巨大なインフラに圧倒!今注目されている「ダム」って?
ハマる人続出!ダムの魅力とは
全国の「ダム見学ツアー」おすすめ3選
1. 松原ダム遊覧船(大分県日田市)
2. 八ッ場ダムランチツアー(群馬県長野原町)
3. 長島ダム内部見学(静岡県島田市、榛原郡川根本町)
まとめ

今、全国の観光スポットとして知名度を上げつつある「ダム」。川を堰き止め、私たちの生活を守り支えてくれる巨大なインフラ設備です。かつては「自然破壊」などとしてバッシングを受けていたダムでしたが、現在、ダムの見た目や役割に魅了される「ダムマニア」が増えつつあるんです。

今回は、そんなダムの魅力や見どころについて掘り下げていきます。さらに、見学ツアーなどを実施しているおすすめのダムを紹介。ダムマニアたちがダムに魅了される理由を知れば、「インフラ設備」としてだけではない、ダムの奥深い魅力が見えてくるはずです。

巨大なインフラに圧倒!今注目されている「ダム」って?

日本各地に建てられている「ダム」。雨水を貯め、生活に必要な水を貯蔵するインフラ設備です。日本に設置されているダムの数は2,700基ほどのにぼるとされています。

このダムが今、人々を魅了する観光資源になっているのです。彼らはなぜダムの虜になったのでしょうか?ダムの基本情報とともに、その魅力を探っていきましょう。

ダムの役割とは?

ダムは、私たちの生活における「水」の貯蔵に欠かせないもの。雨水を貯め、万が一日照りが起き川の水が少なくなった時に、川へ水を流したり、生活用水や農業用水などとして水を活用したりするための「水の貯蔵庫」として建設されています。


東京都の奥多摩に位置する「小河内ダム」

ですが、日本は世界的にみても降水量の多い国。一見するとダムは不必要に思えますが、もう一つ、日本に欠かせないダムの役割があります。それが、「治水」。日本の河川は長く、さらに急勾配のものが多いのが特徴。大雨が降ってしまうと、河川が氾濫しやすいのです。河川の氾濫を抑えるために、ダムに大雨を貯め、上流から下流へ大量の水が一気に流れないようにするのがダムの大きな役割。台風が多い日本にとって、ダムは欠かせない存在です。

ほか、ダムの水を使った水力発電により地下鉄を動かしているなど、ダムは私たちの日常にとっても密着していることが分かります。

ハマる人続出!ダムの魅力とは

日本の地形や天候にとって、ダムはなくてはならない存在。では、そのダムをなぜわざわざ見に行く人が増えているのでしょうか?ダムの見どころについて紹介していきます。

ダムの大きさに圧倒される


日本最古の石積式マルチプルアーチダム「豊稔池ダム(香川県)」

初めてダムを見ると、その大きさに驚くはず。法律では高さ15m以上のものがダムと規定されているため、最低でも15m以上の高さの「壁」が広がっているということになります。まずはその大きさに圧倒されてみてください。ほか、自然の中に突如現れる巨大な人工物という周囲の景色とのコントラストも、見るべきポイントです。

ダムの形を見る

「ダム」と一言で言っても、タイプがさまざまあることをご存知ですか?ダムは、周囲の地形や役割に合わせて形が異なるため、上級のダムマニアはひと目見ればそのタイプが分かるといいます。代表的な形状を見ていきましょう。

重力式コンクリートダム

最も数が多いのが、こちらのタイプ。コンクリートをたっぷり使って壁を作り、その重さで水を支えるという仕組みです。ぱっと見は平らな壁のようですが、横から見ると三角形になっており、地面に向かって広がりを持たせています。どっしりと構える姿が印象的。

アーチ式コンクリートダム


日本最大級の大きさを誇る富山県の「黒部ダム」

横にむかってアーチ上に造られたダム。重力式コンクリートダムに比べて厚さは薄いものの、アート状にすることで水の力をダムの両側に分散させています。水の重みが両側の岩盤にもかかるため、しっかりとした岩壁を持つ地形でないと造れません。
日本の代表的なダムである富山県の「黒部ダム」は、このアーチ式コンクリートダムです。

