足助ってどんなところ?
香嵐渓ってどんなところ?
足助・香嵐渓を巡るモデルコース
①足助の町並みを散歩:旧田口家住宅
②香嵐渓散策
③三州足助屋敷
④香積寺
⑤足助八幡宮
⑥五平餅を食べる
足助・香嵐渓の季節の魅力
(2〜3月)中馬のおひなさん in 足助
(3〜4月)カタクリの群生
(11月)香嵐渓もみじ祭り
おわりに
アクセス
周辺情報

名古屋から車で1時間と、日帰りが可能な場所にありながらもたくさんの自然と触れ合える場所「足助」。足助は川に沿って形成された村で、紅葉で有名な「香嵐渓(こうらんけい)」エリアと、江戸時代からの足助の町並みが残る国の重要伝統的建造物保存地区(=重伝建)に選定されたエリアに分かれていて、それぞれ異なる趣が楽しめます。

今回は見どころ盛りだくさんの足助を、エリア別にご紹介します。

※本記事は2022年9月時点の情報を元に作成しています。諸事情により最新の状況と異なる場合があります
※2025年2月、一部情報を更新しました

足助(あすけ)ってどんなところ?

足助(あすけ)は、愛知県豊田市にある町。特に「足助の町並み」として国の重要伝統的建造物群保存地区に保存されている地区が有名です。北から親王町・田町・本町・宮町・新町・西町・新田町・松栄町の8つの地区があり、古き良き町並みが2kmに渡って続いています。

尾張・三河と信州を結ぶ伊那街道(中馬街道)の重要な中継地にあたり、かつて物資運搬や庶民通行の要所として栄えました。戦国時代に町の原型が形成され、江戸時代初期に現在の町割りが出来上がりました。

江戸時代・1775(安永4)年の大火で町並みの大部分は焼失してしまいましたが、その後再建されました。現在は、大火後の江戸時代後期から明治末までに建てられた建物を見ることができます。防火のために漆喰で軒先まで塗り固めた「塗籠(ぬりごめ)造り」という様式が特徴的です。

足助町には巴川(ともえがわ)と足助川という二つの川が流れており、古い町並みが美しい保存地区は足助川沿いに広がっています。さらに川沿いから少し奥まった山中には足助城があります。
昼の足助の街並み

足助の町並み

香嵐渓(こうらんけい)ってどんなところ?

香嵐渓(こうらんけい)は、足助町の巴川沿い約1kmに渡って続く美しい渓谷です。

愛知高原国定公園の一部であり、標高254mの飯盛山から川沿いにかけて豊かな広葉樹林が広がります。山中には、香積寺(こうじゃくじ)やカタクリ群生地などがあり、四季折々の美しい自然が見どころです。

春はカタクリ、夏は新緑、秋は紅葉が美しい場所ですが、特に紅葉の美しさは広く知られています。毎年11月の1ヶ月間は「香嵐渓もみじまつり」が開催され、夜間にはライトアップも行われます。

昼間の香嵐渓 紅葉の様子

香嵐渓の紅葉。奥に見えるのは待月橋

足助・香嵐渓を巡るモデルコース

足助の町並みと香嵐渓の散策を両方楽しむモデルコースを紹介します。足助の町並みから香嵐渓までは、徒歩で15分ほど。(旧田口家住宅〜香嵐渓広場)。駐車場を起点に、ぐるりと歩いて回ってみるのがおすすめです。


足助・香嵐渓の立ち寄りスポットマップ

所要時間目安

各スポット間の移動時間は、トータルでおよそ1時間ほど。各スポットでの滞在時間や待ち時間を考えると、所要時間は3時間ほどが目安です。紅葉の季節などは混雑が予想されるので、さらに余裕を見ておくと安心でしょう。

足助西町 第2駐車場
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 |(徒歩約10分)
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①旧田口家住宅
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 |(徒歩約15分)
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②香嵐渓 待月橋
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 |(徒歩約5分)
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③三州足助屋敷
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 |(徒歩約3分)
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④香積寺
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 |(徒歩約10分)
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⑤足助八幡宮
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 |(徒歩約10分)
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⑥びっくりや
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 |(徒歩約10分)
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足助西町 第2駐車場

