【川越まつり】とは?2023年の開催日程や起源に迫る
【2023年】川越まつりの開催日程
川越まつりの起源とは?
川越氷川神社とは?
【川越まつり】の概要/起源/見どころ
【川越まつり】見どころ1:山車
【川越まつり】見どころ2:ひっかわせ
【川越まつり】見どころ3:お囃子
【川越まつり】見どころ4:木遣り
【川越まつり】見どころ5:屋台村
【川越まつり】に参加するには?
メンバー募集中の囃子蓮一覧
川越まつり号の運行状況
川越まつりで最高の時間を過ごそう

みなさんは、「川越まつり」をご存知ですか?

川越まつり(川越祭り)とは、毎年10月第3日曜日と前日に開催される歴史ある祭りです。関東有数の観光地としても知られる川越に、例年多くの見物客が訪れます。

「川越氷川祭の山車行事」として、国指定重要無形民俗文化財・ユネスコ無形文化遺産にも認定されました。そんな川越まつりには、いったいどんな魅力があるのでしょうか?

この記事では、川越まつりの概要、歴史、見どころなどについて解説します。370年もの長い時間をかけて発展してきた祭りに足を運んだら、きっとすてきな経験ができるはず。

TOP写真提供:一般社団法人 埼玉県物産観光協会、複製・再転載禁止

【川越まつり】とは?2023年の開催日程や起源に迫る

まずは、川越まつりの開催日程や祭りの発祥について取り上げます。

【2023年】川越まつりの開催日程

2023年の川越まつり開催情報は、以下のとおりです。

開催日程…2023年10月14日(土)・15日(日)
氷川神社 例大祭…2023年10月14日(土)
氷川神社 神幸祭…2023年10月15日(日)

★タイムスケジュール
【10月14日(土)】
18:00~19:00…宵山
18:20~18:40…鳶のはしご乗り
時間記載なし…ひっかわせ

【10月15日(日)】
10:15………………神幸祭 川越氷川神社出御
11:45頃……………神幸祭 川越氷川神社還御
13:30~15:30頃…市役所前山車巡行
時間記載なし……ひっかわせ

川越まつりの起源とは?

川越まつりは、1648年に生まれたといわれています。当時の川越藩主・松平伊豆守信綱が川越氷川神社に神輿や獅子頭などを寄進したことによって、祭礼の文化が始まりました。

1651年になると、豪華絢爛な行列が町を巡行するようになり、祭りが発展。発祥から370年が経った現在まで、時代に合わせてかたちを変えながら、川越まつりは継承されてきました。

こうした歴史の深さが評価され、川越まつりはさまざまな無形文化財に認定されています。「川越氷川祭の山車行事」として、2005年に国指定重要無形民俗文化財に認定。2016年には、ユネスコ無形文化遺産「山・鉾・屋台行事」にも登録されました。

川越氷川神社とは?

川越まつり発祥の土地でもある川越氷川神社は、いったいどのような神社なのでしょうか。

川越氷川神社の歴史

川越氷川神社は、1500年以上前である欽明(きんめい)天皇の時代に創建されたといわれています。もともと大宮氷川神社のご祭神を祀る別社として建立されたことから、「川越氷川神社」という名付けられました。

室町時代以降は歴代城主をはじめとした多くの人々に、川越城の守護神として信仰されたという歴史があります。江戸時代に入ってからも、川越藩主から特別な扱いを受けました。

川越氷川神社のご祭神

川越氷川神社は、五柱の神々(※)を祀っている神社です。これらの神々は、みな家族関係にあります。そのため、「家族円満の神様」「夫婦円満の神様」として親しまれているところが川越氷川神社の特徴です。


※主祭神の素盞鳴尊(すさのおのみこと)をはじめ、脚摩乳命(あしなづち)、手摩乳命(てなづち)、奇稲田姫命(くしなだひめのみこと)、大己貴命(おおあなむちのみこと)を指す。脚摩乳命と手摩乳命は夫婦であり、奇稲田姫命はその娘。奇稲田姫命と素盞鳴尊は夫婦であり、大己貴命はその子どもに当たる。

