白神山地をモチーフにした3編成のリゾートしらかみ
【秋田駅 8:20発】「リゾートしらかみ1号」に乗って十二湖駅へ
【十二湖駅 10:28着】「白神山地」で青池や沸壺の池を散策
【十二湖駅 13:07発】「リゾートしらかみ3号」に乗って陸奥鶴田駅へ
【陸奥鶴田駅 15:17着】鶴にまつわる「鶴の舞橋」「丹頂鶴自然公園」へ
【五所川原駅 16:45着】「立佞武多の館」でねぶたを間近に見る
【弘前駅 18:58着】「弘前公園」の夜桜観賞で旅を締めくくる
まとめ

秋田県と青森県の日本海沿いと津軽平野の田園地帯を走る五能線。1993年に日本で初めて世界自然遺産に登録された白神山地や名峰岩木山、桜の名所として有名な弘前公園など、沿線には見どころがたくさんあります。

今回は、1日3往復の快速列車「リゾートしらかみ」に乗車して、春の五能線沿線を楽しむ日帰りルートを紹介します。

(メイン写真提供:JR東日本秋田支社)

白神山地をモチーフにした3編成のリゾートしらかみ


「リゾートしらかみ」のマップ(画像提供:JR東日本秋田支社)

「一度は乗ってみたいローカル線」として有名な五能線ですが、今回は、秋田から青森(3号・6号は弘前)までを結ぶ「リゾートしらかみ」に乗り込みます。海の荒々しい岩礁や岩木山など車窓からの景色が素晴らしく、途中下車をすれば、世界遺産にも登録されている「白神山地」めぐりなどを楽しむこともできます。


リゾートしらかみ3編成(写真提供:JR東日本秋田支社)

リゾートしらかみは個性ある3つの編成。デビューした順にご紹介しましょう。

・「青池」編成(写真中央)…十二湖にある知名度・人気NO.1の青池がモチーフ。リゾートしらかみデビュー当初からの編成で、現在は2010年にリニューアルしたハイブリッド車両で運行。
・「橅」編成(写真右)…白神山地のブナ林がモチーフ。2003年より運行、2016年にハイブリッド車両にリニューアル。
・「くまげら」編成(写真左)…白神山地に生息するクマゲラと日本海に沈む夕陽がモチーフ。2006年運行開始。

鉄道好きならぜひ制覇したい3つの編成。リゾートしらかみを乗り継ぎながら北上していくことで、3編成すべてに乗車することができるんです!


今回紹介するルートの行程 ※編成は一例
※上記は一例で、運行する編成は異なる場合あり。詳細はJR東日本秋田支社HP内「時刻表・運転日・編成表」を参照
※列車の号数は奇数号が下り、偶数号が上りを意味する。出発が早い時間順に若い番号となる

車窓を楽しめる大きな窓


リゾートしらかみ普通指定席。写真は「青池」編成(写真提供:JR東日本秋田支社)

内装にはブナをはじめ、秋田杉、青森ヒバなど、沿線の木材が使われています。車窓を最大限に楽しめるよう床を下げ、開放感ある大きな窓を配し、座席にはゆったりとしたスペースが設けられています。


リゾートしらかみ展望室。写真は「橅」編成(写真提供:JR東日本秋田支社)

最前列と最後尾には展望室も。このスペースでは、車窓を楽しむほか、津軽三味線の生演奏や津軽弁の語りべなど、車内イベント時のスペースとして利用されます。ちなみに、今回紹介する列車での車内イベントはありません。


ボックス席はフルフラットで使用できる。写真は「くまげら」編成(写真提供:JR東日本秋田支社)

2号車にはゆったりとした個室感覚で利用できるボックス席。足元をフルフラットにしてのんびりくつろぐことができるので、グループや家族連れに人気のシートです。「橅」編成の3〜7番席はフルフラット仕様ではないためご注意を!

2020年4月17日(金)から2022年3月末までのリゾートしらかみ運行日、岩館駅-新青森駅の一部区間 (3号・6号は岩館駅-弘前駅)の車内で、地元出身歌手の吉幾三さんによる五能線沿線の絶景スポットや観光情報を紹介する案内放送が始まります。
※状況によっては放送できない場合あり。案内放送の内容は編成により一部異なる

リゾートしらかみは全車指定席。乗車の際には乗車券のほかに指定席券(530円)が必要で、車内では購入できないためご注意を。人気の列車ですので、事前予約がマストです!

