群馬県沼田市に位置する「吹割の滝(ふきわれのたき)」。水しぶきを吹き上げ流れる様子は大迫力で、「東洋のナイアガラ」とも呼ばれています。避暑地として夏に訪れるのはもちろん、新緑や紅葉の時期も四季折々の美しい表情が見られるのでおすすめです。
この記事では吹割の滝の見どころや周辺の観光情報に加え、アクセスや駐車場など役立つ情報も詳しくお伝えします。
吹割の滝について
「東洋のナイアガラ」と呼ばれる「吹割の滝」
「東洋のナイアガラ」と称される「吹割の滝」。群馬県沼田市の片品渓谷に位置しており、高さ7m・幅30mの壮大な景色は1936年に国の天然記念物・名勝に指定されました。
吹割の滝を形成する岩盤は、900万年前の噴火によってできたものです。その凝灰岩が冷え固まり、その後長い年月をかけて浸食され、約1万年前に現在の形になったといわれています。
また「吹割」という名称は、巨大な岩が吹き割れたように見えることから呼ばれるようになりました。
竜宮城と繋がっている?「吹割竜宮伝説」とは
ある年、天候不良で不作が続いた吹割の農村。若者は貧しく「客人に出すお膳がない」と滝のそばで嘆いていました。それを聞いていた竜宮の使い「亀太郎」が竜宮城の乙姫様にこの話をすると、乙姫様はかわいそうに思い竜宮城のお膳をいくつか若者のもとへ持って行くよう伝えました。
若者の前に亀太郎と見事なお膳が現れると大喜びし、必ず返しに来ると約束をするのです。しかし客人からお膳を褒め称えられた若者は、返すのが惜しくなり、なんと一膳だけ返しませんでした。
亀太郎神社に祀られている亀太郎
このことに激怒した乙姫様は、竜宮へ通じる吹割の滝の滝つぼを塞いでしまったのです。亀太郎は悲しみのあまり大粒の涙を流し、その涙は翡翠となって現在は吹割の滝伽羅苑の亀太郎神社に祀られています。
またこの時返さなかったお膳は「竜宮の椀」と呼ばれ、今でも大切に保存されています。
吹割の滝の見どころは?
吹割の滝へは整備された遊歩道沿いを進みます。その途中や滝の後にも多くの見どころポイントがあります。
四季折々で変わる吹割の滝
鮮やかな紅葉と吹割の滝
豊かな自然に囲まれたこの場所は、四季折々で違う景色が見られるのが見どころ。特におすすめの季節が2つあります。
一つは、秋の紅葉シーズン。山全体が赤や黄色に染まり、それを背景にした迫力ある滝の姿を見ることができます。鮮やかに色づいた紅葉と滝のコントラストは、まさに日本を代表する風景。群馬県内の紅葉名所としてランキング1位に選ばれるほどの人気を誇ります。
より迫力の増した滝がみられる初夏
そしてもう一つおすすめの季節が、4月〜5月。この時期は雪解け水によって水量が増し、より豪快な名瀑の姿を見ることができます。爽やかな新緑に囲まれる中、勢いよく流れ落ちる滝の美しさに惚れ惚れすること間違いなし。初夏が過ぎ夏を迎えると、暑い日に滝から溢れる天然ミストを浴びるなんて楽しみ方もできますよ。
吹割の滝を見下ろせる3つの観瀑台
吹割の滝の観瀑台
遊歩道を進んだ先にあるのは、吹割の滝を見下ろせる3つの観瀑台。観瀑台からは滝全体を見渡すことができ、割れ目をはっきりと確認できるので非常におすすめです。
鱒飛の滝
鱒飛の滝
吹割渓谷の中の下流部に位置する「鱒飛(ますとび)の滝」。昔、川を遡上する鱒がこの滝に来ると段差で上流に上れず、越えようと必死に飛び跳ねていたことから鱒飛の滝と呼ばれるようになりました。
般若岩
般若岩
片品渓谷には、川の浸食によって形成された奇妙な形の岩が多々存在します。この「般若岩」もその一つ。岩壁が口を大きく開けた般若に似ていることから、このように呼ばれています。
千畳敷
千畳敷
吹割の滝の上流に進むと見えるのが、たたみ千畳ほどの広さの浅瀬が続く「千畳敷」。これは、川の浸食によって勾配が緩やかになったことで、両岸が削られて形成されたものです。
浮島にかかる「浮島橋」からは千畳敷全体を眺めることができます。
浮島観音堂
浮島観音堂
浮島内にある小さなお堂「浮島観音堂」。創建は795年といわれています。お堂の中にある木彫り金箔塗りの観音像は、日光東照宮の造営にも携わった名工・左甚五郎が手がけたものです。
4月には浮島観音春祭り、10月には吹割観音祭りが開催されます。
吹割の滝のイベント
8月『沼田まつり』
毎年8月3日〜5日に開催される「沼田まつり」。沼田市内で行われる伝統的なお祭りです。祗園祭と商工祭を一つにまとめたもので、その規模は関東一といわれています。
女性だけで担ぐ巨大な天狗みこしは、沼田まつりの名物。女性の方は、当日参加でみこしを担ぐこともできますよ。
吹割の滝のアクセス
最寄駅:吹割の滝(バス停)
東京駅からのアクセス
【東京駅】ー 上越・北陸新幹線 / 大宮方面
→【高崎駅】ー JR上越線 / 水上方面
→【沼田駅】ー 路線バス・関越交通 / 大清水行き
→【吹割の滝バス停】
前橋駅からのアクセス
【前橋駅】ー JR両毛線 / 高崎方面
→【新前橋駅】ー JR上越線 / 水上方面
→【沼田駅】ー 路線バス・関越交通 / 大清水行き
→【吹割の滝バス停】
車でのアクセス
最寄りIC:関越自動車道 沼田IC
吹割の滝の周辺の駐車場
吹割の滝伽羅苑駐車場(無料)
吹割の滝の周辺観光情報
老神温泉
群馬県沼田市の「老神温泉」
群馬県沼田市利根町に位置する「老神温泉(おいがみおんせん)」。歴史は古く、その昔、赤城山の神(ヘビ)と日光男体山の神(ムカデ)が戦った時、弓で射られた赤城山の神が赤城山山麓に矢を突き刺すとたちまちお湯が沸いてきたのが始まりだそう。
赤城山の神がそのお湯に傷を浸すとたちまち治り、男体山の神を追うことができたことから「追い神」と呼ばれるようになり、それが「老神」になったといわれています。
老神温泉の宿や日帰り温泉は全部で14施設。観光で疲れた体を癒すには最高の場所です。
まとめ
群馬県に位置する名勝・吹割の滝。季節によって異なる表情を見せるこの滝は、年間を通して多くの観光客で溢れています。
周辺のおすすめ観光スポットと合わせて、群馬の自然を存分に味わってくださいね。