- 信州一大きな湖「諏訪湖」
- 冬になって凍結すると……
- 冬のもう一つの名物が「ドーム船」と「ワカサギ釣り」!
- 初心者がスタッフに教わった! 釣り方とコツ
- [時期・時間・天気]よく釣れる条件
- [持ち物]何を用意する?
- [服装]移動ボートは寒い!
- [受付]乗船申込書に記入
- [移動]ボートに乗って湖上へ
- [場所決め]ドーム船に到着したら
- [竿の準備]仕掛けに紅サシを付ける
- [糸を垂らす]糸の長さに注意
- [待つ]ときどき釣り竿を揺すりながら
- [釣れた!]アタリが来たら素早く
- エサを付け替えるタイミング
- ドーム船での過ごし方
- 2時間体験の釣果は……
- 釣ったワカサギはその場で天ぷらに!
- ドーム船ワカサギ釣り・釣り道具レンタルの受付店
- ・民宿みなと
- ・諏訪湖観光汽船
- ・西浜丸
- ・わかさぎレイクフッド(レイクフッドオカヤ)
- 【営業終了】諏訪湖釣舟センター・諏訪湖レジャーセンター
- おわりに
長野県・諏訪湖は、ワカサギ釣りの名所。「ドーム船」と呼ばれる屋根付き船の暖かい船内でワカサギ釣りができるとあって、ワカサギ釣り初心者やシニアにも優しいワカサギ釣りスポットなのです。
このページでは、諏訪湖のワカサギ釣りにトライするためのお役立ち情報をまとめました。スタッフが実際に釣って、天ぷらにするところまで挑戦してみたので、冬のレジャー計画の参考にしてみてください。
※本記事は2022年12月に行った取材をもとに作成しています。諸事情により、最新の情報と異なる場合がありますので、お出かけの際は公式サイト等で最新情報をご確認ください
※2024年9月、一部情報を更新しました
信州一大きな湖「諏訪湖」
諏訪湖は周囲約16kmの、長野県で一番大きな湖です。海抜759mと少し高い場所にあります。遊覧船に乗って湖上から見渡せる、八ヶ岳連峰の雄大な景色は醍醐味のひとつです。
諏訪湖の周囲には、「上諏訪温泉」や「岡谷温泉」、「高島城」、さまざまな美術館などが集まっていて、長野県内外から観光客が訪れます。特に諏訪湖畔にある「諏訪大社(すわたいしゃ)」の、7年に一度行われる「御柱祭(おんばしらまつり)」の期間中、そして夏の花火は大いに盛り上がります。
夏の諏訪湖
冬になって凍結すると……
諏訪湖がある長野県諏訪市の1月の平均気温はマイナス1.1℃(※)。1日を通して気温が低いため、冬になると諏訪湖は凍結します。
そして、凍結した諏訪湖の名物といえば、「御神渡り(おみわたり)」と呼ばれる現象。湖面に氷の亀裂が入り、その裂け目に入り込んだ水が競り上がるように凍結し、まるで道のようになります。
地元では、諏訪大社上社の男神が下社の女神のもとへ渡るための道、と言い伝えられています。近年は温暖化の影響か、全面結氷する年も減少し、貴重な光景となってしまいました。
諏訪湖の「御神渡り」
冬のもう一つの名物が「ドーム船」と「ワカサギ釣り」!
冬の諏訪湖のもう一つの名物といえば、「ワカサギ釣り」。秋から春にかけてが最盛期です。
そして諏訪湖周辺の民宿や遊覧船運航会社などが出す、屋根付きの船「ドーム船」は、冬のワカサギ釣りの強い味方。ドーム船は、ビニールハウスタイプ、屋形船タイプなどさまざまなタイプがありますが、いずれも冷たい外気にさらされず釣りが楽しめる画期的な船です。
ちなみに諏訪湖が凍結すると、ドーム船は湖上で停泊したままとなります。
冬の諏訪湖に浮かぶドーム船
初心者がスタッフに教わった! 釣り方とコツ
初めてワカサギ釣りに挑戦する人に、諏訪湖はおすすめのスポット。ここからは、実際にワカサギ釣り初心者である筆者が挑戦してきた様子をお届けします。
ドーム船でのワカサギ釣りを受け付けているお店はこちらで紹介しています。
筆者は「諏訪湖釣舟センター/諏訪湖レジャーセンター」(2023年10月をもって営業終了)でワカサギ釣りを体験してきました。
[時期・時間・天気]よく釣れる条件
●時期
諏訪湖でのワカサギ釣りシーズンは、例年10月頃から翌年の3月くらいまで。
その中でも、一番安定して釣れる時期は、10~12月上旬。2~3月はワカサギが卵を持つ時期なので、エサへの食いつきが悪くなるとのこと。
●時間帯
そしてワカサギ釣りの時間帯は朝がおすすめ。筆者は9:00にスタートしましたが、お昼に近づくにつれて釣れる量は少なくなっていきました。
ドーム船でのワカサギ釣りを受け付けているお店は、朝7時頃に岸を出発して、湖上のドーム船に移動するところが多いので、早めに開始してみましょう。
●天気
意外だったのが天気。ワカサギ釣りは、少し天候が荒れている方がおすすめなのだそう。筆者が挑戦した日は晴れていてとても穏やかだったので、「絶好のワカサギ釣り日和!」と思いましたが違いました。
少し風があったり雨が降っていたりする方が、波があって釣れやすいのだそう。ただあまりに悪天候の場合は受付が中止になることもあるので、事前に確認しましょう。
[持ち物]何を用意する?
