大久野島の歴史
うさぎとの触れ合い方
大久野島の見どころ
アクセス
まとめ
周辺情報

瀬戸内海には700以上の島々が浮かんでおり、「大久野島」はその中のひとつ。広島県の太平洋側の街、竹原市の南に位置する周囲4.3kmの小さな島です。

かつては「地図から消された島」という過去を持ちますが、現在は国立公園に指定されています。島内に生息する約900羽ものうさぎを見て癒しを得るために、国内外から多くの観光客が押し寄せる人気のスポットです。

今回は、そんな大久野島の歴史と見どころを紹介していきます。

大久野島とは

「安芸の小京都」の異名を持つ広島県竹原市には、「うさぎの島への玄関口」と称される忠海(ただのうみ)港があります。「うさぎの島」大久野島はそこから渡船で約15分。渡船はフェリーや「休暇村大久野島」の休暇村客船などが出ています。

大久野島は周囲4.3km、民家はなく、一般車両の乗り入れができない小さな島。無人島とよばれますが、まったく人がいないわけでなく、島内の施設「休暇村大久野島」の職員ら22人が在住しています。この人たちが大久野島の全人口。人よりうさぎの数が断然多いのが大久野島です。

砂浜にたたずむウサギの後ろ姿

島内には「休暇村大久野島」やキャンプ場、大久野島毒ガス資料館、大久野島ビジターセンターといった施設があり、憩いや学びを提供しています。遊歩道や展望台、サイクリングロードやテニスコートなどの常設施設で通年楽しむことができるほか、夏には海水浴場や屋外プールもオープン。うさぎ好きや動物好きの人はもちろん、アウトドア好きにも人気の観光スポットです。

しかし注意しなければいけない点があります。犬や猫などのペットを連れての入島が禁止されているということです。犬や猫はうさぎにとっての天敵です。くれぐれもペットを連れての旅行はしないようにしてくださいね。更に島内はウサギの安全を守るために、車両の通行が禁止されているので、車ではなくレンタサイクルの利用がおすすめです。

毒ガス島の時代

今でこそ「うさぎ島」として人気の高い島ですが、実は「毒ガス島」と呼ばれていた暗黒の歴史があるのです。

これは、太平洋戦争(第二次世界大戦)の時代、旧日本陸軍の毒ガス製造所が大久野島に作られ、1929年から1945年にかけて毒ガスの大量生産が行われていたため。

また、この毒ガスを製造しているという事実を国民に隠すために、当時島に暮らしていた地元住民を強制移住させ、さらには地図から大久野島の存在を消していました。軍は毒ガスを製造しているとは製造所の工員にも一切知らされておらず、終戦の後にようやく明らかにしたと伝えられています。

1945年の終戦後、この毒ガス工場は閉鎖されますが、その後も毒ガスの影響は残り続けます。当時工場で働いていた者は障害に悩まされ、残存した兵器が見つかることも。1960年代以降になるとようやく住民が暮らせる島となり、現在ではうさぎたちも元気に繁殖できるほどの安全な美しい島となっています。


大久野島毒ガス工場跡地

うさぎ島へ

地図から消されていたという過去を乗り越え、人気の観光地となった大久野島。ではなぜ大久野島に多くのうさぎが生息しているのでしょうか。


餌をもらうウサギ

この理由にはさまざまな説がありますが、最も有力な説と言われているのが、1971年に近くの小学校が8羽のうさぎを放したというものです。その後も数は増え続け、現在では900羽以上のうさぎが生息し「うさぎ島」という愛称で親しまれるようになりました。


幹で佇むウサギ

うさぎとの触れ合い方

大久野島へ到着すると、さっそくうさぎたちがお出迎え。とても人懐っこく、すぐ近寄ってきてくれます。エサやりもできますが、島では販売されていませんので、キャベツや人参を用意して持参しましょう。

大久野島の餌を食べるウサギ達

うさぎと遊ぶときの注意事項

大久野島では船から降り立つと早々とうさぎたちが近寄ってきます。とても人懐っこく、大勢でお出迎えしてくれるのです。さっそくふれ合いたいところですが、いくつか気をつけなければいけない点があります。

島で暮らすうさぎたちは野生のうさぎ。もともとか弱い動物である上、人にふれられることに慣れてはいません。うさぎたちと楽しく過ごすための5つの情報を確認しておきましょう。

眠っているウサギ達

抱っこや追いかけ回すのは禁止

うさぎたちはすぐに近寄ってきてくれますが、抱っこしたり追いかけ回すのは禁止です。抱っこをするとうさぎは大暴れし、逃げようとします。もし落としてしまうと大きな怪我をしてしまう可能性があります。大久野島に動物病院はないうえ、島から無断で連れ出すのもご法度。

さらにうさぎは目が悪く、逃げ回っていると海に落ちてしまったり高い所から落ちてしまうこともあるので、追いかけるのもやめましょう。

うさぎとふれあう場所に気をつける

島で暮らすうさぎにとって、バスや自転車はとても危険な存在です。何かに驚いて車両の前に飛び出す怖れがあるため、うさぎが安全に暮らすためにも道路や道路脇、玄関前でうさぎとふれあわないようにしましょう。もちろん、危険なのでそれらの場所ではエサあげも禁止です。

