宮古島を訪れる人のなかには、美しい海に惹かれた人も多いでしょう。宮古島は川がなく、雨が降っても土砂が海に流れ込まないため、沖縄でも特に海の透明度が高いと言われています。〝宮古ブルー〟と呼ばれる美しい色の海で、生き物や不思議な地形を自分の目で見られたら、きっと忘れられない体験になるはず。
とはいえ、初めてのダイビングに不安はつきもの。この記事では宮古島でシュノーケリングやダイビングに初挑戦したい方に向けて、初心者(初めて挑戦する人・経験本数の少ない人)に優しいショップや、宮古島の海の魅力をご紹介します。
※本記事の掲載の情報は2023年11月時点のものです。諸事情により変更となる場合がありますので、お出かけ・ご予約の際は各公式サイト・SNS等で最新情報をご確認ください。
TOP写真提供:エミナマリン
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1. 初心者に優しいショップ4選[シュノーケリング・ダイビング]
初めてシュノーケリングやダイビングに挑戦する方にとっては、どのショップを選べばいいのかも分かりませんよね。
ここでは【子どもも参加OKのシュノーケリングツアーがあるショップ】【ダイビングライセンスを所持していない人向けの「体験ダイビング」を実施しているショップ】を紹介していきます。
人生で初めてダイビングに挑戦する人は、足が水底につく場所で練習できるかどうかもひとつのポイント。ビーチから海に入る(=ビーチエントリー)コースがあるかも気にしつつ、ショップを選んでみるといいかもしれません。
【伊良部島|シュノーケリング】伊良部島SUP&シュノーケルガイドBonito(ボニート)
Bnitoのシュノーケリングツアーではウミガメに出会えることも(写真提供:Bonito)
伊良部島に移住したご夫婦が始めたシュノーケル専門店で、小さな子どもや初心者の方でも楽しめるようにガイドしてくれます。シュノーケルのほか、SUP(スタンドアップパドル)というマリンスポーツにもチャレンジできます。
コースはビーチから入るパターンと、ボートでその日のベストなポイントに行くパターンがあり、好きなほうを選べます。「初めてでボートが不安」という方はビーチ、「せっかくだからちょっと冒険してみたい」という方はボートのコースがおすすめですよ。
美しいサンゴ礁を見たり海の生き物を見つけたり。海遊びをあまりしてこなかった人も海を満喫できます(写真提供:Bonito)
また、ボート・ビーチともに2時間のコース、3時間のコース、5〜6時間のコースとさまざまなコースが選べます。時間や体力、体験したい内容に合わせて選びましょう。人気はシュノーケルとSUPが楽しめる「おまかせボートコース」(所要5〜6時間・ランチ付き)。青の洞窟や、そのほかの洞窟など、伊良部島のいろいろな場所をお任せで案内してもらえます。
Bonitoは伊良部島内なら、どこでも送迎可能なのも嬉しいポイントです。
Bonitoの「樹神号(こだまごう)」(写真提供:Bonito)
【伊良部島SUP&シュノーケルガイドBonito(ボニート)】
●公式サイト:Bonito
●シュノーケリングメニュー:あり
●体験ダイビングメニュー:なし
●ライセンス講習:なし
●メニュー例:
◇ビーチSUP & シュノーケル(大人1名 8000円/所要2~3時間)
◇おまかせボートコース(大人1名 1万3000円/所要5〜6時間)
※今後料金変更の予定あり
【宮古島|ダイビング&シュノーケリング】ガイド屋さん
透き通る海ではじめてのダイビングを体験すれば、感動もひとしお(写真提供:ガイド屋さん)
シュノーケリングから一歩先へ進んで「ダイビングに挑戦したい!」。そんな願いを叶えてくれるのが「ガイド屋さん」です。
初心者でも安心して参加できるよう少人数のツアーを実施していて、家族だけ、2人だけなど貸切(※)で体験ダイビングに挑戦できます。
チームごとにガイドが付くので、ほかのチームが潜っている間の待機時間はなく、それぞれのレベルに合わせたレクチャーをしてもらえます。「ほかの参加者の一緒だとリラックスできない」「子どもにはじめてのダイビングを経験させたい」という方におすすめ。
※貸切=ボートチャーターではなく、潜るチーム分けが貸切となります
左:「ガイド屋さん」のボートは25名乗りと12名乗りの2隻 右:呼吸や耳抜き、泳ぎ方をしっかりレクチャーしてくれます(写真提供:ガイド屋さん)
海へのエントリーはビーチからと、ボートからの2パターン。今まで一度もダイビングを経験したことがない方は、「貸切ビーチ体験ダイビングプラン」がおすすめ。足が付く浅い場所で練習をしてからダイビングにチャレンジできるので、「急に深い場所に潜るのは……」と不安な方でも参加しやすいでしょう。
