- Ⅰ. 岩手の新名物・B級グルメ[8選]
- 【宮古市】瓶ドン
- 【三陸地方】磯ラーメン
- 【大船渡市】さんまら〜めん
- 【遠野市】ジンギスカン
- 【盛岡市】盛岡冷麺
- 【盛岡市】盛岡じゃじゃ麺
- 【北上市】北上コロッケ
- 【花巻市】「マルカンビル大食堂」のソフトクリーム
- Ⅱ. お土産・贈り物に買いたいお菓子・名産品[7選]
- 【花巻市】ブルージュ プリュスの「平泉黄金バウム」
- 【大船渡市】さいとう製菓の「かもめの玉子」
- 【一関市】松栄堂の「ごま摺り団子」
- 【岩泉町】岩泉ヨーグルト
- 【釜石市】中村家の「三陸海宝漬」
- 【陸前高田市】八木澤商店の醤油/発酵マーケットの発酵食品
- 【県北エリア】南部せんべい
- Ⅲ. 岩手の伝統料理・郷土料理[6選]
- 【一関市・平泉町】餅料理
- 【全域】ひっつみ汁
- 【西和賀町】納豆汁
- 【洋野町・久慈市】いちご煮
- 【久慈市】まめぶ汁
- 【盛岡市】わんこそば
- まとめ
岩手県は山の幸・海の幸に恵まれた豊かな土地。特に海の幸は三陸のリアス海岸によって育まれる豊かな海産物が魅力です。
また、岩手県は冬の寒さが厳しい地域。鍋で煮込み料理や保存食もさまざまあります。この記事では岩手名物のグルメ・お土産を紹介していきます。ぜひ岩手県の美味しいものを味わってください。
TOP画像:瓶ドン(写真提供:宮古観光文化交流協会)
※掲載の情報は2023年5月時点のものです。諸事情により変更となる場合があります
Ⅰ. 新名物・B級グルメ[8選]
1.【宮古市】瓶ドン
瓶に詰まった海鮮をごはんにかけて食べるのが瓶ドン(写真提供:宮古観光文化交流協会)
「瓶ドン」とは三陸が誇る新鮮な食材を使った、見た目にも美しい宮古市の新名物。自分で盛り付けるという新しい海鮮丼です。
岩手県沿岸部の人々は昔から、ウニを牛乳瓶に入れて保存していました。やがて「牛乳瓶入り生ウニ」は観光客にも人気商品となり、「いろいろな海産物を綺麗にビンに詰めたらどうか」と商品化されたのが「瓶ドン」です。
海の宝石のような瓶ドン。中の具材はお店や季節によって異なります(写真提供:宮古観光文化交流協会)
お茶碗か丼ぶりに盛られたあつあつのご飯にの上に、ビンに詰まったたっぷりの海鮮を乗せたら完成。ご飯の真ん中にメインの具材を、周りにメカブをまわしかけるように盛り付けるのがおすすめです。
味付きですので何もかけずそのままいただけます。宮古市で瓶ドンを食べられるお店は2023年3月時点で、市内10店舗です。お土産として販売しているお店もあります。
【瓶ドンが食べられるお店一覧】
●瓶ドンを食べてみよう|宮古観光文化交流会
【オンラインショップ】
●「瓶ドン」通販情報||宮古観光文化交流会
2.【三陸地方】磯ラーメン
磯の香りが食欲をそそります(写真提供:[公財]岩手県観光協会)
磯ラーメンは三陸地方の食材を生かしたラーメンです。塩ベースで、昆布やカツオなどの和風出汁が効いたあっさりしたスープに、中華麺と新鮮な魚介類・海藻をふんだんに載せて提供されます。
磯ラーメンは1969年に大槌町のドライブインで誕生したとされています。現在では岩手県沿岸部で広く見かける定番グルメとなりました。
【磯ラーメンが食べられるお店一覧ページ】
●海鮮ラーメン(磯ラーメン)|野田村観光協会
●磯ラーメン|田野畑村
●大槌の味!「磯ラーメン」のご紹介|大槌町
ほか
3.【大船渡市】さんまら〜めん
岩手県のご当地ラーメンチェーン店「宝介」の大船渡店で提供するさんま味噌ラーメン(写真提供:大船渡市)
さんまら〜めんは、大船渡市の新たなご当地グルメとして2010年12月20日に市内10店舗で提供を開始したラーメン(2023年5月現在は7店舗で提供)。
大船渡で水揚げされたサンマを使用すること、大船渡の宣伝を行う(店にパンフレットを置く、大船渡産のほかの食材を使うなど)こと、価格は一律850円という3つの定義を守っていればOK。
