文京区に位置し、1900年もの歴史を誇る「根津神社」。国の重要文化財に指定されている拝殿などはもちろん必見ですが、実は都内有数のつつじの名所としても知られています。
例年4月から5月につつじは見頃を迎え、根津神社の境内は色とりどりの花で埋め尽くされます。つつじの見頃に合わせて開催される「文京花の五大まつり」のひとつ「文京つつじまつり」は、屋台や神輿、特別な行事もあり見どころ満載。詳しい見どころを紹介します。
※本記事は2018年7月時点の情報をもとに作成しています。諸事情により状況が変更となる場合がありますので、お出かけの際は各公式サイト等で最新情報をご確認ください
※2025年3月、一部情報を更新しました
根津神社・つつじ苑で開催される「文京つつじまつり」
東京都文京区にある根津神社は、つつじの名所と知られます。根津神社の境内にある「つつじ苑」には約100種3000株のつつじが植えられていて、4月上旬から下旬にかけて順々に見頃を迎えます。
「文京つつじまつり」ではそんな根津神社の「つつじ苑」の公開のほか、太鼓演奏や演芸の奉納など、さまざまな行事・イベントが催されます。
2025年開催情報
●名称:第54回文京つつじまつり
●開催場所:根津神社 つつじ苑
●住所:東京都文京区根津1-28-9
●開催時期:2025年4月1日(火)〜4月30日(水)
●つつじ苑開苑時間:9:30~17:30
※4月1日は11:00開園
●つつじ苑入苑料:500円
●公式サイト:
・根津神社
・第54回 文京つつじまつり|根津神社
根津神社【つつじ苑】の楽しみ方

文京つつじまつりのつつじ苑のツツジ
根津神社のつつじ苑は約2000坪と広大。植えられてるつつじは約3000株です。豆つぶほど小さなフジツツジや、風車のような花びらが特徴のハナグルマなど種類は豊富で、その数なんと約100種。それぞれ開花時期も異なるため、長い期間楽しめるのが魅力的です。

鮮やかなピンク色のツツジ
根津神社のつつじ苑は、斜面に植えられたつつじのそばをゆっくりと歩きながら鑑賞できます。モコモコとした可愛らしい形で、赤やピンク、白など色とりどりに咲くつつじのグラデーションが可愛らしく、癒されること間違いなし。
上から眺めるつつじ苑は、カラフルな絨毯のようにも見えます。どの角度から見てもつつじを最大限楽しめるのが根津神社の見どころの一つ。花の香りに癒されながら、のんびりとつつじ鑑賞を楽しみましょう。
見頃はいつ?

ピンクや白色のかわいらしいつつじ
多くの種類咲き乱れる根津神社のつつじは、見頃の時期もさまざま。その年の気候によって大きく変化はしますが、例年の見頃は4月中旬から下旬。早咲き、中咲き、遅咲きと移り変わっていくので、長期間つつじの花を楽しむことができます。
2025年の開花状況について
今年のつつじの開花状況は根津神社の公式Instagram等で確認することができます。
また、つつじ苑内の様子は東京ケーブルネットワークで配信の花カメラ(つつじ)で確認できます。花カメラの公開開始は4月上旬の予定です。
つつじ以外の見どころ:各種行事
文京つつじまつりの期間中には、数々の催し物が開催されます。2022年まで新型コロナウイルスの影響で規模を縮小していましたが、2023年からは露店の出店なども少しずつ復活。
週末には限定イベントも開催され、参加者全員が女性で迫力満点な演奏を披露する「根津権現太鼓」は必見です。
また、日本画家・森村宜永(もりむら よしなが)氏が奉納した「三十六歌仙絵」や、鍛金作家・宮田亮平(みやた りょうへい)氏が奉納した「随身像一対」を、まつり期間中の毎日12時・14時の2回、拝観することができます。
そのほか、キッチンカーの出店、植木市や骨董市などの露店の出店などもありますよ。
「文京つつじまつり」が開催される根津神社の歴史
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1900年の歴史がある根津神社
日本武尊が創建したと伝わる古社
東京都文京区に位置し、1900年前に日本武尊(ヤマトタケル)が創建したとされる「根津神社」。東京十社の一つに数えられ、7000坪を誇る広い境内が特徴的です。江戸時代に建てられた拝殿や楼門などは今も現存しており、社殿7棟が国の重要文化財にも指定されています。
江戸時代から続くつつじ苑
現在神社がある場所は江戸時代、甲府(現在の山梨)の大名・徳川綱重(とくがわ つなしげ)の下屋敷があった場所。つつじはその頃に植えられはじめ、つつじの名所として知られるようになっていったそうです。
やがて第二次世界大戦が始まると、東京空襲でつつじの丘も荒れてしまいましたが、その後再びつつじが移植され、現在に至ります。
文豪との繋がりが深い地
根津神社の近くには軍医・小説家の森鷗外(もり おうがい)や、小説家・英文学者の夏目漱石(なつめ そうせき)が住んだこともある千朶山房(せんださんぼう)の跡地があります。また、鷗外が後半生に暮らした観潮楼(かんちょうろう)の跡地は、現在「文京区立森鴎外記念館」となっています。
「文京花の五大まつり」とは?
文京つつじまつりも属する「文京花の五大まつり」とは、毎年四季折々の花をテーマに文京区で開催されるお祭りです。
3月〜4月『文京さくらまつり』

