「食欲の秋」といわれるほど、秋は旬のおいしい食材がたくさん。秋の味覚の代表格といえば「サンマ」でしょう。サンマの一番おいしい季節の秋に、東京・目黒では「目黒のさんま祭り」が開催されています。新鮮かつ旬のサンマを無料で味わえることもあり混雑必須。
この記事では、目黒のさんま祭りの魅力と攻略法をご紹介します。
目黒のさんま祭りとは?
毎年9月に開催され、東京の秋の風物詩として知られる「目黒のさんま祭り」。目黒駅前商店街振興組合青年部(通称め組)が主催するものと、「目黒区民まつり」で開催されるものとがあります。
「め組」が主催する「目黒のさんま祭り」は1996年にスタート。ビルだらけとなってしまった目黒駅前を、昔ながらの暖かさを呼び戻すためにさんま祭りを始めました。2019年で24回を迎えています。(※2020年、2021年は開催中止。2022年は未定)
例年、祭り当日は、会場の目黒駅前商店街に例年3万人近くの観光客が訪れ、早朝から長蛇の列ができるほどです。
目黒区民まつりで開催される「目黒のさんま祭」は、区民まつりのメインイベント。友好都市である宮城県気仙沼市から送られたさんまを、炭火で焼き、来場者にふるまっています。また、「ふるさと物産展」ではさんまの佃煮、にじます唐揚げ、焼き団子などなど、日本各地のご当地の味がいただけます。2023年は10月8日に開催予定。
※焼きさんまがいただけるのは「焼きさんま券」当選者のみ。2023年は申し込み終了。
目黒でさんま祭りが開催される理由
海に面していない目黒の地でさんま祭りが開催される背景には、目黒に伝わる古典落語が関係しています。
この落語のストーリーをご紹介すると、ある殿様が目黒を訪れた際に弁当を忘れてしまい、空腹に困っているところから始まります。そこに百姓が現れ、殿様にサンマを焼き、分け与えると、その味が忘れられなくなってしまった殿様。
しかし当時サンマは庶民の食べ物です。身分の高い殿様の屋敷では、サンマは食事には出てきませんでした。そこで親戚に食事に呼ばれた際、殿様はここぞとばかりにサンマを注文。しかし家来たちは殿様を気遣い、あろうことか脂を落とすためにサンマを蒸し焼きにしています。
殿様は念願のサンマを前にして、さっそくひと口。ところが脂が落ちてしまっているのでおいしくありません。殿様は家来に「このサンマはどこから取り寄せたのか」と問います。家来は「日本橋魚河岸です」と答え、それを聞いた殿様はこう言いました。
「それはいかん。サンマは目黒に限る」。
この落語が由来となり、目黒がサンマの地として知られるようになりました。
2023年の目黒のさんま祭り情報
目黒区民まつり
2023年は10月8日(日)開催予定です。2022年に引き続き、さんまの不漁により数に限りがあるため、目黒区民を対象に事前申込制です。ちなみに2022年は焼きさんまの配布のほか、各種ステージイベント、各種物産展の出店、子ども向けワークショップなどがありました。
目黒駅前商店街振興組合青年部(め組)主催の「目黒のさんま祭り」
2022年は開催未定です。(編集部調べ)
目黒区民まつりの「目黒のさんま祭」の様子
焼きさんまのほかイベント盛りだくさん
炭火焼きサンマ
目黒区民まつりの「目黒のさんま祭」でも、無料で炭火焼きサンマを味わうことができます(2023年は事前抽選当選者のみ)。宮城県気仙沼から送られたさんまを炭火で焼いて、熱々のうちに大分県臼杵市産のカボスをかけます。
また目黒区民まつりでは「目黒のさんま祭」以外にも、3つの会場でさまざまな飲食店ブースや物産展、ステージイベントを行なっています。残念ながら焼きさんまの抽選に外れてしまった人や、申し込みが間に合わなかった人も、いろいろな楽しみ方ができます。
おすすめの時間帯
目黒区民まつりのさんま祭りは、コロナ禍前は毎年3万人近くの観光客が訪れた人気のお祭りです。例年は当日配られる整理券を受け取った人に焼きさんまが振る舞われましたが、2022年は事前申し込みによる抽選式となっております。(※2023年は申し込み終了)
例年は早朝7時から8時頃に行くと整理券が受け取れましたが、2023年は当日の整理券配布はありませんのでご注意を。早い時間に行く必要がなくなったので、通常の開催時間内に足を運ぶのがいいでしょう。2022年は9時30分から飲食店コーナーや、各種団体の物販がある「おまつり広場」(目黒区民センター)が開いていました。
め組主催・目黒のさんま祭りの様子
無料で旬のサンマを堪能
炭火焼きのサンマ
め組主催の「目黒のさんま祭り」の魅力、それは岩手県宮古市で採れた新鮮なサンマ、約7000匹を無料で味わえる点です。サンマの美味しい食べ方といえば炭火焼き。会場は香ばしい香りで包まれ、より食欲をかきたてます。
また、目黒のさんま祭りで振舞われる炭火焼きサンマは、細かい部分までこだわっているのも特徴。
すだちと大根おろしで味付け
まずサンマを焼く炭は、和歌山県みなべ町産の本格備長炭。完成した炭火焼きサンマには、日本一のすだちの産地・徳島県神山町から取り寄せた芳醇すだちと、栃木県那須塩原市産の辛味大根を使った大根おろしが添えられます。
すだちと大根おろし、どちらも炭火焼きサンマには欠かせない味付けで、よりサンマの旨味を引き出してくれます。
何時までに行けばいいか
無料で旬のサンマが味わえるということで、多くの人が訪れる目黒のさんま祭り。炭火焼きサンマを食べるには数時間待つ必要があり、サンマの数には限りがあるので、無料配布はサンマが無くなり次第終了となります。
では、何時までに行けば無料配布に間に合うのか。炭火焼きサンマの配布開始は10時からですが、10時に会場に到着しても食べられない可能性があります。
早朝から並べば間違いなく食べられますが、8時から9時頃に並び始めても大丈夫でしょう。ただ、年によって配布終了の時間は異なるので、ぜひ早めに並ぶことをオススメします。
開催概要
【目黒区民まつり】
●日程:2023年は10月8日(日)
●時間:10:00〜14:30
●場所:田道広場公園(東京都目黒区目黒1-25-8)
●公式サイト:目黒区|目黒区民まつり(2023)/目黒区|目黒のさんま祭(2023)
【(め組)主催の「目黒のさんま祭り」】
開催未定(編集部しらべ)
さんまで秋の訪れを感じましょう
目黒のさんま祭りでは、炭火焼きさんまの振る舞いはもちろん、さまざまなイベントが開催され、見どころ盛りだくさん。例年のようにとはいきませんが、感染対策をしっかり行なったうえで、秋の味覚を楽しんでみてはいかがでしょうか。