【阿波踊り】の起源や魅力
【阿波踊り】桟敷席とは?演舞場とは?基礎知識を学ぼう
2023年の日程・開催概要
2023年の会場について
公演のチケットを購入しよう
2023年の駐車場は?
【阿波踊り】徳島市以外で観覧できる穴場を紹介!
まとめ:【阿波踊り】感動の伝統芸能を楽しみつくそう

阿波踊りはかつての阿波国(現在の徳島県)を発祥とする盆踊りで、日本三大盆踊りの一つに数えられるほどメジャーな踊りです。
毎年、国内外から100万人を超える観光客が訪れます。「エライやっちゃ!エライやっちゃ!~」「踊る阿呆(あほう)に観る阿呆〜」など独特な掛け声の踊りといえば、ピンとくる方も多いのではないでしょうか。

1586(天正14)年ごろに発祥したとされる阿波踊りには400年の歴史があり、民衆の生活や文化に根付いて各地で発展し、今では日本の伝統芸能になっています。
本記事では、世界で愛される阿波踊りの2023年の開催情報やその魅力について解説します。

【阿波踊り】の起源や魅力

阿波踊りの起源と概要、その魅力や見どころについてまとめます。文化的な背景や観賞するポイントを知っておけば、祭り当日をより楽しむことができるでしょう。

阿波踊り

一糸乱れぬ踊りを披露する踊り子たち

【阿波踊り】の起源

起源は諸説ありますが、地元の伝承から「蜂須賀(はちすか)入城起源説」が有力だと考えられています。
この説は「徳島城築城の際、城主の蜂須賀家政がふるまった祝い酒を町民が喜び、踊ったことが始まりだ」というものです。

「元々この地域の盆踊りであった」という説もあるように、築城の祝宴で大きく盛り上がったことで、徳島を代表とする踊りになったのかもしれませんね。

【阿波踊り】の概要と魅力や見どころ

阿波踊りは、連と呼ばれる踊り子たちのグループごとに特徴的な振り付けで踊るものです。20〜200人くらいの規模の学生連/企業連/有名連などさまざまな団体の連があり、その数は1000組を超えます。

阿波踊りは二拍子の軽快で陽気なリズム「ぞめき」に乗り、「エライやっちゃ!~」「ヤットサー」「踊る阿呆に〜」などの囃子ことば(はやしことば)と呼ばれる掛け声とともに踊ります。

踊り子が口ずさむ唄は、「よしこの」という江戸時代後期に流行した民謡で、「踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃそんそん」というフレーズが有名です。連ごとに内容が異なりますが、「よしこの」の基本型である七七七五の4句26文字の詩型にそったフレーズになっています。

阿波踊り踊り子

洗練されたプロの踊りは必見です

阿波踊りの興味深いところは、ただ手足を交互に強く前に押し出すという単純な動作でありながら、男踊りと女踊りでは全く別の踊りになること。男踊りは、腰を落として足も肩幅程度に開いた前傾姿勢で、どっしりと構えて踊ります。音楽に合わせて手足を動かす姿は、力強くダイナミック。反対に女踊りは、手を顔よりも高く掲げ、つま先立ちで踊ります。手のひらや上体を音楽に合わせてひらひらと動かすことで、艶やかで気品ある踊りになるのです。

そうした踊りに欠かせないのが、各連に所属する「鳴り物陣」です。彼らが打ち鳴らす、「鳴り物」と呼ばれる三味線や鐘、太鼓などの音色が、踊り子たちの姿を引き立てます。賑やかな音楽と、ダイナミックかつ繊細に踊る踊り子が一体になる瞬間が、この阿波踊りの醍醐味であり見どころです。

連の中でも特に技術面で優れた連は阿波おどりの各協会に属し、有名連と呼ばれます。一糸乱れぬ踊りを見せる有名連の踊りを見て、その迫力と美しさに心を動かされたという人は少なくないでしょう。

また、連に入っていなくても、飛び入りで参加できるにわか連という連も用意されており、盛り上がった観衆も一緒に踊りを楽しめることも大きな魅力になっています。

鳴門市にわか連

飛び入り参加で踊る人々(写真:鳴門市うずしお観光協会)

屋外の演舞場の中には全長が約170mにおよぶ会場もあり、その長い道を踊り子が行進しながら踊る様子は見ごたえ抜群です。阿波踊りが世界中で愛される理由は、掛け声と祭り特有の雰囲気、人々の高揚感を含めたぞめきを体感できるからでしょう。