文京さくらまつりの播磨坂の桜
1970年代から開催されている、歴史あるお祭りの「文京さくらまつり」。約120本もの桜並木のある播磨坂が舞台となります。期間中には、車道が歩行者天国として開放される日があり、まるで桜のトンネルを歩いている気分です。
6月『文京あじさいまつり』

文京あじさいまつり
梅雨の風物詩として知られているあじさい。その花が見頃を迎える6月に、白山神社の境内から白山公園にかけて「文京あじさいまつり」が開催されます。
合計3000株ものあじさいが咲き誇り、場所ごとに色が異なるのが特徴。期間中にだけ一般開放される「白山神社古墳」も必見です。
11月『文京菊まつり』

文京菊まつり
毎年11月1日から11月23日まで、学問の神様として知られる湯島天満宮で「文京菊まつり」が開催されます。
境内には、境内いっぱいに並べられた約2,000株もの菊が展示され、珍しい「菊人形」や一本の菊に数百輪の花を咲かせる「千本咲き」など見どころ満載です。
2月〜3月『文京梅まつり』

文京梅まつり
湯島天満宮にて、例年2月上旬から3月上旬に開催される「文京梅まつり」。1958年から続く歴史あるお祭りです。江戸時代より梅の名所として知られ、約300本もの梅の木が白やピンク色に咲き誇ります。
学問の神様・菅原道真も、この梅を想った有名な歌を残しています。
根津神社・つつじ苑へのアクセス
●最寄駅:
・東京メトロ南北線「東大前駅」
・東京メトロ千代田線「根津駅」
・東京メトロ千代田線「千駄木駅」
・都営地下鉄三田線「白山駅」
●アクセス:
①東京メトロ南北線「東大前駅」1番出口から徒歩約5分
②東京メトロ千代田線「根津駅」1番出口から徒歩約5分
③東京メトロ千代田線「千駄木駅」1番出口から徒歩約5分
④都営地下鉄三田線「白山駅」A2出口から徒歩約15分
根津神社の周辺スポット
護国院:
東京メトロ千代田線「根津駅」から徒歩9分
hanare:
東京メトロ千代田線「千駄木駅」から徒歩約5分
HAGISO:
東京メトロ千代田線「千駄木駅」から徒歩約5分
谷中 松野屋:
東京メトロ千代田線「千駄木駅」から徒歩約7分
旧岩崎邸庭園:
JR「御徒町駅」から徒歩約15分
谷中ビアホール:
JR「日暮里駅」から徒歩約10分
傳通院(伝通院):
東京メトロ丸の内線・南北線「後楽園駅」から徒歩約10分
小石川植物園:
都営地下鉄三田線「白山駅」から徒歩約10分
小石川後楽園:
東京メトロ丸の内線・南北線「後楽園駅」から徒歩約10分
おわりに
今回は根津神社で毎年開催される「文京つつじまつり」について紹介しました。他の名所とは異なり、豊富な種類のつつじが咲き誇るからこそ、長い期間見頃を楽しめるのが根津神社の魅力です。
「見る人が足を止めるほど美しい」ことから名付けられた「躑躅(つつじ)」。根津神社に訪れて、息を呑むような美しいつつじの世界を堪能してみてはいかがでしょうか。
Text・Edit:編集部
Photo(特記ないもの):PIXTA