椿の開花に合わせて開催される、伊豆大島椿まつり。
伊豆大島は高速ジェット船なら、東京・竹芝客船ターミナルから最短で1時間45分で行け、日帰りも可能です。飛行機ならもっと早く、調布から伊豆大島まで最短25分でアクセスできます。
この記事では、2025年2月2日(日)〜3月16日(日)まで開催中の椿まつりの楽しみ方を詳しくご紹介します。
※本記事は2024年2月時点の情報を元に作成しています。諸事情により最新の状況と異なる場合があります
※2025年2月、一部情報を更新しました
1. 椿まつりとはどんなまつり?
伊豆大島椿まつりは椿が開花する時期に開催されるイベントで、期間中はマルシェやワークショップが開かれるほか、イルミネーションやマラソン大会、釣り大会などが催されます。
2025年はメイン会場が大島公園椿プラザから元町港船客待合所へ移り、より楽しみやすくなりました。
![椿のイメージ](https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/thegate/2024/02/15/14/18/07/Camellia.jpeg)
椿は「大島町の木」「大島町の花」に制定されてます
2. 椿の開花時期と見頃
伊豆大島の椿は、1月から4月上旬頃に咲きます。桜などのように、一斉に開花するわけではなく、さらに花が咲いている期間も長いので、長期にわたって花を楽しめるのが魅力です。開花時期は品種による違いのほかに、個体による違いも。
1月から2月にかけて咲き始め、見頃を迎えるのは例年2月下旬から3月中旬にかけて。3月下旬から4月上旬は、大島桜も開花。椿と桜の花の競演を楽しめますよ。
![大島桜](https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/thegate/2024/02/15/14/18/31/Izuoshima-Cherry-Bloossoms.jpeg)
三原山麓に咲く大島桜
3. 「椿まつり」期間中のイベントや催し
「椿まつり」期間中は、島内の椿園が毎日開園。特に後述する「国際優秀つばき園」に選ばれている3つのつばき園は多種多様な品種を見ることができる椿の名所。椿まつり期間中はフォトコンクールも開催しているので、写真の腕を試すのにもうってつけです。
椿園ほかにも、島内各所で見どころとなるさまざまイベントが開催されるのでご紹介します。
オープニングセレモニー
毎年椿まつりの開催初日に行われるオープニングセレモニー。2025年は大島町役場周辺に会場を移しての開催です。2025年のセレモニーでは、江戸みこしの巡行と、あんこ(※)たちによるパレードが行われました。
※あんこ……「あんこ」とは伊豆大島の言葉で「(年上の)お姉さん」という意味。船で海へ出る男性に代わり、家事や野良仕事などに汗を流し、島の暮らしを守ってきた女性たちのことを指します。
![椿の女王・ミス大島・小池東京都知事](https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/thegate/2024/02/15/17/56/03/Anko-and-Governor-of-Tokyo.jpeg)
伊豆大島のあんこさん。頭にかぶった手拭いと前垂れがトレードマークです。写真は東京都知事への表敬訪問の様子(写真提供:東京都)
椿とめぐる風土
椿まつり会期中毎日開催しているのが、新イベント「椿とめぐる風土」。元町港船客待合所で地元グルメ、椿グッズが楽しめるマルシェやワークショップが開かれています。
また、島の暮らしとの中で椿がどのように人と関わってきたのかを展示で紹介。花を愛でるだけでなく、島の歴史の中で椿がどう 活用されていたかを知れば、きっと椿まつりをより深く楽しむことができますよ。
東京都知事杯 椿まつり フォトコンクール
2025年2月2日(日)〜3月31日(月)まで応募できるフォトコンクールも開催! 椿や椿のある風景はもちろん、島の芸能など伊豆大島の観光に関する写真であれば誰でも応募可能です。
応募はwebから。必要事項を記入し、写真データを添付のうえGoogleフォームから応募してください。入賞者には豪華賞品が用意されているとのこと。結果発表は4月下旬頃の予定です。
なお椿まつり期間中は、元町港船客待合所にて前回フォトコンクールでの入賞作品を展示しています。
椿花ガーデンイルミネーション「星と椿の散歩道」
毎年恒例のイルミネーションは2025年も開催です。
2025年2月14日(金)〜3月15日(土)の期間中、椿花ガーデンの椿の花が幻想的にライトアップ。きらめく星空の下、赤い椿の花が薄明かりに浮かびます。入場はなんと無料!なお、雨の日は中止なのでご注意を。
![椿花ガーデンのイルミネーション](https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/thegate/2024/02/15/14/18/09/Camellia-Garden-Illumination.jpeg)
