【新居浜太鼓祭り】2023年の開催日程や由来に迫る
【新居浜太鼓祭り】の見どころを徹底解説!
【新居浜太鼓祭り】の「太鼓台」は必見!
【新居浜太鼓祭り】の見どころ「かきくらべ」の熱狂を感じよう!
【新居浜太鼓祭り】の最大の見どころは「統一かきくらべ」
【新居浜太鼓祭り】人気の秘密
【新居浜太鼓祭り】番外編「鉢合わせ」
【新居浜太鼓祭り】2023年はその妙技を堪能しよう

毎年10月16日から18日の3日間で開催される愛媛県新居浜市の「新居浜(にいはま)太鼓祭り」をご存じでしょうか?

新居浜太鼓祭りは、華麗な装飾を施された巨大な太鼓台が市内を練り歩き、かきくらべなどの勇壮なパフォーマンスを行う人気の祭りです。

また、新居浜太鼓祭りは、高知のよさこい祭り、徳島の阿波踊りとともに四国三大祭りに数えられ、毎年十数万人の観客でにぎわいます。その起源は平安時代まで遡るといわれている歴史のある祭りです。

この記事では、新居浜太鼓祭りの由来や見どころ、人気の秘密、2023年の開催日程などを紹介します。

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【新居浜太鼓祭り】2023年の開催日程や由来に迫る

開催日程
2023年の開催日程はまだ公式発表はされていませんが、通常は毎年10月16日から18日までの3日間で開催されます(一部地域は15日から17日)。

詳細は9月下旬以降の発表になると思われますが、新居浜太鼓祭り|新居浜市公式サイトからご確認ください。

新居浜太鼓祭りの由来
太鼓祭りの中心である太鼓台は、もともとは秋の豊穣に感謝して氏神に奉納する山車であり、平安時代から使われてきたようです。

この太鼓台が経済発展にともない、明治中期以降に大型化したことで祭りの中心となり、新居浜太鼓祭りとよばれるようになりました。現在は秋の豊穣に感謝しつつ、太鼓台の豪華さや鮮やかな技を競い合う祭りとして人気を博しています。

【新居浜太鼓祭り】の見どころを徹底解説!

新居浜太鼓祭りは規模が大きいため、いくつかの会場で開催されます。龍や武者絵などを金糸で立体的に刺繍した「飾り幕」で飾られた太鼓台が、新居浜市街を練り歩く様子や差し上げなどのパフォーマンスは圧巻です。

かき夫(ふ)と呼ばれる男衆により、巨大な太鼓台が空高く舞揺れる様子は鳥肌が立つ迫力で躍動感にあふれ、観衆のどよめきが起こります。

躍動感あふれるパフォーマンス

躍動感あふれるパフォーマンス(写真:一般社団法人 愛媛県観光物産協会)

新居浜太鼓祭りは主に4つの地区(「川西」「川東」「上部」「大生院」)に分かれてかきくらべなどが開催されるため、一度に全ての太鼓台(8つの小地区で所有台数は54台)の雄姿や演技を見ることはできません。

限られた時間内で祭りを最大限に堪能するために、見どころを紹介します。なお、日程は変更になることがあるため、公式サイトで発表される運行日程を確認してください。

【新居浜太鼓祭り】の「太鼓台」は必見!

新居浜太鼓祭りの見どころといえば、やはり壮大華麗な太鼓台でしょう。太鼓台のおおよその大きさは、高さ5.4メートル/幅3.4メートル/長さ12メートル/重さ2.5トンにもなる、とても大きな山車。

そのため、150人ものかき夫に加えて、かき棒の上に立って掛け声や笛でかき夫に動きを指示する指揮者、太鼓をたたく太鼓係などの補助人員も必要になります。

太鼓台は、12メートルほどの「かき棒」が4本設置された台の上に太鼓が載る構造です。台には「天幕」「くくり」「房」が飾られ、「飾り幕」で彩られます。金糸などで立体刺繍された金色の龍などの装飾が施された飾り幕(上段から「ふとんじめ」「うわまく」「こうらんまく」と呼ばれる)はきらびやかで鬼気迫る迫力です。

飾りの「天幕」は太陽、「くくり」は雲、「房」は雨を表しており、太鼓台は五穀豊穣をもたらす自然の恵みを象徴する山車といえるでしょう。

飾り幕の刺繍は「禽獣(きんじゅう)の幕」「御殿の幕」「禽獣と御殿の幕」「武者絵の幕」の4つに分けられ、これらの主題は以下のようになります。

・禽獣:龍や鷲、唐獅子、虎など。
・御殿:神社や寺院、城郭などの建築様式が混合した建物など。
・武者絵:中国や日本の神話、物語、浄瑠璃、歌舞伎など。

飾り幕の刺繍はとても華々しく、やはりその美しさを感じるには、間近で観覧するのがおすすめです。

日没後は、各地区の太鼓台がそれぞれの集合場所に集まりライトアップされる「夜太鼓」が見物でき、御花御礼口上や差し上げなどのイベントを楽しめます。

企業などからの寄付(御花)に対して御礼を述べる口上(御花御礼口上)は独特な言い回しが特徴的であり、差し上げのパフォーマンスは迫力満点です。

昼間とはまた雰囲気が違う夜太鼓

昼間とはまた雰囲気が違う夜太鼓(写真:一般社団法人 新居浜市観光物産協会)

【新居浜太鼓祭り】の見どころ「かきくらべ」の熱狂を感じよう!