【阿波踊り】桟敷席とは?演舞場とは?基礎知識を学ぼう

阿波踊りには、独特の専門用語がいくつかあります。以下に用語の意味を解説します。

桟敷と流し踊りについて

多くの観衆が阿波踊りを見学できるように、ひな壇状の段差を設けた観覧席を桟敷(さじき)席といいます。石段や背もたれのない映画館の席のようなイメージです。
屋外の演舞場は80〜170mにも及ぶ長い会場であるため、連が隊列を組んで前に向かって行進しながら踊る流し踊りを観覧できます。

藍場浜演舞場

藍場浜演舞場の様子。中央の道を連が行進し、観客は両脇の桟敷席から踊りを見ることができます

演舞場やおどり広場について

演舞場もおどり広場も、阿波踊りを踊るための会場のことです。
このうち、演舞場は有料/無料の会場や屋内/屋外などの会場に区分され、基本的には屋外会場には桟敷席(後述)が設けられます。
一方、おどり広場は無料であり、屋内/屋外の会場に分けられますが桟敷席はありません。

2023年の会場概要は以下のとおりです(詳細は後述)。
・有料演舞場(屋外):藍場浜演舞場/南内町演舞場
・有料演舞場(屋内):アスティとくしま/あわぎんホール/阿波おどり会館
・無料演舞場(屋外のみ):両国本町演舞場/新町橋演舞場/両国橋南おどりロード
・無料おどり広場(屋外):新町橋東おどり広場/両国橋南おどり広場/アミコドーム
・無料おどり広場(屋内):シビックセンターさくらホール

2023年の日程・開催概要

2023年は前夜祭も含め、5日間の日程で開催です。

●期間:
 2023年8月12日(土)〜8月15日(火)
 ※2023年8月11日(金)は前夜祭
●時間
 8月12日(土)〜8月15日(火) 11:00~22:00頃
 8月11日(金) 12:00~21:00頃
●場所:徳島市中心部(徳島県徳島市)
●公式サイト:2023阿波おどり公式サイト

2023年の会場について

2023年の阿波踊り開催場所と詳細は下記のとおりです。

前夜祭(有料)

日時:2023年8月11日(金)
場所:アスティとくしま(徳島市山城町東浜傍示1-1)
詳細:阿波おどり振興協会及び徳島県阿波踊り協会による協会ごとの合同演舞
※開場は開始1時間前、公演時間は約80分

選抜阿波おどり(有料)

日時:2023年8月12日(土)~15日(火)
場所:あわぎんホール(徳島市藍場町2丁目14)
詳細:阿波おどり振興協会及び徳島県阿波踊り協会による協会ごとの合同演舞
※開場は開始30分前、公演時間は約70分

有料演舞場

日時:2023年8月12日(土)~15日(火)
場所:①南内町演舞場
   (徳島市南内町1丁目4)
   ②藍場浜演舞場
   (徳島市藍場町1丁目7)
詳細:連ごとの演舞(流し踊り)
※開場は開始30分前(藍場浜演舞場の12日は開幕式のため17:00開場)
※その日の最後の演目として、阿波おどり振興協会に所属する16の連、総勢1000人を超える踊り手たちが踊りながら練り歩く圧巻の総踊りが見られるのは南内町演舞場の第2部のみ

演舞場

演舞場に踊りこんでいく連

いつでも観覧できる有料演舞場(阿波おどり会館)

日時:2023年1月2日~12月27日
   9:00~20:00(年末年始は~18:00)
定休日:毎週水曜、年末年始
料金:昼公演(大人800円、小中学生400円)
   夜公演(大人1000円、小中学生500円)
詳細:昼公演(体験を含め40分)は1日に4回
   夜公演では有名連が交代で1回公演(体験を含め50分)
※阿波踊り開催中は特別公演になる

無料演舞場

日時:2023年8月12日(土)~15日(火)
   18:00~22:00(おどりロードは18:30~21:30)
場所:①両国本町演舞場
   (徳島市両国本町2丁目25)
   ②新町橋演舞場
   (徳島市新町橋1丁目2)
   ③おどりロード(新設)
   (両国橋南商店街前市道)
※連ごとの演舞(流し踊り)、桟敷席あり(おどりロードはなし)

おどり広場(無料)