【秋田駅 8:20発】「リゾートしらかみ1号」に乗って十二湖駅へ

まずは、秋田駅からリゾートしらかみ1号に乗り込み、十二湖を目指しましょう。

座席指定は絶景ポイントがより楽しめる海側の「A席」がおすすめ。秋田駅から奥羽本線を走ること約50分、東能代駅でスイッチバックすると、いよいよ待望の五能線区間に入ります。東能代駅から十二湖駅までは約1時間10分の旅。名物の駅弁をいただいたり、日本海の絶景を眺めたりしながら、リゾートしらかみを満喫します!

能代駅でバスケットにチャレンジ!お腹が減ったら…


能代駅ホームにはバスケットゴールが

スイッチバックした列車は約5分で能代駅に到着。能代駅では約10分の停車時間を利用して、バスケットシュートゲームにチャレンジ!見事にゴールを決めるとちょっとしたプレゼントがありますよ。


名物駅弁「比内地鶏の鶏めし(1,200円)」

鉄道旅の醍醐味、名物駅弁をいただきましょう。能代駅でいただける大人気の名物駅弁は、大館市の「花善」が手がける「比内地鶏の鶏めし」。2日前までにニューデイズキオスク能代駅店にて予約が必要です。当日は、予約していたお弁当を購入し受け取り。列車内でいただくことができます。

秋田駅や東能代駅でも購入できますが、売り切れの場合も。確実に手に入れるなら、事前予約をして能代駅で受け取るのがおすすめです!

【ニューデイズキオスク能代駅店】
電話:0185-53-5075 

能代駅から十二湖駅までは車窓の景色を楽しんで


桜の横を走るリゾートしらかみ「青池」編成(写真提供:JR東日本秋田支社)

次のあきた白神駅では車内でお花見!列車が桜の横を通過し、春のうららかな景色を眺めながらの旅を楽しめます。


岩館-大間越間の絶景区間を走るリゾートしらかみ「橅」編成(写真提供:JR東日本秋田支社)

次駅の岩館駅を過ぎると、荒々しい日本海の岩礁が現れます。絶景ポイントでは列車の速度を落として走ってくれるという、うれしいサービスが。日本海の荒々しさが生み出す自然の姿をカメラに収めるチャンスです!

【十二湖駅 10:28着】「白神山地」で青池や沸壺の池を散策

世界遺産にも指定されている「白神山地」は、青森県南西部と秋田県北西部に広がる約13haの広大な山岳地帯の総称。ブナ林を主体とした原生的かつ広大な天然林が、維持されている、世界的にも希少な地域です。

また、白神山地の中でも特に人気がある「十二湖」は、33の小さな湖沼から構成され、津軽国定公園にも指定されているエリアの名称です。十二湖は世界遺産区域に含まれてはいませんが、同様の大自然が維持されています。十二湖が広がる深浦町については、公式サイトをご確認ください。

十二湖駅に到着したら、バスに乗って白神山地へと向かいます。十二湖まではリゾートしらかみの到着時間に合わせてバスが運行しており、白神山地を気軽に楽しむことができるので観光にもとても便利。バスの終着地である奥十二湖から、青池&沸壺の池散策コース(約60分)を歩いてみましょう。


十二湖「青池」(写真提供:深浦町観光課)

鶏頭場(けとば)の池を左に見ながら進むこと約10分、右手に見えてくるのが十二湖の中でも人気の高い「青池」です。リゾートしらかみの編成名にもなっていますね。透明なコバルトブルーの水面は、青インクを流し込んだような美しい色彩を放っています。池を囲むブナの木々や葉が水面に映し出され、神秘的な雰囲気が漂います。


十二湖「ブナ自然林」(写真提供:深浦町観光課)

青池の先にはブナ自然林の遊歩道が。少し足を止めて深呼吸してみると、芽吹きの香りで心身ともに癒やされます。


十二湖「沸壺の池」(写真提供:深浦町観光課)

青池から約15分、ブナ林の先にある分岐点を右に行くと沸壺の池が現れます。ひっそりとしたコバルトブルーの池は、青池とは違った深みを感じます。

沸壺の池から川沿いに下り車道に出ると、左手に茶屋「十二湖庵」と「平成の名水百選」に認定されている美味しい湧き水・沸壺の池の清水が。「十二湖庵」ではこの湧き水で点てた抹茶と茶菓子が無料で振る舞われます。バスの待ち時間にぜひ立ち寄ってみてください。


「十二湖庵」でいただく、沸壺の池の清水で立てた抹茶(写真提供:深浦町観光課)

