イントロダクション
日本茶のキホンを知ろう
日本茶の飲み比べ体験に挑戦しに人形町「ShiZen Tea」へ
日本人がよく飲む日本茶はどれも「緑茶」?
日本茶飲み比べ① 緑茶の代表「煎茶」
日本茶飲み比べ② まろやかな味が特徴の「抹茶」
日本茶飲み比べ③ 緑茶の最高級ランク「玉露」
ShiZen Teaオーナーが思う日本茶の魅力
まとめ

古くから日本で親しまれてきた「日本茶」は、茶葉の苦味とうま味を感じられる奥深い味わいだけでなく、健康にも良い飲み物として知られています。しかし「日本茶」と一言で言っても、その種類はさまざま。煎茶、番茶、玉露…多彩な種類があり、違いを知らない人も多いはず。
今回は、実は知らないことだらけの「日本茶」の魅力に迫るべく、飲み比べができる、東京都中央区の日本茶専門店「ShiZen Tea」に訪れることに。13種類の日本茶を飲み比べる体験を通して、淹れ方や味わいの違いを学んできました。

日本茶のキホンを知ろう

「日本茶」とは、その名の通り日本で作られるお茶のことで、そのほとんどが国内で消費されています。私たち日本人の日常に欠かせない存在ですよね。

原料は、「チャ」という植物。チャの葉っぱ、つまり茶葉を使って日本茶は作られます。茶葉の加工の施し方によって、日本茶の基本である「緑茶」や、「紅茶」「ウーロン茶」といったさまざまなお茶が生まれるのです。茶葉から作られる飲み物は、世界的に紅茶が圧倒的な人気を誇っていました。しかし、2020年現在、年々緑茶の生産が世界的に増加しており、日本だけでなく、今では日本国外でも緑茶はスタンダードな飲み物になりつつあるようです。


飲み比べる多彩な種類の日本茶

チャの原産地はどこ?

茶の原産地として有名なのは中国。世界一の生産量を誇ります。
5000年前の中国の神話にお茶が登場するほどの長い歴史を持ち、お茶は中国から世界へと広がっていったそう。健康にも良いとされ、日本に渡ってきたとされる唐の時代(618年〜907年)には、お茶が薬として扱われていたようです。

日本茶の飲み比べ体験に挑戦しに人形町「ShiZen Tea」へ


日本茶の飲み比べ体験ができる隠れ家のようなカフェ「ShiZen Tea」

日本でも古くから健康によいとされ愛されてきたお茶。今では「日本茶」という文化として独自の発展を遂げているものの、「日本茶」にどんな効果や種類があるかはイマイチよく知りません。
今回は、東京都の老舗が集う日本橋エリアに位置する日本茶専門店「ShiZen Tea」にお邪魔し、日本茶飲み比べ体験を通してお茶の魅力に触れることに。ここではなんと、13種類の日本茶を飲み比べることができるのです。


古民家をリノベーションした店内は落ち着いた雰囲気

日本茶飲み比べ体験では、7種類の「煎茶」と5種類の「抹茶」に加え、日本茶の中でも最上級ランクに位置づけられる「玉露」の13種類を順番に試していきます。(日本茶飲み比べ体験の内容は時期や入荷状況により異なります)


日本茶飲み比べ体験で使用する13種類の茶葉

オーナーが目の前で丁寧に日本茶を淹れる様子も見ながら、日本茶を目で、鼻で、舌で楽しみます。参加者の多くは訪日観光客。日本茶について知りたいという熱い思いで訪れる人、飲み比べを通して日本茶に興味を持つ人などさまざまです。

今回一緒に体験したのは、コロンビア出身でシンガポールに在住のパトリシアさんと、友人のグロリアさん。緑茶の大ファンだというパトリシアさんに連れられ、コーヒー好きだというグロリアさんも参加を決めたそう。


今回の体験に一緒に参加したグロリアさんとパトリシアさん

日本人がよく飲む日本茶はどれも「緑茶」?

