小田原観光といえば小田原城や漁港が有名で、メディアに取り上げられることもたびたび。バラエティ番組やグルメ番組などで、小田原に興味を持った方も多いのでは?
小田原の旅では小田原城・漁港の周辺だけでなく、穴場の観光スポットも要チェック。この記事では、小田原の楽しい・美味しい・美しいおすすめスポットをご紹介していきます。
TOP画像:鈴廣かまぼこの里「かまぼこバー」(写真提供:鈴廣かまぼこ)
※掲載の情報は2023年5月時点のものです。諸事情により変更となる場合があります
Ⅰ.小田原の王道観光スポットを巡る旅[Ⅰ-Ⅰ. 小田原城〜小田原駅前]
1. 小田原城天守閣
現在見られる小田原城天守は1960年に復元されたもの
かつて「難攻不落の城」といわれていた小田原城は見どころが多くあります。小田原観光で小田原城址公園を訪れた際には、ぜひ天守の中まで登ってみてください。
各フロアでは、500年にわたる小田原城の歴史をさまざまな展示で紹介。最上階の5階は外に出られ、小田原の街や海が一望できます。
歴史やお城に興味がある方はじっくりと時間をかけて楽しめ、歴史に詳しくない方も展望台へ向かいながら、美術工芸品などを眺めてみてはいかがでしょうか。
●住所:神奈川県小田原市城内6-1
●公式サイト:小田原城 難攻不落の城
2. 小田原城NINJA館
小田原城NINJA館・からくり屋敷で歩法の特訓!(写真提供:小田原市観光協会)
小田原城の歴史見聞館が、2019年に「小田原城NINJA館」としてリニューアルオープンしました。
小田原城NINJA館は、小田原城の城主であった戦国大名・北条氏(後北条氏)を陰で支えたと言われている、風魔忍者(ふうまにんじゃ)について知ることができる施設です。体験を通して、忍者になりきることもできます。
NINJA体験では、まず北条氏と小田原城との関係について知ることから始まり、戦国時代にタイムスリップする演出があります。
屋敷に忍び込む任務では池に落ちないよう気をつけよう(写真提供:小田原市観光協会)
タイムスリップした後は、小田原城を救うための任務が言い渡されるので、敵陣に潜入。さまざまな忍術を学んでいき、最後に実戦です。敵の忍者を倒して任務完了!
●住所:神奈川県小田原市城内3-71
●公式サイト:小田原城NINJA館(歴史見聞館)
3. 報徳二宮神社(ほうとくにのみやじんじゃ)
小田原城址公園の中にある報徳二宮神社
報徳二宮神社は、薪を背負った姿が有名な二宮金次郎を祀る神社です。小田原城に隣接し緑に囲まれたロケーションが、観光スポットとしてはもちろんですが結婚式場としても人気があります。
厄除けや交通安全をはじめ、安産や合格祈願などご利益が多いことも、小田原観光で訪れるのにおすすめといえるでしょう。
●住所:神奈川県小田原市城内8-10(小田原城址公園内)
●公式サイト:報徳二宮神社
4. きんじろうカフェ/cafe小田原柑橘倶楽部
きんじろうモチーフのクッキーがのった「きんじろうソフト」(写真提供:報徳会館)
小田原城内に、モダンでおしゃれな2店舗が並んでいます。小田原城の敷地内にあるのですが、駅から向かう場合はお城の裏側にあるため、少し見つけにくいかもしれません。
きんじろうカフェはきんじろうのラテアートやソフトクリームが可愛いらしく、インスタ映えすることでも人気。
cafe小田原柑橘倶楽部は、小田原みかんや小田原梅、片浦レモンなど小田原らしい素材を使ったメニューがいただけます。
心地いい風が入るきんじろうカフェとcafe小田原柑橘倶楽部のテラス席(写真提供:報徳会館)
きんじろうカフェとcafe小田原柑橘倶楽部は、お会計の場所はそれぞれ別ですが、席はフリーで好きなテーブルを使えます。一度に両方の店舗を利用することも可能です。