バットレスダム(扶壁式ダム)


国内最大の堤高を誇る群馬県の「丸沼ダム」

壁の表面部分に、扶壁(ふへき)と呼ばれるくぼみのある棚のような壁を造ったダム。扶壁で壁にかかる水圧を分散させます。

ゾーン型フィルダム(ロックフィルダム)


岐阜県の「徳山ダム」。ロックフィルダムのひとつ

ダムはコンクリートを使って造るのが一般的ですが、ロックフィルダムは岩石と土砂で造られます。ダムの中心を水を通しにくい土砂で固め、その周りを安定感のある岩石で覆っています。

ダムの放流を楽しむ

ダムの壮大さを肌で感じられるのが「放流」。放流の方法には、ゲートが上下に動き一気に放流をする「ローラーゲート方式」や、ダムの規定水位より水の量が増えた場合に自動的に水が流れ出す「自然調節方式」などさまざまなタイプがあります。


愛知県「羽布ダム」のゲート

いずれも緊急時に放流される仕組みになっており、平時にあの壮大な放流の様子を見られることはほとんどありません。しかし、そんな中でも、大型ダムなど一部のダムでは、観光客のために、決められた日時に放流を行っていることも。


定期的に観光放流を行う神奈川県の「宮ヶ瀬ダム」

その場合はゲートから放流するのではなく、その下部に取り付けられた「バルブ」と呼ばれる部分から放流が行われます。小さな穴から膨大な量の水が一気に噴き出てくる姿は、ダムの一番の見どころ!圧倒的な様子に魅了されること間違いなし。人工物から自然の力で貯まった水が放流される姿を、ぜひ楽しんでみてください。

ダムの歴史を知る


「日本一美しいダム」と称される大分県の「白水ダム」

ダムマニアの中には、それぞれのダムが持つ「歴史」が好き、という人も。ダムはどれも人が造りあげたインフラ設備のため、設置するまでの地元民たちとのいざこざや、建設時のエピソード、造られる前と後での環境の変化など、そのダムが今の姿になるまでの歴史を辿ることができるのも魅力のひとつです。

もちろん、ダムが建てられた後の大雨で、どのくらい被害を抑えたか…といった、ダムの活躍に目を向けるのも大切。ダムと水害との戦いを知れば、「ダム」というただの人工物がもっと魅力的に見えてくるはずです。

ダムカード集めやダムカレーを楽しむ

ダム観光に訪れたゲストに楽しんでもらおうと、昨今ではダムに関連したグッズやグルメが登場しています。その代表的なものが、「ダムカード」と「ダムカレー」。

ダムカード

ダムカードは、ダムのことをもっと知ってもらおうとダムに訪れた人に配られるカードのことです。表面にはダムの写真と名称、ダムの形式・目的を示すアルファベットが書かれており、裏面には所在地や総貯水量、ゲートの形・数、そしてそのダムのこだわり情報を記載。国土交通省が公式に出しているものから、非公式のものまで1,000種類以上のダムカードが全国で配布されています。基本的には無料で配布していますので、ダムに訪れたらぜひ、ダムカードをゲットしてみてください。

ダムカレー


ダムカレー(イメージ)

ダムに関する代表的なグルメといえば、やっぱり「ダムカレー」は外せません。ダムの「放流」をイメージしたダムカレーは、ライスの穴から放流に見立ててカレーが流れ出すというユニークな仕掛けで大人気に。黒部ダムのダムカレーが有名ですが、他にも各地でダムカレーを提供しているようです。ダムに訪れた際には、周辺にダムカレーを出しているお店がないかチェックしてみては。