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恋愛にご利益があるとしても有名

「縁結びに効果がある」としても有名な神社である、川越氷川神社。毎月8日・第4土曜日には、「良縁祈願祭」を執り行っています。

縁結び玉

縁結び界最強ともいわれる川越氷川神社の縁結び玉

末広がりの「8」にかけて、8:08から祭礼が開始。お札・お守り・絵馬など、縁結びにちなんだ授与品をいただけます。「縁結び玉」「縫いつけまもり」「であいこい」など、縁結びを祈願したお守りの種類も豊富です。

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【川越まつり】の概要/起源/見どころ

ここからは、川越まつりの概要について解説します。祭りに足を運ぶ前に起源や見どころを知っておくと、さらに川越まつりが楽しめますよ。

【川越まつり】見どころ1:山車

川越まつりの大きな見どころは、ハイスケールかつ豪華な山車です。黒や赤の漆が塗られ、金箔も使用したゴージャスなデザインが魅力。自在に伸縮できる迫りあげ式構造も特徴的です。

また、山車の上に設置された舞台には、精密に作られた人形が乗っています。牛若丸、弁慶、日本武尊、徳川家康、徳川家光、菅原道真……。山車によって、違う人物を模した人形が乗っているところがポイント。細かなデザインにも個性が出ているため、自分好みの山車を探してみるのもおすすめです。

きらびやかな山車が町中を巡行する風景は大変迫力があるので、思わず時を忘れて見とれてしまうでしょう

きらびやかな山車が町中を巡行する風景は大変迫力があるので、思わず時を忘れて見とれてしまうでしょう

★山車を楽しみやすい日程
【10月14日(土)】
18:00~19:00…宵山

【10月15日(日)】
13:30~15:30ごろ…市役所前山車巡行

【川越まつり】見どころ2:ひっかわせ

川越まつり最大の見どころは、やはり「ひっかわせ」です。ひっかわせとは、山車と山車が出会った時にそれぞれのお囃子を披露して競い合う風習のこと。お囃子に合わせて歓声が上がるさまは、見ているだけでテンションが上がること間違いなし!

特に、祭り全体が盛り上がる夜のひっかわせは見逃せません。山車に明かりが灯るため、幻想的な雰囲気が町いっぱいに広がりますよ。

川越まつりのクライマックスともいえるひっかわせ(写真提供:一般社団法人 埼玉県物産観光協会、複製・再転載禁止)

川越まつりのクライマックスともいえるひっかわせ(写真提供:一般社団法人 埼玉県物産観光協会、複製・再転載禁止)

ちなみに、山車に乗っている囃子連の流派によって、披露するお囃子の内容は異なります。ひっかわせを眺めながらお囃子の聴き比べをする、という粋な楽しみ方はいかがでしょうか。

おすすめの場所は、多くの山車が集まる本川越駅前・連雀町交差点・仲町交差点の周辺です。ひっかわせは、14日・15日の両日見ることができます。

【川越まつり】見どころ3:お囃子

川越まつりを心行くまで楽しむには、お囃子も欠かせません。お囃子とは、笛・太鼓・鉦・踊りなどからなるもので、祭りには必須の音楽です。

川越まつりで演奏されるお囃子は、文化・文政の時代に江戸から伝わったもの。葛西囃子と川越にもともと伝わる里神楽を組み合わせたといわれています。

現在は、29もの囃子連が川越市囃子連合会に所属。大きく分けて「王蔵流」「芝金杉流」「堤崎流」の3流派に分かれており、それぞれの表現を継承し続けています。

【川越まつり】見どころ4:木遣り

木遣り(きやり)も、川越まつりにおける見どころのひとつです。木遣りとは、山車の運行を始める前に、とび職の人々が披露する歌のこと。「川越の木遣り」として、市指定文化財無形民俗にも認定されています。

はるか昔から受け継がれてきた木遣りを聴けば、歴史の奥深さにじっくりと浸れることでしょう。

★とび職人の技が見られる日程
【10月14日(土)】
18:20~18:40…鳶のはしご乗り

【川越まつり】見どころ5:屋台村

お祭りで外せないものといえば、なんと言っても「屋台」!川越まつりでは、たくさんの屋台が勢ぞろいする「屋台村」を設置しています。

なんと、出店される屋台の数は1000軒を超えるとか。人気の飲食店が数多く出店されるため、グルメマニアも必見です。

おいしいごはんやお酒と一緒に、1年に1度の川越まつりを楽しみましょう

おいしいごはんやお酒と一緒に、1年に1度の川越まつりを楽しみましょう

【川越まつり】に参加するには?

