「一生に一度はこんぴらさん」とは?
こんぴらさん参りをしてみよう
パワースポット奥社を目指そう!
こんぴらさん表参道でゆったり食べ歩きもおすすめ
金刀比羅宮の駐車場情報
まとめ

「こんぴらさん」という愛称で親しまれる、香川県を代表する観光地「金刀比羅宮(ことひらぐう)」。その御本宮までは長い石段を登らないと辿り着けないにもかかわらず、全国から押し寄せる参拝客が後を絶ちません。

今回はそんなこんぴらさんの魅力を探るために、金刀比羅宮御本宮のさらに先に立つ、パワースポットとしても知られる奥社まで参拝してきました。

あわせて、行く前に知っておくとこんぴらさん参拝が倍楽しくなる、ちょっと役立つ豆知識もご紹介します。

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建造物

「一生に一度はこんぴらさん」とは?


香川県琴平町に位置するこんぴらさん「金刀比羅宮」

こんぴらさんは、香川県仲多度郡琴平町の象頭山(ぞうずざん)中腹に鎮座し、正式名称を「金刀比羅宮(ことひらぐう)」といいます。

江戸時代に一世を風靡したこんぴら参り

「こんぴら参り」が全国的に広まったのは江戸時代。当時、庶民が旅をすることは禁じられていたのですが、社寺への参拝の旅は許されていました。大流行したお伊勢参りと並び、こんぴらさんは「一生に一度はお参りしたい場所」として、庶民の憧れの旅行先となったのです。

ちなみに、「こんぴら」という呼び名は、かつてインドを含む南アジア周辺で使用されていたサンスクリット語(梵語)の「クンビーラ」が語源だと言われています。クンビーラとは、ガンジス川に棲むワニを神格化した水神、すなわち龍神のこと。

仏教では「宮比羅(くびら)」と呼ばれる水運の神様で、古来この地に祀っていたともされています。

こんぴらさんで祀られている神様とご利益

こんぴらさんは江戸時代までは、神道と仏教の集合体とも言える「金比羅大権現」を祀る「象頭山松尾寺金光院」というお寺だったのですが、神仏分離令後に日本神話に登場する「大物主神(おおものぬしのかみ)」を祀るようになりました。

現在こんぴらさんの主祭神は、大物主神と崇徳天皇。大物主神は海上守護の神様と呼ばれることから、多くの船乗り達がこの神社を訪れます。

また、農業や産業の繁栄などのご利益もあるため、参道の石柱にはこんぴらさんに寄進をした、有名企業の名も見かけます。


造船会社がこんぴらさんに奉納した船のプロペラ

こんぴらさん参りをしてみよう


こんぴらさんの長く続く参道の階段

香川県在住者は、こんぴらさんに参拝する際に「行く」でも「参る」でもなく、「登る」という表現を使います。こんぴらさんは山の中腹にあるため、長く続く石段を登らなければならないから。

表参道から御本宮までの石段は785段、さらに奥社までは1,368段もあるのです。所要時間は、大人の足で金刀比羅宮御本宮までが往復約1時間半、奥社までは往復約2時間半が大体の目安とされています。

体力が無いと無理なのでは…と思いますが、実際にこんぴらさんに訪れてみると、小さな子供からお年寄りまで頑張って登っている姿を見かけます。自信のない人は無理をせず、ゆっくり自分のペースで登りましょう。


お籠を利用して金刀比羅宮御本宮まで

最終手段としては、金刀比羅宮御本宮まで乗せてくれる「お籠」もありますよ。

ほか、500段目にある資生堂パーラーのカフェ「神椿」までなら車で登れます。体と相談しながら、自分に合ったペースや方法で登ってみてください。

まずはこんぴらさん表参道で杖をレンタル


こんぴらさん表参道入り口

こんぴらさん登りのスタートは、表参道から。表参道には、お土産屋さんや軽食屋さんがずらりと軒を連ねています。

「こんぴらふねふね おいてに帆かけて シュラシュシュシュ~」
参道を歩き始めてすぐ聞こえてくるこの曲は、かつて近くの港を就航していた「金比羅船」を題材にして作られた古い民謡で、お座敷遊びでも歌われたそうです。香川県民なら誰もが知っているこの民謡は、金刀比羅宮のホームページでも聴けますよ。


こんぴらさん参拝のお供となる杖をレンタル

こんぴらさんの参道のお土産屋さんなどでは、竹製の杖を借りることができます。レンタル料金は無料の店舗と有料の店舗があるので、料金の有無に関わらず、借りる前に必ずお店の方に一声かけましょう。無料でレンタルする場合は、帰りにその店舗で買い物をすると喜ばれますよ。

