納豆好きにはたまらない納豆専門店の「こだわり納豆」。全国には様々な納豆専門店や納豆を使った創作料理店が和多く存在します。
この記事では、納豆大好きライターが「こだわりの納豆専門店」「納豆創作料理のお店」を新たに厳選して9店を紹介。日本の伝統食品「納豆」をめぐる旅の参考にしてください。
※記載の情報は全て2024年3月末時点のものです。表記価格は全て税込み価格ですが、今後変更される可能性もあります
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納豆販売専門店の紹介
歴史ある納豆専門店では、独自のこだわりで丹精込めて作り上げた特別な納豆を購入することができます。普段スーパーで手に取るような、大きな工場で作られた納豆とはまた違う味わいを楽しんでください。
通販でも購入できますが、現地を訪れればお店の方と話をしながら買い物ができるかもしれませんよ。
(神奈川県)大豆と水にとことんこだわる「鎌倉山納豆」
古都鎌倉らしい風情ある本店外観(写真:野呂食品株式会社)
鎌倉山納豆は、神奈川県鎌倉市で長年にわたり納豆作りをしているお店。2024年の6月で創業70年を迎えます。
こだわりは、大豆と水。使用する大豆は、遺伝子組換え大豆混入防止対策済みで産地指定のものだけを使います。
水は、0.1マイクロメートル(※1)という非常に細かい目の浄水器でろ過することで、微生物やトリハロメメタンなどの有害成分を除去
※1:1マイクロメートルは1mmの1000分の1
(左)粘りの強さが一目瞭然(右上)看板商品の鎌倉小粒(右下)手作り納豆が所狭しと並ぶ店内(写真:野呂食品株式会社)
原料にこだわることで、安心安全とおいしさを担保し、納豆という伝統食品の素晴らしさを追求しているそうです。
全国納豆鑑評会においても、最優秀賞や優秀賞などを何度も受賞するほどの納豆をぜひ、味わってくださいね。
おすすめは、2022(令和4)年の第26回全国納豆鑑評会(※2)において、最優秀賞を受賞した「鎌倉小粒(40g×2、245円)」です。とても粘りが強く、においも少ない美味しい納豆で、納豆好きの息子も絶賛でした。
※2:全国納豆鑑評会とは全国納豆協同組合連合会が主催する品評会。全国からおよそ100店舗が参加する大イベントで、納豆を「外観」「香り」「味と食感」の3つの項目で評価
【鎌倉山納豆】
●住所:神奈川県鎌倉市腰越4-10-8
●公式サイト:納豆屋さんどっと混む by鎌倉山納豆
(東京都)経木で包んだ国産大豆納豆「天草納豆」
(左上から時計回りに)選りすぐりの高級大豆を使った経木納豆、経木納豆「土・小粒(100g、410円)」、経木納豆「金・黒大豆(80g、590円)」(山わさびを添えて)、ドライ納豆各種(写真:天草納豆)
天草納豆は、東京都三鷹市にある納豆専門店。原料には全て国産の遺伝子組換えでない大豆を使用しています。
商品の特徴は、経木に包んだにおいとねばりを抑えた納豆であること。黄大豆は極小粒から大粒まで4種類、青大豆、黒大豆は各1種類ずつの異なる納豆を作っています。
経木に包んで備長炭の熱で発酵させることで、においが少なく、糸引きも柔らかい納豆になるそう。
(写真左)良質な丹波黒大豆「飛切」を使用した、日本一の高級納豆「丹波黒-飛切-(3000円)」(写真右上)製造風景(写真右下)和モダンな雰囲気漂う店舗入り口(写真:天草納豆)
日本一の高級納豆「丹波黒-飛切-(3000円)」を筆頭に、経木納豆はふっくらとした豆が特徴の「土・小粒(100g、410円)」や、日本酒にも合う「金・黒大豆(80g、590円)」等をそろえます。