●住所:神奈川県小田原市城内8-10
●公式サイト:きんじろうカフェ/cafe 小田原柑橘倶楽部/報徳の杜「杜のひろば」
5. 小田原かまぼこ通り
かまぼこ通りまでは小田原駅の東口から歩いて15分ほど
江戸時代に東海道最大級の宿場町であった「小田原宿」。その名残の通りに、多くのかまぼこ店や干物店が軒を連ねる「小田原かまぼこ通り」があります。
「いせかね蒲鉾」や「籠清蒲鉾」「杉清蒲鉾」などではお土産用に購入したり、その場でいただいたりできます。少し歩けば海があるので、海を眺めながら食べるのもいいですね。
かまぼこ通りに店を構えるかまぼこ店「鱗吉(うろこき)」
かまぼこ店を営む若旦那2人でスタートした「小田原かまぼこ通り活性協議会」は、賛同する人がひとり、ふたりと次々に集まっていきました。現在では50人を超える組織になり、観光協会や小田原市・神奈川県などと連携して活動しています。
●住所:神奈川県小田原市本町3-7-17ほか
●公式サイト:小田原かまぼこ通り活性化協議会
6. ミナカ小田原
ミナカ小田原「小田原新城下町」
小田原駅東口・お城通り地区に2020年12月にオープンした「ミナカ小田原」は、食事やショッピング、足湯が楽しめる複合商業施設。駅直結のホテルも併設しており、小田原観光の拠点として利用できる施設です。
江戸時代の小田原宿をイメージした「小田原新城下町」とタワー棟に集うのは、地元グルメが楽しめる飲食店やショップ。「小田原おでん本店」や小田原ひものの老舗「山安(やまやす)」など、地元の人気店も多数。
地元グルメを見て味わったあとは、ぜひ14Fへ。箱根湯本の天然温泉を使用した展望足湯庭園が無料で利用できます(10:00~18:00)。
●住所:神奈川県小田原市栄町1-1-15
●公式サイト:ミナカ小田原
Ⅰ.小田原の王道観光スポットを巡る旅[Ⅰ-Ⅱ .漁港周辺]
7. 小田原漁港
小田原漁港からの風景。写真左手に見えるのが卸売市場
小田原漁港は電車でのアクセスも良好な、小田原観光で人気スポットです。最寄り駅はJR東海道線の「早川」駅で、小田原漁港までは徒歩で約5分。
漁港は電車では行きにくい場所というイメージが強いかもしれませんが、小田原漁港は駅から至近。早川駅は日本一港に近いJRの駅なのです。
小田原漁港では、毎月第2・第4土曜日の7時から9時に「港の朝市」が開催されます。鮮魚は第4土曜日のみ、朝9時に販売開始です。鮮魚販売は特に人気があり、整理券は6時から配布されます。
●住所:神奈川県小田原市早川1-10-1
●参考サイト:小田原・港の朝市(小田原市)
8. おだわらさかなセンター
「お食事処かいが」の海鮮丼(写真提供:おだわらさかなセンター)
小田原漁港のすぐ隣には、魚のテーマパークともいえる「おだわらさかなセンター」があります。
魚を買ってその場でバーベキューを楽しんだり、新鮮な魚介類や干物・珍味などお土産として購入したり。食事と買い物が一緒に楽しめるスポットです。
食事処では海鮮丼など新鮮な魚を使ったメニューが豊富。相模湾の新鮮な魚介類を見て・買って・食べるなら、ピッタリのスポットです。
●住所:神奈川県小田原市早川1-6-1
●公式サイト:小田原さかなセンター
Ⅱ. 雨でもOK|天気に関係なく楽しめる体験スポット
9. 鈴廣かまぼこの里
「かまぼこ・ちくわ手づくり体験教室」は毎日開催(水曜日はちくわづくりのみ)。各回50分です。予約はWEBまたは電話でどうぞ(写真提供:鈴廣かまぼこ)
鈴廣(すずひろ)かまぼこの里は、老舗かまぼこ店「鈴廣」が運営する体験施設・ショップです。箱根登山鉄道の「風祭」駅の目の前にあり、雨の日でもアクセス楽々なうえ屋内で体験や買い物を楽しめます。
