- 浅草寺のご利益とは?多くのご利益がいただける場所
- 浅草寺の歴史
- 川で見つかった一躰の観世音菩薩像
- 商業と庶民文化の中心として栄えた浅草寺周辺
- 焼失するも再建。いつの時代も下町を見守ってきた
- 浅草寺の見どころ
- 1. 浅草のシンボル雷門
- 2. 今も昔も活気溢れる浅草仲見世通り
- 3. 浅草寺第二の門・宝蔵門
- 4. 小香炉
- 5. 本尊を守る浅草寺本堂
- 6. 御朱印・おみくじ
- 7. 五重塔
- 8. 伝法院・日本庭園
- 浅草寺で開催されるイベント・季節の見どころ
- 【毎日】ライトアップ
- 【3〜4月】桜
- 【5月】三社祭
- 【7月】ほおずき市/四万六千日
- 【12月】羽子板市
- 浅草寺へのアクセス
- おわりに:人力車に乗って浅草観光もおすすめ
- 浅草寺の周辺情報
東京の観光スポットといえば真っ先に名前が挙がる浅草寺。国内外から年間約3,000万人もの人が訪れます。入り口に構える「雷門」にかかる赤い大きな提灯は浅草のシンボルとして知られ、周辺には江戸情緒が残る下町の街並みが広がります。
観光スポットとして有名な浅草寺ですが、実は約1400年の歴史を持つ、東京都内最古の寺院なんです。今回は、そんな都内随一の名所、浅草寺の歴史や見どころを紹介していきます。
浅草寺のご利益とは?多くのご利益がいただける場所
浅草寺には本堂のみならず、境内にはたくさんのお参りスポットが点在。縁結び・厄除け・家内安全・安産祈願などのご利益がある、訪れておきたいお参りスポット7選を紹介していきます。
①本堂(観音堂):「所願成就」のご利益
多くの人が行き交う本堂の前
浅草寺の中心にある本堂(観音堂)には「聖観音菩薩(しょうかんのんぼさつ)」が祀られており、一般的には「観音さま」と呼ばれています。
本堂のご利益は「所願成就」(しょがんじょうじゅ)。縁結びや学業成就などの特定のご利益ではなく、心に願った事を叶えてくれる仏様で、幅広いご利益があるそうですよ。お参りの際は、合掌して「南無観世音菩薩(なむかんぜおんぼさつ)」と唱えましょう。
ちなみに菩薩像は、浅草寺の開祖である勝海上人のお告げにより、「絶対秘仏」となり本来の姿を見ることができません。ただし、御前立本尊さま(お参り用の仏像)に限り、年に1度の12月13日に限りその姿を見ることができます。
②薬師堂:「病気平癒」などのご利益
薬師堂
薬師如来蔵が祀られているほか、薬師如来の護衛である十二神将(じゅうにしんしょうぞう)が祀られています。病気からの回復(病気平癒)などの健康面でのご利益があります。
③淡島堂(あわしまどう):「子授け」「安産」などのご利益
淡島堂
女性の守り神である淡島明神像が安置されており、子授けや安産、婦人病からの回復などのご利益があるとされる淡島堂。
元々、和歌山県で淡島明神を祀っていた淡嶋神社を浅草寺が勧請(他の神様を他の場所で祀ること)し、本堂が建てられることになりました。
ご利益の中に「裁縫の上達」があり、年に1回2月8日に「針供養」が行われています。針供養とは、針仕事の上達や無事を祈るために、使って折れてしまった針を豆腐に刺して針に感謝をする行事です。
④銭塚地蔵堂(ぜにづかじぞうどう):「商売繁盛」のご利益
銭塚地蔵堂
六地蔵尊が安置されており、象の下には「寛永通宝」(江戸時代の貨幣)が埋められていると言われている銭塚地蔵堂。
商売繁盛のご利益があるとされています。ある夫婦の子供らが、庭先に埋まっていた寛永通宝を掘り当てました。しかし、理由がないお金を自分のものにするのは恥だと考え、母親はそれらのお金を埋め戻させました。その後、子どもらは立派に成長、家が繁栄したので子どもらは埋めた場所に地蔵堂を祀ったとされます。その場所が現在の銭塚地蔵堂になりました。
⑤弁天堂(弁天山):「芸術」「学問」などのご利益
弁天堂
七福神唯一の女神である弁天様(弁財天)が祀られているのが、弁天堂(弁天山)です。弁天様は財運や芸術、学問など多様なご利益がある神様として有名です。弁天堂に祀られている弁天様は白髪で「老女弁天」と呼ばれており、「関東三弁天」のうちのひとつに数えられるほど歴史があります。
