日本古来の花木である「藤」。古くから愛され続けている気品と優雅さを兼ね備える花です。
あたり一面を彩る藤の光景を堪能できるのが、栃木県足利市にある「あしかがフラワーパーク」。見事な藤は栃木県天然記念物に登録されており、アメリカのCNNが選ぶ「世界の夢の旅行先10ヶ所」に日本で唯一選ばれました。
藤の見頃は4月中旬〜5月中旬。この記事ではあしかがフラワーパーク名物の藤をはじめ、あしかがフラワーパークの楽しみ方をご紹介します。
*この記事ではアフィリエイト広告を使用しています
あしかがフラワーパーク【大藤まつり】の見どころは?
季節によってあしかがフラワーパークでは色とりどりの木花が咲き、その表情が移り変わっていきます。4月中旬~5月中旬には350本以上の藤の花、5,000本以上のツツジが見頃を迎え「ふじのはな物語 ~大藤まつり~」が開催されます。
樹齢160年で600畳の藤棚を誇る大藤やむらさき藤、長藤、八重の藤など多様な藤の花が一斉に咲くあしかがフラワーパーク。今回は大藤まつりの見どころを徹底解説します。
世界でも珍しい八重の大藤棚
あしかがフラワーパークの大藤
あしかがフラワーパーク最大の見どころが「八重の大藤棚」。その大きさは600畳敷の大藤棚3面を誇り、世界でも類を見ない大規模で美しい藤の花を見る事ができます。藤には魔除けの力があると言われ、大ヒットアニメ・漫画『鬼滅の刃』の中でも鬼が近寄れない存在として登場しています。
【関連記事】
鬼の正体や起源を知りたい人はこちら↓
【鬼】の正体とは?知られざる起源や特徴に迫る
純白の白藤のトンネル
あしかがフラワーパークの白藤トンネル
紫色の藤の花以外にも白い大きな花を咲かせる白藤。その長さは80mにもなり、白藤のトンネルと紹介されています。
近くにある白藤の滝もおさえておきたいスポットです。その大きさと美しさに圧倒されること間違いなし。
きばな藤
あしかがフラワーパークのきばな藤トンネル
あしかがフラワーパークの藤のエリアを進んでいくと、最後に現れるのが「きばな藤」。
きばな藤も白藤と同じようにトンネルになっています。黄色鮮やかなきばな藤が一斉に花を咲かせるトンネルには思わず見惚れてしまいます。日本で栽培が難しいと言われる種で、一斉に咲くきばな藤が見られるのはとても珍しい光景。
5,000株のツツジと藤のライトアップ
藤の開花と同じ時期にツツジも見ごろになります。あしかがフラワーパークでは5,000株以上のツツジを見ることができ、色とりどりの花と藤が生み出す景色は必見です。
藤の花とツツジのライトアップ
夜には藤の花をメインにツツジなどのライトアップが行われます。昼間の景色とはまた違った藤の花の雄大な幻想的な光景は、ここあしかがフラワーパークならでは。日本夜景遺産事務局が選定する「日本夜景遺産」のひとつでもあります。ぜひこの機会に訪れてみてはいかがでしょうか。
藤の花の豆知識
紫色の花々が垂れ下がり咲く姿が特徴的な藤。そんな藤は現代まで多くの人に愛されてきました。藤の鑑賞をさらに楽しくさせる豆知識をご紹介いたします。
日本の歴史と関わってきた藤
藤の花
藤は本州から九州まで幅広く咲く花。藤の種類や色といったものは地域よって特徴が大きく違い、様々な顔を見せてくれます。そんな藤は古くから日本の万葉集といった古典や絵画、和歌にも多く登場しており歴史と深い関わりがあるのです。
藤の花房を振袖姿の女性に例える俳句などもあり、藤は日本の女性らしさの象徴だったと言われることも。
美しい花には毒がある?
藤は思わず惹き寄せられてしまうほどの美しさ。さらに藤は食べることもできる植物であり、実際に昔から天ぷらやシロップ漬けで食べられていました。しかし美しい花には危ない何かがつきもの。藤はマメ科植物でありマメ科植物には、レクチンを中心とした配糖体と呼ばれる毒性が含まれています。
大量に摂取してしまうと吐き気、嘔吐、眩暈、下痢、胃痛などを起こす可能性があるのです。もし食べてみたいと思う方は十分に気をつけて挑みましょう。美しい藤には毒がある。しかし、毒を持つからこそ藤に妖艶な魅力を感じます。
日本全国でも見られる藤ですが、その中でも特に藤が華やかに美しく見られる所が、「あしかがフラワーパーク」なんです。
あしかがフラワーパークってどんなところ?