椿花ガーデンイルミネーション(写真提供:大島観光協会)
《椿花ガーデン イルミネーション 開催概要》
●期間:2025年2月14日(金)〜3月15日(土)
●時間:19:00〜20:30
●場所:椿花ガーデン(東京都大島町元町津倍付41-1)
椿の花びら染め体験教室・販売
椿の花を見るだけでなく、椿の花を使ってオリジナルのハンカチやスカーフを作ってみてはいかがでしょう。
椿まつり期間中毎日、元町港船客待合所にて体験教室と販売を行っています。10:00〜15:00の間で体験できるので、気軽に参加できますよ。
椿の花びらで染めた布は、美しいピンク色。贈り物にも喜ばれそうです。
4. 「椿まつり」期間中のおすすめ立ち寄りスポット
椿が見頃となる時期は、自生する椿だけでなく3つの椿園でもさまざまな品種の椿が満開に。伊豆大島を代表する、3つの椿園をご紹介します。2016年には3つすべての椿園が、「国際優秀つばき園」に認定されました。
![東京都立大島公園](https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/thegate/2024/02/15/17/56/50/Oshima-Park-Tsubaki.jpeg)
椿が咲く東京都立大島公園(写真提供:東京都)
東京都立大島公園 椿園
大島の東部に位置する東京都立大島公園は、椿園のほか椿資料館、動物園、芝生の広場などがある公園です。椿園は7haの広さで、これは東京ドーム約1.5個分に相当します。450品種ほどの椿が植えられていますが、品種が多いだけでなく、温室などの設備も充実。世界的に見ても圧倒的な規模を誇る椿園です。
【 東京都立大島公園 椿園】
●住所:東京都大島町泉津福重2
●公式サイト:東京都都立大島公園|東京都大島支庁
椿花ガーデン
広大な敷地で、椿のほか四季折々の植物が見られる公園です。うさぎの森など見どころも多く、のんびりと過ごせるおすすめスポット。芝生の丘からは空と海、天気のいい日には富士山も見えます。ここから眺める夕日は絶景ですよ。
椿の品種が多く、早咲きや夏咲きの品種があるため、ほぼ年間を通して椿を見られます。しかし、なんと言っても見頃は椿まつりの時期。ぜひ、立ち寄ってみてくださいね。
【椿花ガーデン】
●住所:東京都大島町元町津倍付41-1
●公式サイト:伊豆大島椿花ガーデン
東京都立大島高校 椿園
高校生が管理する椿園があることで知られ、椿まつり開催期間中は人気の観光スポットのひとつになります。世界中の椿園のなかで、高校生が管理しているのは大島高校の椿園だけだと言われています。原種であるヤブツバキや、380種類ほどの園芸品種が見られる、規模の大きい椿園です。なお一般公開は椿まつりの期間中(2025年は2月2日~3月16日)のみです。
【東京都立大島高校】
●住所:東京都大島町元町八重の水127
●公式サイト:椿の紹介|東京都立大島高等学校
5. 椿まつり開催概要・島内交通・アクセス
開催概要
●名称:第70回 伊豆大島椿まつり
●期間:2025年2月2日(日)~3月16日(日)
●時間:各イベント、会場により異なる
●メイン会場:元町港船客待合所
●関連サイト:
第70回 伊豆大島椿まつり|特設サイト
第70回 伊豆大島椿まつり|東海汽船
※期間中は毎日開催されますが、イベントにより日にちが限定されているもの、雨天中止になるものがあります
※伊豆大島 椿まつりに関連するイベントは、東京都立大島公園のほか、元町港周辺や、三原山山頂口展望台周辺など、島内複数箇所で開催されます
6. 日帰りもOK! 伊豆大島へのアクセス&ツアーについて
お得なツアーについて
東海汽船では椿まつり開催期間中前後で、伊豆大島までの往復ジェットと島内の日帰りバスツアーをセットにしたプランを販売中。椿まつりを日帰りで楽しみたいという方は、 効率よく島内を巡ることができるのでおすすめです。
●伊豆大島日帰りバスツアー(椿まつり満喫コース)|東海汽船
●伊豆大島日帰りバスツアー(伊豆大島フリーバスプラン)|東海汽船
●伊豆大島日帰りバスツアー(春のリフレッシュコース)|東海汽船
このほかにも各種ツアープランがあります。詳しくは東海汽船HPのツアーパンフレット等をご確認ください
島内交通について
ツアーを利用しない、またはフリープランで訪れる方は、島内の移動はバス・レンタカー・レンタバイク・レンタサイクルを使うと便利です。
路線バスは6つの路線があり、元町港または岡田港から大島公園行きは1日9便、元町港または岡田港から波浮港行きも1日9便が運行しています。島中央の三原山を発着する便はこれらより少ない本数です。
レンタカーやレンタバイクのショップは島内の各所にありますが、船や飛行機の到着時間に合わせて港・空港まで迎えに来てもらえる場合が多いです。
●路線バスの時刻表・路線図はこちら:大島バス
●伊豆大島ナビ内、島内交通のページも併せてご確認ください
アクセス
伊豆大島へのアクセスについて、詳しくはこちらの記事で解説しています。
7. 伊豆大島ではどんな椿が見られる?
