【阿波踊り】の起源や魅力
阿波踊りはどんな踊り? 
阿波踊りの起源
阿波踊りの魅力・見どころ・楽しみ方
阿波踊りでよく聞く用語解説
2024年の開催情報まとめ
[日時]いつ開催される?
[会場]どこで見られる?
[チケット]公演のチケットを購入しよう
[料金]各会場の席種別料金(2024年)
[駐車場]2024年の駐車場は
【徳島市以外】で観覧できる阿波踊りの穴場
おわりに

阿波踊りはかつての阿波国(現在の徳島県)を発祥とする盆踊りで、日本三大盆踊りの一つ。お盆に徳島市内で開催される祭りには、毎年国内外から100万人を超える観光客が訪れます。

「エライやっちゃ!エライやっちゃ!~」「踊る阿呆(あほう)に見る阿呆〜」など独特な掛け声の踊りといえば、ピンとくる方も多いのではないでしょうか。

1586(天正14)年ごろに発祥したとされる阿波踊りには400年の歴史があり、民衆の生活や文化に根付いて各地で発展し、今では日本の伝統芸能になっています。
本記事では、世界で愛される阿波踊りの2024年の開催情報やその魅力について解説します。

※この記事に掲載の情報は2023年7月時点のものです。諸事情により変更となる場合があるため、お出かけの際はご自身で最新の情報をご確認ください
※2024年8月、一部情報を更新しました

【阿波踊り】の起源や魅力

阿波踊りの起源と概要、その魅力や見どころについてまとめます。文化的な背景や観賞するポイントを知っておけば、祭り当日をより楽しむことができるでしょう。

阿波踊り

一糸乱れぬ踊りを披露する踊り子たち

阿波踊りはどんな踊り?・魅力や見どころ

阿波踊りは、「連(れん)」と呼ばれる踊り子たちのグループごとに特徴的な振り付けで踊るものです。20〜200人くらいの規模の学生連、企業連、有名連などさまざまな団体の連があり、その数は1000組を超えます。

阿波踊りは二拍子の軽快で陽気なリズム「ぞめき」に乗り、「エライやっちゃ!~」「ヤットサー」「踊る阿呆に〜」などの囃子ことば(はやしことば)と呼ばれる掛け声とともに踊ります。

踊り子が口ずさむ唄は、「よしこの」という江戸時代後期に流行した民謡で、「踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃそんそん」というフレーズが有名です。連ごとに内容が異なりますが、「よしこの」の基本型である七七七五の4句26文字の詩型にそったフレーズになっています。

阿波踊り踊り子

洗練されたプロの踊りは必見です

阿波踊りの起源

起源は諸説ありますが、地元の伝承から「蜂須賀(はちすか)入城起源説」が有力だと考えられています。
この説は「徳島城築城の際、城主の蜂須賀家政がふるまった祝い酒を町民が喜び、踊ったことが始まりだ」というものです。

「元々この地域の盆踊りであった」という説もあるように、築城の祝宴で大きく盛り上がったことで、徳島を代表とする踊りになったのかもしれませんね。

阿波踊りの魅力・見どころ・楽しみ方

阿波踊りの興味深いところは、ただ手足を交互に強く前に押し出すという単純な動作でありながら、男踊りと女踊りでは全く別の踊りになること。

男踊りは、腰を落として足も肩幅程度に開いた前傾姿勢で、どっしりと構えて踊ります。音楽に合わせて手足を動かす姿は、力強くダイナミック。

阿波踊り・男踊り

有名連の男踊り

反対に女踊りは、手を顔よりも高く掲げ、つま先立ちで踊ります。手のひらや上体を音楽に合わせてひらひらと動かすことで、艶やかで気品ある踊りになるのです。

阿波踊り・女踊り

有名連の女踊り

そうした踊りに欠かせないのが、各連に所属する鳴り物陣です。彼らが打ち鳴らす、「鳴り物」と呼ばれる三味線や鐘、太鼓などの音色が、踊り子たちの姿を引き立てます。賑やかな音楽と、ダイナミックかつ繊細に踊る踊り子が一体になる瞬間が、この阿波踊りの醍醐味であり見どころです。

阿波踊り・鳴り物

踊りを盛り上げる鳴り物陣

連の中でも特に技術面で優れた連は阿波おどりの各協会に属し、有名連と呼ばれます。一糸乱れぬ踊りを見せる有名連の踊りを見て、その迫力と美しさに心を動かされたという人は少なくないでしょう。

