古くから縁起物として親しまれてきた招き猫。その発祥の地といわれているのが、東京都世田谷区にある「豪徳寺」です。境内には無数の招き猫が並べられ、その光景を一目見ようと多くの観光客が訪れています。招き猫をお土産として購入することもできる人気のお寺です。
今回は、招き猫のおかげで運気アップ間違いなしの豪徳寺の情報を紹介します。
豪徳寺について
豪徳寺の山門
東京都世田谷区に位置する豪徳寺。鎌倉時代に道元が日本に伝えた曹洞宗のお寺です。創建されたのは1480年ごろ。江戸時代には、井伊家の菩提寺(法事などを行う寺)となり、桜田門外の変で有名な井伊直弼のお墓も置かれています。
その他にも、豪徳寺は「招き猫発祥の地」とも呼ばれているんですよ。
豪徳寺へは、小田急線の豪徳寺駅から徒歩10分。新宿からもアクセスがよく、気軽に立ち寄れる場所です。
なぜ招き猫がいるの?その由来を解説
豪徳寺の招き猫
商店街や観光でよく見かける招き猫。なぜ豪徳寺には招き猫たちが祀られているのでしょうか?
豪徳寺と招き猫の由来について解説していきます。
招き猫の由来の話は、井伊家に関連した言い伝えとして知られています。江戸時代初期、近江彦根藩(滋賀県)藩主の井伊直孝が鷹狩りに出かけた帰り道に、小さなお寺の前を通りかかると、一匹の白猫が直孝に手招きされ、直孝は寺の中に入りました。
すると、すぐに外は雷雨。直孝は白猫のおかげで雨に濡れずに済んだ上に、和尚様とのお話も楽しむことができました。それを喜んだ直孝は寺を改築し、1633年に再興しました。そして、豪徳寺を井伊家の*菩提寺(ぼだいじ)としたのです。
*菩提寺とは、先祖代々のお墓があるお寺のことを指します。
それから、白猫は大切に崇められ、その姿を模したものが招き猫となりました。
その後、豪徳寺では招き猫を「招福猫児(まねきねこ)」と呼び、猫をお祀りする招福殿が立てられました。
豪徳寺に祀られている猫は、このような人との繋がりがあったんですね。
招き猫の種類や飾り方、豪徳寺の招き猫の違いを紹介
招き猫には実はたくさんの種類があり、意味合いも異なることをご存知ですか?
招き猫の種類や飾り方、豪徳寺の招き猫の豆知識について解説していきます。
招き猫の種類とその意味合い
色によって意味合いが異なる招き猫
招き猫には複数の種類があります。
まずは、どちらの手を上げているかどうか。
右手を上げているものは金運を招くと言われていますが、左手は人を招くという意味があるそうです。少し欲張りかもしれませんが、両手を上げている招き猫もあるそうですよ。
しかし両手の招き猫は「お手上げ」のポーズにも見られるので、縁起が悪いという見方もあるそうです。
そして右手・左手の他にも、色によって意味合いが異なります。
白:開運招福
黒:厄除け・魔除け
赤:健康長寿
青:学業向上
黄:金運・良縁
金:金運向上
緑:家内・交通安全
ピンク:恋愛運向上
こうしてみると、たくさんの種類があることが見て分かりますね。
自分に合った、招き猫を選びましょう。
豪徳寺の招き猫は小判を持っていない?
豪徳寺に奉納されている招き猫
一般的な招き猫の特徴として、小判を持っている招き猫が多いですよね。商店街や民家で見たことがある、という方も多いのではないでしょうか?