ドーム船でのワカサギ釣りを受け付けているお店は、釣り竿やエサなど必要な道具のレンタルも行っているので、特別な道具を用意する必要はなく、手ぶらで利用できます。
あとは普段のお出かけと同じように、財布や身の回りのものを持っていけばOK。休日は混雑するので、なるべく身軽な格好で行くのがおすすめ。小さなリュックなど身につけられるものに貴重品を入れておくと、荷物の場所に困りません。
《コツ》
もし可能なら、小さなハサミを持っていくと便利です。エサとなる虫(紅サシ)を切るために使います。
[服装]移動ボートは寒い!
ドーム船の中は晴れていれば暑くなりますが、移動するボートは非常に寒いです。脱ぎ着しやすいアウターなど、調整できる服装で行きましょう。
[受付]乗船申込書に記入
諏訪湖釣舟センター(2023年に営業終了)受付ハウス
予約しているお店、または当日受付を行っているお店に到着したら、まずは受付を。ワカサギ釣りの乗船申込書に記入をし、支払いをします。
お店によりコースは異なりますが、1日コースや2時間の体験釣りコースなどがあるお店もあります。筆者は2時間の体験釣りコースに参加してみました。
ワカサギ釣りで使う竿や餌など。2時間体験コースはこれが全てセットになっていました
[移動]ボートに乗って湖上へ
受付を済ませたら、道具を受け取ってボート乗り場へ向かいます。迎船は10:00~15:00まで1時間ごとになるので、自分の帰りの時間を確認しておきましょう。ボートに乗る前にはライフジャケットを着用します。
準備ができたらボートに乗って、諏訪湖の湖上へ。ワカサギ釣りドーム船へ向かいます。諏訪湖を走るボートはとても気持ち良いですよ。
ワカサギ釣りドーム船まで案内してくれるボート
[場所決め]ドーム船に到着したら
移動用ボートに乗って少しすると、湖の上にビニールハウスのようなものが浮いているのが見えてきますが、それがドーム船です。
ワカサギ釣りドーム船内部
ドーム船の中は写真のよう感じ。床にたくさんの穴が開いています。そこにイスが設置されていて、少し不思議な光景。スマホなどを穴に落とさないように注意しましょう。
この中から好きな場所を選んで釣り竿の準備をしましょう。
[竿の準備]仕掛けに紅サシを付ける
レンタルした釣り竿・仕掛け・エサのセットはパイプの中に入っていました。取り出すときは、逆さにすると仕掛けが絡まってしまうので、ふたを開けたそのままの向きで上に引き抜くように取り出します。竿についている輪ゴムは使うので、無くさないように。
釣り竿の仕掛けと糸が入っているパイプ
次はエサを付けます。エサは「紅サシ」という、赤く染色された小さな幼虫を使いました。ワカサギ釣り用に養殖された虫だそうです。針に差すのは、虫のお尻の方。細くて黒い点が見える方が頭、太めの方がお尻です。そのお尻の方に引っ掛けるように針を刺します。しっかり指でつまんで刺すとスムーズ。難しい時はスタッフにお願いしてみましょう。
《コツ》
①仕掛けにエサを付けるときは、床に仕掛けを置くと安全。釣り針には魚が食いついた時に外れないようにするための「返し」がついていますが、これが衣服や皮膚に刺さると抜けなくなり厄介。仕掛けを床に置いて作業すれば、衣服などに仕掛けが刺さりません。
②ハサミを持ってきた方は「半切り」をしてみるのもいいでしょう。半切りとは、エサの頭の方を切り落としてしまうこと。そうすることで、ワカサギを誘うことができるそうです。絶対必要というわけではないため、状況に応じて挑戦してみてください。最初は何もしないで、少し経ったら半切りにしてみる、という方法もアリです。