大久野島にはレンタサイクルがありますが、自転車に乗る際はうさぎにぶつからないよう要注意。うさぎも人間も安全に、安心して島での時間を過ごせるように注意してくださいね。

口もとに手を近づけない

うさぎとふれあっているときに気をつけなければいけないのが、うさぎの口もとに手を近づけないことです。うさぎは目が悪く、手をエサと勘違いしてしまうことがあります。歯が鋭いので、特に子どもは注意が必要です。

お菓子やパンはあげない

うさぎにエサをあげる時には、お菓子やパンなど、人が食べるものはあげてはいけません。与えると体調を崩してしまう恐れがあるため、キャベツや人参など、うさぎが食べるエサをあげましょう。キャベツや人参は忠海港近くのスーパーマーケットで、忠海港フェリー乗場ではラビットフードを買うことができます。

ゴミは持ち帰る

うさぎにエサやりしたあとの空き袋や、自分たちが飲食した後の空容器など、ゴミをその場に捨てることも禁止です。島の景観が損なわれるだけでなく、うさぎたちがゴミを食べてしまうなど、害を与える恐れがあります。

また、大久野島には釣りスポットもありますが、釣り糸や仕掛けを放置していくとうさぎに絡まってしまったり怪我をしてしまうことも。ゴミはきちんと持ち帰りましょう。

大久野島にある4つの施設

大久野島にはうさぎ以外の見どころもたくさん。先に述べたような暗い歴史を伝える戦争遺跡や毒ガス資料館も残されており、後世に戒めを残しています。また、観光で訪れる人をもてなす宿泊施設の休暇村や、ウォーキングのコース、サイクリングロードなど、豊かな自然に囲まれた島を満喫できるアクティビティも。

ここでは大久野島を訪れた際にはぜひ立ち寄りたい施設を4カ所紹介します。

休暇村大久野島

「休暇村大久野島」は、大久野島にある唯一のホテルです。休暇村とは、国立・国定公園内にあるリゾートホテルで、現在、全国37カ所にあります。大久野島は島全体が休暇村となっており、宿泊はもちろん、旬のご当地食材をふんだんに使ったバイキングやご当地グルメ、温泉、キャンプ場などが整っています。部屋からは瀬戸内の風景を眺めることができます。

毎日開催されるプログラムも要チェック。夜のウミボタル観察会や、季節の植物やうさぎとふれ合いながら楽しめる朝の散歩会など、貴重な内容が勢ぞろい。予約なしでの参加が可能なので、宿泊の際はぜひ参加してみてください。


休暇村大久野島

大久野島毒ガス資料館

かつて毒ガス工場があったという事実を風化させないようにと、1988年に作られた「毒ガス資料館」。多くの犠牲者を出した痛ましい歴史を風化させないよう願いを込め、当時の歴史や、実際に大久野島が消された地図や資料などが詳しく展示されています。一度は訪れて学んでおきたい、貴重な平和学習の場となっています。

大久野島・毒ガス資料館

芸予要塞跡ほか戦争遺跡

島の内部には、毒ガス工場があった頃の廃墟が点在しています。発電所跡や砲台跡、毒ガスの貯蔵庫跡など、すべて貴重な遺跡です。

明治の頃に瀬戸内海防衛のために芸予要塞(げいよようさい)とされた大久野島には、北部・中部・南部と3カ所に砲台が設置されました。大正の頃に廃止されましたが、昭和に入ってからは毒ガス製造所が建設され、砲台跡は製造された毒ガスの貯蔵庫として使用された歴史があります。

廃墟の中へは入れませんが、二度と繰り返してはならない過去の過ちを、改めて考えることができます。


大久野島・発電所跡地

展望台

頂上までは山中の階段を昇っても行けますが、おすすめは休暇村のレンタサイクルを利用していく方法。電動アシスト自転車も選べるので、体力にあまり自信がない方でも利用できます。高台へ昇るのはちょっと手間ですが、島内一のビューポイントからの瀬戸内や夕日、星などの眺望は一見の価値あり。挑戦しておきたいスポットです。


大久野島の標高100mの場所にある展望台

大久野島までのアクセス

最寄駅:大久野島港(大三島フェリー)

広島駅からのアクセス

【広島駅】- JR呉線 / 三原方面
→【忠海駅】- 徒歩(約5分)
→【忠海港】- 大三島フェリー / 盛方面
→【大久野島港】

三原駅からのアクセス

【三原駅】- JR呉線 / 広島方面
→【忠海駅】- 徒歩(約5分)
→【忠海港】- 大三島フェリー / 盛方面
→【大久野島港】

ルールを守ってウサギとふれあおう

うさぎの楽園ともいわれる自然で溢れ、自然を感じることのできる大久野島。多くのうさぎとのふれあいは、癒されること間違いなしです。

しかし、もともとはうさぎの住み処だった場所。そこを訪れる私たち観光客が、うさぎたちを困らせたり環境を荒らしてはいけません。これからもずっとうさぎたちが暮らしていけるように、決められたルールを守りながら旅を楽しんでください。

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