「KUTANI SEAL(クタニシール)」とは
金沢市「八百萬本舗」でKUTANI SEAL(クタニシール)体験
KUTANI SEAL(クタニシール)誕生に込めた思い
まとめ

石川県を代表する伝統工芸の「九谷焼」。長い歴史を持つ九谷焼が、昨今、ポップな絵柄でより私たちの日常に寄り添う焼き物として注目を集めています。

ご紹介するのは、九谷焼のニューウェーブを牽引する「KUTANI SEAL(クタニシール)」。色鮮やかな色彩と愛らしい絵柄を携え、伝統を大切にする日本人の心と時代に沿う新しい九谷焼のカタチを提案するブランドです。

今回は、「KUTANI SEAL(クタニシール)」の体験ができる石川県金沢市内の「八百萬本舗」を取材。クタニシールの楽しみ方と、誕生秘話について伺ってきました。

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【九谷焼】360年続く石川県の伝統工芸品の鮮やかな色彩の秘密

石川県 < 能登・輪島

【九谷焼】360年続く石川県の伝統工芸品の鮮やかな色彩の秘密 日本を代表する色絵陶磁器「九谷焼」。石川県南加賀発祥の、約360年の歴史を誇る伝統工芸品です。世界中から愛されている、色鮮やかな絵付けが特徴。キャラクターとのコラボ商品も流通し、五彩を用いた色合いが人気です。

伝統工芸

九谷焼ニューウェーブ!「KUTANI SEAL(クタニシール)」とは


色彩が美しい古九谷

「九谷焼」は石川県を代表する伝統工芸のひとつ。九谷五彩と呼ばれる青、黄、紺青、紫、赤の伝統色に、黒を加えた6色で彩られた色絵磁器です。

九谷焼と聞いてまず頭に浮かぶのは、大胆な筆致で描かれた色鮮やかで華やかな作品ではないでしょうか。九谷焼の独特な色彩美は360年の歴史の賜物。1873年のウィーン万博をきっかけに日本国内だけでなく、世界にも広まり、20世紀後半にはイギリスの陶磁器メーカー「WEDGWOOD」が九谷焼のデザインを取り入れ模倣したシリーズを発表するなど、「ジャパンクタニ」は世界中の愛好家を魅了し続けています。

クタニシールを貼って焼くだけで「九谷焼」が完成


ブランド「KUTANI SEAL(クタニシール)」の器たち

石川県南部を発祥の地とし、現在でも小松市、能美市、加賀市周辺に多くの窯元があり、伝統的な美術工芸品や日用食器などを生産しています。しかし、日本国内で流通されてはいるものの、値段が張ることから「少し敷居が高い」という声も。


ポップなデザインがKUTANI SEAL(クタニシール)の人気の秘密

そこで2009年に誕生したのが、九谷焼の転写ブランド「KUTANI SEAL(クタニシール)」。「九谷焼をみなさんの身近に」というテーマを元に、合同会社上出瓷藝が立ち上げました。

絵付けの転写技術を用いたクタニシールは、かわいらしい絵柄のシールを器に貼り焼き上げるだけでオリジナルの九谷焼が製作できます。和モダンな絵柄を備えたクタニシールの器はSNSで広まり、女性を中心に人気が急上昇。クタニシールを使用することにより、伝統工芸品を身近に感じられる新しい九谷焼のカタチです。

金沢市「八百萬本舗」でKUTANI SEAL(クタニシール)体験


風情ある外観が魅力的な「八百萬本舗」

今回は、KUTANI SEAL(クタニシール)のワークショップを随時開催している、石川県金沢市尾張町にある雑貨ギャラリー「八百萬本舗(やおよろずほんぽ)」にお邪魔してきました。

2015年に北陸新幹線が開業して以来、より観光地として国内外から注目を集めている金沢市。「八百萬本舗」は、金沢を代表する観光スポットであるひがし茶屋街の近く、浅野川の橋のたもとにお店を構えています。元金物店だった町家を改装した店舗は当時の情緒を残しているため、金沢市らしい町家の景観に馴染む外観が特徴。

店内には、6つのテナントが入居しており、中には北陸新幹線PRのために誕生した人気のゆるキャラ「ひゃくまんさん」のグッズが並ぶ店舗もあります。今回お邪魔した店舗「KUTANI SEAL(クタニシール)」もその中の一つ。


石川県の魅力を発信する6つの店舗が揃う

のれんをくぐり店内に足を踏み入れると、すぐ左側に構えているのが「KUTANI SEAL(クタニシール)」のお店。猫好きにはたまらない「ネコジェラシーシリーズ」、舌を出した犬の顔がユーモラスな「ペロペロ箸置」など、モダンで可愛い日用雑貨を販売しています。


