都心の一等地として名前が挙がる東京・青山。閑静な住宅地を抜けて大通りに出れば、高級料理店やブランドショップなどが軒を連ねます。気品漂う洗練された街並みは、ハイソサエティという言葉がぴったり。
そんな青山には、豊かな緑の中に競技場や美術館といった文化施設が集まった、特別な場所があります。それが「明治神宮外苑」。いちょう並木や新国立競技場、神宮球場など有名なスポットが集まる明治神宮外苑ですが、まだまだ魅力的な場所はたくさんあります。
今回はそんな明治神宮外苑で訪れたいおすすめスポットや人気のイベントを紹介します。
明治神宮についてもっと知りたい方はこちら↓↓
【明治神宮】歴史と見所を徹底解説!都心にある巨大な森の魅力とは
明治神宮外苑とは
いちょう並木や神宮球場など、シーズンになると多くの人で賑わう明治神宮外苑ですが、具体的にどこからどこまでを指すのかと聞かれると、意外と答えにくいもの。そもそも「外苑」とは何を意味するのでしょうか。ここでは、明治神宮外苑の歴史を振り返りながら、そんな疑問に答えます。
そもそも「外苑」とは?
明治神宮の付属庭園として作られた外苑
「外苑」とはもともと、皇居や神社の外にある付属の庭園という意味。しかし、「外苑」と名のつく場所は皇居外苑と明治神宮外苑しか存在しないことに加え、有名スポットの多い明治神宮外苑の名前があまりにも知れ渡ってしまったため、現在では「外苑」という言葉は地域一帯を表す地名のようになっています。
明治神宮外苑はどの場所を指す?
新緑の明治神宮外苑
明治神宮外苑は、聖徳記念絵画館と明治記念館を中心に、豊かな自然に囲まれたエリアとその周辺の施設を指します。いちょう並木を始めとした緑あふれる通りはリフレッシュにぴったり。散歩やランニングを楽しむ人もよく見られます。紅葉のシーズンは、いちょう並木を訪れる人でいっぱいに。
一方、国立競技場や神宮球場といったスポーツ施設では、大きなスポーツの大会やアーティストのライブが開催されると、大勢の人で賑わいます。目的によって様々な人が訪れるのが、明治神宮外苑の特徴です。
明治神宮外苑の歴史
広大な森を有する明治神宮の建設は当時の一大プロジェクトだった
明治神宮外苑の歴史が始まったのは明治45年。崩御された明治天皇の偲ぶ声から、明治天皇と皇后を祀るための神社を建設する計画が持ち上がります。その神社こそ今に残る明治神宮。
神社だけでなく、その境内に広大な森を作るという計画は、総面積118haにも及ぶ日本の都市史上最大のプロジェクトでした。
明治神宮外苑の建設も、明治神宮の建設計画に含まれる形でスタート。天皇の葬儀である「大喪の礼(たいそうのれい)」が行われた場所である「青山練兵場」跡地を、明治神宮の「外苑」という形で公園として整備することが計画されました。ちなみに明治神宮の境内は「内苑」という呼び方をするのだそう。
明治神宮外苑 明治記念館
当初は、憲法記念館(現在の明治記念館)、聖徳記念絵画館、陸上競技場(現在の国立競技場)のみができる予定でしたが、スポーツ熱の高まりから、大正13年に神宮球場や相撲場といったスポーツ施設が造成されることとなりました。
大正15年10月、ついに外苑を含む明治神宮が完成。明治神宮外苑は、体力の向上や心身の鍛錬の場、また文化芸術の普及の拠点という役割を担いました。明治神宮外苑は創建から終戦まで国の施設として管理され、戦後は宗教法人となった明治神宮によって管理運営されています。
明治神宮外苑のおすすめスポット
明治神宮外苑で訪れるべきおすすめスポットを紹介します。野球観戦やいちょう並木の撮影で何度も訪れたという人も、意外と行ったことのない場所が見つかるかも。青山のデートスポットにもおすすめです!
