信州の温泉を思う存分楽しむクーポン「信州物味湯産手形」
伊那路エリアで信州物味湯産手形を使ってみよう
10:40「かじかの湯」で最初の温泉を楽しむ
12:40「お食事処 十郎太」で名物の五平餅を食す
14:00「ひまわりの湯」で2回目の入浴
15:40「ACHI BASE」でお土産を購入
16:00「湯ったり~な昼神」で旅を締めくくる
17:00 温泉巡り終了
まとめ

寒い冬、温泉が恋しくなる時期ですね。日本には様々な温泉地がありますが、その中でも忘れてはいけないのが長野県。実は、温泉地の数は北海道に次いで全国2番目の多さを誇り、日帰り温泉の数も全国トップクラスといわれています。

そんな長野県内の温泉をおトクに楽しむことができるクーポンをご存知でしょうか?それが、今回紹介する「信州物味湯産手形」。

県内各エリアのさまざまな温泉に入れるほか、一部のお店では食事やお土産購入もおトクになるという優秀な手形です。今回は、信州物味湯産手形を利用し、1日で温泉を存分に満喫できるルートをご紹介します。

信州の温泉を思う存分楽しむクーポン「信州物味湯産手形」

湯ったり~な昼神の昼間の露天風呂

信州の温泉(写真提供:湯ったり~な昼神)

信州物味湯産手形とは、長野県の温泉や施設の割引・特典が1冊にまとめられたクーポンです。有効期限は購入日から1年間。見物の「物」、味覚の「味」、お湯の「湯」、産物の「産」を合体させて、「物味湯産」と名付けられています。2010年に昼神温泉郷で始まり、年々規模を拡大させて全県で利用できるようになりました。

信州物味湯産手形(以降、手形と表記)は、1,300円(税込)で販売されています。2020年度(2020年4月1日〜)は1,500円(税込)となりますが、それでも十分おトク。

「信州物味湯産手形」を使って何ができるの?

信州物味湯産手形

信州物味湯産手形

おトクな理由は、12の温泉施設を無料で楽しむ「手形入浴」ができるから。手形入浴では、対象となっている38施設の中から12施設までを選び、無料で入浴することができます。日帰り温泉は500~600円かかる施設が多いので、3カ所入れば元が取れる計算。2020年には対象施設が増える予定とのことですので、さらに選択肢が広がりますね。

3カ所というと観光には不向きと思うかもしれませんが、そんなことはありません。近いエリアの温泉施設を選べば、1日で複数の温泉を巡ることも可能です。また、手形は購入日から1年間有効なので、再び長野県を訪れる際にも利用できます。

ちなみに、手形を使っておトクに楽しめるのは入浴だけではありません。食事やお土産の購入時に割引や特典があるほか、体験や宿泊費の割引などもありますし、手形入浴の対象でない温泉も、割引入浴ができるという特典が。

手形を購入できる場所は?

手形は、手形入浴対象の温泉施設だけでなく、各観光案内所でも購入できます。県外では東京や名古屋、大阪で販売しているので、長野県に観光に来る前にぜひチェックしてみましょう。

【販売所】
・手形入浴が可能な各温泉施設
・ほか 飯田インター観光案内所 [㈱南信州観光公社]/ 飯田駅観光案内所 / 上田市観光会館売店 /
大町市観光案内所 / 岡谷市役所 岡谷市観光協会 / 軽井沢駅観光案内所 / 軽井沢観光会館 /
木曽町観光協会 木曽福島駅前案内所 / 銀座NAGANO観光情報センター / 佐久市振興公社 /
佐久平駅プラザ佐久 / 下諏訪観光案内所 / 下諏訪観光協会 / 下諏訪町産業振興課商工観光係 /
食祭館 / 信州高山温泉郷観光協会 / 信州千曲観光局 / 諏訪市観光案内所 / 武石観光協会 /
長野県大阪観光情報センター / 長野県観光機構 / 長野新幹線上田駅観光案内所 /
長野県名古屋観光情報センター / 白馬村観光局 / 昼神温泉ガイドセンター / まちづくり木曽福島 /
まちなかインフォメーションセンター / 松本市観光案内所 / 松本市観光情報センター /
丸子観光協会 / 道の駅白馬 / ゆきむら夢工房(五十音順)

