放生園

愛媛県松山市の道後温泉駅前に位置する「放生園（ほうじょうえん）」。かつて聖浄の地として知られた「放生池（ほうじょうち）」を埋め立てて造られた広場で、多くの文豪に愛された道後温泉の歴史を物語る史跡が残されています。
おすすめは、無料の足湯。明治時代中期の1891年から昭和時代初期の1954年まで、「道後温泉本館」で使用された歴史ある湯釜から湯が流れています。女性向けに、ストッキングを脱ぐための身嗜所（みだしなみしょ）を設置する気遣いも。散策に疲れた足を癒してみてはいかが。足湯ではタオルの貸し出しなどは行なっていないため、訪れる際には持参しましょう。
そのほかにも、「鷺石」や「坊っちゃんカラクリ時計」、柳原極堂（やなぎはらきょくどう）や森盲天外（もりもうてんがい）の俳句が刻まれた句碑、正岡子規の像など、見どころ満載です。
「鷺石」は、太古の昔に、岩の間から湧き出る湯で傷を癒した鷺（さぎ）の足跡が残るとされる石。鷺の傷がすっかり治ったのを不思議に思った住民が、道後温泉を発見したという伝説が残っています。
「坊っちゃんカラクリ時計」は、軽快な音楽に合わせ、夏目漱石の小説『坊っちゃん』の登場人物が現れます。時計の形は、道後温泉本館の「振鷺閣（しんろかく）」の風格ある建物がモチーフだそう。
夜にはガス灯がともり、情緒あふれる温泉街の風景が広がります。
放生園の隣には、「道後観光案内所」があります。観光案内のほか、観光レンタサイクルの貸し出しも行っているため、道後温泉観光の起点に立ち寄ってみては。