特に、飛切を使った納豆は全国でも天草納豆でしか購入できない一品。お店を訪れた際は、ぜひお土産にしたいですね。
生きた納豆菌による健康効果が期待できる、「ドライ納豆(6.5g×8袋、800円)」もおすすめ。罪悪感の少ないチョコ味や、お酒にも合うかつお出汁やわさび味など6種類を展開中です。
【天草納豆】
●住所:東京都三鷹市野崎2-20-12
●公式サイト:天草納豆
(埼玉県)街の老舗納豆屋さん「ひしや納豆製造所」
(写真左)看板商品の熊谷納豆300円、(写真右上)ご当地キャラター豆吉くんが目印の行田納豆220円、(写真右下)盛り付けられた行田納豆(写真:ひしや納豆製造所)
ひしや納豆製造所は埼玉県行田市にある納豆専門店。1876(明治9)に、独自の桶納豆製法による納豆づくりをはじめ、今日まで地元を中心に多くの人々に親しまれてきました。昔ながらの伝統製法で手作りされる納豆は、風味豊かと評判です。
低圧釜でじっくり蒸したふっくらモチモチの大豆を、手作りの木箱に入れて発酵させることで、甘み広がる香りの良い納豆が出来上がります。
(写真左)「街の納豆屋さん」として地域から親しまれるお店の外観、(写真右)付近を訪れた際はぜひお土産購入を(写真:ひしや納豆製造所)
ひしや納豆製造所の看板商品「熊谷納豆(50g×2、300円)」には、大きくふっくらとした熊谷在来妻沼茶豆を使用。従来の納豆とは一線を画した、控えめな糸引き具合と、たれやからしが付属しないことが大きな特徴です。
熊谷納豆は、ほろ苦さとうま味だけでなく、豆の甘さを感じる自慢の一品。砂糖をかけるとおいしいスイーツにもなりますよ。
「行田納豆(50g×2、220円)」は、希少な行田産の青大豆を使った、爽やかな風味を味わえる一品。お酒との相性もぴったりで、おかずだけでなくおつまみとしてもおすすめです。
【ひしや納豆製造所】
●住所:埼玉県行田市旭町 5-5
●公式サイト:ひしや納豆
(愛知県)香りのよいこだわりの納豆「山下納豆」
受賞歴のある看板商品「心和(こころなごみ)」(写真:山下食品株式会社)
山下納豆は愛知県岡崎市にある昭和40年創業の手づくり納豆専門店。ほかの企業とは異なる独自の技術と製法で、大豆本来の風味が味わえると好評です。
第二十一回全国納豆鑑評会で最優秀賞を受賞した「心和(こころなごみ)(70g×2、1080円)」は、極大粒の「鶴の子大豆」を使用。仕込み時間を長くすることで、くせのない柔らかい納豆に仕上がります。とても高級な納豆ですが、値段に負けないおいしさで、すぐに品切れになるほどの人気です。
手作り納豆の製造風景(写真:山下食品株式会社)
そのほか、大粒、中粒、小粒、ひきわりの納豆には、それぞれ異なる品種の大豆を使用。各大豆の特性に合わせた、豆本来の美味しさを楽しめる商品ばかりなので、こちらも併せてご賞味あれ。
山下納豆の手作り納豆は、愛知県内はじめ首都圏の百貨店にて取り扱い中。また、毎週月~土曜13:00〜15:30は工場直売を実施しています。工場直売を利用する際には、商品が売り切れていないか事前に問い合わせをするようにしましょう。
【山下納豆】
●住所:愛知県岡崎市暮戸町元社口9
●問い合わせ:0564-31-2847
●公式サイト:山下納豆
(新潟県)一客再来を目指すおいしい納豆「大力納豆」
大力納豆は新潟県魚沼市にある創業80年を越える老舗の納豆専門店。職人が吟味した大豆を使い、魚沼のきれいでおいしい水を使った納豆は、多くのリピーターに愛されています。
大力納豆の納豆作りはその年の一番良質な大豆を探すことから始まります。さらに八海山系の伏流水の湧き水を使うことで品質を追求し、強い粘りを持つおいしい納豆ができるのです。
