静岡県の大井川沿いを走る大井川鐵道。今や珍しいSLに乗れる路線として人気を集めています。その沿線には、四季折々の絶景や、恋が成就すると言われている夢の吊橋、温泉など、ここでしか味わえないものがたくさんあります。
今回は、見所満載の大井川鐵道の旅の情報を紹介します。
大井川鐵道とは?
大井川鐵道株式会社は、静岡県の大井川本線 金谷駅 - 千頭駅間 39.5 kmと井川線 千頭駅 - 井川駅間 25.5 kmを運行している鉄道会社です。運行している列車は普通列車だけでなく、アプト式列車やSL、トーマス列車といった様々な列車を運行しているバライティに富んだ路線です。
大井川鐵道で乗車可能な列車の種類
大井川鐵道で現在運行している様々な列車や列車での楽しみ方を紹介していきます。
普通列車
大井川鐵道の普通電車では全国の私鉄の引退した列車を運行しています。列車は3種類運行しており、外観だけでなく内装や性能も異なっています。SLに限らず、鉄道ファンには特に愛されている電車です。
一つ目が1958年に大阪府大阪市浪速区の汐見橋駅から、和歌山県伊都郡高野町の極楽橋駅までを結ぶ、南海高野線を走っていた「21000系」。緑色の外観の通称「ズームカー」とも言われている、高性能を誇っていた列車です。
大井川鐵道 普通列車 21000系
二つ目が大阪府大阪市阿倍野区の大阪阿部野橋駅から、奈良県橿原市の橿原神宮前駅までを結ぶ、近鉄南大阪線で活躍している「16000系」です。黄色い外見で、現在も同じ種類の車両が現役で近鉄南大阪線にて運行されています。
大井川鐵道 普通列車 16000系
三つ目が東急電鉄(東京都・神奈川県)や、青森県の十和田観光電鉄の三沢~十和田市間14.7キロを走っていた「7200系」です。平成27年度からこの大井川鐵道を走り始めました。
大井川鐵道 普通列車 7200系
大井川鐵道の切符は今となっては珍しい「硬券乗車券」が使用されています。一枚一枚駅員の方がきっぷの入鋏をしてくれます。
また、使用済みの切符は記念に持ち帰る事が可能なので、良い旅のお土産になる事間違いなしです!
大井川鐵道 普通列車の切符
アプト式列車
大井川鐵道では、日本唯一のアプト式列車「南アルプスあぷとライン」に乗り景色を楽しめます。
アプト式列車とは、カール・ロマン・アプトさんが発明した、急勾配を上るための鉄道システムの一種です。スイスの観光鉄道で使用されていることは世界的にも有名です。
アプト式列車の特徴は小型列車であり、ラックホイールピニオンという坂道専用の歯車がついているということ。南アルプスあぷとラインの「アプトいちしろ駅〜長島ダム駅」区間は、日本の鉄道路線で最も急な区間となっているためアプト式列車が適しているのです。
そして、南アルプスあぷとライン沿線では「奥大井湖上駅」や「関の沢橋梁」などの 光景を楽しむ事ができます。
大井川鐵道 アプト式列車
SL
大井川鐵道と言ったら「SL」をイメージする人も多いのではないでしょうか。なぜなら大井川鐵道は日本で唯一、年間300日以上SLを営業運転している鉄道会社であるからです。SLの車両は全部で4種類。各車両ごと様々な歴史を持っており汽笛の音もそれぞれ特徴があります。
大井川鐵道 SL
内装も木の座席や古い扇風機など、製造された当時そのものの設備が設置されており、昭和の雰囲気をそのまま感じる事ができます。
それだけでなく、SL車両内では「SLおじさん・SLおばさん」と言われる専務車掌の方達が、見どころを案内し説明してくれます。またハーモニカの演奏のサービスでも楽しませてくれます。
きかんしゃトーマス号
きかんしゃトーマス号は大井川本線の「新金谷駅」と「家山駅」の間、14.8kmの区間を運行しています。トーマスだけでなく転車台ではジェームス号が、整備工場ではフリンに会う事ができます。他にも多くのトーマスの仲間たちに会うことのできる、子ども達大興奮の列車です。
きかんしゃトーマス号は予約制&全席指定席となっています。専用サイトからの発売されているので予約は必須です!
大井川鐵道 機関車トーマス号
時刻表
料金
運賃は乗車する区間によって様々です。詳しくは大井川鐵道公式ホームページをご覧ください。
お得なフリーきっぷなど様々な種類のきっぷがあるので事前に調べてからいきましょう。
時刻表
大井川本線の運行本数は1時間におよそ2本、南アルプスあぷとラインの運行本数は1時間に1本です。乗り遅れずに快適な観光をするためにも大井川鐵道時刻表はチェック必須です。旅行計画を立てる際にも役立ちますよ。
大井川鐵道の魅力!
大井川鐵道の観光で見逃せない見どころ・おすすめポイントをご紹介します!
東京から2時間で行ける!