しかし豪徳寺の招き猫は、小判を持っていません。
その理由は、人を招き「縁」をもたらすという意味合いが込められているから。
人の縁を生かすも殺すも自分次第。人を思う気持ちがあれば、自然とその人の元に福が訪れるという考えから、小判を持たずに右手を上げているんですね。
右手を上げている理由は、「武士にとって左手は不浄の証とされていたから」という説があります。
刀は右手で扱うものであったので、左手を使うことに対する評価が下がったのかもしれません。井伊家のつながりを感じさせますね。
そんな良い縁をもたらす招き猫が、豪徳寺の境内にいます。
本来猫はネズミに騙されてしまって、十二支に入れなかったという説が有名です。しかし、豪徳寺の境内にある三重塔に飾られている十二支では、ネズミの近くに猫が飾られています。
猫とネズミは不仲であると想像しがちですが、豪徳寺の猫は「縁」を招き入れたおかげで、ネズミと仲良くなれた、という意味合いが込められているかもしれませんね。
招き猫の飾り方
招き猫の飾り方
招き猫を適切な場所に飾ることで、良い縁を招いてくれると言い伝えがあります。
招き猫をお店などに飾る場合は、店先など訪れた人がすぐ目につくような場所に飾ると良いでしょう。
自宅などに飾る場合は人通りが多い玄関やリビングなど、目につきやすいところに置くと福が招かれやすいようです。いつもきれいに整理整頓をしておくことで、さらに運気がアップしますよ。
反対に、招き猫を置いてしまうと縁起が悪い場所は人があまり通らない場所、整理整頓
がされていない場所に置くと、悪い運気を招いてしまうと言われているので飾らない方が良いでしょう。
豪徳寺で招き猫を購入しよう
豪徳寺で販売されている大小さまざまな招き猫の販売(画像は2018年のものです。)
招き猫は、豪徳寺本堂横の寺務所で購入できます。超ミニサイズの「豆」から、一番大きな「尺」は約30cm。
サイズによって料金が異なります。
2023年9月現在、公式サイトによると500円〜7,000円の価格になっています。料金が変更になっている場合がありますので、詳しくは現地にお問合せをお願い致します。
持ち帰ることも考えてサイズを決めましょう。運気を呼ぶ招き猫は、お土産にも喜ばれますよ
招き猫はお寺に返すことも可能
豪徳寺では購入した招き猫をお寺に返して、新しく購入することが慣わし。
願いが叶ったら、豪徳寺に返納することで更に縁起が良くなる、と言われています。このことから、豪徳寺ではたくさんの招き猫たちが祀られているんですね。
招き猫たちをお寺に返して、感謝の気持ちを伝えるのも良いのではないでしょうか。
豪徳寺までの道も招き猫だらけ
招き猫の発祥の地といわれている豪徳寺では、お寺の周りにも招き猫の姿がたくさんあり、豪徳寺までの道中も楽しめます。
小田急線豪徳寺駅にある招き猫像
小田急線の豪徳寺駅を出ると、早速招き猫の像のお出迎え。
小田急線豪徳寺駅にある招き猫像
駅から豪徳寺に向かう途中の豪徳寺商店街には、電柱や旗など、いたるところに招き猫がいます。招き猫一色に染まった町にも注目です。
豪徳寺の約1,000体もの招き猫
豪徳寺の奉納所に並べられた招き猫
豪徳寺で最も人気を集めているのが、奉納所に並べられた無数の招き猫。時期にもよりますが、多い時で1,000体にも及びます。ここに並べられた招き猫は、すべて参拝客が奉納したものです。
豪徳寺の無数の招き猫
他ではめったに見られない光景を目当てに訪れる人も多く、写真映えもするたくさんの招き猫。見ているだけでも運気が上がりそうです。
この招き猫は奉納されたものなので、触ったり持ち帰ったりすることは禁止となっています。
井伊家の墓所
井伊家の墓
幕末の大老で、日米修好通商条約を結んだ張本人である井伊直弼をはじめとする井伊家の墓が、豪徳寺にあります。
豪徳寺とのつながりが生まれた井伊直孝や歴代藩主、王室たちの墓も並んでいます。
2008年に国史跡に認定されました。
豪徳寺の基本情報
住所:東京都世田谷区豪徳寺2-24-7
拝観時間:
6時~18時(3月下旬〜)
6時~17時(9月下旬〜)
電話番号:03-3426-1437
駐車場:境内に無料駐車場あり
公式サイト:豪徳寺
豪徳寺へのアクセス
最寄駅:小田急小田原線 豪徳寺駅 / 東急世田谷線 宮の坂駅
新宿駅からのアクセス
【新宿駅】— 小田急小田原線 / 小田原方面
→【豪徳寺駅】→ 徒歩(約10分)
渋谷駅からのアクセス
【渋谷駅】— 東急田園都市線 / 中央林間方面
→【三軒茶屋駅】— 東急世田谷線 / 下高井戸方面
→【宮の坂駅】→ 徒歩(約7分)
羽田空港からのアクセス
【羽田空港駅】— 京急線 / 品川方面
→【品川駅】— JR山手線 / 新宿方面
→【渋谷駅】— 東急田園都市線 / 中央林間方面
→【三軒茶屋駅】— 東急世田谷線 / 下高井戸方面
→【宮の坂駅】→ 徒歩(約7分)
成田空港からのアクセス
【成田空港駅】— 京成スカイライナー / 京成上野方面
→【日暮里駅】— JR山手線 / 池袋方面
→【新宿駅】— 小田急小田原線 / 小田原方面
→【豪徳寺駅】→ 徒歩(約10分)
豪徳寺写真映えするパワースポット
招き猫発祥の地の豪徳寺は、運気を上げるにはうってつけのスポットです。招き猫は運気を上げるチャンスをくれるだけで、あとはみなさん次第。ぜひ豪徳寺の招き猫を見て、招き猫の運気にあやかってみては。
Edit:Kaoru Maki
参考:大谿山 豪徳寺/TRIP EDITERほか