高千穂神社について
11月中旬〜2月上旬に開催の「高千穂の夜神楽」とは?
高千穂の夜神楽の三十三番
365日見学できるのが「高千穂神楽」
「高千穂神楽」「高千穂の夜神楽」の拝観情報
アクセス
まとめ

宮崎県高千穂町にある高千穂神社。ここには昔から伝承されてきた「夜神楽」という伝統ある舞があります。国の重要無形文化財にも指定されている夜神楽ですが、その一部を365日見られるのです。それが「高千穂神楽」。

この記事では、誰でも見学できる、高千穂神社の「高千穂神楽」をご紹介します。

高千穂神社について

高千穂神社の拝殿

高千穂神社の拝殿

高千穂神社は高千穂町の中心に位置します。およそ1900年前の垂仁天皇時代に創建されました。高千穂八十八社の総社で、本殿と所蔵品の鉄造狛犬一対は国の重要文化財に指定されています。

主祭神は高千穂皇神と十社大明神で、農産業・厄除けをはじめ、多くのご利益があるとされています。中でも、境内の「夫婦杉」と呼ばれる樹齢800年の秩父杉は、木の周りを夫婦・恋人・友達と手をつないで3回まわると、縁結び・家内安全・子孫繁栄の3つの願いが叶うというご利益があります。

高千穂神社・夫婦杉

高千穂神社の夫婦杉

11月中旬〜2月上旬に開催の「高千穂の夜神楽」とは?

高千穂の夜神楽とは、里ごとに氏神様を神楽宿と呼ばれる民家や公民館に招き、三十三番の神楽を一晩かけて奉納する神事です。秋の収穫への感謝と翌年の五穀豊穣を祈願して、毎年11月中旬〜翌年2月上旬にかけて、町内20の集落で奉納されます。

夜神楽には、天照大神(アマテラスオオミカミ)をはじめ、日本の神話や伝説に登場する神々が出演します。そんな高千穂の夜神楽は、1978年に国の重要無形民族文化財に指定されました。

夜神楽の三十三番

以上に記すのは夜神楽の三十三番です。各集落によって順番や内容が変わるので、違った楽しみがあります。

【01】彦舞(ひこまい):七番までを「よど七番」といい、この七番で願、成就とする
【02】太殿(たいどの):八百万神(やおよろずのかみ)を招く舞
【03】神降(かみおろし):降神の舞で神を招く
【04】鎮守(ちんじゅ):土地を祓い固め、神を鎮めまつる
【05】杉登(すぎのぼり):昇神の舞。神を送る
【06】地固(ぢかため):護符の剣を氏子(うじこ)代表または宿主に渡す式
【07】幣神添(ひかんぜ):幣(ぬさ)による祓いの舞
【08】武智(ぶち):戦い準備の舞
【09】太刀神添(たちかんぜ):太刀の神威により厄難を払う舞
【10】弓正護(ゆみしょうご):弓を持ち悪魔を払う舞
【11】沖逢(おきへ):水神を祭る火伏せの神楽
【12】岩潜(いわくぐり):剣の舞
【13】地割(ぢわり):かまど祭りで重要な舞
【14】山森(やまもり):山の神と二頭の獅子が出る
【15】袖花(そでばな):天鈿女命が猿田彦神をお迎えに行かれる舞
【16】本花(ほんばな):米の収穫を祝う、または豊作を祈る
【17】五穀(ごこく):穀種を祭る
【18】七貴神(しちきじん):農神(のうがみ)の舞
【19】八つ鉢(やつばち):少彦名命(すくなみこなのみこと)が太鼓にのって身軽な舞をする
【20】御神体(ごしんたい):酒をつくるようによせてかまけ技をし、見物人も中に入る
【21】住吉(すみよし):海神(かいじん)の舞
【22】伊勢神楽(いせかぐら):七段しばりの大弊をもち舞う
【23】柴引(しばひき):天香久山(あまのかぐやま)の柴を引き、岩戸の前に飾る
【24】手力雄(たぢからお):天照大神が隠れている天岩戸を探し当てるところ
【25】鈿女(うずめ):天岩戸の前の舞
【26】戸取(ととり):天岩戸を開き、天照大神に再び出ていただく
【27】舞開(まいひらき):天照大神に出ていただいたことを、鏡を両手に持って喜び祝う舞
【28】日の前(ひのまえ):外注連(そとじめ)を祭り、天照大神の出御を祝福する
【29】大神(だいじん):大海神の神の清めの舞
【30】御柴(おんしば):神人一体の古風を最も象徴する
【31】注連口(しめぐち):神送りをするところ
【32】繰下し(くりおろし):雲綱をとり、外注連に向かって舞う
【33】雲下し(くもおろし):雲をおろす舞