サンマをどう使うかは店舗ごとに工夫を凝らしており、サンマを出汁に使用したり、すり身だんごにして具にしたり、ミリン干しを一尾丸々乗せていたり、いろいろなお店があります。
2013年には、市内のラーメン店「黒船」の名前を冠した、さんまら〜めんのカップ麺が明星食品から全国発売されました。
【さんまら〜めんが食べられるお店一覧ページ】
●大船渡さんまら~めん|大船渡市観光サイト
4.【遠野市】ジンギスカン
あつあつのお肉をタレにつけていただきます(写真提供:[公財]岩手県観光協会)
遠野では昔から焼肉と言えば牛肉ではなくラム肉。遠野では昭和30年頃から羊肉が食べられてきました。今では、スーパーでも、当たり前のように生の羊肉が売られており、遠野の人にとっては、とても身近な食材です。
遠野で最初にジンギスカンを出したお店は「じんぎすかんあんべ」だと言われています。店の初代店主・安部梅吉は戦争中に旧満州で羊肉料理を食べたことがあり、帰国後精肉店兼食堂を開業します。
梅吉は自ら羊肉を取り寄せて、賄い料理として食していました。あるとき、客人にジンギスカンを出したところ喜ばれたため、昭和30年頃から店頭にジンギスカンを出しはじめたということです。
【遠野でジンギスカンが食べられるお店一覧ページ】
●食・お土産|遠野時間
5.【盛岡市】盛岡冷麺
透明感のある麺が美しい盛岡冷麺(写真提供:[公財]岩手県観光協会)
盛岡冷麺は、盛岡の麺職人・青木輝人氏が1954年(昭和29年)に「食道園」の開店に合わせ開発された麺料理。1986年(昭和61年)に盛岡市で開催された「ニッポンめんサミット」に、盛岡冷麺の名店「ぴょんぴょん舎」の前身である「ぴょんぴょん亭」の冷麺が出品され「盛岡冷麺」と名付けられました。
盛岡冷麺の麺は、コシが強く、表面はツルッと喉ごしがいいのが特徴。冷たいスープに、キムチやきゅうりなどの具材がのっていて、さっぱりといただけます。トッピングにはスイカや梨などのフルーツがのっているのが定番。盛岡市内の焼肉店などでいただけます。
【盛岡冷麺が食べられるお店一覧ページ】
●おすすめ「盛岡冷麺」のお店|いわての旅
6.【盛岡市】盛岡じゃじゃ麺
肉味噌と具材を絡めていただきます(写真提供:[公財]岩手県観光協会)
「わんこそば」、「盛岡冷麺」と並ぶ盛岡三大麺のひとつ、「盛岡じゃじゃ麺」。じゃじゃ麺の名店「白龍(パイロン)」の初代が、戦前満州で食べた「炸醤麺(ジャージャンめん)」をもとに、盛岡の人の味覚に合うよう改良したものが「盛岡じゃじゃ麺」となりました。
茹でた麺の上にきゅうり、ネギなどの薬味、肉味噌がのった盛岡市民のソウルフードで、盛岡では最後に「チータンスープ」でいただくのが定番。チータンスープとは、お皿に残したひと口分のじゃじゃ麺に茹で汁と生卵、肉味噌を加えた〆のアレンジ。ぜひトライしてみては。
【盛岡じゃじゃ麺が食べられるお店一覧ページ】
●じゃじゃ麺を食べるなら、おすすめのお店はこちら!|いわての旅
7.【北上市】北上コロッケ
黒毛和牛と二子さといもの濃厚なうまみが特徴(写真提供:[公財]岩手県観光協会)
北上コロッケは北上市のご当地B級グルメです。「北上市に何か名物になるものを」と北上調理師会が、地元産の食材をふんだんに使って作ったのが「北上コロッケ」です。
材料はねばりが強くコクのある「二子さといも」を使います。二子さといもは地元でも特に品質の高いさといもとして知られています。
豊かな自然の中で育った「黒毛和牛」、ビタミンB1やミネラルが豊富な「白ゆりポーク」、県内一の生産量である「アスパラガス」この4つの素材が入っていれば「北上コロッケ」として認定されるので、店舗によりいろいろアレンジがされており、食べ比べが楽しめます。
【北上コロッケが食べられるお店一覧ページ】
●北上コロッケマップ|北上観光コンベンション協会