川越まつりは、見物客として足を運んでも十分楽しめます。しかし、祭りの参加者として活動すれば、さらに祭りの奥深さを知ることが可能です。

祭りの参加者になるには、仲間を募集している囃子連の会員になることが必要。囃子連の情報を調べ、気になる団体に連絡を取るところから始めてみましょう。川越まつりを彩るお囃子を、あなたも奏でられるかもしれません。

メンバー募集中の囃子蓮一覧

現在仲間を募集している囃子連のなかから、いくつか代表的なものをご紹介します。

あおい囃子連

小学3年生から70代まで、幅広い世代の人々が参加している囃子連です。笛師が18人在籍しているところが特徴的。川越まつり以外のお囃子イベントに1年を通して参加しており、お囃子の技術を高めています。

◼︎練習日時
3〜8月:毎月第1・3・5 土曜日
9・10月:毎週土曜日
子供18:30~、大人20:00〜

◼︎参加条件
・脇田町に在住、在勤の方
・小学2年生以上で健康な方
・お囃子に興味のある方

◼︎公式サイト:あおい囃子連

うずめ会囃子連

こちらは、創立50年という長い歴史を持った囃子連です。シンボルは、『日本書紀』に登場する女神・天鈿女命。天狐や獅子が踊る「屋台」、ユニークな踊りが愉快な「仁羽」、天鈿女命による舞「昇殿」といった演目でお囃子を披露します。

◼︎公式サイト:うずめ会囃子連

雀会

山車の踊りや舞のほか、創作神楽などにも取り組んでいる囃子連です。四季の祭りへの参加だけでなく、学校行事やお祝いの席などでの活動も。子どもたちを対象にした「子雀会」も活動しており、後継者育成に力を入れています。

◼︎公式サイト:雀会

川越まつり号の運行状況

川越まつりを満喫するには、「川越まつり号」のご利用をおすすめします。川越まつり号とは、川越まつり期間中に運行される「川越」⇔「海浜幕張」間を結ぶ臨時列車のことです。遠方から訪れる方は、ぜひ乗車してみてください。

◼︎列車名
蔵の街川越号(川越まつり号)

◼︎運行日程
10月14日(土)、15日(日)

◼︎運航時刻
・9:35 海浜幕張発、11:24 川越着
・17:15 川越発、18:53 海浜幕張着

◼︎車両
185系6両(全車指定席)

川越まつりで最高の時間を過ごそう

川越まつりは、豪華絢爛な山車が町中を巡行する、華やかな祭りです。思わず写真を撮りたくなるきらびやかな山車、祭り全体が盛り上がるひっかわせ、おいしいグルメがたっぷり揃った屋台村と、見どころは盛りだくさん。

川越に根付く歴史の深さを感じながら、一生忘れられないような時間が過ごせるでしょう。気になった方は、ぜひ川越まつりに足を運んでみてください。


Text:Iwaipan / Sakura Takahashi
Photo:PIXTA(特記ないもの)


参考文献:『御朱印でめぐる埼玉の神社〜週末開運さんぽ〜』(『地球の歩き方』編集室著/ダイヤモンド・ビッグ社)、『知れば知るほどおもしろい!日本の祭り大図鑑 由来・歴史・見どころがわかる』(芳賀日向監修/PHP研究所)


参考:
川越まつり公式サイト埼玉県川越市川越氷川神社川越祭囃子保存会川越まつり今昔アーカイブプロジェクトあおい囃子連うずめ会囃子連雀会JR東日本ニュース/ほか各種パンフレット