1. 神田明神納涼祭り:2023年開催概要
開催日・時間・場所
屋台の時間・場所
参加方法
神田明神納涼祭りの3つの盆踊りについて
2. 神田明神納涼祭りが始まった経緯
3. アニソン盆踊り
なぜ〝アニソン〟盆踊り?
2019年に「神田明神音頭」誕生
過去話題となったトピック:「ぶいすぽっ!」「パタリロ」など
2023年のセットリスト/「にじさんじIdios」とのコラボ
4. 伝統的な踊り:千代田区民踊連盟と浜町音頭保存会の盆踊り
5. 屋台:絶品グルメ・ビール・日本酒が大集合
まとめ

「神田明神納涼祭り」は、2023年で6回目の開催を迎える、千代田区・中央区の夏の新定番行事。

例年「アニソン盆踊り」で話題となる神田明神納涼祭りですが、実は見どころは、3日間でまったく異なる3種の盆踊りが踊られているということ。

この記事では、納涼祭りが始まったきっかけや、1日目・2日目・3日目それぞれの特徴を、神田神社(神田明神)権禰宜の加藤さんにお聞きしたので、ご紹介していきます。

TOP画像:写真提供 神田神社(神田明神)
※協力:神田神社(神田明神)
※掲載の情報は2023年7月時点のものです。諸事情により変更となる場合があります。

1. 神田明神納涼祭り:2023年開催概要

神田明神納涼祭り2023年のポスター

神田明神納涼祭り2023年のポスター(画像提供:神田神社)

開催日・時間・場所

【開催日】
2023年8月11日(金・祝)〜8月12日(日)
※屋台の出店は8月10日(木)から

【時間】
11日(アニソン盆踊り):17:00〜21:00
12日(千代田区民踊連盟 盆踊り):18:00〜21:00
13日(浜町音頭保存会 盆踊り):18:00〜21:00

【場所】
神田神社(神田明神)境内
住所:東京都千代田区神田2-16-2

【公式サイト】
令和5年 神田明神納涼祭り

屋台の時間・場所

神田明神納涼祭りでは、2016年の第1回開催時から屋台の出店が恒例です。2023年も美味しいグルメ&お酒の屋台やキッチンカーが出店します。時間は以下の通り。

●「絶品グルメ★ビール&日本酒祭り」

【時間】
10日 17:00〜21:00(前夜祭)
11日〜13日 11:00〜21:00

【場所】
神田神社(神田明神)境内本殿横特設会場

【公式サイト】
絶品グルメ☆ビール&日本酒祭り @神田明神納涼祭り

参加方法

神田明神納涼祭りは誰でも自由に参加OK。

グルメイベント(屋台)だけ覗くもよし、盆踊りを踊るもよし。盆踊りが初めての人も、やぐらの上の先生たちの動きを真似すれば大丈夫なので、気軽に参加できます。

3日間すべてで流れる「神田明神音頭」の振り付けはYouTubeで踊り方動画が公開されているので、予習してから参加すると、より楽しめるかも。

●協賛して参加:納涼祭りへの提灯協賛について
神田明神納涼祭りは、神社と地元の方々、地域企業が一緒になって作り上げていく行事。祭りに彩りを添えるべく、例年提灯の協賛を受け付けています。2023年の提灯協賛の締切は7月20日まででした。

2024年以降に協賛したい方は、神田神社(神田明神)公式サイトの納涼祭りページをご確認ください。

神田明神納涼祭りの3つの盆踊りについて

神田明神納涼祭りの盆踊りは3日間の日程で行われます。3日間それぞれで趣が異なるのが、神田明神納涼祭りの特徴です。

1日目はポップで賑やかなアニソン盆踊り
2日目はクラシカルな千代田区民踊連盟による盆踊り。
3日目は三味線の生演奏・生歌が優雅な浜町音頭保存会による盆踊りです。

2. 神田明神納涼祭りが始まった経緯

納涼祭り開催日の神田明神

納涼祭り開催日の神田神社

参拝者が減るお盆の時期を盛り上げるため

神田明神納涼祭りの第1回目が開催されたのは2016年。東京都心部はお盆の時期になると、里帰りなどで東京を離れる人が多く、神社への参拝者も少なくなります。

そこで、神田神社(神田明神)ではこの参拝者が減る時期に、何か賑やかなことをできないかと考え、盆踊りが始まりました。

しかし、神田神社で盆踊りを開催したことはなく「はじめは右も左も分からなかった」と加藤さん。神田神社の氏子地域である外神田地区では毎年盆踊りを開催していたので、まずはその主催者の方々に相談するところからスタートしたといいます。

やぐらも当時は、神田神社では所有していなかったため地域の方から借り、踊りは地域の盆踊りの先生や、千代田区民踊連盟の先生方にリードを依頼しました。こうして神田明神納涼祭りの第1回目が開催されたのです。

3. アニソン盆踊り

秋葉原の街並み

神田神社(神田明神)は秋葉原の氏神様

なぜ〝アニソン〟盆踊り?