8.【花巻市】「マルカンビル大食堂」のソフトクリーム
お箸で食べる花巻市民のソウルフード
花巻市にかつて存在した老舗デパート「マルカン百貨店」。2016年惜しまれつつ閉店するも、市民の強い希望により一部フロアが「マルカンビル」として2017年に復活。6階大食堂は往時の雰囲気を残す「マルカンビル大食堂」となり、マルカン百貨店時代に人気だったソフトクリームも復活を果たしました。
マルカンビル大食堂のソフトクリームはなんと10段巻! 高さが25センチもあり、割りばしで食べます。いつから割りばしで食べるようになったのかはわかりませんが、昔からマルカンのソフトクリームは割りばしで食べるものだったそうです。
SNSでも有名になったのでマルカンのソフトクリームを食べるために、県外からもたくさんの人が訪れます。マルカンビル6階、往時の雰囲気を残す「マルカンビル大食堂」でいただくことができます。
【マルカンビル大食堂 基本情報】
●住所:岩手県花巻市上町6-2
●公式サイト:マルカンビル大食堂
Ⅱ. お土産に買いたいお菓子・名産品[7選]
1.【花巻市】ブルージュ プリュスの「平泉黄金バウム」
地元農家が丹精込めて作った素材をふんだんに使った「平泉黄金バウム」(写真提供:ブルージュ)
「平泉黄金バウム」は、2011年に世界遺産に登録された平泉をイメージしたバウムクーヘン。中尊寺の金色堂の宝珠のような形で、名前の通り黄金色に輝いています。この色は純度99.99%の食用金箔やパールパウダーを使用することで実現。
卵は、岩手県・菊地農場で作られる「奥州黄金の里卵」を使用。そのほか岩手県で作られたお米「金色の風」や粟の「ゆいこがね」、きびの「ひめこがね」を使用しています。
雑穀を使っているので独特のふわふわ感があり、甘さはちょうどいい具合。復興庁が選定する「世界にも通用する究極のお土産 -「新しい東北」の挑戦- 」に選定された一品です。
【公式サイト】
岩手の黄金素材を使った「平泉黄金バウム」登場!!(株式会社ブルージュ)
【購入できる場所】
●ブルージュ プリュス 花巻店
住所:岩手県花巻市星が丘1-28-4
●おでんせ館1F 岩手路
住所:岩手県盛岡市盛岡駅前通1-44 盛岡駅ビル・フェザン内)
ほか
2.【大船渡市】さいとう製菓の「かもめの玉子」
見た目も美しくお茶うけ菓子にぴったりの「かもめの玉子」(写真提供:さいとう製菓)
「かもめの玉子」は、約70年の歴史を持つ有名なお菓子。名前の通りカモメの卵がモチーフです。素材は大手亡(おおてぼう=いんげん豆の一種の白い豆)、白ザラメ、北東北産のキタカミ小麦を使用。
しっとりほくほくの黄味餡をカステラ生地とホワイトチョコで包んでいます。バリエーションもいくつかあり、「紅茶香るかもめの玉子」や「翼竜の玉子」、「かもめの玉子ミニ」などがあります。
【コーポレートサイト】
かもめの玉子のさいとう製菓
【購入できる場所】
●かもめテラス 三陸菓匠さいとう 総本店
住所:岩手県大船渡市大船渡町茶屋前7-31
●三陸菓匠さいとう 盛岡国分通り店
住所:岩手県盛岡市月が丘三丁目30-8
●三陸菓匠さいとう 盛岡フェザン店
住所:岩手県盛岡市盛岡駅前通1-44 盛岡駅ビル・フェザン内 おでんせ館1階
ほか
【オンラインショップ】
●さいとう製菓株式会社 ONLINE SHOP
3.【一関市】松栄堂の「ごま摺り団子」
とろりと溶け出すごま蜜と団子のもっちり食感はやみつきに(写真提供:松栄堂)
一関市地主町に本店を置く「菓匠 松栄堂」の名物「ごま摺り団子」は、もちもちとした白いだんごの中、香ばしいごま蜜が入った冷凍和菓子です。
口の中でごま蜜がとろけるのがたまりません。松栄堂では、ごま摺り団子のために東北産を中心としたうるち米を独自にブレンドして米粉を作り、研究を重ねて独特の食感を生み出しています。