365日見学できる「高千穂神楽」

高千穂の夜神楽は11月〜2月の期間のみ奉納されるものですが、その一部分を毎晩公開している、いわばダイジェスト版が「高千穂神楽」です。

高千穂神社境内の神楽殿で、毎晩20時より1時間行われます。夜神楽の三十三番の神楽の中から「手力雄の舞」「鈿女の舞」「戸取の舞」「御神体の舞」の代表的な4番が公開されています。

毎晩公開される高千穂神楽ですが、観光用のショーのようなものではありません。各集落の舞手が交代で奉納するので、本格的な夜神楽が公開されているのです。伝統ある夜神楽が、誰でも毎日体験できるのは魅力的です。

毎晩20時から奉納されている4番は次の通りです。

手力雄の舞(たぢからのまい):天照大神を見つけ出す

手力雄の舞

手力雄の舞

鈿女の舞(うずめのまい):天岩戸から誘い出す

高千穂神楽・鈿女の舞

鈿女の舞

戸取の舞(ととりのまい):天岩戸を開く勇壮な舞

戸取の舞

戸取の舞

御神体の舞(ごしんたいのまい):二神による国造りの舞

御神体の舞

御神体の舞

「高千穂神楽」「高千穂の夜神楽」の拝観情報

毎晩20時からの「高千穂神楽」

「高千穂神楽」を拝観するには、【インターネットでの事前予約】または【当日受付】をする必要があります。なお、インターネット予約の枠は80名分、当日受付分の枠は70名分設けられています。定員になり次第、受付終了となるので、早めの予約まはた当日受付をしましょう。

インターネット予約フォームは高千穂町観光協会の高千穂神楽のご案内ページの下部にあります。

【高千穂神楽 拝観情報】
日時:毎日開催
場所:高千穂神社境内の神楽殿
時間:20:00〜21:00(受付は19:00から)
拝観料:1000円 ※小学生までは無料
駐車場:約100台(無料)
参考サイト:高千穂神楽(高千穂町観光協会)

毎年11月中旬〜2月上旬の「高千穂の夜神楽」

毎日公開される高千穂神楽の完全版「高千穂の夜神楽」も、もちろん見学できます。毎年11月中旬〜翌年2月上旬にかけて、高千穂の神楽宿で三十三番の神楽が奉納されます。夕方頃に氏神様を神楽宿に迎え、終わるのは翌日の昼ごろ。夜を徹して奉納されるのです。

集落により、お祭りが行われる日は異なります。毎年10月頃に日程が決まり、高千穂町観光協会のHPに掲載されます。

【高千穂の夜神楽 拝観情報】
日時:11月中旬〜翌年2月上旬
場所:高千穂町の各地区
参考サイト:高千穂の夜神楽(高千穂町観光協会)

アクセス

最寄駅:高千穂バスセンター(バス停)

宮崎駅からのアクセス

【宮崎駅】ー JR日豊本線特急 / 延岡方面
→【延岡駅】ー 路線バス・宮崎交通 / 高千穂行き →【高千穂バスセンター】→ 徒歩(約10分)

熊本駅からのアクセス

【熊本駅】ー 高速バス・たかちほ号 / 延岡行き →【高千穂バス停】→ 徒歩(約10分)

宮崎空港からのアクセス

【宮崎空港駅】ー JR宮崎空港線 / 延岡方面
→【延岡駅】ー 路線バス・宮崎交通 / 高千穂行き →【高千穂バスセンター】→ 徒歩(約10分)

誰もが無形民族文化財を体験できる高千穂神楽

どなたでも体験できる高千穂神楽。そして季節限定の夜神楽。どちらも日本の伝統ある民俗芸能を間近で体験できるものです。見応えのある高千穂の夜神楽を、ぜひ一度体験してみてはいかがでしょうか。