詳しい場所はこちらから確認できます。
明治神宮外苑アクセスマップ
明治神宮外苑いちょう並木
明治神宮外苑のいちょう並木
青山通りと明治神宮外苑を結ぶいちょう並木。今やドラマのロケ地としても定番です。道路の両側に約150本ものいちょうが一直線に並び、その先にそびえ立つ絵画館がちょうど並木の中心に浮かび上がる光景は、まるで絵画のように計算された美しい構図です。
道路の左右にある歩道の両側にいちょうの木が植えられ、計4列のいちょう並木が約300mずらっと続きます。11月中旬から12月上旬に紅葉の時期を迎え、歩道を歩くと頭上を黄金色のいちょうのトンネルが覆います。
明治神宮外苑の辺り一面をいちょうが覆う
さらに目線を下に向ければ、散ったいちょうの花が地面に広がり、今度はいちょうのカーペットに。いちょうに囲まれた非日常的な空間をしばしの間楽しめます。ベンチやオシャレなカフェもあるので、座ってゆっくりと紅葉を楽しめるのも嬉しいですね。
真っ直ぐ並んだいちょう並木の中心に絵画館が見えるのは、青山通り側の入り口。ただし、真正面に見ようとすると、道路の真ん中に立たなければならないので、写真を撮る際は注意が必要です。
【明治神宮外苑いちょう並木 基本情報】
アクセス:銀座線「外苑前駅」から徒歩約5分 / 半蔵門線「青山一丁目駅」から徒歩約5分
住所:〒107-0061 東京都港区北青山2
電話番号:03-3401-0312
明治神宮野球場
明治神宮外苑 明治神宮野球場
東京ヤクルトスワローズのホームグラウンドとしてプロ野球の試合が行われるだけでなく、「東京六大学野球」をはじめとする学生野球の聖地としても知られる「神宮球場」。正式名称は「明治神宮野球場」といいます。
数々の名勝負や熱いドラマが繰り広げられる神宮球場。試合の日はファンの熱気と歓声に包まれます。さらにアーティストやアイドルのコンサート、神宮外苑花火大会といった大規模イベントが開催される場所としても有名。野球のシーズン以外でも、常に多くの観客で賑わっています。
【明治神宮野球場 基本情報】
アクセス:銀座線「外苑前駅」から徒歩約5分 / 都営大江戸線「国立競技場駅」から徒歩約12分
住所:〒160-0013 東京都新宿区霞ヶ丘町3-1
電話番号:0180-993-589
公式サイト:明治神宮野球場
聖徳記念絵画館
明治神宮外苑 聖徳記念絵画館
明治神宮外苑の中心にそびえ立つ「聖徳記念絵画館」。まるで神殿のような建物は、明治神宮外苑のシンボルとなっています。聖徳記念絵画館では、明治天皇と昭憲皇太后が生きた時代の出来事を伝える大壁画(縦3m、横2.5~2.7m)が年代順に展示されていて、明治の歴史を振り返ることができます。
展示はそれぞれ日本画40枚、洋画40枚。大政奉還や江戸城開場の様子を描いた作品は、芸術作品であるとともに貴重な歴史資料としても価値があります。また、生け花、茶道、書道などの日本の伝統的な芸術の講座も開催しています。
【聖徳記念絵画館 基本情報】
アクセス:JR総武線「信濃町駅」から徒歩約5分 / 都営大江戸線「国立競技場駅」から徒歩約5分
住所:〒160-0013 東京都新宿区霞ヶ丘町1-1
電話番号:03-3401-5179
開館時間:平常9:00〜17:00(最終入館16:30)
年末年始(12月30日 〜 1月2日)10:00〜17:00(最終入館16:30)
休館日:年中無休
入館料:500円 (施設維持協力金)
公式サイト:聖徳記念絵画館
国立競技場
明治神宮外苑 国立競技場
2020年の東京オリンピック・パラリンピックのメイン会場である日本最大のスポーツの殿堂「国立競技場」。元々は「明治神宮外苑競技場」という陸上競技場でした。
当時からサッカーやラグビーも行う総合競技場として使用されていましたが、1964年の東京オリンピック開催が決まると、最初の「国立競技場」へと生まれ変わります。
そして2016年、東京で再びオリンピック・パラリンピックが開催することが決まり、新国立競技場の建設がスタートします。完成したのは2019年11月。オリンピック開催までは準備のため、一般客は見学することができませんが、外からの眺めを楽しむことができます。
木材を大胆にあしらった温もりを感じるデザインの新国立競技場は、明治神宮外苑の豊かな緑と見事に調和。世界に誇る日本のデザインの結晶は一見の価値ありです。
【国立競技場 基本情報】
アクセス:JR総武線「千駄ヶ谷駅」から徒歩約5分 / 都営大江戸線「国立競技場駅」から徒歩すぐ
住所:〒160-0013 東京都新宿区霞ヶ丘町10-1
電話番号:03-5843-1300
公式サイト:国立競技場
軟式野球場・テニスコート
明治神宮外苑の軟式野球場
スポーツ施設の集結する明治神宮外苑では、スポーツを見るだけでなく実際にできる施設も充実。巨大なグラウンドには天然芝と人工芝の計6面の軟式野球場があります。
プロ野球選手も利用する室内球技場や、バーチャルでプロ野球選手と対戦できるバッティングドームなども併設。野球好きなら必ず楽しめる環境が整っています。
さらに野球以外にも、テニスコートやフットサルコートまであるんです。レッスンやクラブ活動などでも使用され、常に活気に満ちています。予約は事前にネットから行いましょう。
【軟式野球場・テニスコート 基本情報】
アクセス:JR総武線「信濃町駅」から徒歩約5分 / 都営大江戸線「国立競技場駅」から徒歩5分
住所:〒160-0013 東京都新宿区霞ヶ丘町2-3
電話番号:03-3403-0923
予約手続き・料金表:信濃町コート予約状況
アイススケート場
明治神宮外苑のアイススケート場
明治神宮外苑の意外と知られていないおすすめスポットが「アイススケート場」。世界大会規格の広さを誇る本格的なアイススケートリンクが明治神宮外苑にあるんです!
