業施設は、ある意味見ものです。

【加賀温泉駅からお出かけ】加賀温泉郷巡りへ

加賀温泉駅からすぐに行ける観光地といえば、やはり「加賀温泉郷」でしょう。

目の前にある柴山潟(しばやまがた)の景色を楽しめる「片山津温泉」、1300年の歴史を持ち、長寿の湯とも言われる「山代温泉」、あまりのいい湯に松尾芭蕉が8泊もしたという「山中温泉」。この3湯を巡っただけで、芭蕉のように長く逗留したくなること必至です。

左:山代温泉 古総湯 右上:山中温泉総湯 菊の湯 右下:片山津温泉の夜景

左:山代温泉 古総湯 右上:山中温泉総湯 菊の湯 右下:片山津温泉の夜景

北陸新幹線の新駅⑥《小松駅》

【どんな駅?】世界的建機メーカーのお膝元

小松駅は1897(明治30)年、北陸本線の開業と同時に開設されました、北陸新幹線の新設6駅のなかでも敦賀駅に次ぎ、福井駅と並ぶ歴史を誇ります。

この駅がある石川県小松市は、言わずと知れた世界的建機メーカー「コマツ」(なんと世界シェア2位、アジアシェア1位!)創業の地。コマツは現在、東京都内に本社機能を移していますが、今も小松市内には生産拠点があり、コマツと取引先各社の「企業城下町」として賑わっています。

小松駅

小松駅

【改札外スポットA】高架下の交流施設「Komatsu9」

ゆっくりと列車を待つなら、小松駅の高架下にある交流施設「Komatsu9」がいいでしょう。

併設されているフリースペース兼飲食店の「小松KABULET(カブーレ)」では、朝7時からこだわりの卵かけご飯を提供。ほかにも焼き立てパンの販売なども行っており、休憩しながら列車を待つには最高の環境です。

また、お手頃価格でドロップイン(一時利用)できるコワーキングスペースも併設するなど、ビジネスパーソンにはありがたい仕様となっています。

【改札外スポットB】建機が学べる「こまつの杜」

小松駅東口を出てすぐの、「こまつの杜」は、地域の子どもの健全な育成と、自然環境の保全を目指すプロジェクトの一環で運営されている博物館兼体験施設。

施設内には、世界最大級のダンプトラック「930E-2」(積載重量297t=4tトラックの74台分!)やショベルカー「PC4000」があり、高さ7mもある運転席に試乗することができます。

また、コマツ旧本社建屋を再現した「わくわくコマツ歴史館」では、クレーン・リフトなど様々な〝はたらくくるま〟の歴史を知ることができます。

併設された「げんき里山」では自然に触れ合うこともできるため、小学生の遠足や子連れの観光スポットとして、平日・休日問わず賑わっているのだとか。

こまつの杜の重機

こまつの杜で運転席に試乗できる世界最大級大型ダンプトラック、930E(写真:筆者)

わくわくコマツ歴史館

わくわくコマツ歴史館内の展示風景(写真:筆者)

【小松駅からお出かけ】小松空港へ

小松駅のまわりは住宅街や工場街が多く、これといった観光スポットは見当たりません。かわりに、小松空港にほど近い「小松空港」に行かれてはいかがでしょうか。

この空港には航空自衛隊の基地が併設され、屋上からはさまざまな戦闘機やヘリ、ANA、JAL、大韓航空などの旅客機を眺めることができます。

小松駅から小松空港へは、バスで10分少々。コマツに勤める小松市民の方は出張に応じて、目的地が都心であれば新幹線、乗り継ぎが生じる海外出張なら飛行機、と使い分けているのだとか。

小松空港から見る航空機

小松空港から見る航空機(写真:筆者)

東京都 < 羽田空港エリア

エアバスA350-900

【飛行機の種類】日本で見られる大型旅客機にはどんな機種がある? 空港デッキや機内の窓から飛行機を眺めていて、「あの飛行機デカ!」と思ったことありませんか? 飛行機は種類によって大きさや中の造りがいろいろ。ここでは大型旅客機に絞って、ANAやJALでも運用されているポピュラーな機種を写真とともに6種類紹介。

その他名所・観光スポット

番外編《金沢駅》

2024年3月の北陸新幹線延伸まで、北陸新幹線の終点だった金沢駅は、福井駅・敦賀駅方面への案内看板が加わっただけで、特に変化はありません。

しかし、駅の高架下にある「金沢百番街」には約170店の土産物店・飲食店が軒を連ね、駅前にそびえたつ高さ13.7mのランドマークタワー「鼓門」の下は、相変わらず観光客で賑わっています。

2024年3月に誕生した北陸新幹線の6駅プラス金沢駅を、時間をかけてじっくり巡ってみてはいかがでしょうか。観光地巡りだけでなく。それぞれの駅や街の性格を観察するのも、楽しいものです。

金沢駅・鼓門

金沢駅のシンボル・鼓門




Text:宮武和多哉(みやたけ・わたや)

鉄道全線完乗、路線バス1800系統乗車、フェリーなど船舶60航路乗船(いずれも国内・2023年現在)。47都道府県で通勤ラッシュ巻き込まれ&100km以上ドライブを経験。モードにこだわらず「乗りもの」全般をカバー。
全国で食べ歩いた駅弁・駅そば・ご当地料理は数知れず。おうちで再現レシピの作成も得意としており、NHK『さし旅』では〝再現料理人〟として指原莉乃さんと共演。
香川県高松市出身。兵庫県・大阪府・高知県・東京都・神奈川県などに在住経験あり。著書に『全国“オンリーワン”路線バスの旅(1・2)』、『路線バスで日本縦断! 乗り継ぎルート決定版』(いずれもイカロス出版)がある。


Edit:Erika Nagumo
Photo(特記ないもの):PIXTA