東京の新たなランドマークとして親しまれている「東京スカイツリー」。高くそびえるその姿は、近くに見えると思わず写真を撮りたくなってしまいます。それだけでも十分に写真映えする東京スカイツリーですが、周りの風景と合いまった姿もまた良いもの。中でも、桜と一緒に見る東京スカイツリーは、春にしか見られない絶景です。
そんな桜と東京スカイツリーの織りなす絶景を存分に楽しめるおすすめスポットが、東京スカイツリーのすぐそばにある「隅田公園」。隅田川の両岸に広がる公園で、昔から桜の名所として知られています。
今回は、隅田公園から眺める桜のおすすめ絶景スポットや、隅田公園の見どころの数々を紹介します。
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隅田公園について
隅田川の両岸にまたがる公園
隅田川沿いに広がる隅田公園
隅田川にかかる吾妻橋から桜橋まで、約1kmの両岸沿いに広がる「隅田公園」。隅田川をまたいで両岸に公園があるため、同じ隅田公園でも浅草側が「台東区立隅田公園」、東京スカイツリー側が「墨田区立隅田公園」と名前が異なります。広い敷地内には、野球場や体育館のような運動施設、日本庭園、寺や神社もあります。
関東大震災の後、帝都復興事業が行われるなか、公園の火災防止や避難拠点としての役割が注目されました。そこで隅田公園を含む3つの大公園と52の小公園が設置されました。中でも隅田公園は、日本初の「臨川公園(リバーサイドパーク)」として設計され、注目と期待を集めました。
江戸時代からの桜の名所
隅田公園は江戸時代からの桜の名所
隅田公園は、なんと江戸時代から続く桜の名所。ソメイヨシノを始め、オオシマザクラ、サトザクラなど隅田区側に343本、台東区側に600本ほど、あわせて約1,000本もの桜が咲き乱れます。
美しい桜堤は「墨堤(ぼくてい)の桜」と呼ばれ、江戸時代中期以降、王子の飛鳥山、玉川上水沿いの小金井、品川の御殿山、上野の寛永寺と並んで、江戸近郊の桜の五大名所の一つに数えられていました。現在では「日本さくら名所100選」にも選定されています。
茨城県から移植した桜から始まった「墨堤の桜」
この地に最初に桜を植えたのは、徳川4代将軍家綱で、常陸国(現在の茨城県)の桜を移植したのが始まり。その後、8代将軍吉宗がさらに堤防に桜並木を作り整備したことで、現在のような姿になったとされています。
吉宗が隅田川の堤防に桜を植えさせたのは、花見で人が集まれば、堤が踏み固められて強くなるという治水対策としての狙いがあったんだとか。
もともとは貴族の風習だった花見が、庶民のものとなったのも実はこの頃から。弁当や酒を持ち込み、満開の桜の下で賑やかに過ごす花見は、身分や性別の区別なく楽しめる行事となりました。
桜と東京スカイツリーの絶景スポット6選
桜の名所として知られる隅田公園。最大の見どころは何と言っても、桜と東京スカイツリーが織りなす絶景です。ここでは、隅田公園の中でも、桜と東京スカイツリーが特に美しく見えるおすすめスポットを紹介します。春しか見られない絶景は、写真映えも抜群。訪れる際はカメラの準備をお忘れなく。
桜と東京スカイツリーの絶景スポット①「言問橋」
言問橋付近から見える桜と東京スカイツリーの絶景
最初の絶景ポイントは台東区側の言問橋付近。ここからは桜越しに東京スカイツリーを見ることができるので、まるで桜のトンネルの中に東京スカイツリーが浮かび上がるような絶景を楽しむことができます。まさに隅田公園でしか見ることができない桜とスカイツリーのコラボレーション。言問橋の上からは、台東区側の美しい桜並木も眺めることができます。
桜と東京スカイツリーの絶景スポット②「東武鉄道の鉄橋付近」
東武鉄道の鉄橋と東京スカイツリー
隅田川を横切るように走る東武スカイツリーラインの鉄橋。ここからは、桜と東京スカイツリーを電車が走る風景と共に見ることができます。特に夕暮れ時の電車と桜が織りなす風景は、なんともノスタルジックな雰囲気を演出してくれるので、情緒たっぷりの写真を撮りたい方におすすめです。
桜と東京スカイツリーの絶景スポット③「隅田公園(墨田区側)」
隅田公園の墨田区側から見た桜と東京スカイツリー
桜が多く植えられているのは台東区側ですが、墨田区側の隅田公園からは、桜と東京スカイツリーの絶景をより間近で楽しむことができます。隅田公園内の日本庭園にある池は、絶景スポットの一つ。風が吹いていない時は水鏡のようになり、水面に映った「逆さスカイツリー」を楽しむことができます。少しでも風でさざ波がたつと見られないので、見られた人はラッキーかも。