餌に仕掛けの針を刺す。引っ掛けるように
半切り用のハサミは持参。小さいものでOK
[糸を垂らす]糸の長さに注意
仕掛けすべてにエサを付けたら、穴に糸を垂らします。始めは持ち手のところに糸が巻いてあるので、少しずつほどいて伸ばしていきましょう。おもりが底に着くくらいの長さになればOK。先ほどの輪ゴムで糸がほどけないように止めておきます。
《コツ》
糸の長さは初心者には分かりづらいかも。スタッフや常連さんに手伝ってもらうと確実です。
[待つ]ときどき釣り竿を揺すりながら
これで準備完了。あとはひたすらアタリを待ちます。
《コツ》
①糸を垂らしたら、竿を床に置きます。手で持っていると当たりが来てもわかりづらいので、置いておくのがポイント
②ただ、そのまま放置ではなく、時々竿を揺すって魚を誘ってあげるとよいそうです
③身も蓋もありませんが、最大のコツはアタリがくるまで辛抱強く待つこと。ワカサギは群れで動く魚。どんなに竿を動かしても、群れが来ていなければ釣れません。釣れないときは群れを待ちましょう。常連さんが魚群探知機を持っていることもあり、「今来てますよー」と群れが来たことを教えてくれる場合も。魚群探知機を見せてもらうのも楽しいですよ。
竿は持たずに置いておく
[釣れた!]アタリが来たら素早く
少し待っていると常連さんにアタリが。それとほぼ同時に、筆者の釣り竿にもアタリが来ました。糸が絡まないように注意して引き揚げると、ワカサギが1匹釣れました! 筆者にとっては生まれてゲットできたワカサギです。
ワカサギを引き揚げたら、針を持って引っ張り、仕掛けから外します。この時も餌を付けるのと同じように、床に置いて行うと安全。釣れたワカサギはザルに入れておき、また糸を垂らします。
この日はワカサギの群れが小さくアタリは少なかったのですが、大きな群れが来ている時は続けてどんどん釣れるそう。一回で4~5匹釣れることもあるそうですよ。
《コツ》
①釣り竿の先がピクピクっと動いたら、素早く上にあげます。こうすることで、餌に食いついたワカサギがしっかり針に引っかかるそうです。
②素早く上に上げた後は、竿は後ろに置いて、糸を後ろに送るように手繰り寄せるとうまくいきます。
③ワカサギが釣れた後は、またすぐに穴に糸を垂らしましょう。群れが来ている間がチャンスなので、すぐに次のアタリを狙います。
仕掛けに食いついたワカサギ
エサを付け替えるタイミング
スタッフの方によると、エサは頻繁に替えなくてもいいそうです。群れが来ている間はそのままどんどん釣って、当たりがなくなって暇になったらエサ替えをするという形がおすすめとのこと。
時間だと、30~40分ごとが目安。また、エサが白っぽくなってきた時も鮮度が落ちてきている証拠なので、エサ替えをするといいとのことです。
ドーム船での過ごし方
ワカサギ釣りのドーム船内は飲食自由です。持ち込んだものを食べるのもOK、ストーブの上にあるやかんのお湯を借りてコーヒーを飲むのもOK。お酒を飲みながら楽しむ方もいるそうです。ただし、ゴミはきちんと持ち帰りましょう。
デッキに出れば、諏訪湖を眺めることができるので、景色を楽しむのもいいですね。秋はデッキでも釣りをすることもできます。なおドーム船にはトイレも設置されています。これなら1日中のびのびと過ごせそうです。
ワカサギ釣りドーム船から見える諏訪湖
2時間体験の釣果は……
さて、ワカサギ釣り2時間体験の結果はというと…。
釣れたワカサギ
こんなにたくさん!
