「ホワイトデーのお返しって何が良いの?」「女性が喜ぶ贈り物って?」
チョコレートが定番のバレンタインとは異なり、これといった決まりがないホワイトデーの贈り物。ホワイトデーが近づくと、お返しに悩む男性は少なくないようです。そんな時にお返しを選ぶ基準となるのが、お菓子の意味。普段言葉にできない気持ちをお菓子に込めることができれば、相手にも一層喜んでもらえること間違いありません。
しかし、実は人気のあるホワイトデーの贈り物の中には伝えたいことと真逆の意味を持ったものもあるのです。2024年のホワイトデーは3月14日の木曜日。せっかくのホワイトデーだからこそ、誤解を生むようなプレゼントはなるべく避けたいですよね。
今回はホワイトデーのお返しのお菓子に込められた意味を、贈り物ごとにそれぞれ解説します。
ホワイトデーのお返しの意味【お菓子編】
キャンディー
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外国では紀元前2000年から、日本でも1000年以上前から親しまれる飴
キャンディーの意味は、「あなたが好きです」。
ホワイトデーに渡すお菓子としても、代表的な物の一つです。口の中で長い間甘さを楽しめる点が、恋愛に関連する意味に繋がったのでしょう。
またキャンディの味にもそれぞれ違った意味が込められています。例えば、ブドウ味には「酔いしれるような恋」、りんご味には「運命の相手」など。どの味を選んでもハズレがないので、好意を伝えられるのがキャンディーのおすすめなところ。自分の言葉にできない気持ちを、全てキャンディーにまとめて贈って見るのも良いかもしれません。
マシュマロ
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ホワイトデーには渡さない方がよいマシュマロ
マシュマロの意味は、「あなたが嫌いです」。
元々ホワイトデーの起源でもあるマシュマロは、当時の石村萬盛堂が掲げたコンセプトとして、「あなたからもらった愛を僕の優しさで包んで返すよ」という誠実な意味を込めらていました。しかし、時が経つにつれ「優しくお断りする」といった真逆の意味として伝わるようになってしまったのだとか。
マシュマロの柔らかさや儚い口どけが、「優しくお断りする」というイメージを定着させてしまった原因の一つなのかもしれません。もちろん広い世代に好まれるお菓子ではありますが、誤解を避けるためにもマシュマロは選ばない方が無難でしょう。
マカロン
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見た目も美味しさも一級品のマカロン
マカロンの意味は、「あなたは特別な人」。
他のお菓子と比べても高級感のあるマカロンにピッタリの意味が込められています。「特別」というのは恋人に限らず親しい相手も含んでいるので、どんな関係性の相手にも渡すことのできるお菓子として人気です。
クッキー
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アイシングクッキーやラングドシャなど種類が分かれているクッキー
クッキーの意味は、「あなたとは友達のままで」。
クッキーはサクサクしていてしっとりとした食感ではないため恋人らしさがなく、気楽に贈ることのできるお菓子です。そのため恋愛対象というよりも友人として付き合っていきたい、と相手には想像されやすいかも。
大勢に配るお菓子としてのイメージから、「あなたは多くの中の一人」、と解釈されることもあるようです。
バームクーヘン
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バームは木、クーヘンはケーキという意味
バームクーヘン(バウムクーヘン)の意味は、「幸せが長く続きますように」。
バウムの語源がドイツ語で「木」、という意味である通り、バームクーヘンは木の年輪のような模様をしています。そのため何重にも重なった層が「幸せが重なる」といった意味を表すのだそう。
バームクーヘンは結婚式の引き出物として選ばれることも多く、これからも長く付き合っていきたい、という意味を込めるにはピッタリのお菓子です。
キャラメル
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食感が特徴的なお菓子であるキャラメル
キャラメルの意味は、「あなたといると安心する」。
キャラメルは口の中で次第に溶けていくミルクと砂糖でできたお菓子です。溶ける時には甘い風味と温かさを感じられるキャラメルは、相手と打ち解けるようなイメージを持つことから、「安心する」という意味が込められるようになりました。