桜と東京スカイツリーの絶景スポット④「桜橋」
桜橋から見た桜と東京スカイツリー
隅田公園の台東区側と墨田区側を結ぶ「桜橋」。隅田川にかかる橋の中で唯一の歩行者専用橋です。隅田川を渡りながら、墨田区側の桜と東京スカイツリーの眺めを楽しむことができます。
桜と東京スカイツリーの絶景スポット⑤「吾妻橋」
吾妻橋から見た桜と東京スカイツリー
墨田区側の桜と東京スカイツリーの景色を楽しめる「吾妻橋」。金色のオブジェが印象的な吾妻橋からは、浅草・東京スカイツリーエリアを象徴する景色を見ることができます。
隅田公園の桜と東京スカイツリーのライトアップ
桜まつりの期間は、吾妻橋から東武線鉄橋間でライトアップを開催。夜空に輝く東京スカイツリーと夜桜の幻想的な風景を楽しむことができます。
桜と東京スカイツリーの絶景スポット⑥「お花見クルーズ」
隅田川のお花見クルーズ
普通に桜を見るだけでなく、両岸の桜に囲まれたちょっと贅沢な景色を楽しみたいなら、水上バスに乗るのもおすすめ。隅田公園は水上バスの発着点になっています。桜の時期は限定の「お花見クルーズ」も開催。隅田川の上から桜と東京スカイツリーの絶景をゆっくりと堪能しましょう。
隅田川の屋形船
さらにリッチに楽しみたいなら屋形船もおすすめ。桜と東京スカイツリーを眺めながら美味しい料理をいただく、なんとも贅沢な時間を過ごすことができます。
桜だけじゃない!隅田公園の見どころ
隅田川にまたがる広大な敷地をもつ隅田公園。桜だけ見て帰ってしまうのはもったいない!隅田公園には他にも様々な見どころがあるんです。ここでは、隅田公園に来たら訪れるべきスポットの数々を紹介します。
日本庭園
隅田公園の日本庭園
江戸時代、現在の隅田公園の位置には水戸徳川家の下屋敷「小梅邸」がありました。隅田公園の日本庭園は、この屋敷の遺構を利用して作られたのです。池の周りをぐるりと回る形で庭園を鑑賞できる「池泉回遊式」の形となっていて、鯉の泳ぐ池や人口の滝が設置されているなど、本格的な日本庭園となっています。
東京スカイツリーを間近に見ることができるのも注目のポイント。池は先ほどの「逆さスカイツリー」が映る場所としても有名です。
牛嶋神社
牛嶋神社の鳥居
公園の中にはいくつかの神社が存在します。中でも特徴的なのが、牛を神として祀っている牛嶋神社。入り口には、狛犬ならぬ「狛牛」がおり、触ると健康になるといわれている「撫で牛」像も設置されています。他にも、大きな鳥居の両脇に小さな鳥居がくっついた珍しい「三輪鳥居」など、ユニークな見どころが数多くあります。
三囲神社(みかこみじんじゃ)
三囲神社の大鳥居
三囲神社(みかこみじんじゃ)には、江戸時代に建立された大鳥居があります。隅田川の対岸からでも見られるほどの大きさで、当時の隅田川のランドマーク的な存在だったんだとか。桜に囲まれた情緒ある姿は、歌舞伎の背景や多くの浮世絵に描かれています。恵比寿と大黒天を祀っており、隅田川周辺の七福神を祀った神社を巡る「隅田川七福神めぐり」をするのもおすすめです。
すみだリバーウォーク
すみだリバーウォーク
隅田公園の台東区側と墨田区側の往来を簡単にできるよう、東武鉄道の鉄橋に沿う形で作られた遊歩道が「すみだリバーウォーク」。途中で屈折して鉄橋の真下を通るため、鉄橋の構造を間近で見学できる珍しいスポットです。
途中にはなぜか「恋人の聖地」に認定されたスポットが2箇所あり、南京錠を結びつけることで愛を誓うことができます。また、東京スカイツリーのマスコットキャラクター「ソラカラちゃん」がどこかに隠れているとの噂も。訪れた際は注意して探してみてください。
水上バス
隅田公園に停泊する水上バス
隅田公園が発着スポットとなっている水上バスですが、もちろん桜の時期以外にも楽しめます。水上バスは東京都観光汽船株式会社が運営する「TOKYO CRUISE」と、東京都公園協会が運営する「東京水辺ライン」の2つがあります。
バスによって航路も様々で、浅草、豊洲、浜離宮恩賜公園、お台場といった東京の名所を一気に巡ることができます。川の上から見る、いつもとちょっと違った東京の景色を堪能しましょう。
隅田公園のイベント
隅田公園では、季節ごとのイベントも数多く開催しています。ここでは、特に人気のある隅田公園のイベントをいくつか紹介します。