日時:2023年8月12日(土)~15日(火)
   時間は会場により異なる
場所:①新町橋東おどり広場 18:00~22:00
   (徳島市東船場町1丁目6 新町橋東公園内)
   ②両国橋南おどり広場 18:00~22:00
   (徳島市東船場町2丁目21-2 両国橋西公園内)
   ③アミコドーム 14:00~22:00
   (徳島市寺島本町西1丁目5 アミコビル二階駅側時計台前ステージ)
   ④シビックセンターさくらホール 13:00~17:00
   (要整理券/整理券は12:00より配布) 
   (徳島市元町1丁目24 シビックセンター内)
※その場で演舞(流し踊りなし)、桟敷席なし

阿波おどり会館

阿波おどり会館で行われる公演の様子

公演のチケットを購入しよう

2023年の座席指定ができる先行前売りチケット販売は終了しましたが、7月1日より全国一斉に一般席のチケット販売(席種のみ指定可、座席指定不可)が開始されています。

席種は、一番観覧しやすい場所が特別席またはSS席、次がS席、A席、B席、C席の順になりますが、現在は席種のみしか指定できないため、開場と同時に入場して良い席を確保しましょう。

藍場浜演舞場の座席

写真は藍場浜演舞場の座席です。座って観覧したいという方は前もってチケットを購入しておきましょう

なお、7月11日以降は屋外有料演舞場のチケット販売に変動価格制が適用されます。価格は公演ごとに毎日変動しますので、購入の際はご留意ください。

どの方法による発券でも、別途、数百円の発券手数料が必要です。また、いずれの公演も当日券は別途300円増しとなります。各公演の開始1時間前まで購入可能となっていますが、予定枚数終了次第、販売終了となるので早めに購入することをおすすめします。

購入までの流れ

チケットは、以下の4つの方法で購入することができます。希望する日時の公演と枚数を指定して購入しますが、購入枚数に制限があるのでご注意ください。

①インターネットで公式サイトからチケットぴあにアクセスして購入

この方法ならチケットぴあに登録せずに購入可能ですが、購入履歴の確認はできません。
2023年「徳島市阿波おどり」チケット販売情報はこちら:阿波おどりチケットガイド|阿波おどり未来へつなぐ実行委員会

②インターネットで直接チケットぴあにアクセスして購入

この方法ではチケットぴあに登録する必要があります。(購入履歴の確認可能)
チケットぴあの2023年「徳島市阿波おどり」チケット販売情報はこちら:阿波おどりのチケット情報|チケットぴあ

③セブンイレブンのマルチコピー機から「チケット」→「チケットぴあ」を選択

マルチコピー機で会場のPコードを入力しましょう。(藍場浜:597-751/南内町:597-753/アスティとくしま:597-754/あわぎんホール:597-756)

④対面販売所(広域観光案内ステーション アミコビル1階外東側)で購入

各会場の席種別料金(2023年)

以下の料金は7月10日購入分までの1公演の税込価格(全て入替制)で、3歳以上は有料となります(3歳未満は無料ですが膝の上で抱いて観覧する必要があります)。

前夜祭(アスティとくしま)の席種と料金

日時:2023年8月11日(金)
   第1部12:00~、第2部15:30~、第3部19:00~
料金:特別指定席5000円、S席3800円
   A席2800円(25歳以下は1000円)

選抜阿波おどり(あわぎんホール)の席種と料金

日時:2023年8月12日(土)~15日(火)
   第1部11:00~、第2部13:30~、第3部16:00~
料金:SS席4500円、S席3500円、A席2800円

有料演舞場1(南内町演舞場)の席種と料金

日時:2023年8月12日(土)~15日(火)
   第1部18:00~19:40、第2部20:20~22:00
料金:特別観覧席1万5000円(南内町演舞場のみ)
   SS席6000円、S席3000円、A席2500円
   B席2000円、C席(自由席)1000円
   車いす席3000円
特記事項:その日の最後の演目として、阿波おどり振興協会に所属する16の連、総勢1000人を超える踊り手たちが踊りながら練り歩く圧巻の総踊りが見られるのは第2部のみ

有料演舞場2(藍場浜演舞場)の席種と料金

日時:2023年8月12日(土)~15日(火)
   第1部18:00~19:40、第2部20:20~22:00
料金:プレミアム桟敷席20万円(2名以上から購入可)
   SS席6000円、S席3000円、A席2500円
   B席2000円、C席(自由席)1000円、
   車いす席3000円
特記事項:プレミアム桟敷席は、食事と踊り連解説付き(日本語と英語のみ対応)

2023年の駐車場は?