ただし、体力のある方は後々杖が邪魔になってくるので、借りるかどうかはよく考えましょう。

【365段】大門


金刀比羅宮大門

お土産屋を横目に見ながら、最初に現れるのは「大門」です。初めて参拝に来た人は、ここまでで結構登ったような気がしますが、金刀比羅宮御本宮はまだまだ先。ここをスタート地点だと思うくらいでちょうどいいかもしれません。

大門に着いたら、来た道を一度振り返ってみましょう。石段と讃岐平野が眼下に広がる、風情ある景色が楽しめます。


金刀比羅宮大門前からの眺望

甘酒や飲み物を売っているお店があるので、疲れたらここで一息つくのがおすすめ。この先には自動販売機などがないので、飲み物なども大門付近で購入しておくといいですよ。

特別に商いを許された「五人百姓」


宮内で商いができるのは五人百姓のみ

大門をくぐると、白い大きな傘をさして飴を売る5軒のお店があります。この5軒は金刀比羅宮にまつわる五家の家筋・五人百姓といい、特別に宮内での商いを許されています。


五人百姓の「加美代飴」

創業数百年の長い歴史をもつ五人百姓の作る「加美代飴(かみよあめ)」というべっこう飴。ほんのりユズの香りがするこの飴は、古くからこんぴらさん詣での名物として人々から愛されてきました。同包の金色のハンマーで叩き割っていただきます。お土産としてもぴったり。

【365〜431段】桜馬場(さくらのばば)


桜の名所「桜馬場」

大門を過ぎると、平坦な石畳の道が続きます。ここは「桜馬場(さくらのばば)」と呼ばれる桜の名所で、春になると美しい桜の参道を見ることができます。

こんぴら狗

桜の馬場を過ぎてもう少し登ると、「桜馬場西詰銅鳥居」という鳥居が立つ広場のような場所に着きます。


こんぴら狗

鳥居の右前にあるのは、イラストレーターの湯村輝彦氏デザインによる「こんぴら狗」の銅像。

犬がモチーフの理由は、江戸時代、当人に代わって旅慣れた人に参拝してもらう「代参」も行われていたのですが、その代参を「人」ではなく「犬」がする場合もあったことから。「こんぴら参り」と書かれた袋をぶら下げた犬は、旅人から旅人へ連れられ、無事代参を終えた犬は、「こんぴら狗」と呼ばれるようになりました。

神馬(しんめ)


神馬

鳥居の向かって左には、神様に奉納するための2頭の馬が。神馬は神様が乗るための馬で、一般的に白馬が採用されます。

書院

大きな桜馬場西詰銅鳥居をくぐり、階段を登った先、右手側に書院が立っています。


書院の様子

書院では、江戸時代の絵師である円山応挙(まるやま おうきょ)の襖絵などを展示しています。襖に描かれているのは睨み合う2頭の虎。ですが、江戸時代の日本には虎がまだいなかったため、応挙は猫を見ながら虎を描いたそう。そのため、猫によく似たちょっぴり愛らしい虎の姿を見ることができます。

<拝観料>
一般:800円
高校生・大学生:400円
中学生以下:無料
※内部の写真撮影は禁止

【628段】旭社


厳かな雰囲気をまとった金刀比羅宮旭社

さらに石段を登った先には、立派な造りの「旭社」が見えてきます。かなり歩いてきましたが、御本宮はもう少し先。旭社に設けられた回廊でひと休みしてから御本宮を目指していきます。

ちなみに、御本宮の後に旭社へ参拝するのが正しい順序。このタイミングでは参拝はせずに、旭社はぜひ帰路で参拝しましょう。回廊に沿って北へと進んでいきます。

ここでマイナス1段


道の間に段差がひとつ

進んでいくと手水舎が見えてきますが、その手前に、ほんの少し、一段だけ道が下がっている場所があります。

表参道から御本宮まで、石段が下がるのはこの1段のみ。御本宮までの石段は785段とされていますが、実際には786段あり、その数を「な・や・む」と読める語呂が悪いということで、一段下げて785段にしたともいわれています。