アイススケートというと冬のイメージが強いですが、屋内リンクなのでオールシーズン楽しめます。暑い夏に涼みに来れる場所としてもぴったり。
明治神宮外苑のアイススケート場は、フィギュアスケートの他、アイスホッケー、カーリングの利用も可能。初心者から上級者まで気軽に楽しめます。フィギュアスケートはそれぞれのレベルに応じたレッスンで、上達を目指すこともできます。
【アイススケート場 基本情報】
アクセス:JR総武線「千駄ヶ谷駅」から徒歩約5分 / 都営大江戸線「国立競技場駅」から徒歩すぐ
住所:〒160-0013 東京都新宿区霞ヶ丘町11-1
電話番号:03-3403-3458
営業時間:平日 13:00〜18:00(最終入場17:00)
土日・祝日 10:00〜18:00(最終入場17:00)
滑走料:
(平日)
大人(高校生以上)15時まで 1,370円 15時以降 1,050円
小人(中学生以下)15時まで 950円 15時以降 730円
(土日・祝日)
大人(高校生以上)1日 1,370円
小人(中学生以下)1日 950円
貸靴料(1日):520円
公式サイト:アイススケート場
明治神宮外苑のイベント
明治神宮は有名スポットだけではなく、季節によって行われるイベントも大きな魅力。毎年多くの人々を集めています。そんな明治神宮外苑の代表的なイベントを紹介します。
神宮外苑花火大会
神宮外苑花火大会
東京の夏の風物詩としておなじみの「神宮外苑花火大会」。毎年8月中旬に開催され、約1万発の花火が都会の夜空を華やかに彩ります。
打ち上げ会場は、神宮球場、神宮第二球場、秩父宮ラグビー場の3カ所。会場では、人気アイドルのパフォーマンスや豪華なゲストが登場するイベントが開催されるのも見どころです。
【関連記事】
夏の風物詩【花火】の種類は多岐にわたる!詳しくはこちら↓
【花火の種類】は何がある?日本の夏の風物詩を徹底解説!
森のビアガーデン
明治神宮外苑にある児童公園「にこにこパーク」で開催される「森のビアガーデン」。約1,000席を有する都内最大規模のビアガーデンです。緑に囲まれた開放的な雰囲気の中、こだわりのビールを楽しむことができます。
コースは「アラカルト」と「BBQ食べ飲み放題」の2種類。アラカルトでは、なんと22種類ものクラフトビールを楽しむことができるんです!開催期間は5月下旬から9月中旬までと、春から夏にかけて長く楽しめるのも嬉しいところ。
神宮外苑いちょう祭り
明治神宮外苑いちょう祭り
明治神宮外苑のいちょう並木が最も美しく色付く11月中旬から12月上旬にかけて開催されるのが「神宮外苑いちょう祭り」。聖徳記念絵画館前の広場とにこにこパークの2カ所で行われます。
選りすぐりのグルメを提供する屋台や、全国の特産品を扱うお店、親子で楽しめるイベントが行われ、毎年大勢の人で賑わいます。
明治神宮外苑のライトアップされたいちょう並木
さらにいちょう祭りの期間中は、夜になるといちょう並木のライトアップを見ることができるんです!夜空の下に照らされたいちょうが、より一層美しい黄金色に輝きます。
明治神宮外苑の基本情報
アクセス:銀座線「外苑前駅」から徒歩約5分 / 都営大江戸線「国立競技場駅」から徒歩約5分
住所:〒160-0013 東京都新宿区霞ヶ丘町1-1
電話番号:03-3401-0312
公式サイト:明治神宮外苑
明治神宮外苑で新たな楽しみを見つけよう
今回は、明治神宮外苑の見どころについて解説してきました。野球観戦やいちょう狩り、花火にビアガーデンなど、季節を通して楽しめる明治神宮外苑。訪れたことがある人も、いつもは行かないスポットやアクティビティにチャレンジしてみると、新たな楽しみが見つかるかもしれません。