お互いの信頼関係を再確認する、といった意味を込めて渡すのも良いかもしれません。
マドレーヌ
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二枚貝のような形をしたマドレーヌ
マドレーヌの意味は、「あなたともっと仲良くなりたい」。
マドレーヌが二枚貝の形をしていることがこの意味の由来です。2枚が重なり合っていることから、より親密になりたいというイメージを持つマドレーヌ。日本では昔から貝を縁起物として捉えることがあり、2枚貝は円満な関係を表すとされてます。
あなたとの距離をさらに詰めたい、というアピールの意味も込められるので、ホワイトデーの贈り物にふさわしい意味を持ったお菓子です。
チョコレート
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ホワイトデーに贈ることは少なくないチョコレート
チョコレートといえば、バレンタインを代表するお菓子。チョコレート自体に悪い意味はありませんが、ホワイトデーに渡すのは控えておいた方がいいかもしれません。
バレンタインにチョコレートをもらったお返しとしてチョコレートを返すのは、「あなたの気持ちは受け取れない」という意味になってしまうからです。義理や友人に普段のお礼として渡すには問題ありませんが、もしも本命としてお返しするのであれば、チョコ以外を選ぶ方が良いでしょう。
アップルパイ
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海外では贈り物としてメジャーなアップルパイ
アップルパイは、伝わる人には伝わるダジャレを込めた贈り物。実は3月14日はホワイトデー以外にも、πの日、数学の日、と呼ばれます。この習慣は円周率の概数としてなじみ深い3.14という数字を日付に当てはめたのが始まり。ここから「パイ」繋がりで3月14日にアップルパイを贈る習慣が生まれました。
実際、ホワイトデーに贈り物をする文化のない海外でも、パイを贈る習慣は残っています。あまり知られていない習慣なので、相手に意味が伝わらない場合も。そのため、お互いの関係性を踏まえて贈るかどうかを考慮してみると良いかもしれません。
ホワイトデーのお返しの意味【花・小物編】
元々はお菓子メーカーの宣伝販売のために始まったホワイトデーの贈り物文化。しかしその文化が定着するにつれ、お菓子以外の贈り物も選ばれるようになってきました。ここではお菓子以外の贈り物の中でも特に人気のある3つのお返しの意味を紹介します。
花
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赤や白系統のバラには特に恋愛に関する意味が込められています
ホワイトデーに贈る花自体には、特別な意味はありません。
しかし、特にバラの花はお返しとして人気がある贈り物。赤いバラは情熱的な愛情、白いバラは純潔や清純など、花の種類・色に よって意味を込めることは可能です。
ハンカチ
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プレゼントの定番アイテムであるハンカチ
ハンカチの意味は、「別れ」。
中世のヨーロッパでは、戦争に向かう兵士に恋人の女性がハンカチを贈ったという話が残っています。離別を想像させることから、恋人への贈り物の中では避けられてたハンカチ。しかし、最近ではそういった意味は含まれないとされる考え方も増えており、他の贈り物と合わせて贈ることが好まれる傾向にもあるようです。
指輪
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プレゼントの中でも特に特別な意味を持つ指輪
指輪の意味は、「結婚、永遠」。
意味の由来はもちろんエンゲージリング。恋人へのプレゼントの中でも特に大きな意味を持つ贈り物です。結婚という意味を持つため、結婚までを考えている相手に真心を込めて贈るのにはおすすめの贈り物です。
特別な意味を持たないお菓子もある
花のように、特に決まった意味が込められているわけではないものもあります。
本命以外の人にお返しをする場合、相手に気を使わせたくない場合など、次のものを選んでみてはいかがでしょうか。
和菓子
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和菓子(桜餅)は日本国内はもちろん海外でも人気の和菓子
記念日に限らず一年を通して喜ばれる贈り物である「和菓子」。
ホワイトデーの起源が西洋由来であることもあり、和菓子の中で特別な意味が込められた物はありません。広い層に好まれる和菓子であれば、感謝の意を誰にでも気楽に伝えることができるでしょう。