2023年7月7日時点でまだ公開されていませんが、例年通りであれば臨時駐車場が5箇所ほど設置されます。
詳細は後日公式サイトで発表されるので、車で訪問予定の方はチェックしておきましょう。

2023年「徳島市阿波おどり」駐車場に関する最新情報:
2023阿波おどり開催決定|未来へつなぐ|徳島市

【阿波踊り】徳島市以外で観覧できる穴場を紹介!

阿波踊りは日本全国に広まっているため、徳島市以外にも観覧できる穴場があります。
以下に穴場スポットを紹介します。

高円寺阿波踊り

高円寺阿波おどりの様子

高円寺阿波おどり(東京)

日本三大阿波踊りの一つに数えられています。1957年に始まった約164連、踊り手1万人、約100万人の見物客を動員する規模です。2023年は4年ぶりに通常開催となり、8月26日(土)〜27日(日)の日程で、高円寺駅南北商店街及び高南通りにて行なわれます。

公式サイト:第64回東京阿波おどり

南越谷阿波踊り(埼玉)

徳島市と高円寺とともに日本三大阿波踊りのひとつに数えられています。参加連は約80連、踊り手6500人で約70万人の見物客を動員する規模です。
2023年は4年ぶりに通常開催となり、8月25日(金)〜27日(日)の日程で、南越谷中央通り演舞場ほか全4会場で行なわれます(8月25日は前夜祭)。

公式サイト:2023第37回南越谷阿波踊り

鳴門市阿波おどり(徳島)

8月9日(水)〜11日(金)の日程で、鳴門駅前の撫養第3公園付近および旧撫養街道にて行なわれます。有料演舞もリーズナブルな価格です。なお、毎日20:00からにわか連で踊りに参加できます。

公式サイト:鳴門市阿波おどり納涼花火大会2023

鳴門市阿波踊り

鳴門市の阿波おどり(写真:鳴門市うずしお観光協会)

神奈川大和阿波おどり(神奈川)

7月29日(土)〜30日(日)の日程で、大和駅東側商店街にて行なわれます。両日ともにわか連で踊りに参加できます。

公式サイト:神奈川大和阿波おどり

天神天満阿波おどり(大阪)

8月27日(日)に、天神橋筋商店街(4番街から2丁目)および大阪天満宮にて行なわれます。詳細は後日発表とのことです。なお、大阪天満宮では総おどりが観覧できます。

公式サイト:天神天満阿波おどり

まとめ:【阿波踊り】感動の伝統芸能を楽しみつくそう

100万人以上が訪れる徳島市の阿波踊りの2023年の見どころや最新情報を紹介しました。なお、会場付近にはたくさんの屋台も出店し、踊りだけでなく祭りの雰囲気を味わえることも阿波踊りの醍醐味です。

2023年も様々な場所で踊りを観覧できるので、チケットを購入してぜひ訪れてみてはいかがでしょうか?
年に1度くらい、阿呆になって童心に戻り、阿波踊りを楽しむのも良いですよね。


Text:Yoshiyuki Nu / Sakura Takahashi
Photo:PIXTA(特記ないもの)


参考文献:
『祭 Matsuri』(小川直之監修/株式会社パイ インターナショナル)
『日本の祭り解剖図鑑』(久保田裕道著/株式会社エクスナレッジ)
『47都道府県・伝統行事百科』(神崎宣武著/丸善出版株式会社)


参考:
徳島県徳島市徳島県観光情報サイト 阿波ナビ徳島市公式観光サイト Fun!Fun!とくしま全国旅行情報サイト「ジャパン・ヨンナナ・ゴー」 Powered by 日本観光振興協会コトバンク徳島 NEWS WEB「阿波おどり 1人20万円の「プレミアム桟敷席」設けることに」|NHK(日本放送協会)(2023年7月7日閲覧)/2023阿波おどり開催決定|未来へつなぐ|徳島市阿波おどり会館第64回東京阿波おどり2023第37回南越谷阿波踊り鳴門市阿波おどり納涼花火大会2023神奈川大和阿波おどり天神天満阿波おどり関西阿波おどり協会阿波おどりのチケット情報|チケットぴあアスティとくしまあわぎんホールアミコドーム|LEDバレイ徳島シビックセンター|公益財団法人 徳島市文化振興公社