「ガイド屋さん」では海の状態に合わせて潜るポイントを変えています。集合するビーチも海の状態で変わるため、参加者にはSMSで地図のリンクが届きます。なおツアーはビーチもしくは港集合なので、シャワーはありませんが、シャワー代わりのお湯と、着替え用のテントを用意してもらえますよ。
宮古島は地形ポイントの宝庫。体験ダイビングで潜れる水深でもこんな風景に出会えることも(写真提供:ガイド屋さん)
【ガイド屋さん】
●公式サイト:ガイド屋さん
●シュノーケリングメニュー:あり
●体験ダイビングメニュー:あり
●ライセンス講習:あり
●メニュー例:
◇貸切ビーチ体験ダイビング(1名 1万1800円~/所要2時間~)
◇ボート体験ダイビング(1名 1万4900円〜/所要3.5時間〜)
【宮古島|ダイビング&シュノーケリング】ダイビングステーションKANCHI
多くの生き物が暮らす宮古島周辺の海(写真提供:ダイビングステーションKANCHI)
ショップの名前は、学生時代からダイビングの世界に身を置くオーナー・神田さんのニックネームが由来。若かりし頃にボート日本代表だった経験をもつミキさん、実家が魚屋で自身も釣りが好きなツルチャンさんなど、個性的なスタッフがサポートしてくれるアットホームなショップです。
体験ダイビングは1人でも参加OKの少人数制。自分のペースで楽しみたい方にもぴったりです。ビーチエントリーか、ボートエントリーか選べ、ビーチでは足のつくところで呼吸の仕方や泳ぎ方の練習からスタート。ダイビング・シュノーケリングどちらも、宿泊先から港まで送迎つきです。
上:ダイビングステーションKANCHIのボート「バジェーナ号」 左下:ショップと神田さん&ミキさん 右下:海の状況や参加者のレベルに応じて、伊良部島・下地島エリア、八重干瀬、来間島などのポイントに行きます(写真提供:ダイビングステーションKANCHI)
KANCHIのボート「バジェーナ号」は、ダイバーのために設計されたダイビング専用の大型ボート。大きな日除けや2基のシャワー、ウォシュレット付きのトイレなどを完備していてとても快適。ボートのチャーターも可能です。
ちなみに、公式サイトには宮古島周辺のポイントマップがとても詳しくまとまっていて、見ているだけでワクワクしてきます。
初めてダイビングをする方や、経験本数の少ない方もしっかりサポート(写真提供:ダイビングステーションKANCHI)
【ダイビングステーションKANCHI】
●公式サイト:ダイビングステーションKANCHI
●シュノーケリングメニュー:あり
●体験ダイビングメニュー:あり
●ライセンス講習:あり
●メニュー例:
◇ビーチ体験ダイビング(1名1万2100円~/所要4時間~)
◇ボート体験ダビング(1名1万6500円~/所要7時間~)
【宮古島|ダイビング】エミナマリン
無数の魚の乱舞を間近で見られるのはダイビングならでは(写真提供:エミナマリン)
エミナマリンは、サイパンでインストラクター免許を取得後、宮古島でガイド兼船長を務めた代表・松浦さんが運営するダイビングショップです。
ライセンスを持っていない人も、ダイビングの魅力を味わえるようにと、体験ダイビングでは丁寧な事前説明と、少人数でのガイドを実施。水中では1名のインストラクターにつきゲストは2名まで。初めてのダイビングで不安のある方も、しっかりとサポートしてもらえるので安心です。また、海の様子を楽しめるよう、泳ぐペースにも配慮してくれます。
上:陸上でしっかりと説明あり。不安や疑問はここで解消していきましょう 左下:ボート体験ダイビングでははしごから海の中へ。はしごにつかまり、呼吸の練習、耳抜きの確認をしていきます 右下:水中では水底につかないようインストラクターに支えてもらいながら、30分を目安に潜ります(写真提供:エミナマリン)
体験ダイビングはビーチまたはボートから選べます。ビーチ体験ダイビングは1日2組限定で、1組2名ずつと、とことん少人数制にこだわりあり。ボート体験ダイビングも、水中には2名ずつまでの潜水と決めているとのことです。
集合・解散ともに現地。着替えはポンチョを貸してもらえます。着替えやすいラフな格好で行くのがおすすめですよ。
「ニモ」でお馴染みのクマノミにも会えるかも(写真提供:エミナマリン)
【エミナマリン】
●公式サイト:エミナマリン
●シュノーケリングメニュー:なし
●体験ダイビングメニュー:あり
●ライセンス講習:あり
●メニュー例:
◇ビーチ体験ダイビング(1名1万円~/所要3時間)
◇ボート体験ダイビング(1名1万7000円/所要約7時間半[ダイブ数により変動あり])