また、連に入っていなくても、飛び入りで参加できる「にわか連」という連も用意されており、盛り上がった観衆も一緒に踊りを楽しめることも大きな魅力になっています。

鳴門市にわか連

飛び入り参加で踊る人々(写真:鳴門市うずしお観光協会)

屋外の演舞場の中には全長が約170mにおよぶ会場もあり、その長い道を踊り子が行進しながら踊る様子は見ごたえ抜群です。阿波踊りが世界中で愛される理由は、掛け声と祭り特有の雰囲気、人々の高揚感を含めた「ぞめき」を体感できるからでしょう。

阿波踊りでよく聞く用語解説

阿波踊りには、独特の専門用語がいくつかあります。以下に用語の意味を解説します。

演舞場・おどり広場

演舞場もおどり広場も、阿波踊りを踊るための会場のことです。
このうち、「演舞場」は有料・無料・屋内・屋外とさまざまなタイプがあり、基本的には屋外会場には桟敷席(後述)が設けられます。

一方、おどり広場は無料であり、屋内・屋外の会場に分けられますが桟敷席はありません。

流し踊り

屋外の演舞場は、長さが80〜170mにも及びます。この道を、「連」が隊列を組んで前に向かって行進しながら踊ります。この移動しながら踊るスタイルを「流し踊り」と言います。

桟敷席(さじきせき)

多くの観衆が阿波踊りを見学できるように、ひな壇状の段差を設けた観覧席を桟敷席といいます。石段や背もたれのない映画館の席のようなイメージです。

藍場浜演舞場

藍場浜演舞場の様子。中央の道を連が行進し、観客は両脇の桟敷席から踊りを見ることができます

2024年の開催情報まとめ

[日時]いつ開催される?

2024年も例年通り、オープニングイベントを含め、5日間の日程で開催します。

●期間:
 2024年8月11日(日)〜8月15日(木)
 ※8月11日(日)はオープニングイベント「THE・AWAODORI」を開催

●時間(8月11日):
 12:00、15:30、19:00
 ※公演時間は各回約80分

●時間(8月12日〜8月15日)
 選抜阿波踊り……11:00、13:30、16:00 
 有料・無料演舞場……18:00〜22:00
 ※選抜阿波踊りの公演時間は各回約70分
●公式サイト:
 2024阿波おどり公式サイト

[会場]どこで見られる?

2024年の阿波踊り開催場所と詳細は下記のとおりです。

オープニングイベント「THE・AWAODORI 」

日程:2024年8月11日(日)
場所:アスティとくしま(徳島市山城町東浜傍示1-1)
※開場は開始1時間前

選抜阿波おどり

日程:2024年8月12日(月)~15日(木)
場所:あわぎんホール(徳島県徳島市藍場町2-14)
※開場は開始30分前

有料演舞場

日程:2024年8月12日(月)~15日(木)
場所:
 ①あわぎん南内町演舞場(徳島県徳島市南内町1-4)
 ②Sansan藍場浜演舞場(徳島県徳島市藍場町1-7)
 ③紺屋町 株式会社バル演舞場(徳島県徳島市紺屋町5)
※開場は各部開始30分前
※その日の最後の演目として、阿波おどり振興協会に所属する16の連、総勢1000人による「総おどり」が見られるのは「あわぎん南内町演舞場」の第2部のみ

無料演舞場

日程:2024年8月12日(月)~15日(木)
場所:
 ①両国本町演舞場(徳島市両国本町2-25)
 ②新町橋演舞場(徳島市新町橋1丁目2)

無料見学スポット(演舞場以外)

日時:2024年8月12日(月)~15日(木)
場所:
 ①新町橋東おどり広場 18:00~22:00
  (徳島県徳島市東船場町1-6 新町橋東公園内)
 ②両国橋南おどり広場 18:00~22:00
  (徳島県徳島市東船場町2-21-2 両国橋西公園内)
 ③アミコドーム 15:00~22:00
  (徳島県徳島市寺島本町西1-5 アミコビル二階駅側時計台前ステージ)
 ④シビックセンター4階さくらホール 14:00~17:00
  (徳島県徳島市元町1丁目24 シビックセンター内)
 ⑤銀座おどり広場 18:00〜22:00
  (徳島県徳島市銀座)
 ⑥富街おどり広場 16:00〜21:00
 ⑦富街ぞめき三味線街角踊り 20:30頃~21:30頃
 ⑧アスティおどりひろば 11:00、14:00

※その場で演舞(流し踊りなし)、桟敷席なし

一年中観覧できる有料演舞場

日程:一年中
場所:阿波おどり会館(徳島県徳島市新町橋2-20)
定休:2・6・9・12月の第2水曜、12月28日〜1月1日
※阿波踊り開催中は、夜公演休止休止。昼公演は特別公演になる

