東京・目黒の秋の恒例イベント「目黒のさんま祭り」。
この記事では、2025年の開催日や会場までのアクセス方法、例年の様子に加え、「目黒のさんま」の由来を紹介します。
記事を読めば、祭りの魅力と攻略法がわかるほか、「なぜ目黒でさんま祭りを?」という疑問もきっと解消できるはず。
2025年の秋は、ぜひこの記事片手に「目黒のさんま祭り」へ出かけてみましょう。
目黒のさんま祭りとは?-ふたつのさんま祭り
毎年9月に開催され、東京の秋の風物詩として知られる「目黒のさんま祭り」。
「目黒区民まつり」で開催されるものと、目黒駅前商店街振興組合青年部(通称「め組」)が主催するものがあります。
目黒区民まつりのさんま祭り
目黒区民まつりで開催される「目黒のさんま祭」は、区民まつりのメインイベント。
友好都市である宮城県気仙沼市から送られたさんまを、炭火で焼き、来場者にふるまっています。
ただし、この焼きさんまの提供は目黒区民のみを対象とした事前申込制で、さんまが食べられるのは「焼きさんま券」当選者だけ。
※2024年の応募期間は8月13日〜26日、2025年の詳細は7月9日時点で確認できていません
事前申込がなくても参加可能な「ふるさと物産展」では、さんまの佃煮、にじます唐揚げ、焼き団子など、日本各地のご当地の味がいただけます。
2023年は各種ステージイベント、子ども向けワークショップ、ふるさと物産展、新作落語コンテストなどが開催されました。
目黒区民まつりの会場は3つに分かれていますが、隣接しているため全て徒歩でまわることができます。
2025年|目黒区民まつりのさんま祭り開催情報
開催概要
●日程:2025年10月12日(日)
●焼きさんま券抽選日程:2025年の詳細は確認できていません(7月9日時点)
●会場1:田道広場公園(目黒区目黒1-25-8)
●会場2:目黒区民センター(目黒区目黒2-4-36)
●会場3:田道小学校(目黒区目黒1-15-28)
アクセス情報
①JR・東急・東京メトロ・都営線[目黒駅]西口から徒歩約10分
②バス停[目黒駅東口]から東急バス(清水行き)に乗車し、バス停[権之助坂]で下車後、徒歩約5分
③バス停[中目黒駅]から東急バス(目黒駅前行き)に乗車し、バス停[田道小学校入口]で下車後、徒歩約5分
④バス停[目黒駅前]から東部地区地域交通バス「さんまバス」(区役所方面行き)に乗車し、バス停[田道ふれあい館前]で下車後、徒歩約1分
最新情報はこちらをチェック
●公式サイト:目黒区|目黒区民まつり(2024)
●公式X(旧Twitter):【公式】目黒区民まつり &新作落語コンテスト
目黒区民まつりの「目黒のさんま祭」の様子
焼きさんまのほかイベント盛りだくさん

炭火焼きさんま
目黒区民まつりの「目黒のさんま祭」でも、無料で炭火焼きさんまを味わうことができます(2025年は事前抽選当選者のみ)。
宮城県気仙沼から送られたさんまを炭火で焼いて、熱々のうちに大分県臼杵市産のカボスをかけます。
また目黒区民まつりでは「目黒のさんま祭」以外にも、3つの会場でさまざまな飲食店ブースや物産展、ステージイベントを行なっています。
残念ながら焼きさんまの抽選に外れてしまった人や、申し込みが間に合わなかった人も、いろいろな楽しみ方ができます。
おすすめの時間帯
目黒区民まつりのさんま祭りは、コロナ禍前は毎年3万人近くの観光客が訪れた人気のお祭りです。
例年は当日配られる整理券を受け取った人に焼きさんまが振る舞われましたが、2022年は事前申し込みによる抽選式となっております。(※2025年の応募期間は7月9日時点で確認できていません)
例年は早朝7時から8時頃に会場で整理券が受け取れましたが、2025年は当日の整理券配布はありませんのでご注意を。
早い時間に並ぶ必要がなくなったので、通常の開催時間内(10:00〜15:00)に足を運ぶのがいいでしょう。
なお、お祭り広場は2025年も9時30分から入場できます。
「め組」のさんま祭り
「め組」が主催する「目黒のさんま祭り」は目黒駅前で開催されるさんま祭りです。
ビルだらけとなってしまった目黒駅前に、昔ながらの暖かさを呼び戻そうと、1996年にスタートしました。
2019年に24回目を開催しましたが、2020年、2021年、2022年、2023年、2024年はコロナ禍の影響もあり開催されていません。
2025年も7月9日時点では、開催情報は発表されていません(編集部しらべ)。
2025年|「め組」のさんま祭り開催情報
2025年の開催情報は確認できていません。(編集部調べ/7月9日時点)
め組主催・目黒のさんま祭りの様子
(「め組」主催のさんま祭りは、2025年の開催が未発表です)
岩手県産さんまの炭火焼き

