旧芝離宮恩賜庭園の歴史
旧芝離宮恩賜庭園の見どころ
旧芝離宮恩賜庭園のイベント
アクセス
周辺情報
まとめ

東京湾沿岸に位置する「旧芝離宮恩賜庭園」は、江戸時代初期からある歴史の長い自然が溢れた公園です。

江戸初期の大名庭園の一つとして有名であり、東京都には他にも有名な大名庭園として浜離宮恩賜庭園などがあります。伝統的な日本庭園が広がり、穏やかな雰囲気が漂っている一方、園内からは近代的なビル群も望むことができます。春の時期には桜が満開となり、多くの花見客で賑わいます。

今回は、そんな「旧芝離宮恩賜庭園」の歴史と見どころについて紹介していきます。

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紅葉時期の「浜離宮恩賜庭園」

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庭園

旧芝離宮恩賜庭園の歴史

旧芝離宮恩賜庭園の庭園

旧芝離宮恩賜庭園の庭園

現在、旧芝離宮恩賜庭園があるエリア一帯はもともと海でしたが、明暦年代(1655年〜1658年)に埋め立てられました。その地を江戸幕府4代目将軍の徳川家綱から、拝領した老中の大久保忠朝によって造られた庭園が、旧芝離宮恩賜庭園の原型となっています。

忠朝は自身の藩地であった小田原から庭師を呼びよせるなど、腰を入れて造園工事に取りかかったといわれています。貞享年代初頭(1680年代頃)に完成した当初は、「楽壽園(らくじゅえん)」と呼ばれていました。

その後、庭園は複数の者によって管理され、幕末には紀州徳川家の手に渡り「芝御屋敷」として使用されるようになります。明治に入ってからは、江戸から明治にかけて活躍した「有栖川宮」という宮家所有の地となります。その影響もあって、1875年に宮内省がこの土地を購入し、その翌年「芝離宮」と名付けられました。

1923年の関東大震災では火災などによって大きな被害を受けた旧芝離宮恩賜庭園。それでも復興を遂げ、震災翌年には昭和天皇の御成婚記念として東京都に下賜され、同年4月旧芝離宮恩賜庭園は一般公開に至りました。そして1979年には国の名勝に指定されます。

旧芝離宮恩賜庭園の見どころ

旧芝離宮恩賜庭園の魅力を紹介していきます。

回遊式泉水庭園

泉水にかかる木橋と中島

泉水に浮かぶ中島

旧芝離宮恩賜庭園は日本庭園の代表的な形式でもある「回遊式泉水庭園」です。池を中心とした造りとなっており、その周りを歩いて庭を鑑賞することができます。

造園当初は潮入の池(海から水を引いた池)であったこともあり、引き潮の際は池中央の中島からその他の浮島に歩いて渡ることができたといいます。

このように、昔は潮の満ち引きに応じて変化する景色を楽しむことができましたが、現在は淡水の池となっています。そして現在実際に海から水を引いている潮入の池を見る事ができるのは、浜離宮恩賜庭園のみです。

石組

中島の石組の景観

中島の石組

園内にはさまざまな「石組」が配置されており、旧芝離宮恩賜庭園ならではの荘厳な雰囲気を作り出しています。特に圧巻なのは、大久保家の藩地であった小田原から運ばれてきた「根府川石」が組まれたもの。園内北部にある「鯛橋」やそのすぐ近くにある築山の飛び石に使われています。

根府川石の景観

根府川石
その他にも、泉水の護岸には富士山周辺の黒朴石が用いられた石組、中島には中国で仙人が住むといわれている蓬莱山(ほうらいざん)を表現したものがあります。また、山渓を流れ落ちる滝を表現した「枯滝」などもあり、テーマによって異なる魅力を楽しめます。

西湖の堤

西湖の堤

西湖の堤

旧芝離宮恩賜庭園内中央付近にある「西湖の堤(せいこのつつみ)」は、中国の杭州(中国東部の浙江省)にある西湖を模した石造りの堤防です。西湖は中国を代表する湖で、その美しさは世界遺産に登録されるほど。西湖の堤も開園当初から人々に愛され、和歌や絵画の題材として多く用いられてきました。

弓道場

旧芝離宮恩賜庭園北部にはどなたでも利用できる「弓道場」があります。ただ、弓具の貸し出し等は行っていません。年中無休で使用する事ができ、料金は1時間140円です。(※庭園鑑賞には別途入園料150円が必要です。)

旧芝離宮恩賜庭園のイベント情報

正月開園

旧芝離宮恩賜庭園では1月2日・3日にかけて正月イベントが開催されます。羽根つきや独楽まわしなどの正月遊びができるだけでなく、賑やかな三番叟の披露がされます。

桜の演奏会

旧芝離宮に咲いた満開の桜

旧芝離宮恩賜庭園の桜

旧芝離宮恩賜庭園内の桜が見頃を迎える3月下旬から4月にかけて、「桜の演奏会」が開かれます。例年2日間ほど行われ、藤棚(ふじだな)前で桜にちなんだ楽曲が二胡や小鼓で演奏されます。

旧芝離宮恩賜庭園ライトアップ「江戸秋夜会」

旧芝離宮恩賜庭園の紅葉ライトアップ

旧芝離宮恩賜庭園の紅葉ライトアップ

2018年から始まった 旧芝離宮恩賜庭園の紅葉のライトアップ。紅葉期の11月20日~23日の4日間に、21時まで開園し、ライトアップイベントを実施しています。紅葉のライトアップだけでなく、江戸っ子たちが食していた江戸料理を堪能する事ができます。

旧芝離宮恩賜庭園へのアクセス

新宿駅からのアクセス

JR山手線 / 渋谷方面
→【浜松町駅】北口 → 徒歩(約1分)

東京駅からのアクセス

JR京浜東北線 / 品川方面
→【浜松町駅】北口 → 徒歩(約1分)

成田空港からのアクセス

京成成田スカイアクセス線 / 羽田空港方面
→【大門駅】出口B2 → 徒歩(約3分)

羽田空港からのアクセス

東京モノレール / 浜松町方面
→【浜松町駅】出口 → 徒歩(約3分)

旧芝離宮恩賜庭園の周辺情報

旧芝離宮恩賜庭園で気軽に自然を感じよう

豊かな自然にあふれ、見事な庭園を持つ旧芝離宮恩賜庭園。庭園だけではなくスポーツ施設も併設されていたのは驚きでした。都会の雰囲気から抜け出し、気軽に自然に囲まれリラックスをしたい方におすすめな場所です。

毎週土・日曜日には庭園ガイドも行われているので、旧芝離宮恩賜庭園の歴史をさらに詳しく知りたい方は是非参加してみてくださいね。