伊豆大島 椿まつりは、何も知らずにふらりと訪れても気軽に楽しめるまつりです。でも、せっかく行くなら、どのような椿が見られるのか、少し知っているだけで楽しさが膨らみそうですよ。難しいことを調べる必要はないので、少しだけ椿の品種についてご紹介しましょう。
伊豆大島に自生する椿の品種
伊豆大島では1500種類ほどの椿が見られますが、そのほとんどは椿園に植えられたものです。自生する椿は品種が限られ、次の品種が見られます。
【ヤブツバキ】
椿だけでなく、鑑賞用の花全体の中で日本最古の品種です。原種なので、ほかの品種と掛け合わせて、多くの品種が誕生しています。
【ユキツバキ】
雪に耐えることから、ユキツバキと名づけられました。積雪に埋もれても、しなやかに枝を伸ばし、春には開花します。
【ユキバタツバキ】
ヤブツバキとユキツバキの両方が見られる地域に分布している品種です。多雪地帯に多い品種ですが、温暖な伊豆大島でも存在しています。
【サザンカ】
サザンカも椿と同じ、ツバキ科ツバキ属の樹木です。椿は開花が終わると花がそのまま落ちますが、サザンカは花びらが1枚ずつ落ちていくことで、違いを見分けられます。
【ヒメサザンカ】
白い花が特徴で、川の近くなど、湿気が多い場所を好みます。日当たりが悪い場所でも生育できる品種です。
![椿資料館](https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/thegate/2024/02/15/14/52/33/Oshima-Park-Tsubaki-Museun.jpeg)
都立大島公園の「椿資料館」では、さまざまな品種の椿を展示していますよ(写真:伊豆大島写真館より)
8. 伊豆大島にはどうして椿が多い?
最後に、伊豆大島ではどうして椿が有名なのかについて解説したいと思います。
伊豆大島は島全体で「椿まつり」が開催されるほど、椿がたくさん生えている島です。数でいえば約300万本にもなります。これほど椿の木が多いのは、伊豆大島の土壌が火山灰を含んだ水はけのよいもので、気候が穏やかだから。
そんなわけで、伊豆大島はもともと多くのヤブツバキが自生していました。ヤブツバキは島の人々にとって防風林となったり、椿油や良質な炭の原料となるなど、生活を助けてくれる存在。そこで人々は自生していたヤブツバキを大切にするだけでなく、多くの椿を植えました。雑木林では椿以外の樹木を伐採して、椿が植えられたそうです。こうして伊豆大島の椿は増えていきました。
![伊豆大島の椿](https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/thegate/2024/02/15/14/18/27/Izuoshima-Camellia-2.jpeg)
島内に咲く椿
![椿オイル](https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/thegate/2024/02/15/14/18/15/Camellia-oil.jpeg)
椿油といえば髪の手入れに使うイメージがありますが、伊豆大島では食用や薬用など様々な用途で使われてきました
おわりに
伊豆大島の椿まつりは見どころが多く、会場が分かれていることから観光にもピッタリです。東京から日帰りもできるので、気軽に出かけられるのも大きなポイント。
春の足音が近づく伊豆大島で、鮮やかな椿や伝統芸能、風光明媚な島の風景を楽しんでみませんか?
Text:Kamegon Edit:Erika Nagumo
Photo(特記ないもの):PIXTA