大井川鐵道のスタート地点は金谷駅です。東京からは、新幹線と電車のローカル線を乗り継いで2時間ほどで行けます。SLの発着地点の新金谷駅へは、金谷駅からおよそ5分。アクセスは非常に良い場所です。
桜と大井川鉄道のSL
新金谷駅には、転車台やSL広場など、SLを間近で見ることができる場所があります。転車台の転向開始時刻に合わせて行くと、SLが転車台で回転しているところを見学できるのでオススメです。ぜひ時間に余裕を持って、新金谷駅にも立ち寄ってみましょう。
レトロなSL旅
大井川鐵道のSLは、大井川本線の新金谷駅〜千頭駅間で運行されています。日本全国各地でSLに乗ることができますが、本数が少ない場合や、運行休止期間があるSLも少なくありません。しかし大井川鐵道のSLは、ほぼ毎日運行しており、一年中乗ることができるのです!
茶畑を走行する蒸気機関車
乗車時間はおよそ80分。平均時速30kmとのんびり大井川沿いを走ります。美しい茶畑などの車窓を眺めながら、駅弁を味わうのもオススメです。
また、終点の千頭駅ではSLの滞在時間が長いため、記念撮影をしたり整備の様子を見学したりすることもでき、SLを思う存分堪能できます。
大井川鉄道限定グッズ
大井川鐵道の各売店やSL内にて、限定のオリジナルグッズを購入する事ができます。SLの人形焼やSL黒カレー、そしてオリジナルのトーマスグッズ。たくさんあるので何を買おうか迷ってしまします!
大井川鐵道沿線の絶景おすすめスポット3選
鐵道の旅といえばやはり「絶景」。大井川鐵道沿線には死ぬまで一度は訪れたいおすすめの絶景&撮影スポットが多くあります。ここではインスタ映え必見である、特におすすめのスポット3選を紹介します。是非周遊してみては。
恋が成就する「夢の吊橋」
千頭駅からバスで40分ほどの距離に、温泉地として親しまれてきた寸又峡があります。南アルプス登山の入り口でもある寸又峡は、手付かずの自然が多く残り、秘境ともいわれています。
夢の吊り橋
その寸又峡には3つのハイキングコースが設けられており、中でも「寸又峡プロムナード」(1周約90分)にある吊橋が、恋が成就するということで人気を集めています。その吊橋が「夢の吊橋」です。夢の吊橋の真ん中で恋に関する願い事をすれば叶えられるといわれるパワースポットでもあります。
夢の吊橋
夢の吊橋は、全長90m、高さは8mで、エメラルドグリーンに光る湖面の上に架かる橋です。この湖は、水の中の微粒子が光に反射することで起こる「チンダル現象」によって、美しいエメラルドグリーン色をしています。夢の吊橋の中央で恋の願い事をすると恋が叶うと伝えられ、女性客にも人気のスポットです。
混雑時は一方通行となり往復する事ができないので注意してくださいね。
日本一秘境にある駅「奥大井湖上駅」
周りを湖に囲まれたところに、ひっそりとある無人駅の奥大井湖上駅。この駅は日本で唯一、湖の上にある駅です。大井川鐵道井川線にある奥大井湖上駅は、なぜこんなところに駅があるのか不思議に感じる、まさに日本一秘境にある駅なのです。
恋の南京錠
また、愛を確かめ合う場としても人気で、「奥大井恋錠(こじょう)駅」とも呼ばれています。幸せを呼ぶ鐘や、結婚式が行われることもあり、静岡県の「ふじのくにエンゼルパワースポット」にも登録されています。
大井川鉄道の線路
奥大井湖上駅の全貌を眺められる展望台が、駅から徒歩20分ほどの距離のところにあります。「レインボーブリッジ」と呼ばれる真っ赤な橋の横には遊歩道が整備されており、そこを通って展望台に向かいます。
奥大井湖上駅
約120段の急な階段を登りきり、そこから少し歩くと展望台にたどり着きます。駅は山とエメラルドグリーンの湖に囲まれ、まるで湖に浮かぶ駅のようです。例年11月中旬〜11月下旬に見頃を迎える紅葉の時期には、さらに美しい景色が広がります。
「寸又峡温泉」で旅の疲れをリフレッシュ
寸又峡温泉 外観
寸又峡温泉は、南アルプスの麓から湧き出る温泉です。日帰り入浴のほか、温泉宿・民宿などの宿泊施設もあります。泊まりで観光する場合は、寸又峡温泉の宿での宿泊をオススメします。
寸又峡温泉の泉質は弱アルカリ性を含んだ硫黄泉で、湯上り後のお肌がスベスベになることが特徴です。そのことから、「美女づくりの湯」の愛称でも親しまれています。
小さな温泉街ですが、温泉の入り比べも楽しむことができます。1枚で3回入浴できるパス「湯楽戯手形」(1枚1000円)は、湯めぐりをする際にはオススメです。
アクセス
最寄駅:JR東海道本線金谷駅
東京駅からのアクセス
【東京駅】ー 東海道新幹線 / 名古屋方面 →【静岡駅】ー JR東海道本線 / 浜松方面 →【金谷駅】
浜松駅からのアクセス
【浜松駅】ー JR東海道本線 / 静岡方面 →【金谷駅】
富士山静岡空港からのアクセス
【富士山静岡空港】ー 連絡バス / 静岡駅行き
→【静岡駅】ー JR東海道本線 / 浜松方面 →【金谷駅】
泊まりでじっくり観光を
吊橋、秘境、温泉など大井川鐵道沿線には見所がたくさんあります。日帰りで行くことももちろん可能ですが、大井川鐵道の本数が少ないため、駆け足での観光になってしまいます。時間に余裕を持って訪れて、寸又峡温泉に宿泊してゆっくり巡るのもオススメですよ。