ごま専門店が厳選した黒ごまを100%使用し2種類のごまをごま摺り団子用にブレンド・焙煎し、県内の老舗の醤油を使ってごま蜜を作っています。
【公式サイト】
菓匠 松栄堂
【購入できる場所】
●菓匠 松栄堂 総本店
住所:岩手県一関市地主町3-36
●菓匠 松栄堂 中野店
住所:岩手県一関市山目泥田89-1
●菓匠 松栄堂 イオン一関店
住所:岩手県一関市山目泥田89-1 イオン内
●菓匠 松栄堂 盛岡駅ビルフェザン店
住所:岩手県盛岡市盛岡駅前通1-44 盛岡駅ビル・フェザン内おでんせ館1F
ほか
【オンラインショップ】
●菓匠 松栄堂|商品一覧
※クール冷凍便での発送
4.【岩泉町】岩泉ヨーグルト
岩泉町の名所・龍泉洞にちなんだ龍のイラストがキュートなパッケージ(写真提供:岩泉ホールディングス)
岩泉ヨーグルトは、ヨーグルトなのに「もちっと感」「弾力感」があるのが特徴です。このもっちりした食感は33℃で20時間発酵させる、低温長時間の熟成発酵によって生まれます。
岩泉ヨーグルトはパッケージにも秘密あり。プラスチック容器ではなくアルミの袋に詰めているのは、光と空気を通しにくい容器と低温長時間発酵製法との相性がぴったりだからです。
また、香料、保存料、着色料、凝固剤等は一切使用しておらず、自然本来のおいしさが味わえます。「道の駅いわいずみ」等の店舗で購入できるほかオンラインでも購入可能。ふるさと納税の返礼品として入手することもできます。
岩泉ヨーグルトを製造・販売する岩泉ホールディングスでは、ヨーグルトのほかにも、牛乳、ジェラートなどの乳製品、スキンケア用品などを扱っています。「道の駅いわいずみ」やオンラインショップで購入可能です。
【公式サイト】
●岩泉ヨーグルト|岩泉ホールディングス株式会社
【購入できる場所】
●道の駅いわいずみ
住所:岩手県岩泉町乙茂90-1
ほか
【オンラインショップ】
●岩泉ヨーグルト通販|岩泉乳業オンラインショップ
5.【釜石市】中村家の「三陸海宝漬」
きらきらと美しい「三陸海宝漬」。一番人気の350g入りは5000円(写真提供:中村家)
めかぶ醤油漬と柔らかく煮上げたあわび、濃厚いくらをひとつの器に盛り付け販売している中村家の「三陸海宝漬」。炊き立ての白ごはんにかければ、三陸の海のごちそうの出来上がりです。
中村家は海鮮料理店から始まった水産加工会社。三陸海宝漬はもともと、料理店で提供していたメニューでした。「持ち帰って家でも食べたい」「大切な方に送りたい」というお客様の声を反映し、お土産として購入可能な商品を開発。地元の食材にこだわり、ふるさと納税の品にもなっています。オンラインショップでも購入可能です。
【公式サイト】
海宝漬 中村家
【購入できる場所】
●中村家 直営店
住所:岩手県釜石市鈴子町5-7
ほか
【オンラインショップ】
●海宝漬 中村家オンラインショップ
6.【陸前高田市】八木澤商店の醤油/発酵マーケットの発酵食品
八木澤商店「奇跡の醤」(写真提供:八木澤商店)
八木澤商店は210年以上の歴史を持つ老舗醸造所。江戸時代の1807年(文化4年)に創業した八木澤酒造が前身です。
2011年の東日本大震災では、蔵と工場が全壊・流失するなど甚大な被害を受け、一時はほかの醸造蔵に製造を委託。2013年から、新たな自社製造工場での製造を再開しています。
人気商品はしょうゆと味噌。しょうゆは、奥深い香りと味わいが特徴です。ラインナップも豊富で、奇跡的に見つかった震災前の〝もろみ〟を使用した「奇跡の醤(ひしお)」のほか、ぽん酢などしょうゆ加工品も。シンプルな素材を使っているものばかりなので、野菜や肉、魚など素材の味を引き立てます。
「発酵食堂やぎさわ」でいただける塩麴シャケのはらこ飯(写真提供:八木澤商店)