あしかがフラワーパークの藤と花々
「あしかがフラワーパーク」とは四季折々、数多くの花々で彩られている庭園。あしかがフラワーパークの魅力は藤だけではなく、様々な花を咲かせます。
あしかがフラワーパークの花祭り
咲く時期が短い花から長期的に姿を見せてくれる花とその様子は様々。春の藤、夏のスイレン、秋のセージ、冬は夜空彩るイルミネーションと、季節によって変わるあしかがフラワーパークの8つのテーマを紹介していきます。
早春(1月上旬〜2月下旬)
1月上旬から2月下旬にかけて雪が残る間にも、あしかがフラワーパークでは花が咲き始めます。主に「冬咲きボタン」を中心にした早春の花々の寄せ植えを見ることができます。
あしかがフラワーパークの園内で見られるのは25本の「寒紅梅(かんこうばい)」。寒紅梅は他の梅よりも開花が早いため、春の訪れを感じることができます。
春の花まつり(3月上旬〜4月中旬)
あしかがフラワーパークのチューリップ
3月の上旬から4月の中旬にかけては、主にチューリップが花を開き、あしかがフラワーパークの園内を染め上げます。その数なんと2万株。色とりどりのチューリップに囲まれ春と訪れを堪能できるでしょう。また同時期に桜や雪柳も満開を迎えます。
ふじのはな物語(4月中旬〜5月中旬)
あしかがフラワーパークの大藤とツツジ
4月中旬から5月中旬まで、あしかがフラワーパークの名物である藤が満開になります。藤の花が一面に広がる様子はまさに絶景。池の水面に映し出される藤の姿も、息を飲む美しさです。この雅な藤を見られるのはあしかがフラワーパークだけ。
またこの時期にはツツジやシャクナゲも満開なり、藤との見事な競演を見ることができるでしょう。
レインボーガーデン(5月中旬〜6月中旬)
あしかがフラワーパークのバラ
5月中旬から6月下旬には、主役がバラに移ります。赤や黄色、オレンジ、白、青などの約2,500株にも及ぶ色とりどりのバラが咲き誇ります。
また純白のシャクナゲやクレマチスが4月下旬から順々と咲き、次々と違った顔を見せてくれるので見る人を決して飽きさせません。
ブルー&ホワイトガーデン(6月上旬〜6月下旬)
6月上旬から6月の下旬までと少し短いですが、この時期に咲き誇るのは花菖蒲(はなしょうぶ)とアジサイ。カラフルで賑やかなあしかがフラワーパークは印象がガラリと変わります。
梅雨の時期にぴったりな青と白の美しい景色を眺めることができるでしょう。遅咲きのクレマチスが徐々に咲いてくることもあり、あしかがフラワーパークは常に違う光景を見せてくれます。
水面に浮かぶ花の妖精たち(7月上旬〜9月下旬)
スイレン
7月上旬から9月上旬までは熱帯性スイレンが多く花を開きます。日本で熱帯性スイレンを屋外で鑑賞できるところは少なく、あしかがフラワーパークは屋外で鑑賞できる数少ない場所に。白、赤、桃、紫、黄、青からなる大輪のスイレンの花は気品と豪華さはまるで花の妖精のようです。
この時期ではさるすべりやランタナも同時に咲き、美しい光景を見せてくれます。
パープルガーデン(10月上旬〜11月中旬)
あしかがフラワーパークのアメジストセージ
10月上旬から11月下旬にかけて、30万本からなるアメジストセージがあしかがフラワーパークを埋め尽くし、紫の庭園に姿を変えていきます。美しい紫の花々に囲まれながらの写真撮影がおすすめ。
同時期には色とりどりの薔薇、ランタナや熱帯性スイレンも咲き、紫色の景色から上品な雰囲気を感じることができるでしょう。
光の花の庭(10月中旬〜2月中旬)
あしかがフラワーパークのイルミネーション
「日本夜景遺産」や「関東・日本三大イルミネーション」に登録されているあしかがフラワーパークのイルミネーション。その秘密は月毎に変わる大規模なイルミネーションと、光と音声の演出する美しさにあります。訪れる人を飽きさせません。
そんな魅力的なイルミネーションは草花が停滞期を迎える10月下旬から2月上旬までの冬期、約4ヶ月に渡りイルミネーションを行うのです。
イルミネーションで使う電球の数は合計で約500万球とかなりの大規模。藤の花弁と同じ形をした薄紫色のLED電球を使い、大藤を再現しています。そこでは光と音声の演出もあり、幻想的なイルミネーションになっています。
水面に映るイルミネーション
水辺の多いあしかがフラワーパークでは、その特徴を活かし水鏡による光量の倍増効果を狙ったイルミネーションも行います。花々が少ない時期でも、あしかがフラワーパークの魅力に気づけることでしょう。
【関連記事】
あしかがフラワーパークが選出されている、関東三大イルミネーションを知りたい人はこちら↓
【2023-2024】冬デートは関東三大イルミネーションで決まり!