特に最近は洋菓子とのハイブリットのような、おしゃれな和菓子もたくさんあります。
プリン
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子供から大人まで幅広く人気のあるプリン
一見意味が込められていそうで、特に特別な意味を持たないのが「プリン」。
女性に好まれやすいプリンは、値段も手頃なものから高級なものまで、相手に合わせて選ぶことができます。ただし、賞味期限が数日以内と短いので、プレゼントするタイミングは慎重になる必要があるかも。
ラスク
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軽くてサクサクとしたラスク
シンプルなお菓子であることから、おやつとしても日本で親しまれてきた「ラスク」。
特別な意味が込められているわけではないからこそ、気軽にプレゼントできるお菓子の一つです。ぜひ自分なりの気持ちをこめて、相手にピッタリなラスクを贈ってみては。
ケーキ
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相手の好みに合わせて選べるのもケーキの魅力の一つ
ホワイトデーを含む、あらゆる記念日の贈り物としてまず最初に名前の挙がる「ケーキ」。しかしバームクーヘンなどの例外を除けば、意味が込められたケーキはほとんどありません。
チーズケーキやチョコレートケーキなど、絶大な人気を誇るお菓子であるからこそ意外に思うかもしれませんが、意中の相手に贈るものとして他の記念日でも贈るケーキはホワイトデーには選ばれにくいのかもしれません。
ただ意味が込められていなくても、ケーキは種類も多く相手の好みが別れやすいスイーツ。相手の好みに合わせて選んだケーキは、間違いなく素敵な贈り物になるのではないでしょうか。
ホワイトデーのお返しの意味一覧
ここまで紹介してきたホワイトデーのお返しの贈り物の意味は、次の通りとなります。ちょっと以外なものもありましたね。
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ホワイトデーのお返しの意味一覧表
お返しのマナー
渡すタイミング
ホワイトデーは3月14日ですが、当日はお返しを渡す暇がない、という場合もあるでしょう。そんなとき、渡すタイミングとしてベターなのは、3月14日の後よりも前。もし過ぎてしまう場合には、なるべく早いタイミングで渡すよう心がけます。
特に相手が恋人の場合は、3月14日当日に「お返しもらえなかったな」と寂しい気持ちにさせてしまうのは避けたいですね。
お返しに使う金額の相場
昔はホワイトデーは「もらった倍」で返すのがよしとされていたようですが、今は原則「もらった同程度」を予算とするといいでしょう。
ただし、「クリスマスは彼女のほうが予算が多かった」などの場合には、うまくバランスが取れるよう予算を組むといいかもしれません。
ちなみに、「元値が高かったから」などの理由で中古のものを贈るのは、相手への思いやりに欠けます。自分が不要になったものや、誰かから貰ったものなどを含め、中古のものは避けましょう。もしくはサブプレゼントにして、メインは別のものを用意しましょう。
荷物にならないものを
ホワイトデーのお返しは、相手に手渡しで贈る場合が多いかと思います。おうちデートやドライブデートでない限り、なるべく相手が持ち運びやすいサイズ・重さのものを選ぶといいでしょう。
たとえば、両手でないと持てないほどの大きな花束や、重い家電などは、自宅まで持ち帰るのが大変です。相手が自宅に帰る道中の負担も考慮できるとスマートです。
「お返ししなくてもいい?」お返しをする意味とは
フランクな付き合いの友人や、きょうだい・母親など、親しい間柄の人、もしくは逆に普段あまり接点のない相手へのお返しは、気恥ずかしさがあったり、大袈裟な気がして、お返しをすべきかどうか迷ってしまうこともありますよね。
贈り物へのお返しには「感謝を伝える」ことのほかに「親しみの気持ちを伝える」という意味合いもあります。
もし「お返しするかどうか」迷ったなら、お返しをしないよりは、些細なものでも何かを贈るほうが、きっと相手に喜ばれるはず。「自分のことを気にかけてくれた」と相手に伝わることがポイントです。
たとえば、
・スタバなどカフェのギフトカード
・ハンドクリーム
・コンビニのちょっといいスイーツ
などは相手に気を遣わせず、カジュアルで、でも貰えれば嬉しいですよね。
ただし、高価なものを貰った相手には、相応のお返しをするのがベターです。
ホワイトデーの由来って?
