八日市・護国

愛媛県の中部、喜多郡に位置する「八日市・護国」。江戸時代後期から明治時代の面影を残す商家や蔵などが、約600mにわたって残るエリアです。1982年には国の「重要伝統的建造物群保存地区」に選ばれました。
同地区はかつて、木蝋（もくろう）の生産で栄えました。当時の繁栄をしのばせる立派な豪商の屋敷が見どころ。中でも、国内最大の製蝋業者として栄えた本芳我家（ほんはがけ）の筆頭分家である上芳我家の邸宅は、木蠟資料館として一般公開されています。重要文化財の建物が10棟残り、豪華な造りの主屋や蝋の生産施設などを見学できます。
「八日市・護国町並保存センター」は同地区の町並み保存の拠点。建物の構造に関する展示などが充実しており、住民主体で伝統的な町並みの保存に取り組んできた歴史について学べます。豪商の屋敷が残る一方、伝統的な造りの民家も軒を連ねます。
周辺には、大正天皇の即位を祝い、商家の旦那衆が建てた芝居小屋「内子座」があります。木造の純和風様式の建物の内部では、回り舞台や花道などの歴史ある舞台装置の数々を見学できます。