あしかがフラワーパークは元々農園だった?
今はあしかがフラワーパークは大規模な庭園ですが、元から大規模な庭園だったわけではありません。あしかがフラワーパークは元は農園だった歴史があります。
戦後に大地主であった現在の社長の父が、庭の片隅に大藤を植えたことから全ては始まり、今に繋がります。庭に植えた大藤。あまりの美しさに、周辺の人々に沢山見てもらおうと思い庭を改修し、「早川農園」が設立しました。これがあしかがフラワーパークの始まりです。
早川農園の周囲は元々田園ばかりでしたが、その後都市化が進んでいきます。市の都市開発計画や園の収益性の向上を求めて1996年2月に、早川農園の大藤4本を現在地であるあしかがフラワーパークに移植したことにより、今の姿に変わったのです。
あしかがフラワーパークの周辺情報
足利織姫神社
足利織姫神社
足利織姫神社では機織を司る天八千々姫命(あめのやちちひめのみこと)、天御鉾命(あめのみほこのみこと)の2柱の神様が祀られています。足利の全産業を見守ると伝えられ、縁結びにご利益があるとも。足利織姫神社は恋人の聖地とも呼ばれています。
秋になれば美しい紅葉が見られる絶景スポットとしても有名なので、あしかがフラワーパークの後に家族やカップルで訪れるのもおすすめ。
足利織姫神社の夜景
【足利織姫神社の基本情報】
営業時間:24時間
入場料:無料
交通アクセス:
①東北自動車道佐野ICより約30分
②JR両毛線「足利駅」より徒歩約30分
東武足利市駅から市内巡回バス「あしバスアッシー」通5丁目下車 約6分
公式サイト:足利織姫神社
史跡足利学校
史跡足利学校
日本遺産に登録された日本で最も古い学校。日本の教育の原点となる場所です。足利学校を建設した人物については奈良時代の国学の遺制説、平安時代の小野篁(おののたかむら)説、鎌倉時代の足利義兼説などがあります。
現段階で明らかになっているのは上杉憲実(うえすぎのりざね)が鎌倉円覚寺から僧・快元(かいげん)を招いて現在で言う校長に任命し、足利学校の経営にあたらせるなどして学校を再興したことだけ。
昔からあり続ける校舎の姿を見ることができます。
【史跡足利学校の基本情報】
営業時間:
【4月~9月】9:00~16:30
【10月~3月】9:00~16:00
料金:【一般】420円【高校生】220円(中学生以下無料)
交通アクセス:
①JR両毛線「足利駅」より徒歩約10分
②北関東自動車道足利インターチェンジより車で約15分
公式サイト:史跡足利学校
2024年の開催概要とアクセス
開催概要
●名称:ふじのはな物語 大藤まつり2024
●期間:2024年4月13日(土)〜5月15日(水)
●ライトアップ期間:2024年4月20日(土)〜5月12日(日)
●営業時間:
①4月13日(土)~4月19日(金) 8:00~18:00
②4月20日(土)~5月6日(月) 7:00~21:00
③5月7日(日)~5月12日(日) 8:00~20:30
●入園料:【大人】1,000円~2,200円【子ども】500円~1,100円
※入園料は開花状況により変動します。
●場所:あしかがフラワーパーク(栃木県足利市迫間町607)
●公式サイト:あしかがフラワーパーク
アクセス
【鉄道】
JR両毛線あしかがフラワーパーク駅から徒歩約3分
【車】
東北自動車道:佐野藤岡ICより、国道50号経由で約20分
北関東自動車道:太田桐生ICより国道50号経由で約25分
【駐車場】
常設:300台
繁忙期:6000台
名物の藤!あしかがフラワーパークに訪れよう
あしかがフラワーパークの名物の藤や季節毎の花々、イルミネーションなどについて紹介いたしました。
人生で一度は見たくなるような八重の大藤棚や日本夜景遺産にも登録されたイルミネーションなど、一年中楽しめるのはあしかがフラワーパークだけ。あしかがフラワーパークにぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。