日本茶の飲み比べをする前に、まずはオーナーの麻生さんから日本茶の種類や産地についての説明を受けます。


説明を聞き、資料を読みながら理解を深めていく

普段私たちが飲んでいるお茶は、チャの葉を摘み、揉んだり、発酵させたり、乾かしたりした「茶葉」をお湯に浸して作られます。
通常、葉は摘んだあと、時間が経つと発酵状態となります。ですが、日本茶の多くは、摘み取った葉に熱を加えて(蒸すなど)発酵を止めた「不発酵茶」です。この不発酵茶が、いわゆる「緑茶」というもの。煎茶や玉露、番茶、ほうじ茶などはすべて「緑茶」のなかのひとつなのです。


煎茶もほうじ茶も番茶もすべて「緑茶」

日本茶飲み比べ① 緑茶の代表「煎茶」

日本で最も多く飲まれている代表的なお茶「煎茶」。茶葉の新芽を蒸して揉みながら乾燥させたもので、爽やかな香りとほどよい渋みが特徴です。
今回は、3つの煎茶と4つの上煎茶の7つを試飲していきます。


煎茶を淹れる様子

「お茶ごとに、淹れるうえで適したお湯の温度が異なるんです」と麻生さん。煎茶では80~90℃、上煎茶では70℃前後、玉露では50~60℃…と、茶葉のランクが上がるほど、ぬるめのお湯で淹れるそう。淹れるお湯の温度で、苦みやうま味の度合いが変わっていくのです。

まず一杯目は、夏に収穫された静岡県産の煎茶。渋みがほどよく、茶葉の香りや風味も感じられます。

続いて、同じ煎茶がベースの「玄米茶」「棒ほうじ茶」を順に味わっていきます。
玄米茶とは、炒った玄米を煎茶にブレンドしたお茶のこと。玄米特有の香りと甘みが特徴で、ほっと緊張がほぐれるようなやさしい味わいでした。


お茶を淹れながら説明をしてくれます

棒ほうじ茶は、チャの茎の部分を茶色になるまで焙煎したお茶。香ばしくすっきりとした軽いテイストで、とても飲みやすい印象です。普段、ほうじ茶を好む筆者にはたまらない一杯でした。
3つの煎茶を飲み比べてみましたが、「煎茶」という種類の中でもこんなに違いがあるのかと驚き。それぞれ個性があることがよく分かります。

続いては、4つの上煎茶に挑戦。
上煎茶(じょうせんちゃ)とは、5月頃に摘み取られた一番茶(新芽)のこと。
まずは静岡県産の森煎茶を試飲。煎茶よりも低温で淹れることで、渋みを抑え、一番茶の持つうま味を存分に引き出してくれるのです。たしかに、先ほどいただいた煎茶よりも口当たりがよく、甘みすら感じます。


参加者にわかりやすく説明してくれる麻生さん

煎茶だけで7つを飲み比べましたが、産地や茶葉を摘み取る時期によっても味はさまざま。麻生さんは、「体験では、味を飲み比べたときに違いがはっきりとわかるものを選んでいるんです」と話します。お茶の種類や味わいがいかに幅広いかを、飲み比べ体験を通して実感しました。

日本茶飲み比べ② まろやかな味が特徴の「抹茶」

続いては、抹茶の試飲に挑戦。
抹茶とは、煎茶や番茶などと同じく緑茶のひとつ。煎茶との大きな違いは、茶葉を育てる段階で日光に当てないよう葉に覆いを被せること。そうすることで、渋みとなるカテキンの生成が抑えられ、かつ緑の濃い茶葉となります。その茶葉を蒸して、揉まずに乾燥させたものを「碾茶(てんちゃ)」と呼び、質の高い部分だけを臼で挽いて完成するのが「抹茶」です。

今回は、静岡県、福岡県、鹿児島県、京都府それぞれの4種の温かい抹茶と、静岡県の冷たい抹茶1種、計5種を試飲していきます。


茶せんで泡立てます

抹茶を立てている間、麻生さんが緑茶を飲むことで期待できる効能や効果について話をしてくれました。驚いたのは、渋みのもととなるカテキンにコレステロールの吸収を抑制する効果があるということ。動脈硬化や血圧上昇を防止してくれるそうで、まさしく健康茶といえますね。

抹茶の茶葉の栽培では葉を覆ってカテキンの生成を抑え、渋みを減らしますが、カテキンが煎茶よりも少ない代わりに、「テアニン」という成分が多く含まれています。テアニンにはリラックス効果が期待できるそうで、緑茶に含まれているカフェインの興奮作用を抑えてくれるそう。抹茶を飲むとほっと一息つけるのは、このテアニンのおかげかもしれませんね。

ほかにも、ビタミンCをはじめさまざまな成分が含まれている緑茶。緑茶がいかに日本人の健康を支えてきたかを知ることができました。コーヒー好きと話していた参加者のグロリアさんも、緑茶の健康パワーに驚いているようでした。