2. ビーチエントリーとボートエントリーについて
シュノーケリングやダイビングについて調べていると「ビーチエントリー」「ボードエントリー」という言葉が出てきます。これは海への入り方の違いを表しています。
ビーチエントリー
ビーチから海へ入る
ビーチエントリーは浜(=ビーチ)から海へ入り、ポイントまで泳いでいきます。ボートエントリーはポイント周辺までボートで行き、そこから海に入ります。
ビーチエントリーは、水深が浅いところから水に入って練習できるのがメリット。深い場所に潜るのが不安な方におすすめです。耳抜きなどの練習も無理なく行えます。船酔いが心配な方にもおすすめです。
ボートエントリー
ボートから海へ入る
ボートエントリーは、港からポイントまでボートで移動します。呼吸や耳抜きなど練習方法はショップによって異なり、浅瀬で練習する場合もあれば、ボートのはしごやロープにつかまって練習することもあります。いずれにしろ、体験ダイビングの場合は急に潜るわけではないので安心してください。また、ポイントまで泳ぎではなくボートで移動するため、体力に自信がない方にもおすすめです。
3. ダイバーたちが憧れる光景も!宮古島のシュノーケリング&ダイビング人気スポット
宮古島にはたくさんのダイビングスポットがあり、ツアーによって行けるスポットは異なります。ここでは特に人気のスポットをご紹介します。
魔王の宮殿
太陽の光が差し込む魔王の宮殿
3つのホールがつながっているような奥深い洞窟です。
水深20m付近にある入り口から洞窟に入ると、水面から光が降り注ぐ幻想的な光景が広がります。内部は迷路のようになっていて、中心となるのは「玉座」と呼ばれる空間。最大深度は25m程度で中級レベル。
アントニオガウディ
アントニオガウディ
「アントニオガウディ」と聞くと、スペインの建築家を思い浮かべる方もいるでしょう。天才と称されるアントニオガウディの建築作品のように素晴らしい地形であることから、彼の名前をつけられたのだそう。いくつものアーチや穴が作り出す地形は、複雑な美しさを誇ります。最大深度は35m程度で中級〜上級レベル。潜るにはある程度のスキルや経験が必要です。
通り池
神秘的な青を湛える通り池
地上から見ると2つの池が並んでいるように見えますが、池同士は水中でつながり、そこから海へとつながっています。海側から洞窟に潜って池へと向かうと、淡水と海水が混ざる神秘的で大変珍しい光景が見られます。ダイバーたちが憧れるスポットにもなっています。
最大深度が45mになり、一度池に浮上したあと、さらに潜って海側へ抜ける潜り方になるため上級者向きです。
八重干瀬(やびじ)
八重干瀬の珊瑚礁
国の天然記念物に指定されている、日本最大級の珊瑚礁で、人気のシュノーケリングスポットです。年に数回だけ海上に姿を現すため「幻の大陸」とも呼ばれます。
美しい魚の群れが見られる「ホワイトシティ」、地形スポットや回遊魚、サメやマンタが楽しめる「ハナダイアーチ」など、魅力的なスポットが多数存在します。シュノーケリング初心者でも楽しめるスポットもありますよ。
4. 宮古島だからこそ楽しめる海の魅力とは?
宮古諸島でシュノーケリング・ダイビングが人気の理由はいろいろありますが、海の透明度の高さ、生き物の多様さ、地形は特筆すべきものがあります。
透明度が高い海は海中の景色が美しく、生き物や地形がはっきりと見え、光もよく入ります。ちなみに、宮古島の海は色がとても美しいことで知られますが、その色は「宮古ブルー」と呼ばれていて、「一生に一度は見たい絶景」と言われているんですよ。
また、宮古島の海は珊瑚礁が発達していることからさまざま生き物が生息。さらに、宮古島の海には洞窟やアーチなどさまざまな地形があります。独特な地形がこれほど多い場所は、世界的にも珍しいのだとか。ダイビング上級者になれば、より難易度が高く、幻想的な地形の探検が楽しめます。
宮古島では年間を通してシュノーケリング・ダイビングを楽しめますが、ウミガメが見たい、八重干瀬の珊瑚礁が見たいなど、目当てがある方は事前におすすめの季節や時間帯を調べておきましょう。季節によっては、目当ての生き物が見られなかったり、ポイントに潜れなかったりする可能性があります。
おわりに
せっかく美しい海に囲まれた宮古島を訪れるなら、シュノーケリングやダイビングに挑戦してみましょう。シュノーケリングは飛行機に乗る日でも問題ないため、出発日でも挑戦できますよ。よりディープに楽しみたい方は、ぜひ旅行計画にダイビングの時間を。きっと思い出に残る、素敵な時間を過ごせるでしょう。
Text:Akiko Kobayashi/Erika Nagumo Edit:Erika Nagumo
Photo(特記ないもの):PIXTA