概要
会場までの移動は大きな車輪で運行されますが、会場ではかき夫たちが太鼓台を担ぎ上げるパフォーマンス「かきくらべ」が行われます。

かきくらべは、両手を伸ばして太鼓台を空高く担ぎ上げる「差し上げ」の美しさ、飾りの「房」の揺れ具合、担ぎ上げている時間などの技と力を太鼓台同士で競うものです。

指揮者の「チョーサージャー」「ソーリャ、ソーリャ」などの威勢のよい掛け声と笛による指示で、太鼓係と150人のかき夫によるかきくらべが新居浜太鼓祭りの大きな見どころとなります。

掛け声は地区によって異なりますが、「チョーサ」とは「太鼓」という意味で、太鼓は「ドン・デン・ドン、(空拍)」の四拍子が基本です。

かきくらべは、住友化学工場前や一宮神社、天神浜通り、多喜浜駅前など様々な会場で開催されます。特に、かきくらべを見るのにおすすめしたい会場は「住友化学工場前」と「一宮(いっく)神社」の2箇所です。

一宮神社のかきくらべ

一宮神社のかきくらべ(写真:一般社団法人 新居浜市観光物産協会)

おすすめ会場1:住友化学工場前
住友化学愛媛工場の入り口前には、川西地区の太鼓台が集結してかきくらべが行われるため、多くの観衆が集まる会場となります。

工場前の道路が歩行者天国となり、交差点内でかきくらべが行われるため、観覧しやすく人気です。例年、17日の夕方に開催されます。

おすすめ会場2:一宮神社
新居浜市の中心部にある神社である一宮神社でも川西地区のかきくらべが行われますが、例年、18日の午後に開催されます。

また、神社の南参道に設けられる「一宮の杜ミュージアム」という桟敷席(さじきせき)の舞台も有料ではありますが、人気の会場です。桟敷席とは、多くの観衆が観覧できるようにひな壇状の段差を設けた観覧席となります(阿波踊りなどでも準備されます)。

2023年は10月17日に開催される予定で、全席指定で税込み3000円です。

・第1部 開城9:30/開演10:30
・第2部 開城16:00/開演17:00

進んでいく太鼓台が目前に迫る桟敷席

進んでいく太鼓台が目前に迫る桟敷席(写真:一般社団法人 新居浜市観光物産協会)

チケットは、一宮の杜ミュージアム事務局またはインターネットで購入可能です。
詳細は、一宮の杜ミュージアム実行委員会のサイトをご覧ください。

一宮の杜ミュージアム事務局での購入
住所:愛媛県新居浜市泉池町10-1銅夢キッチン内
電話:0897-37-1123
受付時間 :
月曜日~金曜日の10:00~17:00
(10月のみ土曜日10:00~15:00も)

インターネットでの購入
9月4日から販売が開始される予定です。以下のリンクから購入してください。
一宮の杜ミュージアム実行委員会のサイト

※なお、支払いは商品代引きとなるため、代引き手数料(金額により異なる)と送料(550円)が別途必要です。

注意事項
太鼓台運営協議会の協議結果により、運行予定及び運行予定時間が変更になることがありますので、あらかじめご了承ください。

【新居浜太鼓祭り】の最大の見どころは「統一かきくらべ」

山根グラウンドでの統一かきくらべ
山根グランドでは上部地区の20台の太鼓台が集結して統一かきくらべが行なわれますが、2023年は4年ぶりに開催されることが決定されました。この統一かきくらべは新居浜太鼓祭りで最大のイベントであるため、一番の見どころとなります。

山根グラウンドで行われる統一かきくらべでは、太鼓台が寄せ合い一斉に差し上げる「寄せ太鼓」を披露することが特徴です。そのため、山根グラウンドで行われる統一かきくらべは「統一寄せ」とも呼ばれます。

山根グラウンドの寄せ太鼓(写真:一般社団法人 新居浜市観光物産協会)

寄せ太鼓とは、複数の太鼓台が同時に差し上げるパフォーマンスですが、その様子はまさに圧巻です。山根グラウンドの統一寄せでは、1回成功させるだけでも大変な寄せ太鼓を複数回実施し、さらに回転技も成功させる高い技術を観覧できます。例年、17日の午後の開催です。

山根グラウンドへのアクセスや観覧席の様子
山根グラウンドの正式名称は「新居浜市山根市民グラウンド」で、住所は、愛媛県新居浜市角野新田町3丁目2822番地9。

会場はJR新居浜駅からバスで12分、車で10分、新居浜ICから車で10分程度の位置です。会場へのアクセスはバスまたは車となりますが、時間帯によっては交通規制や渋滞が発生します。