ちなみに「関東三大天」の残りの2社は江島神社(神奈川県藤沢市)と布施弁天東海寺(千葉県柏市)に祀られています。
⑥久米平内堂(くめのへいないどう):「縁結び」などのご利益
久米平内堂
縁結びにご利益があるとされる久米平内堂。江戸時代、熟練の剣豪で多くの人々を殺めてきた久米平内が償いをするために、自身の姿を刻んだ石像を埋め、多くの参拝客に踏みつけてもらおうと考えました。この踏み付けが「文付け」(恋文を渡すこと)に意味が転じていき、いつしか縁結びのご利益があると言われるようになりました。お堂の中には、久米平内の石像が祀られています。
⑦鎮護堂:「火除け」「盗難除け」のご利益
明治時代の初めの頃、浅草寺の伝法院あたりに浅草寺周辺には狸が多く棲んでいました。浅草寺の僧らも座敷に砂を巻いたりするなどの狸の悪戯に困っていたましたが、ある住職の夢枕に狸が現れ「私たちのために祠を建ててくれれば、伝法院を火災から守り、繁栄させましょう」とのお告げがありました。その後、鎮護堂を建てたことが建立の背景です。
そのお告げのとおり、関東大震災や東京大空襲などの困難を乗り越え鎮護堂と伝法院は消失を免れました。そのため、火除けのご利益があるとされています。また、無くしていたものが見つかったという人が増えたことから、盗難除けのご利益もあるほか、狸の語呂合わせで「他抜き」として捉え、芸能関係や歌舞伎役者・落語家などに人気なお参りスポットになっています。
他にもたくさんのお参りスポットがあります。浅草寺の境内をぜひ、散策してみてください。
浅草寺の歴史
川で見つかった一躰の観世音菩薩像
参拝客で賑わう浅草寺本堂
浅草寺の始まりは、推古天皇36年、西暦にして628年まで遡ります。檜前(ひのくま)浜成・竹成兄弟が宮戸川(現在の隅田川)で漁をしている最中、一躰の仏像を発見しました。
何度川に戻しても網にかかることから、持ち帰って土地の長に見せたところ、その仏像が聖観世音菩薩の尊像であることが判明しました。その尊像を祀ってつくられたお堂こそが浅草寺の起源とされています。
商業と庶民文化の中心として栄えた浅草寺周辺
江戸時代の街並みを再現した浅草・伝法院通り
江戸時代以降、浅草は徳川幕府により庶民文化と商業の中心として発展を遂げ、当時の東京を支えていた下町の中心的存在でした。当時、武士の給料はお米で払われていたこともあり、市民の食用米を含め、大量のお米が蔵に保管されていました。また、そのお米を現金に替える札差と呼ばれる商人も登場しました。
物資とお金が集まる浅草には、それを求める人々も増え、経済は発展。それにともない、水茶屋や見世物小屋に代表される娯楽施設が誕生し、浅草は宗教的な聖地としてだけでなく、江戸有数の盛り場として発展していったのです。
焼失するも再建。いつの時代も下町を見守ってきた
浅草寺はその歴史の長さゆえ、1041年の大震災、1079年の火災等により被害を受け、その都度修復されてきました。1642年、門前町家の失火から浅草寺は再び焼失してしまいますが、その7年後の再建により完成した浅草寺本堂は、関東大震災の被害も免れ、約300年間無傷を保ってきました。
しかし、1945年の東京大空襲により、本堂を含む境内一帯が甚大な被害を受けてしまいました。その後、1951年から始まり1958年に終了した再建工事によって、今の姿となったのです。
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浅草寺の見どころ
1. 浅草のシンボル雷門
浅草寺のシンボル「雷門」の大提灯
浅草に行くと一番に目に入ってくるのが、浅草寺「雷門」。浅草の象徴であり、浅草寺の総門でもあります。正式名称は「風雷神門」といわれ、その名の通り門の右手には風神、左手には雷神が祀られています。
雷門の大きさは横に11.4m、縦に11.7mあり、その中心には重さ700kgにもなる赤提灯が吊るされています。近くに行けばその迫力に圧倒されるでしょう。