クリーミーな泡が特徴の抹茶

抹茶も、やはり産地によって味に違いが。香りの強いものや、後味にキレがあるもの、口当たりが非常にまろやかなもの、渋み・甘みのバランスが良いもの…。お気に入りを探してみてください。


参加者が質問しつつメモを取る場面も

抹茶といえば、やはりイメージが強いのが茶室で正座をしながらいただく「茶会」の文化。室町時代や安土桃山時代に武家の間での嗜好品として普及した抹茶は、千利休をはじめとした茶人によって「茶道」として礼儀をもってたしなむものとなっていったのです。
「戦国時代でも、茶会の時は刀を置いてお茶を楽しむというほど、しっかりと文化に根付いていたんですよ」と麻生さんは話します。戦の多い時世の中、抹茶が武士たちの癒しの存在であったことがうかがえます。

抹茶の試飲時には、築地の名店「茂助」の和菓子がお茶請けに登場。抹茶と和菓子のマリアージュを堪能できますよ。

日本茶飲み比べ③ 緑茶の最高級ランク「玉露」

最後のテイスティングは「玉露」です。茶葉の新芽が開き始めた頃に、葉に覆いをして日光を遮りカテキンの生成を抑え、コクと甘みを引き出したもの。抹茶と同じ「茶葉を覆う」という方法で栽培されますが、玉露は葉を摘み取り蒸したのち、煎茶と同じように揉みながら乾燥させていきます。

渋みが少なく、豊富なうま味が特徴の玉露。もっとも良い部分のみを選び、手で摘み取り作られた玉露は、緑茶のなかでも最高級のランクに位置づけられます。


最高級ランクの「玉露」

玉露は、同じ茶葉を5回に分けて淹れ、その味の変化を楽しむという試飲方法。苦味成分となるカテキンが抽出されないよう、60℃前後の低温のお湯で淹れていきます。
一煎目は驚くほどとろみがあり、うまみだけでなく、緑茶のコクまで感じられます。
二煎目以降はお湯の温度を少しずつ上げていくことで、渋みが溶け出しうま味成分と合わさり、まろやかな味わいになっていきます。


玉露の茶葉まで堪能

五煎目までいただいた最後には、玉露の茶葉をフォークでいたただきます。しんなりした茶葉はお茶のうま味を凝縮した味で、苦みも渋みも感じられません。ダシ醤油をかけておひたしのようにしていただく文化もあるそうです。


飲み比べ体験で試飲したお茶の購入も可能

これにて、日本茶飲み比べ体験は終了。店内では今回試飲した日本茶の販売も行っているため、お気に入りが見つかったら購入するのもおすすめです。

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ShiZen Teaオーナーが思う日本茶の魅力


麻生さんが想いを込めて丁寧に淹れる

アメリカのニュージャージー州で生まれ、ニューヨークで育ったオーナーの麻生さん。大学進学を機に日本にやってきたという麻生さんが日本茶に出会ったのは、日本の商品を海外に広めたいと立ち上げた自身の会社「株式会社Okawari」でのことでした。会社を始めた当時、扱う商品を検討した際に出会ったのが日本茶。商人としてじっくり取り扱う商品を吟味するなか、日本各地のさまざまなお茶を試飲しているうちに、日本茶の奥深さの虜になったと話します。

世界的にコーヒー文化が根強いなか、日本人にもっと日本茶のことを学び・体験してもらいたいと感じたそう。その場でお茶を楽しめる実店舗「ShiZen Tea」をオープンすることで、日本茶をもっと世界に広めるきっかけにしたいと話します。


英語・日本語の2カ国語で参加者と交流

日本茶の魅力は、「土地によって味が異なること」「日本が長くから続く日本茶の歴史を持っていること」と麻生さん。
「日本人はもちろん、訪日観光客の人たちにも、日本茶の魅力を知ってほしい」。日本茶飲み比べ体験を通じて、そんな麻生さんの願いを感じられました。

ShiZen Teaは、今回筆者が参加した「日本茶飲み比べ体験」といった体験だけでなく、カフェとしても営業。単品の日本茶やランチメニューをいただくこともできます。

歴史を知りながら日本茶を楽しむ癒しのひとときを

飲み比べ体験後は、日本茶のリフレッシュ・リラックス効果で気分が晴れやかになったようでした。日本茶が好きという人はもちろん、好みの日本茶を知りたい、実際にプロが淹れた日本茶を飲んでみたい!なんていう人にもおすすめ。心がほっと一息つくような、憩いの時間を過ごせるはずです。

Category: 文化

ShiZen Tea

〒103-0013
東京都中央区日本橋人形町3-4-11
050-5806-2824