出雲大社(いづもおおやしろ)は「縁結びの神」大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)を祀る、日本屈指のパワースポット。神在月(かみありづき/出雲以外では神無月)の旧暦10月には、日本全国から八百万の神々が集まります。そんな出雲大社でご縁を授かるための参拝ルートや参拝作法をさっくり解説します。
TOP画像:出雲大社のご本殿・八足門(写真提供:公益社団法人 島根県観光連盟)
※本記事に掲載の情報は2023年10月時点のものです。諸事情に変更となる場合がありますので、お出かけの際は各公式サイト・公式SNS等で最新情報をご確認ください
1. お参り前におさらい【出雲大社の参拝方法】
出雲大社(いづもおおやしろ)といえば、参拝方法がほかの神社と異なることが有名。また、境内も広大です。「2礼4拍手1礼」の作法や、参拝ルート、境内の見どころを紹介します。
ちなみに、出雲大社の読み方について、一般には「いづもたいしゃ」と呼ばれることが多くありますが、正式には「いづもおおやしろ」と読みます。
ご縁を授かる「2礼4拍手1礼」の作法
出雲大社のご本殿・八足門でお参り。出雲大社ではご本殿以外のご社殿もすべて「2礼4拍手1礼」でお参りします(写真提供:公益社団法人 島根県観光連盟)
通常、神社の参拝といえば「2礼2拍手1礼」が一般的。しかし、出雲大社の場合は拍手を4回する「2礼4拍手1礼」で参拝します。参拝の流れは次の通り。
①お賽銭を入れます
静かに入れるコツは投げるのではなく、置く感覚で。
②2礼しましょう
腰を90度くらいまで折り曲げる深いおじぎを2回します。
③拍手を4回し、お祈りします
一般的な参拝方法は2拍手ですが、4拍手が出雲大社ならではのキモ。境内にある社殿はすべて「2礼4拍手1礼」で行います。お祈りの際は、住所、氏名、日頃の感謝も忘れずに唱えましょう。
④1礼します
お祈りが終わったら、もう一度、深いおじぎをします。
なぜ4拍手?
なぜ4拍手なのかといえば、年に一度、5月に行われる出雲大社の例祭での参拝作法が関係しています。例祭では無限を意味する8に由来した「8拍手」をしますが、それに対し日常の参拝はその半分とされているためです。
2. 知っていれば迷わない【出雲大社の参拝ルート】
出雲大社は境内が広く、鳥居やご本殿以外の社殿がいくつもあります。参拝したことのある方の中には「どこから参拝すればいいの」と迷ったことのある方もいるのでは。実は参拝ルートの中には、穢(けが)れを祓うための場所もあり、ぜひ通っておきたいところ。参拝ルート、境内の巡り方を紹介します。
2. 王道の参拝ルートがあります
出雲大社にはいくつかの参拝ルートがありますが、王道のルートは二の鳥居「勢溜の大鳥居(せいだまりのおおとりい)」から拝殿、ご本殿へ向かうルート。順を追って辿ってみましょう。
①勢溜の大鳥居
勢溜の大鳥居(写真提供:公益社団法人 島根県観光連盟)
王道参拝ルートは二の鳥居である「勢溜の大鳥居」からスタートします。「勢溜」には「万物の勢いがもっとも溜まる場所」という意味があります。
ちなみに、出雲大社には鳥居が4つありますが、「勢溜の大鳥居」は外から出雲大社に向かう場合の2つ目。1つ目の鳥居は「勢溜の大鳥居」のずっと手前、神門通り(県道161号)にあります。もし4つの鳥居をすべてくぐりたい場合は、神門通り一の鳥居「宇迦橋(うがばし)の大鳥居」からどうぞ。「宇迦橋の大鳥居」から出雲大社の拝殿までは歩いて15分ほどです。
②祓社(はらえのやしろ)
出雲大社 祓社(写真提供:公益社団法人 島根県観光連盟)
「勢溜の大鳥居」から境内に入った右側にある小さな社にお参りし「心身の穢れを清める」お祓い効果を得ます。