雷門の赤提灯は基本的にはいつでも吊るされていますが、5月に、併設する浅草神社にて三社祭が行われる際には、神輿が通るため畳まれてしまいます。あえてその季節に浅草寺に訪れてみるのも新鮮かもしれませんね。
2. 今も昔も活気溢れる浅草仲見世通り
浅草寺のメインストリート 浅草仲見世通り
雷門をくぐると、浅草寺本堂に向け直線の道が通っています。これが都内最古の商店街として有名な、「浅草仲見世通り」です。ここ浅草仲見世通りは、古き良き下町風情の残る浅草一の買い物天国として連日賑わっています。
仲見世には、神社やお寺の境内にある商店街という意味があります。浅草仲見世通りには90近いお店が立ち並び、日本ならではのお土産を買うには欠かせないスポットです。
浅草仲見世通りのおせんべい屋
また人形焼、おせんべい、揚げ饅頭なども売っていて、その場で食べられるグルメが多いのも魅力の1つとなっています。浅草仲見世通りと平行した通りや、直角に交差する伝法院通りにもたくさんのお店や飲食店があり、いくら時間があっても足りません。
3. 浅草寺第二の門・宝蔵門
浅草寺の宝蔵門と五重塔
浅草仲見世通りを進むと、前方に大きな門が見えます。これが宝蔵門です。門の左に啊形像、右に吽形像が安置されていることから当初は仁王門と呼ばれていました。東京大空襲により焼失した後、鉄筋コンクリートなどを用いて再建されてからは、伝来の経典や寺宝を収蔵したこともあり、宝蔵門と改名されたのです。江戸時代には一般市民のために楼上が解放されていましたが、今はされていません。
4. 小香炉
浅草寺にある小香炉
浅草寺本堂と宝蔵門の間には、お線香をたく常香炉が設置されています。これは参拝客のための香炉であり、誰でも使用することができます。実際に行ってみると、常香炉の煙を自分の体にかけている人がいると思います。これは、お線香の煙を体の悪い部分にかけると良くなる、という言い伝えからです。また、浅草寺参拝前に煙を浴びることで、体を浄化できるとも言われています。
5. 御本尊を守る浅草寺本堂
浅草寺本堂
宝蔵門をくぐると見えるのが浅草寺の本堂です。浅草寺本堂は、住職ですら見ることができない秘仏となっているご本尊の聖観世音菩薩像が、本堂内陣の御宮殿に奉安されていることにちなみ、観音堂とも呼ばれています。
1649年に建てられた旧本堂は、最も長くご本尊を守ったお堂であり、1907年からは国宝にも指定されていましたが、1945年東京大空襲により焼失してしまいました。現在の本堂はその後再建されたものであり、宝蔵門と同じく鉄筋コンクリートが用いられています。
また、浅草寺では様々なお守りを購入することができます。通常時に販売されているお守りの他にも、お正月や特別なイベントの日しか販売されていないレアなお守りも。浅草寺のお守りが購入できるのは、仲見世通りから宝蔵門をくぐって進んだ本堂手前の左側。お札・お守りの授与所で購入することができるのでチェックしてみましょう。
6. 御朱印・おみくじ
御朱印
寺や神社を参拝した証としてもらえる「御朱印」。ここ浅草寺でしか手に入らない御朱印ももちろん存在します。浅草寺の御朱印は数種類ありますが、中には特定の条件が揃わないと手に入らないものもあるんだとか。浅草寺の御朱印は、本堂に向かって左の影向堂(ようごうどう)でいただくことができます。
浅草寺を訪れる人々の中には御朱印を求めて来る人も多く、特に休日は御朱印を待つ人で長蛇の列ができるほど。並んでも手に入れたい浅草寺の御朱印。浅草寺を訪れた際はいただいてみては。
おみくじ
浅草寺のおみくじ
日本のお寺や神社ではおみくじをひくことができます。これは運勢と恋愛や仕事、健康などに関する助言が書かれた紙で、日本では年の初めに運勢をおみくじで占うのが慣例となっています。誰でも年中100円で引くことができますので、是非チャレンジしてみてください。ただ、浅草寺のおみくじは「凶」が出る確率が高いことで有名です。
7. 五重塔
浅草寺の五重塔
宝蔵門を背にして左手には、五重塔があります。1973年に建てられたこの塔には、スリランカのイスルムニヤ寺院から奉戴した仏舎利(お釈迦様の遺骨)が納められています。