炭火焼きのさんま
め組主催の「目黒のさんま祭り」の魅力、それは岩手県宮古市で採れた新鮮なさんま、約7000匹を無料で味わえる点です。
さんまの美味しい食べ方といえば炭火焼き。
会場は香ばしい香りで包まれ、より食欲をかきたてます。
また、目黒のさんま祭りで振舞われる炭火焼きさんまは、細かい部分までこだわっているのも特徴。

すだちと大根おろしで味付け
さんまを焼く炭は、和歌山県みなべ町産の本格備長炭。
完成した炭火焼きさんまには、日本一のすだちの産地・徳島県神山町から取り寄せた芳醇すだちと、栃木県那須塩原市産の辛味大根を使った大根おろしが添えられます。
すだちと大根おろし、どちらも炭火焼きさんまには欠かせない味付けで、よりさんまの旨味を引き出してくれます。
早朝から並ぶ人の姿も
例年、祭り当日は、会場の目黒駅前商店街に例年3万人近くの観光客が訪れ、早朝から長蛇の列ができるほどです。
炭火焼きさんまを食べるには数時間待つ必要があり、無料配布はさんまが無くなり次第終了でした。
そのため早朝から並ぶ人の姿もよく見られたのです。
なぜ目黒? 目黒でさんま祭りが開催される理由
海なしエリアの目黒でさんま祭りが開催されるのは、目黒を舞台にした古典落語が由来です。
この落語のストーリーは次のようなもの。
ある殿様が目黒を訪れた際に弁当を忘れてしまい、空腹に困っているところから始まります。
昔の目黒といえば、田んぼや畑が広がるのどかな田舎でした。
近くにいた百姓は、空腹の殿様にさんまを焼き、ご馳走してあげました。
それまで一度もさんまを食べたことがなかった殿様は、焼きさんまの美味しさに感動。
さんまの味が忘れられなくなってしまいます。
昔は位の高い人が食べるのは、もっぱら鯛など。
さんまなどの青魚は「下魚」と呼ばれ、庶民が食べるものでした。
目黒の一件からいくらか経ったある日、殿様は親戚に食事に呼ばれた際、殿様はここぞとばかりに「さんまが食べたい」と注文。
しかし家来たちは位の高い殿様に、下魚をお出しするのは……とためらい、せめて上品に料理しようと考えます。
さんまを蒸し焼きにして、脂を落として殿様に出しました。
殿様は念願のさんまを前にして、さっそくひと口。
ところが脂が落ちてしまっているのでおいしくありません。
不思議に思った殿様は家来に「このさんまはどこから取り寄せたのか」と問います。
家来は「日本橋魚河岸です」と答え、それを聞いた殿様はこう言いました。
「それはいかん。さんまは目黒に限る」。
この落語が由来となり、目黒がさんまの地として知られるようになりました。
おわりに
目黒のさんま祭りでは、炭火焼きさんまの振る舞いはもちろん、さまざまなイベントが開催され、見どころ盛りだくさん。
例年のようにとはいきませんが、感染対策をしっかり行なったうえで、秋の味覚を楽しんでみてはいかがでしょうか。