演舞場

演舞場に踊りこんでいく連

阿波おどり会館

阿波おどり会館で行われる公演の様子

[チケット]公演のチケットを購入しよう

例年、7月1日より全国一斉に一般席のチケット販売(席種のみ指定可、座席指定不可)が開始されています。

席種は、一番観覧しやすい場所が特別席またはSS席、次がS席、A席、B席、C席の順になります。自由席の場合は、開場と同時に入場して良い席を確保しましょう。

藍場浜演舞場の座席

写真は藍場浜演舞場の座席です。座って観覧したいという方は前もってチケットを購入しておきましょう

なお、2024年7月8日(月)以降は屋外有料演舞場のチケット販売に変動価格制が適用されます。価格は公演ごとに毎日変動しますので、購入の際はご留意ください。

どの方法による発券でも、別途、数百円の発券手数料が必要です。また、いずれの公演も当日券は別途300円増しとなります。各公演の開始1時間前まで購入可能となっていますが、予定枚数終了次第、販売終了となるので早めに購入することをおすすめします。

①インターネットでチケットぴあにアクセスして購入

この方法ではチケットぴあに登録する必要があります。(購入履歴の確認可能)
チケットぴあの2024年「徳島市阿波おどり」チケット販売情報はこちら:阿波おどりのチケット情報|チケットぴあ

②セブンイレブンのマルチコピー機から「チケット」→「チケットぴあ」を選択

マルチコピー機で会場のPコードを入力しましょう。(藍場浜:597-751/南内町:597-753/アスティとくしま:597-754/あわぎんホール:597-756)

③対面販売所(広域観光案内ステーション アミコビル1階外東側)で購入

徳島市広域観光案内ステーション(徳島県徳島市元町1-24 アミコビル東館1階外側)では対面でのチケット販売を行っています。販売時間は通常10:00〜18:00まで。阿波おどり期間中は21:00まで購入可能です。なお対面販売所では一人につき1公演12枚までしか購入できませんのでご注意を。

[料金]各会場の席種別料金(2024年)

以下の料金は2024年の最安料金(税込)です。3歳未満は無料で観覧できますが、3歳以上はチケットの購入が必要となります。

THE・AWAODORI(アスティとくしま)の席種と料金

●特別指定席:5000円
●S席:3800円
●A席:2800円(25歳以下は1000円)

選抜阿波おどり(あわぎんホール)の席種と料金

●SS席:4500円
●S席:3500円
●A席:2800円

有料演舞場(あわぎん南内町演舞場)の席種と料金

●あわぎん南内町演舞場:1万5000円
●SS席:6000円
●S席:3000円
●A席:2500円
●B席:2000円
●C席(自由席):1000円
 ※総勢1000人を超える踊り手たちによる「総おどり」が見られるのは「あわぎん南内町演舞場」のみ

有料演舞場(Sansan藍場浜演舞場)
●SS席:6000円
●S席:3000円
●A席:2500円
●B席:2000円
●C席(自由席):1000円

有料演舞場(紺屋町 株式会社バル演舞場)
●SS席:6000円
●S席:3000円
●A席:2500円
●B席:2000円
●C席(自由席):1000円

[駐車場]2024年の駐車場は

例年、阿波おどり期間中は臨時駐車場が開設されるほか、近隣の公営駐車場も利用できます。50台以上が停められる2024年の駐車場は以下の通りです。

●内町小学校臨時駐車場
 住所:徳島県徳島市徳島町城内1-15
 台数:350台
 料金:1台1回1500円
 時間:9:00〜23:00

●富田中央公園臨時駐車場
 住所:徳島県徳島市秋田町2-4
 台数:100台
 料金:1台1回1500円
 時間:11:00〜23:00

●徳島県庁駐車場
 住所:徳島県徳島市万代町1-1
 台数:180台
 料金:無料
 時間:平日18:00〜23:00 休日10:00〜23:00
 ※普通自動車以下の県外ナンバー車専用

●マリンターミナル駐車場(マリンピア沖洲)
 住所:徳島県徳島市東沖洲2丁目
 台数:250台
 料金:無料
 時間:16:00~23:00
 ※シャトルバス運行付き

●イオンモール徳島第2駐車場
 住所:徳島県徳島市南末広町4-1
 台数:700台
 料金:無料
 時間:16:00~22:30
 ※シャトルバス運行付き

●市営新町地下駐車場
 住所:徳島県徳島市新町橋1-2
 台数:133台
 料金:時間料金
 時間:24時間
 ※交通規制区内のため、18:00〜22:30の入庫は不可。出庫は可