新潟県産のエンレイ大豆大粒を使った「小出っ子(50g×2、200円前後)」は第三回全国納豆鑑評会で最優秀賞を受賞した人気商品です。
2024年1月には、糀入りの納豆「糀入味付納豆(120g、250円前後)」が、「魚沼市プレミアム認定品(魚沼にしかない特性を生かしてつくられたブランド品)」に認定されています。
【大力納豆】(株式会社大力納豆)
●住所:新潟県魚沼市十日町360-6
●公式サイト:大力納豆
納豆を使った創作料理を出すお店
もはや日本の国民食ともいえる納豆。自宅で食べるという方が多いかもしれませんが、実は納豆料理の専門店は、全国にたくさんあるんです。
なかでも、ここからは納豆大好きライターが厳選した4店をご紹介。納豆の本場・茨城の一風変わった納豆料理や、納豆好き店主による居酒屋など、どれも気になりますね。
(茨城県)水戸のこだわり納豆料理「山翠」
(写真左上から時計回りに)4月~9月限定の納豆会席3500円、納豆をかき揚げにした納豆天婦羅660円、内観、納豆と刺身をごまだれで食べる納豆道楽1320円(写真:水戸山翠商事)
山翠(さんすい)は、茨城の伝統料理である「あんこう鍋」「納豆料理」「奥久慈しゃも料理」などを提供する茨城県水戸市にある郷土料理店。
なかでも茨城県産納豆にこだわり、素材を存分に生かした納豆創作料理が評判です。さまざまな食べ方で納豆を味わえる一品料理と、4月~9月限定で提供する納豆会席「偕楽の宴3500円」があります(納豆会席は利用する2日前までに予約が必要)。
おすすめメニュー、ぶな豚のしゃぶしゃぶ2750円(写真:水戸山翠商事)
お店のおすすめは「ぶな豚のしゃぶしゃぶ2750円」。茨城北部にある奥久慈地方のブランド豚・ぶな豚は、強い甘みとうま味、深いこく、アクの少なさが特徴です。塩やポン酢のほか、納豆つけ汁につける食べ方が新鮮かつ水戸らしいと人気を集めています。
一品料理「納豆道楽1320円」は納豆と新鮮な海鮮類(貝類・イカ・マグロ・甘エビなど)を胡麻だれでいただきます。
季節によって内容が変更になる場合がありますが、納豆会席には干し納豆やそぼろ納豆、納豆春巻きや納豆湯葉巻きなど、バラエティに富む納豆料理が並びます。
店舗入り口や内観。落ち着いた雰囲気で料理を楽しめそうです(写真:水戸山翠商事)
【茨城郷土料理 元祖あんこう鍋 山翠】
●住所:茨城県水戸市泉町2-2-40
●公式サイト:茨城郷土料理 山翠
(兵庫県)納豆好き店主の居酒屋「創作納豆料理店 南豆」
(左上から時計回りに)納豆つくね480円、ポテサラ580円、納豆せんべい380円、藁納豆ご飯680円(卵トッピング+100円)(写真:南豆)
創作納豆料理店 南豆(なんとう)は、日本酒を片手に納豆の様々な食べ方を楽しむことができる居酒屋。
京都にある「納豆創作料理 夏豆」の料理に感銘を受け、「納豆の新しい食べ方を楽しんでもらいたい」と元栄養士の店主が2023年12月にオープンしました。
白浜ショップモールの一角にあるお店は17:00からの営業。2024年の夏からはランチ営業も始めるそうで、今から期待が膨らみますね。
人気の料理は、「ポテトサラダ」「納豆つくね」「焼き餃子」とのこと。砂糖はなるべく使わない、納豆やほかの食材を生かしたヘルシーな納豆創作料理とお酒を楽しめます。
日本酒は兵庫県の地酒をそろえます(写真:南豆)
【創作納豆料理店 南豆】
●住所:兵庫県姫路市白浜町394-3 白浜ショップモール
●公式インスタグラム:南豆
●予約:南豆(食べログ)
(岡山県)SDGsに挑戦する納豆専門店「経木納豆 まめいち」
(写真左から)納豆250円、納豆巻き600円、麹納豆(100g)400円(写真:経木納豆 まめいち)