九谷焼の箸置きが手に入る「九谷焼ガチャ」

外国人観光客に人気だという2種類の「九谷焼ガチャ」が入り口近くに配置されていました。クマのキャラクターの箸置きと、キュートな犬のキャラクターがデザインされた箸置き。どちらもかわいらしいデザインで、何が当たるかワクワクしちゃいます。


花型皿(2,700円)

店頭で予約確認を済ませた後、そばちょこ、皿、ごはん茶碗、マグカップなど6種類の白い器の中から一つを選択。いよいよクタニシールワークショップ体験です。今回私が選んだのは、花びらのようなフォルムがかわいらしい花型皿。小皿としてお惣菜を盛り付けるほか、取り皿にもぴったりなサイズです。平たい花型皿はクタニシールが貼りやすいため初心者さんにもおすすめだそう。


約30種類以上のクタニシールから好きなものを使用

白い皿にクタニシールを並べ、デザインを決めていきます。イノシシ、サル、ウサギといった干支の動物、チョウチョ、猫、梅、雪だるまなど、華やかでかわいらしいクタニシールが約30種類もあり、目移りしてしまいます。

用意したクタニシールは好きなだけ使用できるのもうれしいポイント。絵柄シールと合わせ、「ISHIKAWA」「KANAZAWA」「ANYATO(金沢弁でありがとうの意)」といった言葉が書かれた「文字シール」を1枚選べます。

シールは切って使えるため、例えば雪だるまのバケツをハートや星に変える、と切り方や組み合わせ次第で自由自在にデザインが可能。スタッフさんにコツを尋ねると、「遊び心を持って、自由に楽しんでください」とのことでした。

30分試行錯誤を重ね、できるだけ多くのクタニシールを賑やかに、かわいらしく散りばめられるようデザインを決定。イノシシが手毬でサッカーする姿をデザインしました。ちなみに、器は表だけでなく、裏も自由にクタニシールを貼ることができます。


クタニシールを水に浸してから貼り付けを行う

デザインを決めたら、いよいよクタニシールの貼り付け工程に入ります。まずは、クタニシールを台紙がついた状態で水に浸します。1〜2分経つと台紙からシールが剥がしやすくなってきます。

ピンセットで台紙ごと皿の上に置き、スライドするように台紙だけ引き抜きます。濡れている間はシールを自由に動かすことができるので、貼り間違えても安心。


クタニシールの空気を抜く工程は焼き上がりの出来を左右する

全てのクタニシールを皿に貼り付けたら、最後は空気と水分を取り除く工程へ。ペーパータオルを巻きつけた厚めのヘラを使用します。焼き上げを美しくするためには、しっかり空気を抜くことが大切。空気をキレイに取り除くことで、焼き上げた時に気泡が入りません。


焼き上げ前の完成品

ちなみに、クタニシールの絵柄周りの黄色い部分は焼くことで燃えてなくなります。重ね貼りも自由にできます。ただし、絵柄部分を重ねるとクタニシールの絵の具がきれいに混ざり合わないため、注意しましょう。所要時間は約90分。ギリギリ間に合いました。

完成作品は窯で焼き上げた後、約1カ月後に手元に届きます(別途送料必要、海外発送不可)。じっくり悩んでデザインした九谷焼は特別な作品になること間違いなしですね。

ワークショップは予約制で1日4回、店頭で開催しています。また2階の座敷スペースでは、スペシャルワークショップを定期的に行なっているそう。スペシャルワークショップでしか登場しない、特別な転写シールを用意してくれるそうです。

KUTANI SEAL(クタニシール)誕生に込めた思い

KUTANI SEAL(クタニシール)が誕生してから今年で10年。生みの親である上出瓷藝代表の上出惠悟さんは、クタニシールを作った理由についてこのように話します。

「九谷焼の生産量はだんだん減ってきており、家庭の食卓もそうですが、旅館や和食店でも九谷焼は影を潜めつつあります。若い世代にももっと気軽に九谷焼を使って欲しいという想いとともに、転写と手描きという製法を正しく皆さんに伝えたいと考えクタニシールを作りました。色んな面から九谷焼を知り話題にしてもらえたらうれしいです」

九谷焼ニューウェーブKUTANI SEAL(クタニシール)を体験しに、いざ金沢へ!

伝統工芸を、九谷焼を、もっと身近に。色彩豊かな器をプラスするだけで、いつもの食卓が少し華やかになるはず。

九谷焼の新たなカタチを作っていくKUTANI SEAL(クタニシール)を体験しに、金沢旅行の思い出作りに、ぜひ八百萬本舗に足を運んでみてはいかがでしょうか。