●市営紺屋町地下駐車場
 住所:徳島県徳島市紺屋町
 台数:287台
 料金:時間料金
 時間:24時間
 ※交通規制区内のため、18:00〜22:30の入庫は不可。出庫は可

●市営駅前西地下駐車場
 住所:徳島県徳島市元町1-24
 台数:154台
 料金:時間料金
 時間:6:00〜23:00

●県営藍場町地下駐車場
 住所:徳島県徳島市藍場町1-4
 台数:295台
 料金:時間料金
 時間:7:00〜23:00

●県営富田浜第一駐車場
 住所:徳島県徳島市富田浜3丁目
 台数:71台
 料金:時間料金
 時間:24時間

詳しくは​駐車場情報|2024阿波おどりをご確認ください。

【徳島市以外】で観覧できる阿波踊りの穴場

阿波踊りは日本全国に広まっているため、徳島市以外にも観覧できる穴場があります。
以下に穴場スポットを紹介します。

高円寺阿波踊り

高円寺阿波おどりの様子

高円寺阿波おどり(東京都)

日本三大阿波踊りの一つに数えられています。1957年に始まった約164連、踊り手1万人、約100万人の見物客を動員する規模です。2024年は8月24日(土)・25日(日)の日程で、高円寺駅南北商店街及び高南通りにて行なわれます。

公式サイト:第65回東京阿波おどり

南越谷阿波踊り(埼玉県)

徳島市と高円寺とともに日本三大阿波踊りのひとつに数えられています。参加連は約80連、踊り手6500人で約70万人の見物客を動員する規模です。2024年は8月24日(土)・25日(日)の日程で、南越谷中央通り演舞場ほか4カ所の演舞場で行なわれます(8月23日は前夜祭)。

公式サイト:2024第38回南越谷阿波踊り

鳴門市阿波おどり(徳島県)

2024年8月9日(金)〜11日(日)の日程で、鳴門駅前のBOAT RACE 鳴門東演舞場にて行なわれます。有料演舞もリーズナブルな価格です。なお、来場者は誰でも毎日20:00から「にわか連」で踊りに参加できます。

公式サイト:鳴門市阿波おどり納涼花火大会2024

鳴門市阿波踊り

鳴門市の阿波おどり(写真:鳴門市うずしお観光協会)

神奈川大和阿波おどり(神奈川県)

2024年7月27日(土)・28日(日)の日程で、大和駅東側商店街にて行なわれます。両日ともにわか連で踊りに参加できます。

公式サイト:神奈川大和阿波おどり

天神天満阿波おどり(大阪府)

2024年8月25日(日)に、天神橋筋商店街(4番街から2丁目)および大阪天満宮にて行なわれます。なお、大阪天満宮では総おどりが観覧できます。

公式サイト:天神天満阿波おどり

おわりに

100万人以上が訪れる徳島市の阿波踊りの2024年の見どころや最新情報を紹介しました。なお、会場付近にはたくさんの屋台も出店し、踊りだけでなく祭りの雰囲気を味わえることも阿波踊りの醍醐味です。

2024年も様々な場所で踊りを観覧できるので、チケットを購入してぜひ訪れてみてはいかがでしょうか?

年に1度くらい、阿呆になって童心に戻り、阿波踊りを楽しむのもいいですよね。

Text:Yoshiyuki Nu / Sakura Takahashi
Edit:編集部
Photo(特記ないもの):PIXTA

参考:
『祭 Matsuri』(小川直之監修/株式会社パイ インターナショナル)
『日本の祭り解剖図鑑』(久保田裕道著/株式会社エクスナレッジ)
『47都道府県・伝統行事百科』(神崎宣武著/丸善出版株式会社)
徳島県徳島市徳島県観光情報サイト 阿波ナビ徳島市公式観光サイト Fun!Fun!とくしま全国旅行情報サイト「ジャパン・ヨンナナ・ゴー」 Powered by 日本観光振興協会コトバンク徳島 NEWS WEB「阿波おどり 1人20万円の「プレミアム桟敷席」設けることに」|NHK(日本放送協会)(2023年7月7日閲覧)/2023阿波おどり開催決定|未来へつなぐ|徳島市阿波おどり会館第64回東京阿波おどり2023第37回南越谷阿波踊り鳴門市阿波おどり納涼花火大会2023神奈川大和阿波おどり天神天満阿波おどり関西阿波おどり協会阿波おどりのチケット情報|チケットぴあアスティとくしまあわぎんホールアミコドーム|LEDバレイ徳島シビックセンター|公益財団法人 徳島市文化振興公社