……は釣れず、筆者が釣ったワカサギは10匹にも届きませんでした。
知らないうちにスタッフの方や常連さんが足してくれていたようです。この日は諏訪湖全体で釣果状況が悪くこのくらいの数でしたが、よく釣れる時には2時間で100匹以上釣れることも。またその時期にチャレンジしてみたいと思います。
一緒にワカサギ釣りに参加していた東京からのご家族もなかなか釣れなかったのですが、終了時刻ギリギリでなんとか1匹ずつ釣ることができ、ドーム船にいたみんなで大喜びしました。常連さんや他のお客さんとのやり取りを楽しめるのも、ドーム船でのワカサギ釣りの魅力なのかもしれませんね。
釣ったワカサギはその場で天ぷらに!
さて、ワカサギ釣りのあとのお楽しみは、ワカサギの天ぷら。筆者は受付ハウスで調理してもらいました。天ぷらの調理サービス(有料)の有無はお店により異なりますので、スタッフさんに確認してみてくださいね。
今回は少しだけ天ぷらにしてもらい、残りは持ち帰ることに。持ち帰り用の袋がもらえるほか、氷や発泡スチロールの箱も購入できます。
持ち帰り用のワカサギ
外の水道で手を洗って受付ハウスに戻ると、すでにわかさぎの天ぷらが揚がっていました! 揚げたての天ぷらに、塩を付けていただきます。
釣ったばかりの新鮮なワカサギは、臭みも全くなくふっくら。釣りたて・揚げたてでしか楽しめない味わいです。
わかさぎの天ぷら
さて、持ち帰ったものはどう調理するのが良いのでしょうか。常連さんが教えてくれたおすすめの食べ方は甘露煮。天ぷらや唐揚げはもちろんおいしいのですが、たくさん釣れた時は甘露煮にするのだそう。生姜をたっぷり入れて醤油や砂糖で煮ると、鱗や骨も気にならずおいしくいただけるとのことです。
筆者はあまり釣れなかったので、唐揚げにしていただきました。内臓や頭を取る必要もなく、水洗いして丸ごと調理できるのがワカサギの良いところです。
ドーム船ワカサギ釣り・釣り道具レンタルの受付店
民宿みなと
諏訪湖に面した湖畔の宿。諏訪湖の南側にあります。大型のドーム船を5艘を持つほか、手漕ぎボートのレンタル、釣り竿セットのレンタルなどを行っています。宿泊者は岡谷温泉のお風呂も楽しめます。
●住所:長野県岡谷市湊5-14-7
●船の種類
・大型ドーム船
・エンジン付き和船
・手漕ぎボート
●釣り竿レンタル:あり
●公式サイト:民宿みなと
●料金・その他詳細:わかさぎ釣り|民宿みなと
諏訪湖観光汽船
諏訪湖の遊覧船を運航する船会社。秋から春にかけては、ビニールハウスタイプのドーム船でワカサギ釣りが楽しめます。
●住所:長野県諏訪市湖岸通り3-1-27
●船の種類
・ドーム船
●釣り竿レンタル:-
●公式サイト:諏訪湖観光汽船
●料金・その他詳細:-
わかさぎレイクフッド(レイクフッドオカヤ)
透明パネルの屋根付きドーム船と、テントが設営されたテント船でワカサギ釣りが楽しめます。カフェが併設されていて、昼食にカレーがいただけるのが嬉しいですね。
●住所:長野県岡谷市湊1-5933-7先
●船の種類
・ドーム船
・テント船
●釣り竿レンタル:あり
●公式サイト:わかさぎレイクフッド
●料金・その他詳細:料金プラン|わかさぎレイクフッド
諏訪湖釣舟センター・諏訪湖レジャーセンター
※2023年10月をもって営業終了
●公式サイト:わかさぎ釣り|諏訪湖遊覧船
おわりに
筆者は氷上でのワカサギ釣りをした経験があります。しかしそのときは一匹も釣れず、ワカサギを釣るのは難しいことだと思っていました。
しかし今回初めてドーム船でのワカサギ釣りに挑戦してみて、その気軽さと「釣れた!」という喜びにハマってしまいました。「できれば1日中いたい」と思ったほど。
エサの付け方さえ覚えてしまえば、あとは何も難しいことはありません。釣れない時間も長かったものの、他のお客さんとの距離が近いワカサギ釣りドーム船は、そんな釣れない時間を楽しむことができました。
初めてワカサギ釣りをするお子さんがいるファミリーにも、諏訪湖のワカサギ釣りドーム船はおすすめ。ぜひ一度、体験してみてはいかがでしょうか。
諏訪湖ワカサギ釣りの関連サイト
・諏訪湖漁業協同組合
・“わかさぎ釣り舟”のご案内|諏訪湖漁業協同組合
・冬のおすすめ観光スポット|諏訪市観光ガイド