【3月】桜まつり
桜の開花の時期は桜まつりを開催
隅田公園の最大のイベントは、何と言っても桜の開花とともに開催される「桜まつり」。毎年多くの花見客で賑わいます。実は、隅田公園は台東区と墨田区の2つにまたがっているため、それぞれの区でお祭りが開催されているんです。
桜の数がより多い台東区側の桜まつりは、桜をじっくりと楽しみたい人におすすめ。夜のライトアップが楽しめるのもこちら側です。ぼんぼり提灯の光が幻想的な夜桜を浮かび上がらせます。
墨田区側の桜まつりは出店や屋台が多い
墨田区側の桜まつりは、地元の名物や特産品の出店や屋台、芸妓と記念撮影ができる芸妓茶屋、餅つきや和太鼓演奏などイベント色豊かなのが特長。桜は台東区側より本数は少ないですが、風情豊かなしだれ桜のトンネルを楽しむことができます。
【6月】あじさいロード
隅田公園のあじさいロード
桜の名所として知られる隅田公園ですが、有名なのは桜だけではありません。実はあじさいの名所でもあるんです。隅田公園の台東区側、吾妻橋から山谷掘広場の間約2kmの区間には、「あじさいロード」が整備されています。
あじさいロードは台東区の「隅田公園花の名所作り事業」の一環としてできたもの。2006年から「あじさい株主」を募って寄付を集め、約10,000株ものあじさいが植えられました。
見ごろは6月中旬〜下旬。色や形の異なる10種類のあじさいは、梅雨の隅田公園の名物となっています。
【7月】隅田川花火大会
隅田川花火大会
夏の一大イベントといえば、隅田川の花火大会。例年約90万人もの人が訪れます。隅田川の花火大会は、江戸時代に日本で初めて行われた花火大会。徳川8代将軍吉宗が飢饉や疫病を治めるために行った水神祭で、花火が打ち上げられたのが始まりといわれています。
2つの会場はどちらも隅田公園に近く、第一会場は桜橋の麓、第二会場は駒形橋の麓にあります。約1万発の花火が打ち上げられる様子は圧巻。打ち上げ場所に近いことから一部は封鎖されているものの、隅田公園界隈は最高の見物スポットとなっています。
【8月】とうろう流し
隅田川のとうろう流し
故人の冥福を祈ったり、願い事をしたりしながら川に灯篭を流す「とうろう流し」。隅田川のとうろう流しは、関東大震災や東京大空襲によって、この地域で命を落とした人々への追悼の思いを込め、1946年に始まりました。今では花火大会と並ぶ隅田川の夏の風物詩。川面を静かに流れる灯篭に心癒されます。
隅田公園へのアクセス
●東京メトロ銀座線「浅草駅」より徒歩約5分
●東武伊勢崎線「浅草駅」より徒歩約5分
●都営地下鉄浅草線「浅草駅」より徒歩約7分
●都営地下鉄浅草線「本所吾妻橋駅」より徒歩6分
隅田公園の周辺情報
隅田公園と合わせて訪れたい、周辺スポットを紹介します。
浅草寺
浅草寺の雷門
東京を代表する観光名所、浅草寺も隅田公園からほど近くにあります。桜を見るのと合わせて浅草観光ができるのも隅田公園の魅力です。
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長命寺
長命寺桜餅
隅田公園の墨田区側に位置する「長命寺」。桜餅の発祥の地として知られており、ある和菓子屋が隅田川の土手の桜の葉を塩漬けにし、それに餅と餡子を挟んだものが、関東の桜餅の始まりとされています。これを長命寺の門の前で売ったところ、花見客の間で大人気となったんだとか。
和菓子屋は現在でも「山本や」という屋号で長命寺の隣に店を構えており、歴史ある「長命寺の桜餅」の味を守り続けています。その人気は現在も衰えることはありません。
東京ミズマチ
東京ミズマチ
すみだリバーウォークの入り口からほど近くに新たに誕生した「東京ミズマチ」。東武鉄道の高架下に多くの店舗が集まる商業施設です。レストラン、カフェ、海外ライフスタイルショップなど、個性豊かな店舗が勢揃い。浅草・東京スカイツリーエリアの新たな観光名所として注目されています。
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桜と東京スカイツリーと合わせて観光も楽しめるお得なスポット
今回は、桜と東京スカイツリーのコラボレーションが楽しめる絶景スポット「隅田公園」を紹介しました。しかし、隅田公園には桜以外にも楽しめる見どころがさまざま。周辺の浅草・東京スカイツリーエリアの観光も合わせて楽しめるのも魅力的です。お花見の際はぜひゆっくり巡ってみてくださいね。