伊那路エリアで信州物味湯産手形を使ってみよう

今回は、1日の観光でも手形をおトクに利用できる湯めぐりルートを、長野県在住の筆者が考案しました!手形入浴の対象施設が多い伊那路エリア(長野県の南信地方)を、食事やお土産購入も手形を使いながら巡ってみましょう。

10:40「かじかの湯」で最初の温泉を楽しむ

今回は車を使って巡る旅。「飯田山本IC」からスタートします。伊那路エリアは電車やバスの本数が少なく、また駅やバス停からは遠いスポットが多く、車を使って巡るのがベターです。三遠南信道(無料区間)を通って天竜峡インターで降りたら、別名「祭り街道」と言われる国道151号線を南下して阿南町へ。途中道の駅などに立ち寄るのもいいですね。

かじかの湯外観

かじかの湯(写真提供:かじかの湯)

1つ目の温泉施設は、信州阿南温泉「かじかの湯」。すぐ横を流れる川にカジカが生息していたことから名づけられたそうです。さて、温泉施設に入ったらまずは手形を購入。受付で販売されています。

スタンプ台紙になっている手形

スタンプ帳になっている手形の表紙裏

手形利用を申し出ると、表紙裏のページにスタンプを押してくれます。これで入浴可能。手形を受け取って温泉に入りましょう。

かじかの湯女湯の大浴場

かじかの湯女湯大浴場(写真提供:かじかの湯)

かじかの湯の大浴場は、県下最大級の広さを誇ります。pH値が高いかじかの湯は、アルカリ性単純温泉。入るとお湯がなめらかなのがわかります。肌に触れるお湯は、やわらかくしっとり。神経痛・リウマチ・筋肉疲労などに効果が期待できます。

かじかの湯男湯大浴場

かじかの湯男湯大浴場(写真提供:かじかの湯)

また、露天風呂は少し深め。門原大橋と大自然が目の前に広がり、開放的な気分を楽しめます。
海外の方の入れ墨やタトゥーに関しては、特別規制はしていないそうです。ただし、気にするお客さんもいるのでタオルで隠すなどの配慮を忘れずに。

阿南町陶芸体験館

阿南町陶芸体験館(写真提供:かじかの湯)

隣接する「阿南町陶芸体験館」では、陶芸体験やトンボ玉作り、スノードーム作りなどさまざまな体験ができます。個人なら当日受付も可能。陶芸作品は後日郵送してもらえます。こちらは手形利用で100円割引に。

夜は少し離れた関昌(かんしょう)寺というところに足を伸ばすと星空がキレイに見えるそう。コテージも併設されており、宿泊にもおすすめのスポットです。

12:40「お食事処 十郎太」で名物の五平餅を食す

かじかの湯を後にして、次の目的地となる平谷村へ。体もぽかぽかと温まりました。そろそろお昼も近くなってきたので、長野県ならではのグルメが楽しめるお店へ向かいます。国道151号線を南下し、国道418号線へ。道幅は広いものの、冬季は積雪や凍結の可能性もあるため運転にはご注意を。

別名「湯めぐり街道」とも呼ばれるこの道。進むと国道153号線にぶつかり、この道を北上すれば目的地です。

お食事処 十郎太

お食事処十郎太。入口は2階

かじかの湯から車を走らせること約1時間。道の駅「信州平谷」のすぐ横にある、「お食事処 十郎太」に到着です。ここでは手形を利用すると、食事をした人のみ、ソフトドリンクを1杯サービスしてくれます。

長きに渡り地元民や観光客から愛されている同店でいただくのは、お店イチオシの「十郎太定食」。平谷村の名物がぎっしり詰まった定食です。

十郎太定食

「十郎太定食」1,780円

登場したのは、想像のひと回り以上大きなお盆に乗った豪華な定食。平谷名物の五平餅、アマゴの塩焼き、天ぷらに煮物など、十分すぎるボリュームです(内容は季節によって変わる場合あり)。

平谷村の五平餅の特徴は、その形とタレ。形は小判型で、厚みがあって食べ応え抜群です。タレは、エゴマをすり潰して醤油や砂糖で味付けしたもの。甘みがあってねっとりしています。私の地域でも五平餅を食べますが、これは初めての味。もうひとつはネギ味噌です。