山根グラウンドは、1928(昭和3)年に別子銅山の最高責任者である鷲尾勘解治(わしおかげじ)の指揮で住友グループ企業の社員の奉仕作業によって建設された貴重な産業遺産です。2009(平成21)年には国の登録有形文化財に指定されています。

観覧席は、27段におよぶ石積みで作られた、全長170mの桟敷席。この観覧席からは太鼓台を見下ろせるため、寄せ太鼓の全容を観覧でき、その妙技を堪能できます。なお、とても人気の観覧席のため、席取りが大変です。

傾斜のある桟敷席からは会場の様子が一望できます(写真:一般社団法人 新居浜市観光物産協会)

山根グラウンドは生子山(しょうじやま)のふもとにある山根公園内の施設で、261台分の駐車場を有します。しかし山根グラウンドは多くの来場者でにぎわうため、例年はJR新居浜駅と山根グラウンド間で無料のシャトルバスが運行されます。

また、例年は山根公園付近の国領川河川敷が臨時駐車場となり、約1000台分の駐車スペースが設けられますが、まだ公式発表はありません。

なお、シャトルバスの運行についてもまだ公式発表がないため詳細は不明ですが、新居浜市役所によりますと運行予定とのことです(2023年9月3日現在)。

詳細は以下の公式サイトからご確認ください。
新居浜太鼓祭りについて|新居浜市公式webサイト

【新居浜太鼓祭り】人気の秘密

地元の人たちには、新居浜太鼓祭りを通して「自分たちが築いてきた太鼓台と磨きあげた技を通して祭りを楽しむ」という習慣が根付いています。

「盆/正月は帰らずとも、祭りには必ず参加する」という強い思い入れを持つ地元民が大半を占めるため、地元企業では祭り期間中は特別休暇を設定するほどの熱狂ぶりです。

新居浜太鼓祭りに参加する人々の姿

新居浜太鼓祭りに参加する人々の姿

この熱狂や盛り上がりがニュースや記事などを通して県外の人にも伝わり、観光客が集まるようになりました。人気の秘密は、太鼓台の豪華絢爛さ、差し上げや寄せ太鼓などの妙技を見て、心を揺さぶられるからでしょう。

【新居浜太鼓祭り】番外編「鉢合わせ」

新居浜太鼓祭りは、かつては日本三大喧嘩祭りと称されており、興奮が高まると「鉢合わせ」という太鼓台をぶつけ合う危険行為をすることがたびたびありました。

この鉢合わせによってけが人や死者が出たため、鉢合わせは禁止とされ、もし鉢合わせを行った場合は太鼓台の解体や次年度の祭りへの出場停止などの重い処分が下されます。

しかし、鉢合わせには至りませんが、太鼓台同士がにらみ合いをして小競り合いする「いざり」や小さな喧嘩の発生はよくあることです。2022年も乱闘騒ぎで10人が緊急搬送されたため、安全な運営が求められています。

観覧中に喧嘩が起こりそうになった場合は、太鼓台には近づかず速やかに安全な場所に避難してください。

【新居浜太鼓祭り】2023年はその妙技を堪能しよう

2023年の新居浜太鼓祭りはほぼ例年通りの開催となりそうです。まだ、安全な運行や運営方法について協議されているところなので、公式発表はもう少し先になると思われます。

今年は平日開催となりそうですが、ぜひ休みを取って新居浜太鼓祭りを見に行ってみませんか?昔から人々を魅了してやまない、華やかな太鼓台と熟練の技をあなたもぜひ体感してください。

Text:Yoshiyuki Nukada Edit:Sakura Takahashi
Photo:PIXTA(特記ないもの)

参考:
新居浜太鼓祭り|一般社団法人 新居浜市観光物産協会令和4年新居浜太鼓祭りについて|新居浜市公式webサイト運行表(R.4)|新居浜市公式webサイト太鼓台の運用と統制|新居浜市公式webサイト新居浜太鼓祭り|新居浜市公式webサイト太鼓台の歴史概説|新居浜市公式webサイト守ろう貴重な産業遺産「山根グラウンド観覧|新居浜市公式webサイト一宮の杜webサイト一宮の杜ミュージアム|一宮の杜webサイトチケット販売|一宮の杜webサイト公益財団法人 新居浜市文化体育振興事業団webサイト新居浜市公式webサイト2019年運行予定|新居浜市公式webサイト新たな登録有形文化財 (1) 山根競技場観覧席 |新居浜市公式webサイト/新居浜市役所 .@niihama_city .(2018年10月16日) . [【新居浜太鼓祭り日程表】 昨日から市内各地で新居浜太鼓祭りが始まりました!今日も朝から太鼓の音が聞こえています♪今年は天候にも恵まれそうです。事故のない平和な秋祭りにしましょう!!(秘書広報課)] Retrieved from <リンク先>/一宮神社|一般社団法人 愛媛県観光物産協会webサイト太鼓祭り 暴力どう排除|読売新聞オンライン(2022年10月30日)(2023年9月5日閲覧)/まいぷれ 新居浜太鼓祭り特集新居浜太鼓祭り期間中の駐車場・交通機関