構造や周辺の自然も楽しむ!全国の「ダム見学ツアー」おすすめ3選

ダム観光に行ってみたいけど、ダムの知識がなくて楽しみ方がわからない…。という人は、まずは「ダム見学ツアー」に参加してみるのがおすすめです。最後に、全国で開催されているダムの観光ツアーを紹介していきます。

1. 松原ダム遊覧船(大分県日田市)

大分県に立つ「松原ダム」と「下筌ダム(しもうけダム)」を観光するツアーです。メインとなるのは、松原ダムの上に広がる「松原ダム湖」を遊覧船でのんびりと楽しむこと。ダムによって誕生した通称「梅林湖」を遊覧船で巡り、木々や渡り鳥の姿など自然の景色に触れることができます。さらに、ダム湖ならではの景色である、ダム建設前の道路や住宅の跡を水面下に見ることも。かつてこの地にあった集落の姿を、水面を通して覗いてみてください。


松原ダムと梅林湖

こちらの遊覧船では、松原ダムの次に立つ「下筌ダム」の真下まで船を進めることも可能(水位の状況による)。筑後川唯一のアーチ式コンクリートダムの姿を真下から見上げる、貴重な体験ができます。

【概要】
運行時期:2020年10月末〜
出発時間:10:00 / 12:00 / 14:00 ※天候や予約状況により変動の場合あり
料金:大人 1,700円 / 小学生 800円 / 未就学児 無料
予約:前日までに要予約
問い合わせ先:080-6409-8718
公式サイト:松原ダム遊覧船

2. 八ッ場ダムランチツアー(群馬県長野原町)


工事中の八ッ場ダムの様子(2020年4月に完成)

2020年4月1日より本格運用を開始した、完成したばかりの八ッ場ダムを見学するツアー。団体のバスツアーにおすすめです。道の駅「八ッ場ふるさと館」のスタッフがゲストのバスに乗り込み、ガイドをしながらダム周辺を案内してくれます。八ッ場ダムだけでなく、「不動の滝」など周辺の観光スポットも巡る約1時間のコース。

現地スタッフによる詳しい説明が聞けるだけでなく、ランチには「八ッ場ダムカレー」をいただけるという豪華なプラン。もちろんダムカードもいただけます。

【概要】
所要時間:約1時間
料金:1名1,500円(10名より受付)
予約:5日前までに要予約。
問い合わせ先:0279-83-8088
公式サイト:八ッ場ダム

3. 長島ダム内部見学(静岡県島田市、榛原郡川根本町)


長島ダムの内部を見学できる

静岡県榛原郡川根本町に位置する、高さ109m、幅308mの巨大な「長島ダム」の内部見学ツアー。ダム内部のパトロールやダムの操作のために使う通路「監査廊」や、放流を司るゲート操作機器が設置されている「ゲート室」など、ダムの堤体内部を実際に歩いて見学できます。

管理事務所職員による解説付きで見学できるため、ダムの内側について詳しくなれるはず。普段はみられない景色を覗いて、ダムの魅力をもっと深く感じることができます。

※このプランは、大井川本線の始発駅である「金谷駅」から、井川線「長島ダム駅」間の往復乗車券を購入する必要あり。

【概要】
開催日:平日のみの開催
所要時間:計約7時間 ※往復の列車乗車時間含む、ダム見学会(約50分)
料金:大人 3,880円 / 子ども 1,940円
予約:7日前までに要予約。参加日の1カ月前から受付開始
問い合わせ先:0547-45-4112
公式サイト:長島ダム内部見学

壮大なインフラ設備「ダム」の魅力を間近で体感してみよう

私たちの生活を支えてくれているダムは、普段はなかなかお目にかかることのできない存在。ですが実際にその姿をみてみると、力強い存在感にきっと圧倒されるはずです。間近でダムの姿をみた人にしか分からないその壮大な姿を、ぜひ体験しに行ってみてください。

訪れたダムはどんな形で、どんな役割を持ち、どんな風にその地の人々を守っているのか。ダムの奥深い魅力に触れれば、きっと魅了されるはずです。