経木納豆 まめいちは、2022年に創業した岡山県岡山市にある納豆専門店。大粒の国産大豆を使った納豆が看板商品です。
店主の石田さんは、「プラごみ」を出さない納豆を作ろうと一念発起し、独学で納豆作りを始めました。
「経木納豆(90g、250円)」は納豆を経木で包んだ、香りもマイルドな食べ応えある一品。プラスチック容器を使わないことで環境にも優しい商品です。
岡山産の甘口醤油を使った「麹納豆(100g、400円)」は、塩辛さもなく万人受けしそうな美味しさ。味噌汁に入れてみたところ、麹のこくによるうま味を感じられました。現在開発中の乾燥納豆も、販売開始が楽しみです。
お店では、甘酒(1杯350円)や具だくさん納豆巻(1本600円、水・土曜のみ販売)、コーヒーなどを提供。イートインはもちろんテイクアウトも利用可能ですが、どちらの場合も事前に電話で取り置きをお願いするのがおすすめです。
月・木・日祝日が休業日ですが、営業日でも商品が売り切れ次第臨時休業になることがあります。営業日時に関して、詳しくは公式インスタグラムでご確認ください。
【経木納豆 まめいち】
●住所:岡山県岡山市南区福富東1-6-21(フクハマショッピングセンター敷地内)
●問い合わせ:080-4262-3239
●公式インスタグラム:経木納豆 まめいち
(愛知県)伝統とうまみが融合「納豆発酵料理 西豆」
納豆発酵料理 西豆の入り口(写真:納豆発酵料理 西豆)
納豆発酵料理 西豆は、納豆と発酵料理に特化した創作料理を提供する愛知県名古屋市にある和食店。
日本伝統の和食のおいしさと健康効果を伝えるために、発酵食材や納豆を主役にした料理を提供しています。
(写真左から時計回りに)2024年4月から販売を開始した「春の発酵御膳」、さっぱりと仕上げた夏におすすめの「冷やし納豆梅茶漬け」、モダンな雰囲気の店内(写真:納豆発酵料理 西豆)
ランチでは納豆を食べやすくアレンジした料理を、ディナーでは発酵食材を使った健康を意識したコース料理を堪能できると評判で、人気を集めます。
愛知県は日本伝統の「味噌」「みりん」「酢」といった発酵食品の聖地でもあります。納豆をはじめとした発酵食材を、低農薬栽培された地元産の野菜や旬の素材と一緒に創作料理で味わってみませんか?
【納豆発酵料理 西豆】
●住所:愛知県名古屋市千種区覚王山通9-19 覚王山プラザ地下1階
●公式サイト:西豆
自分好みの納豆を探す旅に出かけましょう
この記事では、手作り納豆の販売店や納豆料理の専門店を紹介しました。日本の伝統食品である納豆は、「大豆」「水」「発酵条件」によって大きく風味や味が変わるため、食べ比べてみるときっと味の違いに驚くことでしょう。
寒さが緩みはじめる春は、旅行にも適した季節。今回紹介したお店だけでなく、これまでに紹介した納豆メーカーや納豆専門店、納豆料理を味わえるお店を訪れてみてはいかがでしょうか?
色々な納豆を食べて自分だけのお気に入りを見つけるのも楽しいですよ。もちろん紹介した納豆は通販で購入できるものも多くあります。まずは買いそろえた納豆を、自宅で試してみるのも良いですね。
Text:額田善之(ぬかだ・よしゆき)
北海道と東北以外の県はすべて旅行した旅ライター。オートバイでツーリングをして名物や銘菓を食べるのが趣味のアウトドア派。岡山県出身。納豆の健康効果を紹介する個人ブログ「納豆人甚Gene」を運営中。健康や旅行、武道、キャンプなどのSEOライティング執筆を受託。少林寺拳法有段者で「武道・道場ナビ」でも執筆中。
Edit:Sakura Takahashi
Photo:記載の各社提供
参考資料:
姫路に創作納豆料理店 納豆好きの女性店主が出店|姫路経済新聞/納豆品評会/各店の公式サイト