店舗は「陸前高田発酵パークCAMOCY」にある「発酵食堂やぎさわ」(「発酵マーケット」併設)と、大型商業施設内にある「やぎさわカフェ」の2店舗。いずれも陸前高田市内にあります。「発酵食堂やぎさわ」では、八木澤商店の醤油やもろみなどを使った魚や肉の麹漬け、イクラの醤油漬けなどを、地元産の炊き立てのお米と一緒にいただけますよ。
「発酵食堂やぎさわ」に併設のショップ「発酵マーケット」では八木澤商店の醤油・味噌など、日本や世界の発酵食品をセレクトして販売。店長さんのいちおしは「梅醤焙じ茶」。夏は冷やして飲んで水分補給にぴったり、冬は温かく淹れて飲めば体がぽかぽかに。お土産にも喜ばれます。
【公式サイト】
●八木澤商店
【購入できる場所】
●発酵マーケット
住所:岩手県陸前高田市気仙町町308-5 陸前高田発酵パークCAMOCY内
ほか
【オンラインショップ】
●醤油・味噌・スープをお取り寄せ|八木澤商店
7.【県北エリア】南部せんべい
汁物に入れて「せんべい汁」に入れるなどアレンジ料理も豊富な南部せんべい(写真提供:[公財]岩手県観光協会)
南部煎餅の由来は諸説あります。600年ほど前、長慶天皇が南部地方(※)に訪れましたが、食事に困り、家臣の赤松助左衛門が近くの農家からそば粉と胡麻を手に入れ、自分の鉄兜を鍋の代わりにして焼き上げたものを天皇に食事として出した、というものが代表的です。
その後、450年ほど前には非常食として食べられていたようです。また、南部藩の領民は白いお米は手に入らなかったので、そばや大麦を主原料として主食やお菓子・おやつとして食べられていました。
明治時代になって、小麦粉が主原料となった頃から商品として本格的に作られるようになり、小麦粉を水で練って円形の型に入れて堅く焼きます。縁に「みみ」と呼ばれる薄くカリッとした部分があるのが特徴です。
【購入できるお店一覧ページ】
●南部せんべい|岩手県観光ポータルサイト いわての旅
【オンラインショップ】
●南部せんべい屋
●南部せんべい乃巖手屋(いわてや)
●宇部煎餅店オンライン
ほか
Ⅲ. 伝統料理・郷土料理[6選]
1.【一関市・平泉町】餅料理
あんこ餅やきなこ餅はもちろん、みぞれ餅、ホヤ餅、桃のコンポート餅、ガスパチョ餅などさまざまな餅料理があります。 ※写真はイメージ(写真提供:一関市)
一関・平泉は餅文化が豊かな土地です。餅料理は300種類以上に及びます。一関・平泉には「餅暦」というものがあり、年間で60回以上餅を食べる日があります。年中行事や人生の節目に欠かせないのが餅料理なのです。
あらたまった席で儀礼として食べる「もち本膳」というものもこの地域独特の料理としてあります。「もち本膳」を食べるには作法や決まりがあり、流派まであります。武家社会に伝わる礼儀作法の「小笠原流」と料理の家元の「四条流」です。
【もち料理が食べられるお店一覧ページ】
●一関市公式観光サイト いち旅|もち料理
●岩手県観光ポータルサイト いわての旅|もち料理
2.【全域】ひっつみ汁
寒い日に食べればじんわり体が温まる「ひっつみ汁」
「ひっつみ汁」とは「すいとん」のこと。小麦粉を水でこねた生地を薄くのばし、ちぎって鍋に入れて作ります。この手でちぎることを、方言で「ひっつまむ」と言い、そこから「ひっつみ」になったといわれています。
具材や出汁は地域や家庭により違いますが、だいたい、ごぼう、ニンジン、長ネギ、鶏肉、キノコなどを煮込んだ汁にひっつみを入れます。家庭でも食べますし、地域での集会などでも食べます。元々は米が不作の時、米を使わない料理として、小麦やそば粉でこの料理を作って食べていました。
【ひっつみ汁が食べられるお店一覧ページ】
●岩手県観光ポータルサイト いわての旅|ひっつみ
関連ページ:うちの郷土料理|ひっつみ/ひっつみ汁
3.【西和賀町】納豆汁
納豆汁は体のあたたまる伝統的な郷土料理です。納豆のほか、さわもだしというキノコ、わらび、高菜漬、豆腐は必ず入れるものとされています。