あまごの塩焼き

「あまごの塩焼き」

新鮮なアマゴを使用した「あまごの塩焼き」。臭みがほとんどなく、頭から骨まで食べられます。

十郎太の店内

十郎太の店内。小上がりも用意している

地元住民はあまり外食をしないため、お客さんはほとんどが観光客。特に名古屋方面からのライダーが多く、夏は大変混雑するそうです。また、近くの合宿所に来た学生さんが大人になってから訪れるなど、リピーターとして来てくれる人も多いといいます。初めて訪れた人にも、実家に帰ったような温かさで迎えてくれる十郎太。それもまた来たいと思える理由なのかもしれませんね。

14:00「ひまわりの湯」で2回目の入浴

ひまわりの湯

信州平谷温泉 ひまわりの湯

道の駅に隣接している、信州平谷温泉「ひまわりの湯」。駐車場は道の駅を利用できます。

名前の由来は、たくさんのヒマワリが咲くことから。夏になると、温泉の少しヒマワリ畑が満開になります。トウモロコシやトマトといった採れたての夏野菜も直売所に並ぶので、ぜひ夏にも訪れてほしいスポットです。

ひまわりの湯男湯露天風呂

「ひまわりの湯」男湯露天風呂(写真提供:ひまわりの湯)

ひまわりの湯の一番の特徴は露天風呂の広さ。南信州最大規模と言われる露天風呂は静けさに包まれ、日本庭園をみているかのよう。

ひまわりの湯女性露天風呂

「ひまわりの湯」女湯露天風呂(写真提供:ひまわりの湯)

男湯は自然石、女湯は大理石の彫刻を配し、大自然の中で開放的な気分を味わえます。

ひまわりの湯大浴場

ひまわりの湯大浴場(写真提供:ひまわりの湯)

大浴場には湯温が異なる浴槽を用意。支配人の渡辺さんおすすめの入り方は、ぬるめのお湯から熱めのお湯、その後サウナに入り水風呂へ、最後に露天風呂をゆっくり楽しむ、という流れだそう。美肌の湯と呼ばれるひまわりの湯の泉質は、ナトリウム炭酸水素塩温泉(重曹泉)。神経痛・筋肉痛・疲労回復・冷え性などに効能が期待でき、「日本一の泉質だ」と言う観光客の方もいるそうですよ。

隣接の駐車場

隣接する道の駅の駐車場

ひまわりの湯周辺には、宿泊施設やコテージも。また、すぐ裏には「高嶺山(たかねやま)」があり、道の駅を拠点にして登山を楽しむ人も多いそうです。道の駅から少し離れると明かりが減り、夜には星が綺麗に見えますよ。

平谷村から国道153号線を南下すると、そこはもう愛知県の豊田市。東海地方から来る観光客は、最初の手形入浴施設であるひまわりの湯で手形を購入する人も多いようです。

ひまわりの湯を後にし、国道153号線を北上します。こちらも峠道ですが、先ほどよりは緩やか。道中には治部坂スキー場などがあります。中央自動車道を超え、国道256号線を昼神温泉郷方面へ進めば次の目的地です。

15:40「ACHI BASE(アチベース)」でお土産を購入

ACHI BASEエントランス

ACHI BASEの入口

ひまわりの湯から約40分、青い看板が目印の「ACHI BASE(アチベース)」に到着です。こちらは阿智村の観光拠点であり、ショップだけでなく、観光案内やカフェ、バーなどのさまざまな機能を持ったスポット。阿智村に訪れたらぜひ足を運んでおきたい施設です。ここでも手形が利用できるということで、今回はACHI BASEでお土産を購入することにしました。

昼神温泉のお土産

昼神温泉限定のお土産

手形を利用すると、ショップ内の商品を5%引きで購入できます。昼神温泉限定の入浴剤やスキンケアグッズ、阿智村のおいしいお土産などが勢ぞろい。阿智村の星空は日本一といわれていることもあり、星や宇宙に関するグッズも多くそろっていました。

ACHI BASEのカフェ

ACHI BASEのカフェ、バー

時間にゆとりがある人は、ぜひカフェやバーで食事を楽しんでみては。南信州産の食材を使った料理など、ここでしか味わえないメニューがそろっています。

バーカクテル

プロジェクションマッピングを利用した演出(写真提供:ACHI BASE)