十二湖庵から道路を正面にして左手に進むと、十二湖養殖場前バス停に到着。およそ60分かけて、神秘的な十二湖の散策を終えました。バスに乗車し、十二湖駅まで戻ります。

【十二湖駅 13:07発】「リゾートしらかみ3号」に乗って陸奥鶴田駅へ

十二湖の散策を存分に楽しんだら、十二湖駅から「リゾートしらかみ3号」に乗り、陸奥鶴田駅へ向かいます。停車時間を利用して景勝地「千畳敷」を歩いたり、名物「ヒラメ漬け丼」をいただいたりと、楽しみがたくさんある区間です。


海岸線を走るリゾートしらかみ「くまげら」編成(写真提供:JR東日本秋田支社)

車窓は日本海の海岸線が続きます。この付近からの日本海に沈む夕陽は、「日本の夕陽百選」にも選ばれている絶景ですので、時間を合わせて見てみるのもよいですね!


千畳敷

十二湖駅から約1時間で千畳敷駅に到着。この駅で約15分の停車時間があるため、千畳敷へ足を伸ばしてみましょう。かつて津軽の殿様が千枚の畳を敷いて宴を催したといわれる、広々とした石畳を散策できます。出発3分前に汽笛が鳴るので聞き逃さないように気を付けて! 

千畳敷駅から1つ先の鯵ヶ沢駅では、予約しておくと名物「鰺ヶ沢ヒラメのヅケ丼」を列車まで届けてもらえます。前日までに要予約ですので、あらかじめチェックを!


「スーパーとびしま」の「鰺ヶ沢ヒラメのヅケ丼(540円)」

【スーパーとびしま】
電話:0173-72-2141

車窓は次第に、津軽平野のリンゴ畑や田園風景に変わります。名峰「岩木山」の姿を望むこともできます。千畳敷駅から列車に揺られること約1時間、次の下車駅「陸奥鶴田駅」に到着です。


津軽平野を走るリゾートしらかみ「くまげら」編成(写真提供:JR東日本秋田支社)

【陸奥鶴田駅 15:17着】鶴にまつわる「鶴の舞橋」「丹頂鶴自然公園」へ

陸奥鶴田駅で下車したら、「鶴」にまつわる2つのスポットへ足を伸ばしてみましょう。まずは、絶景の名所「鶴の舞橋」へタクシーで移動。鶴の舞橋は2016年にJR東日本「大人の休日倶楽部」のCMに起用され、一躍有名になったスポットです。

鶴の舞橋は日本一長い木造三連太鼓橋で、町おこしの一環として1994年に造られました。樹齢150年以上の青森ヒバ700本を使用し、日本古来の建築技術を駆使して造られた橋。つがいの鶴が飛翔する姿を連想させる優しいアーチと、谷間にある祠のような2つの東屋が特徴です。


鶴の舞橋(写真提供:鶴田町役場企画観光課)

陸奥鶴田駅から鶴の舞橋のたもとにある「富士見湖パーク」駐車場までは、タクシーで約10分。橋の完成時に植樹された桜の並木道を抜け、橋まで向かいます。

全長300mの橋はバリアフリーで優しい傾斜の歩きやすい造り。大きい東屋の中央で手を叩くと、龍の鳴いているような音が響き渡ります。橋を渡りきった先には、三連太鼓橋と対岸の桜、残雪の岩木山のコラボレーションが待っています。


丹頂鶴自然公園

絶景を楽しんだ後は、2つ目のスポット「丹頂鶴自然公園」へ。この地域には、かつて数多くの鶴が飛来したといわれています。街のシンボルでもある丹頂鶴誘致を行い、現在7羽の丹頂鶴が自然公園で飼育されています。

【丹頂鶴自然公園 基本情報】
住所:〒038-3542 青森県北津軽郡鶴田町大字廻堰大沢
営業時間:9:00〜16:00
定休日:無休
公式サイト:丹頂鶴自然公園

【陸奥鶴田駅 16:38発】「リゾートしらかみ6号」で五所川原駅へ

丹頂鶴自然公園からタクシーで陸奥鶴田駅まで戻りますが、次のリゾートしらかみ5号が到着するまで約2時間あります。
この待ち時間を利用して列車に乗り込み1駅戻り、五所川原駅へ行ってみましょう。

【五所川原駅 16:45着】「立佞武多の館」でねぶたを間近に見る


上から見る立佞武多

五所川原駅から徒歩5分のところにある「立佞武多(たちねぷた)の館」の「立佞武多展示室」では、高さ約23mの立佞武多が3体展示されています。この3体は、どれも実際にねぷた祭で使われる立佞武多。らせん状の順路を4階から下りながら、細部の装飾をじっくりと見ることができます。その迫力に圧倒されることまちがいなし!