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青と白を基調としたプレゼント箱が多い
「ホワイトデー」とは一般的に、バレンタインデーに贈り物をもらった男性が、そのお返しとして女性に贈り物をする日。プレゼントはチョコレートやキャンディーなどのお菓子以外に、アクセサリーやハンカチなどを贈ることもあります。
近年ではバレンタインデー・ホワイトデーともに恋愛感情を伴わないプレゼント交換の日となっていたり、男女関係なくプレゼントを贈り合ったり、多様化が進んでいます。
ホワイトデーの起源には諸説ありますが、お菓子を渡す文化は、企業の宣伝販売のために始まったと言われています。ここでは諸説あるうちの一説を紹介します。
ホワイトデーの起源
ホワイトデーにお返しのお菓子を贈る文化は、実は日本で発祥したものです。現在ではアジア圏にもその文化が広まり、中国や韓国、東南アジアでもホワイトデーに贈り物をする文化が根付いているそうです。
そもそも、2月14日のバレンタインデーは、3世紀のローマで生まれました。皇帝に結婚を禁止されたローマの若者達の愛を、密かに結婚式を挙げることで守り抜いたのが、キリスト教の聖職者・聖バレンタイン。2月14日は聖バレンタインの命日であり、祝日です。
欧米ではカードを交換する文化があったバレンタインデーですが、日本では女性から男性へチョコレートを贈る風習が定着しました。
そしてさらにその後、「バレンタインデーにチョコレートをくれた女性へお返しをしたらどうか」と日本のお菓子メーカーが提案。代表的な説として、和菓子の老舗である石村萬盛堂と、全国飴菓子工業協同組合が最初に提案したといわれています。
石村萬盛堂説
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マシュマロデーをホワイトデーの起源とする説もある
ホワイトデーの起源のひとつは、鶴乃子という和菓子で有名な「石村萬盛堂」が、1978年から「マシュマロデー」としてチョコレートをマシュマロで包んだお菓子を売り出したという説。
そのお菓子の見た目から名称をマシュマロデーからホワイトデーと変更したところ、ほかの業界も贈り物ブームに参入しやすくなり、現在のホワイトデーが始まったといわれています。
全国飴菓子工業協同組合説
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全国の飴菓子企業が協力して宣伝したキャンディー
もう一方の説は、ホワイトデーにお菓子を渡すという文化がまだ普及していなかった当時の日本で、「全国飴菓子工業協同組合」がキャンディーを渡す文化を定着させようとしたという説。
キャンディーの日として他企業と協力して百貨店やラジオ広告等で宣伝を始めたことで、次第に今のホワイトデーの習慣が定着していったといわれています。
おわりに
ホワイトデーに人気のお返しの意味を紹介しました。
本命の相手ならキャンディーやマカロン、友人や同僚が相手ならクッキーや意味のないお菓子……。ギフト選びは悩んでしまう人も多いかもしれませんが、意味があれば相手に合わせて選びやすくなるかもしれませんね。
もちろん意味に縛られすぎる必要はありません。マシュマロが大好きな相手には、マシュマロを渡すのももちろんアリでしょう。
もしお返しの意味を気にしてしまいそうな相手であれば、渡すときにひと言「マシュマロにはこんな意味があるらしいけど、自分は純粋に、あなたがマシュマロを好きと知っているのでマシュマロを選んだ」のように選んだ理由を伝えてはいかがでしょう。
Text・Edit:編集部
Photo(特記ないもの):PIXTA
参考:
岩下宣子『知識ゼロからの 喜ばれる贈り物のマナー』(幻冬舎)
矢部惠子『手紙の書き方と贈り物のマナー』(毎日コミュニケーションズ)