①足助の町並みを散歩:旧田口家住宅

旧田口家住宅

旧田口家住宅

足助の町並みは、通りを歩いているだけでタイムスリップしたような気分になれますが、せっかくなら旧家の中に入ってみてはいかがでしょう。

旧田口家住宅は江戸末期以前のものとされる建物。かつては製茶業や給油所を営んでいたそうで、当時使用していた看板やガソリンの地下タンクも保存されています。

火・水曜を除く毎日10:00〜17:00に無料公開されており、家屋の中の様子や、町の歴史を解説するパネルなどを見学することができます。

《旧田口家住宅 基本情報》
●住所:愛知県豊田市足助町本町8
●公開日:月・水・金曜、土日祝
●公開時間:
●関連サイト:旧田口家住宅|豊田市足助観光協会

②香嵐渓散策

香嵐渓入り口付近にはいくつか駐車場があります。車で訪れる方は、それらの駐車場に車を停めて、巴川沿いの散策に出発です。

「待月橋(たいげつきょう)」などの風情ある景色を楽しみながら、三州足助屋敷を目指します。

秋の待月橋

秋の待月橋

③三州足助屋敷(さんしゅうあすけやしき)

三州足助屋敷

足助・三州足助屋敷

三州足助屋敷は、かつての豪農屋敷を再現した施設で、「生きた民俗資料館」と言われています。技術の伝承を目指し、昔ながらの年中行事や手仕事といった足助の暮らしを今に伝えています。実際に足助屋敷の中では「炭焼き」「木地」「紙漉き」「機織り」など10種の"手仕事"が行われていて、体験できるものもあります。藍染め体験ではハンカチやショールの染め体験で可能。竹細工体験では竹とんぼやぶんぶんゴマがつくれますよ。所要時間20分程度のものからあり、気軽に挑戦できます。

《三州足助屋敷 基本情報》
●住所:愛知県豊田市足助町飯盛36
●営業時間:9:00~17:00(入場は16:30まで)
●入館料:大人300円/高校生以下100円 ※体験料別
●休館日:木曜(祝日の場合は翌日休)/年末年始(12月24日~1月2日)
●公式ホームページ:三州足助屋敷

④香積寺

香積寺の門から見える紅葉

足助・秋の香積寺

1427年に足助氏の居館跡に創建された曹洞宗のお寺「香積寺(こうじゃくじ)」。山号は飯盛山(はんざいせん)です。寺院の一帯にもみじや杉木が生い茂っており、香嵐渓に紅葉を植えたとされている三栄和尚が残した杉も2本残っています。

参拝するために階段を登らなければなりませんが、登った後はそんな疲れも吹っ飛ぶ絶景が広がっています。紅葉シーズンは紅葉狩りや写真撮影をする人で賑わいます。5月頃に見られる青紅葉も心が浄化されるような美しさです。

⑤足助八幡宮

足助秋祭りが行われる足助八幡宮の鳥居

足助八幡宮

室町時代の建築様式の本殿が、国の重要文化財に指定されている「足助八幡宮」。足助八幡宮は今から約1300年前の創建と伝えられています。足助八幡宮には足の神様が祀られており、足=交通手段という意味から、交通事故防止や旅行の守護神としてもご利益があるそうです。

⑥五平餅を食べる

五平餅を作っている様子

五平餅を作っている様子

足助にはレトロなカフェや食事処が多くありますが、いちおしのグルメは五平餅です。味噌と醤油の2種類の味から選ぶことができ、テイクアウトもできる「びっくりや」の五平餅は国産のうるち米を使用。もともちとした食感が人気の足助名物です。

「びっくりや」のほかにも、足助エリアだけで五平餅の店舗は13店舗もあります(2022年8月時点)。味噌味や醤油味だけでなく、ごまくるみ赤味噌だれという変わり種もあります。五平餅の形も店舗により異なり、小判形や団子型、御幣型、わらじ型など様々です。食べ比べをしてみても楽しそうです。