また、館内の展望ラウンジでは郷土料理を楽しむことも。早めの夕食として立ち寄るのもおすすめです。

【立佞武多の館「立佞武多展示室」 基本情報】
住所:〒037-0063 青森県五所川原市大町506-10
電話:0173-38-3232
料金:大人 600円 / 高校生 450円 / 小・中学生 250円
※リゾートしらかみ車内に設置の乗車証明書を提示すると、入館料が10%引きに
営業時間:4月〜9月 9:00〜19:00 / 10月〜3月 9:00〜17:00
※臨時営業時間あり。
定休日:1月1日 ※営業の場合あり。要問い合わせ
公式サイト:立佞武多の館

【五所川原駅 18:18発】「リゾートしらかみ5号」に乗って弘前駅へ

芸術的な立佞武多たちをじっくり鑑賞したら、「リゾートしらかみ5号」に乗車し、今回のルートの終着駅である弘前駅へと向かいます。揺られること約40分、車窓から見える景色もすっかり夜の景色に。

【弘前駅 18:58着】「弘前公園」の夜桜観賞で旅を締めくくる

旅の最後は、弘前駅からバスで移動し「弘前公園」の桜を見にいきましょう。弘前公園は国内でも有数の桜の名所として人気のスポット。樹齢100年を超えるソメイヨシノが園内に300本以上植えられ、4月下旬のソメイヨシノの開花に合わせて桜まつりが開催されます。夜はライトアップも実施され、幻想的な夜桜を楽しめます。

弘前駅から弘前公園までは徒歩約30分かかるため、バスでの移動がおすすめ。駅前のバス停1番乗り場から「土手町循環100円バス」に乗車し、文化センター前バス停で下車します。

弘前公園の東門から入り、時計回りに歩いた先、東内門を過ぎたあたりで右手に注目を。


弘前城・日本最古のソメイヨシノ(写真提供:公益社団法人弘前観光コンベンション協会)

日本最古といわれるソメイヨシノがあります。樹齢約137年、幹周410㎝、樹高約9mと想像をはるかに超える存在感に驚くことでしょう。

ほか、期間限定で見られる東内門左手に架かる「下乗橋」からのアングルもぜひチェックを。

弘前公園の中でも一番有名なビュースポットは現在石垣の修復工事が行われており、真上にあった高さ14.4m、総重量約400tの弘前城天守が約70m本丸の内側へ曳家(城を取り壊さずそのままの状態で移動)しているんです。


「下乗橋」から見る曳家した弘前城(写真提供:公益社団法人弘前観光コンベンション協会)

2021年には元の位置に戻る予定。今しか見られない動いた天守と濠に掛かる橋、満開の桜はまさに貴重なアングルです。


曳家した弘前城の天守の姿(写真提供:公益社団法人弘前観光コンベンション協会)

下乗橋を渡り仮天守台へ行くと、石垣のない不思議な天守の姿が見られます。
※下乗橋から先は別途入園料(320円)が必要


西濠の桜のトンネルと「春陽橋」(写真提供:公益社団法人弘前観光コンベンション協会)

下乗橋に戻り、南内門方面から坂を下ったところに桜のトンネルがあります。西濠を囲むように並んだ桜が濠に映し出され、見事な鏡桜に。トンネルを進んだ先にある春陽橋と桜のアングルは、ぜひ写真に収めたいスポットですね。

【弘前公園 基本情報】
住所:〒036-8356 青森県弘前市大字下白銀町1
電話:0172-33-8733
入場時間:4月1日〜11月23日 9:00〜17:00(入園券販売:16:30まで) / さくらまつり期間 7:00〜21:00
入場料:<有料ゾーン・弘前城有料区域>大人 320円 / 子ども 100円 ※団体料金あり
公式サイト:弘前公園

列車「リゾートしらかみ」に乗って楽しむ五能線沿線の春の姿

列車「リゾートしらかみ」で巡る、五能線沿線の日帰り旅。今回紹介した以外にも、まだまだ魅力的なスポットであふれています。ほかの観光スポットを知りたい!という人は、JR東日本秋田支社HP「沿線観光スポット」をチェックしてみてください。時間があれば、温泉や絶景宿などで1泊して沿線を巡るのもいいですね。

また、JR東日本では五能線沿線巡りに便利な「五能線フリーパス(3,880円 / 2日間利用可)」の販売も。日帰り利用でも十分におトクになるので、こちらもあわせてチェックしてみてくださいね!※詳細はこちら