大洲志ぐれ本舗 冨永松栄堂 志保町本店

愛媛県大洲市に位置する、創業1875（明治8）年の老舗菓子店。看板商品である地元銘菓「志ぐれ」は、小豆を使った独特の食感をもつお菓子です。冨永松栄堂の志ぐれは、現在では大洲名物として多くの人々に愛され、皇室への献上菓子や伊勢神宮への奉納菓子としても知られています。
志ぐれはもともと、小豆と米粉や餅粉を混ぜ合わせセイロで蒸しあげた大洲藩江戸屋敷内の秘伝菓子でした。これが参勤交代の際に大洲藩内に伝わったといわれており、現在10店舗ほどが大洲市内で志ぐれを製造・販売しています。
冨永松栄堂の志ぐれは、元来の作り方をもとに試行錯誤して作り上げた一品。じっくりと炊いた2種類の煮豆を24時間ほど砂糖蜜に漬けこんだところへ、ゆっくりと丁寧に米粉を合わせながら生地を作っていきます。この工程がもっちりとした食感の肝。最後は志ぐれ専用の蒸し器でふっくらと仕上げます。
優しい上品な甘さで人気を集める冨永松栄堂の志ぐれは大きく分けて2種類。定番の「ひとくち生志ぐれ」はもっちりとしていながらも歯切れ良く、素朴な味わい。「しあわせ志ぐれ」は高級品種の丹波大納言小豆を使用しており、つぶつぶとした豆の食感を強く感じる一品です。
（写真：冨永松栄堂）
（公開日：2024/9/6　最終更新日：2024/9/6）