夜のバータイムには、プロジェクションマッピングを利用した演出を楽しむことも。幻想的な空間のなか、星にちなんで名付けられたカクテルを味わう素敵なひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。

16:00「湯ったり~な昼神」で旅を締めくくる

湯ったり〜な昼神

湯ったり~な昼神(写真提供:湯ったり~な昼神)

ACHI BASEを出発し車で約1分、来た道を戻るように進むと、阿智村公営施設「湯ったり~な昼神」に到着します。
湯ったり~な昼神は温泉だけでなく、レストランや温水プールもある複合施設。リラクゼーションルームも完備し、心ゆくまで癒しの時間を過ごせます。

ちなみに、湯ったり~な昼神では手形NG時期がないのもうれしいポイント。連休や週末でも、手形を使って入浴ができます。

湯ったり〜な昼神大浴場

「湯ったり~な昼神」大浴場(写真提供:湯ったり~な昼神)

昼神温泉の泉質は単純硫黄泉(アルカリ性低張性温泉)で「美人の湯・美肌の湯」とも呼ばれ、お肌をなめらかに整えてくれます。効能はさまざまですが、硫黄泉ならではの適応症である慢性皮膚炎・慢性婦人病などにも効果が期待できるとされています。

湯ったり〜な昼神露天風呂

「湯ったり~な昼神」露天風呂(写真提供:湯ったり~な昼神)

大浴場では打たせ風呂や寝湯、露天風呂には陶器風呂や樽風呂など、多彩なお風呂が楽しめます。

湯ったり~な昼神では、家族風呂と呼ばれる貸切風呂も用意。リフトが完備されており、介護が必要な方や乳児連れの方でも気兼ねなく利用できます。

また、館内にはレストランも。信州の郷土料理をはじめ、カレー、ハンバーグといった定番メニューまでがそろいます。

湯ったり〜な昼神のレストラン

館内に設けられているレストラン(写真提供:湯ったり~な昼神)

昼神温泉を楽しみながら、リラクゼーションや温水プールなどで健康づくりができる「湯ったり〜な昼神」。家族の憩いの時間を過ごすのにも、友人や恋人と一緒にリフレッシュしに訪れるのにもぴったり。「美人の湯」を満喫してみてはいかがでしょうか。

17:00 温泉巡り終了

急ぎ足の温泉巡りでしたが、いかがでしたか?ちなみに、最後に訪れた「湯ったり~な昼神」が位置する昼神温泉郷には、手形入浴ができる温泉が複数あります。平日限定という施設も多いですが、時間があればぜひこちらにも訪れてみてはいかがでしょうか。

湯ったり~な昼神から、スタート地点の飯田山本ICまでは車で約15分。日帰り旅はもちろん、昼神温泉郷の宿に泊まり、翌日また観光を楽しむのもいいかもしれません。

【信州物味湯産手形利用時の注意点】
・本手形1冊で1名、1施設1回のみ、冊子掲載の協賛施設の手形入浴(12施設)、割引・特典が受けられる
・入浴時間・子ども・幼児料金・特別日(GW・お盆・正月など)の対応は施設により異なる
・本手形は、本手形に掲載されている施設、特典のみ利用可能(ほかの年度に発行された手形に掲載されている施設、特典は利用不可)
・手形に発行日・施設印のないものは利用不可。また、発行日を発行施設の訂正印なしに修正した場合は本手形は無効となる
・ほかのクーポンとの併用、ほかのサービスとの併用は不可
・本手形の換金・譲渡・転売は不可
・本手形を紛失した場合の再発行は不可
※ほか詳細は公式HPや手形の注意書きを参照

「信州物味湯産手形」を使って身も心も癒される旅を

1日で温泉を巡るメリットは、それぞれの温泉の違いを楽しめるところ。源泉が異なる温泉を巡ることで、それぞれの温泉の良さや特徴を肌で感じることができます。今回は3つの温泉と2つのお店をご紹介しましたが、手形を使える施設はほかにもたくさん。県外の方でも十分おトクに利用できるので、ぜひ購入してみてはいかがでしょうか。

紹介したルートをぜひ参考にしながら、自分なりの旅の予定を立てたり、好きな温泉を見つけたりして、信州の旅を楽しんでみてくださいね。