施設内には、鈴廣蒲鉾本店やかまぼこ博物館、レストラン、カフェ、かまぼこバーなどがあります。かまぼこ博物館では、かまぼこの製造法を見るだけでなく、手作り体験ができるのが魅力。
ドリンク付きでかまぼこの食べ比べができる「かまぼこバー」(写真提供:鈴廣かまぼこ)
カフェでは、箱根登山鉄道の赤い電車が目を引きます。引退した車両を箱根登山鉄道から譲り受けたもので、カフェのメニューは車内での飲食が可能です。旅行気分がさらに盛り上がりそう。
●住所:神奈川県小田原市風祭245
●公式サイト:鈴廣 かまぼこの里
10. 大川木工所
「研ぎ出し」で仕上げた小田原漆器。二つとない個性的な模様になります(写真提供:大川木工所)
日本の伝統工芸品のひとつである小田原漆器は、堅牢でゆがみが少なく、木目が美しいのが特徴。木目が透けるように漆を塗り重ねる「摺り漆塗り(すりうるしぬり)」や「木地呂塗り(きじろぬり)」と呼ばれる技法を用いて、手作りで作られます。
小田原漆器の歴史は長く、室町時代に木地挽きされた器に漆を塗ったことから始まったといわれています。
大川木工所では、漆器や盆、椀などを制作しているほか、漆の研ぎ出し体験を実施。職人技を間近で見ながら、初めての方でも簡単に体験できることが魅力です。
体験では水ペーパーを用いて模様を出していきます(写真提供:大川木工所)
「漆の研ぎ出し」とは、器の表面を専用の紙で削り、下に塗られた漆の模様を出す手法を言います。皿類やお椀から好きなものを選び、赤い器からは黒い模様を出す、といった具合に研ぎ出しの工程を体験できます。
体験の所要時間は1時間程度。体験料は3000円〜です(制作するものにより変動あり ※)。申し込みは電話またはメールでどうぞ。詳しくは公式サイト内、漆の研ぎ出し体験のページをご確認ください。小田原観光の記念に、自分だけのお椀を作ってみてはいかが。
●住所:神奈川県小田原市南板橋2-226-2
●公式サイト:大川木工所
※プラス1500円で漆のつや上げ仕上げ(送料込み)
11. そろりと小田原
「香り袋づくり」のようす。「香りの調香は子どもにとっても、ヒトとしての本能的な感覚を研ぎ澄ます体験になります」とオーナー・関さん(写真提供:そろりと小田原)
子どもも大人も、気軽に制作体験ができるワークショップカフェ「そろりと小田原」では、事前予約(当日可)で4つの体験ができます。
「染付け豆皿づくり」は小さな素焼きの器に、青い顔料で絵付け体験ができます。絵を描くのが苦手な人も、筆で描かずに模様をつけられる方法をオーナーの関さんが教えてくれます。
「香り袋づくり」は、その時々によって変わる9種類の天然香料を自分でオリジナル調合して、好きな柄の布袋に詰め、オリジナルの香り袋や部屋香が作れます。天然香料の中には、小田原産の湘南ゴールドなどの柑橘を使った香料も。
「粘土遊び」では箸置きやブローチ、植木鉢などを、「陶板画」ではオリジナルの絵柄の陶板画が作れます。
「染付け豆皿づくり」の作品例。豆皿の中には、かまぼこや梅など小田原の名産品を形どったものもあり、好きな形を選べます(写真提供:そろりと小田原)
「そろりと小田原」の「そろりと」とは、お店のイメージキャラクター・カタツムリの歩みを表した言葉。ワークショップのあとはサービスのお茶とお菓子をいただきながら、ゆったりのんびり過ごせますよ。
料金は2800円(「香り袋づくり」+「お茶セット」)〜。体験によって金額は変わります。予約は公式LINEまたは電話でどうぞ。
●住所:神奈川県小田原市本町4-1-21
●公式サイト:そろりと小田原
Ⅲ. 少し足を伸ばして:穴場的スポット
12. 小田原文化財団江之浦測候所