8. 伝法院・日本庭園
浅草寺・伝法院の日本庭園とスカイツリー
また、浅草仲見世通りをちょうど中間あたりまで行った左手には、浅草寺の本坊である伝法院があります。美しい日本庭園が広がっており、古墳時代の石棺や天祐庵と呼ばれる茶室も存在します。残念ながら一般公開はしていませんが、浅草仲見世通りの雰囲気とは打って変わって静かなひとときを過ごせること間違いなし。特別公開時にはぜひ足を運んでみてください。
浅草寺で開催されるイベント・季節の見どころ
【毎日】ライトアップ
毎日ライトアップされる浅草寺
古くからの歴史を持つ浅草寺。実は2003年からライトアップが始まっています。江戸幕府ができてから400年を記念して始まったもので、スローガンは「輝く21世紀の浅草」。日中に賑わう浅草寺とは違い、静かな雰囲気の中でライトアップを楽しめます。
【3〜4月】桜
春の浅草寺と仲見世通りの桜
3月から4月にかけて、浅草仲見世通り沿いには桜が咲きます。また、それとは別にきれいなしだれ桜も見ることができます。桜の名所である隅田川から、少し足を伸ばしてお散歩するのも良いかもしれません。
【5月】三社祭
浅草寺と三社祭の様子
浅草寺のすぐ近くには、浅草神社があります。浅草寺の建立に貢献した三人を祀った神社であり、浅草寺と同様長い歴史を持ちます。その浅草神社が大いに盛り上がるのが三社祭です。
日本には大小いくつもの神社が存在しますが、特に夏から秋を中心にその多くでお祭りが行われます。三社祭は毎年5月の第三金・土・日曜日に行われ、150万人が訪れます。浅草寺、浅草神社建立に携わった三人を祀る大みこしとその他多数のみこしが、神社を中心に浅草の街へ担がれていきます。日本のお祭りの盛り上がりと、人々の熱気に満ちた雰囲気を感じたい方は、三社祭へ足を運んでみてはいかがでしょうか。
【7月】ほおずき市/四万六千日
浅草寺のほおずき市
7月には、四万六千日・ほおずき市が開催されます。開催される7月9日・10日は浅草寺で年12回ある功徳日の中で最大のものとされています。功徳日とは、その日に参拝すると何日分もの功徳を受けられるという日のこと。その日はなんと4万6000日分もの功徳を受けられるとのことから、この名前がつきました。(諸説あり)
浅草寺とほおずき
浅草寺境内には出店が立ち並び、色鮮やかなほおずきが売られます。他にも風鈴や古来続く雷除けのお札なども売られ、一日中賑やかな雰囲気が続きます。
【12月】羽子板市
ズラリと並ぶ羽子板市の露天
12月中旬の3日間にかけて行われる羽子板市。数々の羽子板の露店のほか、多くの屋台が仲見世通りで店を構えます。定番の歌舞伎が描かれた羽子板やその年に活躍した芸能人・スポーツ選手・キャラクター・政治家が描かれる「世相羽子板」も羽子板市の人気商品です。
なぜ羽子板がたくさん売られるようになったのでしょうか。毎月18日は観世音菩薩の縁日とされており、12月18日は「納めの観音」とされ、多くの参拝客が訪れます。その日に縁起物の品を売る露店が集まり「歳の市」と呼ばれるようになりました。江戸末期ごろから羽子板を送る習慣も盛んになったこと、人気歌舞伎役者を買い求めたりするなど、羽子板が徐々に縁起物の主役になっていき「羽子板市」と呼ばれるようになったようです。
浅草寺へのアクセス
最寄駅:東武スカイツリーライン・東京メトロ・都営地下鉄・つくばエクスプレス浅草駅
新宿駅からのアクセス
【新宿駅】 ー JR中央線快速/東京方面
→ 【神田駅】 ー 東京メトロ銀座線/浅草方面行きに乗り換え
→ 【浅草駅】降車。 出口6 → 徒歩(約5分)
東京駅からのアクセス
【東京駅】 ー JR山手線/上野方面
→ 【神田駅】 - 東京メトロ銀座線/浅草方面行きに乗り換え
→ 【浅草駅】降車。 出口6 → 徒歩(約5分)
成田空港からのアクセス
【成田空港駅】 ー 京成成田スカイアクセス線アクセス特急/品川方面
→ 【浅草駅】降車。 A4出口 → 徒歩(約5分)
羽田空港駅からのアクセス
【羽田空港駅】 ー 京急線/品川方面
→ 【浅草駅】降車。 A4出口 → 徒歩(約5分)