③「下り参道」~「祓端」~「中の鳥居」~「手水舎」
出雲大社 松の参道(写真提供:公益社団法人 島根県観光連盟)
三の鳥居「中の鳥居」をくぐり抜け、樹齢数百年の松並木の参道へ。「手水舎」で両手を清め、手に受けた水で口をすすぎましょう。
④四の鳥居「銅鳥居」~「拝殿」
出雲大社の銅鳥居。奥の社は拝殿(写真提供:公益社団法人 島根県観光連盟)
毛利綱広(もうり・つなひろ)が寄進した1666(寛文6)年建立の国指定重要文化財「四の鳥居」を抜けると、いよいよ大注連縄(おおしめなわ)がかかる拝殿です。
出雲大社の拝殿にかかる大注連縄(写真提供:公益社団法人 島根県観光連盟)
⑤ご本殿・八足門(やつあしもん)
出雲大社のご本殿・八足門(写真提供:公益社団法人 島根県観光連盟)
拝殿の先には、出雲大社のご本殿と、それを囲む瑞垣(みずがき)、八足門があります。ここでお参りをしましょう。
ご本殿のお参りは「八足門(やつあしもん)」から
出雲大社のご本殿・八足門(写真提供:公益社団法人 島根県観光連盟)
縁結びの神・大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)を祀る国宝のご本殿は、静謐な雰囲気ただよう瑞垣(みずがき)に囲まれた八足門の内側にあります。この八足門は、1667(寛文7)年造営の国指定重要文化財。縁起のいい動物や流紋などの精緻な彫刻が見どころです。八足門の内側へ入れるのは、正月元旦からの5日間のみで、ご本殿の手前にある楼門まで入ることができます。
普段は八足門の内側に入ることはできないので、ご本殿のお参りは八足門の外側からどうぞ!
瑞垣を左回りに巡り摂末社を参拝
出雲大社 西十九社(写真提供:公益社団法人 島根県観光連盟)
ご本殿を取り囲む瑞垣の周囲にも、「素鵞社(そがやしろ)」「十九社(じゅうくしゃ)」「釜社(かまのやしろ)」など数々のご社殿があります。ご本殿をお参りしたら、瑞垣を左回り(半時計回り)に巡り、これらのご社殿(=摂末社)にもお参りをしましょう。
出雲大社ご本殿の周りには、こんな摂末社があります。
素鵞社(そがやしろ)
出雲大社のご祭神・大国主大神の親神である素戔嗚尊(すさのおのみこと)が祀られています。
釜社(かまのやしろ)
食物全般の神である宇迦之魂神(うかのみたまのかみ)が祀られています。
十九社
旧暦10月に行われる神事・神在祭の間、全国から集う神々の宿となるお社です。ご本殿の西側と東側にそれぞれあります。
氏社(北)
天照大御神(あまてらすおおみかみ)の子である天穂日命(あめのほひのみこと)が祀られています。天穂日命は、出雲大社の宮司家の始祖です。
氏社(南)
天穂日命(あめのほひのみこと)から数えて17代目の子孫にあたる宮向宿禰(みやむきのすくね)が祀られています。
このほか瑞垣の内側にも摂末社があり、正月元旦からの5日間はお参りができます。
出雲大社の基本情報:住所・参拝時間・駐車場
出雲大社は島根県東部・出雲市にあります。松江観光と合わせて、出雲大社参拝は島根の旅の定番。朝早くから夜まで参拝が可能で、大きな駐車場もあり、旅のプランに組み込みやすいのはありがたいですね。
駐車場は300台以上駐車可能な駐車場が西側に、身障者専用の勢溜社駐車場(思いやり駐車場)が東側にあります。
●公式サイト:出雲大社
●住所:島根県出雲市大社町杵築東195
●参拝時間:
境内 6:00~19:00
お守り所 6:00~19:00
宝物殿(神祜殿) 8:30~16:30
※16:30以降は警備の都合上、十九社から北側の素駕社などへは入れなくなります
●駐車場:
大駐車場 約385台
神門通り交通広場駐車場 約360台
勢溜社駐車場(思いやり駐車場) 約20台
●出雲大社 駐車場MAP