【652~ 785段】御前四段坂


金刀比羅宮御本宮へと続く最後の石段、御前四段坂

金刀比羅宮御本宮までの最後の石段「御前四段坂」。4段階に分けて造られていることから名付けられ、それぞれ数十段の石段が続きます。

【785段】御本宮


江戸時代以来、多くの人が参拝した金刀比羅宮の御本宮

御前四段坂を上りきったら、ようやく御本宮がお目見え。ここが、「一生に一度はこんぴらさん」と江戸時代より庶民の憧れとなった金刀比羅宮です。経年変化し色づいた木造の社殿から、歴史を感じます。

金刀比羅宮の御祭神は、崇徳天皇と大物主神。農業や医薬、海上守護の神として古来崇敬されてきました。


金刀比羅宮御本宮からの眺望

金刀比羅宮御本宮からの眺めは絶景です。左の方に見える山は「讃岐富士」と呼ばれる飯野山(いいのやま)。晴れていれば瀬戸大橋まで望むことができるのですが、この日は少し雲がかっていたため見えませんでした。

御本宮に到着したら、ぜひ向かって右手に立つ2基の灯籠にも注目してください。よく見ると、右側の灯籠だけツヤツヤと光っています。これは、昔からこの灯籠を触ると「へそくり」が増えるご利益があるといわれており、灯籠を撫でて帰る人が多いため。


御本宮右側に立つ2基の灯籠


ツヤツヤと光っている

こんぴらさんの幸福の黄色いお守り


こんぴらさんのお守りといえば「幸福の黄色いお守り」

こんぴらさんのお守りといえば、鮮やかな鬱金(ウコン)色に染め上げた布で作る「幸福の黄色いお守り(800円)」。病気や災いごとから守ってくれるとされています。ゆるいフォルムがかわいい「ミニこんぴら狗」とのセット(1,500円)もあります。

御本宮へ参拝を終えたら、ひとまずこんぴらさんの参詣は完了。ですが今回は、せっかくなので奥社まで足を伸ばしていきます。

奥社へ行かずに帰る方は、お守りがある神札授与所の向かって右側に下り専用の石段があります。旭社までは一方通行なので、来た道を戻らないように気をつけましょう。

金刀比羅宮パワースポット奥社を目指そう!

金刀比羅宮御本殿からさらに登ったところに「奥社(おくしゃ / おくやしろ)」があります。正式名称は「厳魂神社(いづたまじんじゃ)」といいますが、一般的には「奥社」として知られ、香川県民のほとんどは「おくしゃ」と呼びます。御本宮からさらに1km、583段の石段を上った先に立っています。

奥社の御祭神は、金毘羅大権現第4代目、厳魂彦命(いずたまひこのみこと)。金刀比羅本教の教祖です。人知では計り知れない不思議な能力を持つとされていた厳魂彦命を祀っていることから、厳魂神社(奥社)はパワースポットとしても脚光を浴びています。


金刀比羅宮御本宮横、奥社への道

【923段】白峰神社(しろみねじんじゃ)


白峰神社(紅葉谷)

崇徳天皇が祀られている、朱色が美しい神社です。周辺はモミジの木が多いことから「紅葉谷」と呼ばれ、秋の末には美しく色づいたモミジを楽しめます。


さらに続く石段

白峰神社を過ぎたあたりから徐々に視界にも山肌が広がり、ちょっとした登山をしているような気分に。小鳥のさえずりや心地よい山の空気を感じながら参道を進んでいきます。

【1368段】厳魂神社(奥社)


厳魂神社(奥社)

石段を上りきると見えてくる朱色の社が奥社です。ようやく到着しました。

長い道のりの先にあるにも関わらず、奥社は参拝者で賑わっていました。ここまで来ると、その場に居合わせた初対面の旅人同士でも、なんとなく一体感を感じます。ベンチに座って、自然に「お疲れさまです」「暑いですね」などといった会話が生まれることも。

天気が良ければ、奥社からの眺望もぜひ楽しんでみてください。琴平の町が眼下に広がる様子は、奥社までたどり着いた人しか見ることができない絶景です。


天狗とカラス天狗の彫物

拝殿向かって左にある断崖の上方には、天狗とカラス天狗の彫物があるのでお見逃しなく。御祭神の厳魂彦命は、死ぬ前に「死して永く当山を守護せん」と言い残し、天狗と化して姿を消したと伝えられています。

せっかく奥社に来たなら、御守所でお守りを受けてはいかがでしょうか。天狗の刺繍が施された「天狗御守(800円)」は、奥社でしか手に入れることができません。厳魂彦命のパワーが宿るこのお守りは、諸々の厄災から身を守ってくれるとされています。天狗御守は、ヒモの部分が赤と白の2色から選べます。