納豆は、ほかの具を入れた味噌汁を適量加えて混ぜ、混ぜた物をよくつぶし、のばして入れます。納豆をつぶしのばすことで、汁の中でかたまるのを防ぎ、なめらかな納豆汁になります。
【納豆汁が食べられるお店】
●湯夢プラザ(岩手県西和賀町川尻40-73-11)
※冬季限定
ほか
関連ページ:いわての文化情報大事典|納豆汁
4.【洋野町・久慈市】いちご煮
「いちご煮」はウニとアワビを使った贅沢な逸品
いちご煮とは青森県・八戸市〜岩手県・久慈市にかけて食べられている伝統的な料理で、ウニとアワビを塩汁に仕立てたもの。ウニとアワビの共煮ともいわれ、お正月や結婚式等の行事に食べるごちそうです。
煮たウニの身が木いちごの実に似ていることから、地元では「いちご煮」と呼び親しまれてきました。最近では缶やパウチで売られているので、手軽に手に入ります。
そのまま、スープとして食べても美味しいですし、茶碗蒸しや炊き込みご飯の素として使ったり、ごはんを加えて雑炊にしても美味しく食べられます。
【オンラインショップ】
●高級海鮮素材店 宏八屋
●久慈の小袖屋|いちご煮
ほか
関連ページ:いちご煮|岩手県洋野町/いちご煮・磯汁|久慈市
5.【久慈市】まめぶ汁
丸いおだんごの中にクルミが入っています
「まめぶ汁」とは、久慈市山形町(旧山形村)の、正月や冠婚葬祭でふるまわれる郷土料理です。煮干しや昆布出汁が利いた汁に、にんじんやごぼうなどの野菜と焼き豆腐、クルミを包んだ小麦粉のだんご「まめぶ」を入れて煮込みます。あまじょっぱい不思議な味が魅力です。
名前の由来は、だんごが「豆粒大である」からという説や、「まり麩に似ている」からという説、「忠実忠実(まめまめ)しくいられるように」と意味が込められている説があります。
おめでたい時にはだんごを大きく、不幸ごとのときにはだんごを小さくし出汁を昆布のみの精進料理にします。地域や家庭により入れる野菜などは異なりますが、煮干と昆布でだしをとること、醤油味であること、だんごにクルミを入れることは共通しています。だんごには黒砂糖を入れる地域もあります。
NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』で紹介され、認知度が上がり、観光客にも人気です。久慈市内で食べられる店舗が増え、手作りセットも販売されています。
【まめぶ汁が食べられるお店】
●道の駅くじ やませ土風館 地場食材レストラン山海里
住所:岩手県久慈市中町2-5-6
●北三陸久慈の旬鮮レストラン・お食事処 おおみ屋
住所:手県久慈市長内町第34地割26-1
●まめぶの家
住所:岩手県久慈市山形町荷軽部1-59-6 ※要予約
ほか
6.【盛岡市】わんこそば
10〜15杯で通常のおそば一杯分です
島根県の「出雲そば」、長野県の「戸隠そば」と並び、「日本三大そば」のひとつに数えられている岩手県の「わんこそば」。お椀に蓋を閉めるまで、ひと口分のそばを給仕さんが次々にお椀に入れてくれます。
南部地方に伝わる「そば振る舞い」が原型といわれており、400年余りの歴史があるわんこそば。現在では盛岡市の「東家」を筆頭に、岩手県内各地で味わうことができます。
【わんこそばが食べられるお店一覧ページ】
●いわての旅|おすすめ「わんこそば」のお店
関連ページ:いわての文化情報大辞典|わんこそば(盛岡市)
まとめ
岩手には子どもから大人まで楽しめる美味しいグルメがたくさんあります。
高級グルメからお菓子までいろいろあって楽しいですね。
海の幸は本当に宝石のようで、舌も目も楽しませてくれます。お土産にも喜ばれますよ。
岩手に行かれた時にはぜひ寄ってみてください。
Text:hougaku_omori/Erika Nagumo Edit:Erika Nagumo
Photo(特記ないもの):PIXTA
参考:いわての文化情報大事典/農林水産省 うちの郷土料理/いわての旅:岩手県観光ポータルサイト/各自治体ホームページ/公式パンフレット ほか