足助・香嵐渓の季節の魅力

(2〜3月)中馬のおひなさん in 足助

中馬のひな人形

足助・中馬のひな人形

和菓子のお店や、お土産店が立ち並ぶ足助・重伝建エリアの「本町」。2月中旬から3月にかけての1ヶ月、「中馬(ちゅうま)のおひなさん」のお祭りで賑わいます。

中馬のおひなさんとは、1999年から地域活性化を目的に始まった、足助の春のお祭りです。道ゆく人々に足助での町歩きをより楽しんでもらうため、重伝建に並ぶ民家・商家の玄関先や店内に、古くから伝わるおひなさんを飾り、町を華やかに彩ります。

期間中は公営駐車場や協力店舗に置いてある『おひなさんマップ』を見ながら町の散策が楽しめるほか、期間中の土日には、土人形絵付け実演や体験も可能。迫力あるよさこい演舞やそのほかにもスタンプラリーなどのイベントも開催されます。展示拠点は足助観光協会、本町区民館、足助中馬館、三州足助屋敷、百年草の5ヶ所です。

《第27回 中馬のおひなさん in 足助 開催概要》
●日程:2025年2月8日(土)~ 3月9日(日)
●開催時間:10:00〜16:00
●場所:重伝建の町並み一帯と香嵐渓
●詳細情報:第27回(2025年)中馬のおひなさん in足助|豊田市足助観光協会)

(3〜4月)カタクリの群生

薄紫のカタクリが咲き誇る群生地

足助のカタクリ群生地

3月下旬から4月上旬が見頃のカタクリの花。香嵐渓の飯盛山の北西向き斜面には、約50平方メートルに及ぶカタクリの花の群生地があります。カタクリは開花するまでに7〜8年という長い年月をかけて咲く花。香嵐渓では、この貴重なカタクリの花を守るため、保護や育成に積極的に取り組んでいます。気候により開花時期がずれることもありますが、春休みの時期にぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

(11月)香嵐渓もみじ祭り

香嵐渓もみじ祭りのライトアップ

香嵐渓もみじ祭りのライトアップ

紅葉シーズンである11月の1カ月間は「香嵐渓もみじ祭り」が開催され、多くの観光客が訪れます。例年もみじ祭りの期間中、巴川沿いにある「香嵐渓広場」では猿回しや和太鼓、お茶会などのたくさんのイベントが開催され、多くの人で賑わいます。

香嵐渓の紅葉は、香積寺11代目の三栄和尚が1634年に植えたのが始まりとされます。巴川沿いの参道から香積寺境内にかけて、楓・杉などを一本一本植えていったのだとか。

山中にあるもみじは、森林公園をつくるために、青年団や婦人会を中心に奉仕作業で植えられました。現在、香嵐渓には楓・杉など約4000本の木々が植わっています。森林公園内にはキャンプやBBQをするスペースもあるので、グループで遊びに行くのも楽しそうですね。

《第69回 香嵐渓もみじまつり 開催概要》
●日程:2024年11月1日(金)~ 11月30日(土)
●時間:常時開園(無料)
●ライトアップ時間:日没~21:00(期間中毎日)
●場所:足助・香嵐渓広場周辺(愛知県豊田市足助町飯盛)
●詳細情報:2024年 第69回 香嵐渓もみじまつり|豊田市足助観光協会

おわりに

足助の重伝達エリアには、昔ながらでレトロな小道も数多く残っています。浴衣や着物で訪れて、記念撮影をするのも楽しそうですね。自然溢れる香嵐渓と歴史を感じられる重伝達エリアが隣接している足助。充実した一日が過ごせること間違いなしです。また、足助では一年を通して様々なイベントが行われています。ぜひ足助を訪れてみてくださいね。

Text:編集部 Photo(特記ないもの):PIXTA/写真AC

アクセス

最寄駅 : 名鉄 豊田市駅・愛知環状鉄道 新豊田駅

名古屋駅からのアクセス

【名古屋駅】- 地下鉄東山線 / 藤が丘方面
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