神田明神納涼祭りの内容は、第1回目から変わっていません。1日目がアニソン盆踊り、2日目が千代田区民踊連盟による盆踊り、3日目が浜町音頭保存会による盆踊り。

アニソン盆踊りの開催には、2つ理由があったそうです。ひとつは神田神社(神田明神)が、アニメ『ラブライブ!』の聖地であること。もうひとつがアニメなどのサブカルチャーや、コンテンツ産業の街として知られる秋葉原が、神田神社の氏子地域だったこと。

アニメとの関連が深く、また地域の方々にはアニメが好きな人、アニメや漫画といったコンテンツ産業にたずさわる人も大勢いるということで、そうした方々にも楽しんでもらいたい、という思いがきっかけでアニソン盆踊りが始まりました。

そして1日目、2日目、3日目を通して、ポップな盆踊りと伝統的な盆踊り、両方を開催することで、神田明神納涼祭りは老若男女が楽しめる行事となりました。

2019年に「神田明神音頭」誕生

神田明神公式サイトに掲載の神田明神音頭振り付け動画キャプチャ

神田明神公式サイト納涼祭りのページから神田明神音頭の振り付け動画を見ることができます(画像提供:神田神社)

神田明神納涼祭りで3日間を通して踊られるのが「神田明神音頭」です。これは2019年に誕生した神田明神納涼祭りのオリジナルソング。振り付けは日本舞踊家で東京大学の講師も務める孝藤右近(たかふじ うこん)さんが担当しており、伝統的でありながら、誰もが踊りやすい振り付けになっています。

歌のほうは声優の小坂井ゆりえさんが担当。可愛らしく透明感のある歌声も、神田明神音頭の魅力です。

過去話題となったトピック:「ぶいすぽっ!」「パタリロ」など

【かおダンス】
2018年と2019年の神田明神納涼祭りに登場したのは、高さ2mの巨大LED提灯。スマートフォンから特設サイトにアクセスし、自分の顔写真を投稿するとLED提灯に表示され、楽曲に合わせ動きました。こちらは東京都港区の会社・バスキュールさんとのコラボで実現したとのこと。

参考:Bascule/かおダンス


【「ぶいすぽっ!」とのコラボ】
2022年はVTuberグループ「ぶいすぽっ!」とコラボ。各メンバーのコラボ屋台が出店したり、神田明神納涼祭り限定グッズの販売がありました。8月11日の前夜祭では「#ぶいすぽ夏祭り」のハッシュタグがTwitterトレンドにランクイン。


【クックロビン音頭】
魔夜峰央さんのギャグ漫画『パタリロ!』に登場し、アニメ(1982年放映)のエンディングテーマにもなった「クックロビン音頭」。神田明神納涼祭りでは、日本舞踊家の孝藤右近さんが、踊りやすいようアレンジした振り付けで踊られます。

第1回目からセットリストに入っているクックロビン音頭は、たびたびTwitter(X)で話題になっているようですが、2022年には「令和にクックロビン音頭を聞くとは……」(@amulet2005さん)のツイートに8万を超えるいいねがつきました。これには舞台・実写映画でパタリロ役を演じた加藤諒さんもリツートし反応。

2023年のセットリスト/「にじさんじIdios」とのコラボ

2023年のアニソン盆踊りのセットリストは定番の「神田明神音頭」「サンシャインぴっかぴか音頭」「クックロビン音頭」のほか、「おそ松くん音頭」や「プリキュア音頭」「ダンシングヒーロー」など。

神田明神納涼祭り公式サイト内アニソン盆踊りのページに全セットリストと参考動画がまとまっているので、予習ができますよ。

また、2023年はVTuber/バーチャルライブグループ「にじさんじ」に所属の7人によるグループ「Idios(イディオス)」とのコラボが決定。納涼祭り期間中は会場でコラボ商品、コラボかき氷の販売があります。また、Idiosメンバーの歌唱による「神田明神音頭」を上映予定なので、お見逃しなく。

4. 伝統的な踊り:千代田区民踊連盟と浜町音頭保存会の盆踊り

千代田区民踊連盟による盆踊り

千代田区民踊連盟による盆踊り(写真提供:神田神社)

千代田区民踊連盟と浜町音頭保存会は、神田明神納涼祭りだけでなく、ほかのイベントや盆踊りでもやぐらに上がり、リードを務める団体です。

千代田区民踊連盟による盆踊りは、「東京音頭」「千代田踊り」「炭坑節」「大東京音頭」など、クラシカルで定番の曲が多数です。景気のいい太鼓の音と、メンバーの先生方による踊りは、見ているだけでも楽しい気分になってきます。

浜町音頭保存会による盆踊りは、三味線の生演奏と生歌で踊られます。代表的な曲は「浜町音頭」「新浜町音頭」「浜町美人音頭」など。「浜町音頭」は誕生して90年以上が経つ踊り。浜町はもともと花街のあった場所ですが、そのためかお座敷を連想させるような優雅さのある曲調・踊りが特徴的です。

5. 屋台:絶品グルメ・ビール・日本酒が大集合

野外で飲むビール

屋台にはビール&日本酒&絶品グルメが集まります ※写真はイメージ

神田明神納涼祭りでは毎年屋台の出店があります。2023年のイベント名は「絶品グルメ☆ビール&日本酒祭り」。盆踊りは夜からの開催ですが、屋台での販売は午前11時から行なっています(7月10日は17時から)。

全国各地のフェスやイベントで人気のグルメ屋台が多数出店。「うなぎのかば焼き」「ふぐのからあげ」「本格派!絶品ステーキ」などなどお酒との相性も抜群のメニューが集結します。

生ビール以外に、レモンサワースタンドや、日本酒スタンドも出店するとのこと。家族や仲間とわいわい楽しめそうです。

※参考:絶品グルメ☆ビール&日本酒祭り @神田明神納涼祭り

おわりに

「神田明神納涼祭り」は、地域の人たちが神社に集い、みんなで踊って飲んで食べて、楽しむためのイベント。神様のための神聖な儀式である神田祭とは意味合いが異なる行事です。

せっかくのお盆期間。秋葉原や御茶ノ水など、神田神社近郊エリアにお勤めのみなさんや、お住まいのみなさん、お盆を東京で過ごすみなさんは、足を運んで、踊って飲んで食べて楽しんでみてはいかがでしょうか。

Text・Edit:Erika Nagumo
Photo(特記ないもの):PIXTA