天狗御守 赤色四ッ目紐

帰りは旭社の参拝も忘れずに

こんぴらさん帰路では、往路で参拝をしなかった旭社へお参りすることもお忘れなく。

1837年に建てられた社殿の高さは約18m。初めてこんぴらさんを訪れる観光客は、その存在感のある佇まいからここを金刀比羅宮御本宮と間違う人も多いのです。


旭社の美しい装飾

幕末期に清水次郎長の子分として活躍した「森の石松」が親分の代参でこんぴらさんに訪れた際には、あまりにも立派な旭社を御本宮と間違え、刀を奉納していってしまったという逸話も残されています。

こんぴらさん表参道でゆったり食べ歩きもおすすめ


こんぴらさん表参道のお休み処

今回はこんぴらさんのお参りルートを中心に紹介しましたが、こんぴらさん参りの楽しみのひとつは、表参道の土産屋や食べ歩きにもあります。ご当地うどんや美味しい琴平グルメが盛りだくさんなので、時間に余裕があれば、ぜひこんぴらさん表参道の散策も楽しんでみてください。


「舟々せんべい(24枚入り 700円)」

こちらは創業明治15年の和菓子屋さん「紀の国屋本店」が作る「舟々せんべい」。和三盆や香川県産の卵を使用するなど素材にもこだわって作ったせんべいは、やさしい甘さと素朴な味わいが特徴です。


1枚ずつ手焼きで作られている

タイミングが合えば、この道50年の職人さんが1枚ずつ焼印を押して作る、焼きたての舟々せんべいが味わえます。パリッとした食感と焼きたてならではの香ばしさは格別。

しっとりとした舌触りのいいこしあんをカステラ生地で包んだ「石松まんじゅう(8個入り 800円)」もぜひ味わいたい逸品。お土産にもぴったりです。


写真映え間違いなしの「嫁入りおいりソフト(350円)」

香川県民も大好きなこのソフトクリームは、丸くてカラフルな「おいり」が写真映え間違いなし。「おいり」とはあられの一種で、食感は非常に軽く、口に含んだ瞬間にサクッ、ふわっと溶けていきます。

香川県でも主に西讃(せいさん)と呼ばれる西の地域を中心に、結婚式の引き出物に必ず入っているおめでたいお菓子。今ではその見た目のかわいさも相まってお土産としても売られています。

こんぴらさん表参道ではいくつかおいりソフトを販売しているお店がありますが、おすすめはつるや旅館すぐ近くの「お休み処」。こちらではソフトクリームを和三盆、しょうゆ、希少糖ミルクなどから選ぶことができ、おいりをトッピングするのであれば、おいりの甘さとマッチする「和三盆」がおすすめですよ。

「讃岐和三盆」とも呼ばれる香川の和三盆糖は、黒糖のような濃厚な甘さが特徴。さまざまな形の和三盆糖がお土産としても売られているので、そちらもぜひ食べてみてください。お茶にも、コーヒーにも合いますよ。

金刀比羅宮の駐車場


こんぴらさん参道近くの駐車場

駐車場は駅から参道までにかけてたくさんあります。大体の駐車場が時間制ではなく、1回500~800円程度の金額設定。参道近くの駐車場は提携しているお土産屋さんで指定額分の商品を買うと無料になるというシステムもあります。

こんぴらさん表参道入り口前、「つるや旅館」のある通りは道が狭く、一方通行のため、運転には充分に注意して下さい。年末年始やお盆などの連休は多くの観光客が訪れるため、公共の交通機関の利用がおすすめです。

何度も足を運びたくなる理由がこんぴらさんにはある

表参道で杖を借りたお土産屋さんでは「気をつけて行ってらっしゃい」と送り出されたり、奥社からの帰りには、登ってきている人に「あとどれくらいですか?」と聞かれたり。帰路に立ち寄った甘酒屋さんでは「お疲れ様。よーに休んでいきや」と労られました。こんぴらさん参りでは、人との触れ合いや温かさも感じられます。

食べ歩きやショッピングが楽しい表参道、森林浴も楽しめる奥社、人との触れ合い。こんぴらさんは一度と言わず何度でも来たくなるのは、参拝以外の楽しみがあるからなのかもしれません。

また、江戸時代に栄えた門前町こんぴら温泉郷には、由緒ある温泉旅館やホテルが立ち並んでいます。江戸時代から続くこんぴら参りは、時代と共に変化しながら私たちを楽しませてくれています。香川県へ旅行する際には、ぜひこんぴらさん訪れてみてくださいね。