冬至の軸線に沿って設けられた「光学硝子舞台」と「冬至光遥拝隧道」。冬至の朝、真正面から太陽が昇ります ©小田原文化財団
江之浦測候所は、アートと建築、自然が一体となった施設。設計を行なったのは現代美術作家である杉本博司氏です。美術品鑑賞のためのギャラリー棟のほか、石舞台、光学硝子舞台、茶室、庭園、門、待合棟などで構成されています。
太陽の軌道を計算して設計された「夏至光遥拝100メートルギャラリー」や「冬至光遥拝隧道」は必見。
海抜100m地点に、長さ100mで設置された「夏至光遥拝100メートルギャラリー」。壁は片側が大谷石、もう片側が37枚の自立したガラス板で構成されています ©小田原文化財団
「夏至光遥拝100メートルギャラリー」は夏至の日の太陽の動きに合わせて作られたギャラリー。夏至の朝、海から昇った太陽の光は、ギャラリーの中を照らします。
「冬至光遥拝隧道」は冬至の朝、相模湾から昇る陽光が70mの隧道(ずいどう=トンネル)を貫くよう設計されています。隧道を抜けた光は、対面して置かれた石を照らします。
●住所:神奈川県小田原市江之浦362-1
●休館:火曜・水曜
●公式サイト:江之浦測候所
13. 一夜城ヨロイヅカファーム
一夜城ヨロイヅカファームのランチコースの一例/前菜盛り合わせ(写真提供:一夜城ヨロイヅカファーム)
パティシエ・鎧塚俊彦(よろいづか としひこ)氏がプロデュースする、自家農園・レストラン・パティスリー・マルシェが一体となったお店。安心して食べられる美味しいスイーツを素材からつくりたいという思いから、風光明媚な石垣山に農園が作られました。
「一夜城」とは、豊臣秀吉が北条氏包囲の際、一夜のうちにはりぼてで作ったといわれる見せかけの城のこと。一夜城ヨロイヅカファームは一夜城がある石垣山の高台にあり、ゆったり食事やカフェタイムを楽しんだり、野菜やフルーツを購入できます。
紅茶のアイス、オーガニックショコラ、早川レモンを使用した「アシェット一夜城」(写真提供:一夜城ヨロイヅカファーム)
一夜城ヨロイヅカファームでは、ブルーベリーや湘南ゴールドなど、ファームで育て収穫した素材をスイーツに使用。マルシェにも地元産の食材が並びます。
ここでしか味わえない料理・スイーツがあるので、東京の「Toshi Yoroizuka」に行ったことがある人にも、一夜城ヨロイヅカファームはおすすめです。
●住所:神奈川県小田原市早川1352-110
●公式サイト:一夜城 Yoroizuka Farm
14. 小田原フラワーガーデン
春と秋にはバラが咲き、一気に華やかになる小田原フラワーガーデンのバラ園
小田原ガーデンは、四季折々の花を鑑賞できる公園です。2月には梅、2月中旬〜4月は桜、3〜4月にはヒスイカズラ、5月中旬からはバラ、6月は花菖蒲などが楽しめます。
小田原と言えば梅が有名ですが、小田原フラワーガーデンでも梅は外せません。初春には「渓流の梅園」が見頃を迎え、園内は約300品種もの梅が咲き誇ります。
また、季節を問わず楽しめる植物も。園内にある「トロピカルドーム温室」では約300種の熱帯・亜熱帯の植物を見ることができます。
●住所:神奈川県小田原市久野3798-5
●公式サイト:小田原フラワーガーデン
まとめ
小田原には歴史的な名所やはもちろん、おしゃれなカフェやものづくりを体験できる施設など、魅力的な場所がたくさんあります。
新幹線や小田急ロマンスカー、JR湘南新宿ラインなどを利用すれば、首都圏からもアクセス楽々なので、日帰り旅行先としても人気。次の休みは、小田原観光を楽しみませんか?
Text:Kamegon Edit:Erika Nagumo
Photo(特記ないもの):PIXTA