1. 神話の舞台に行く・歴史と風土に触れる
■稲佐の浜《出雲のパワースポット》
■島根県立古代出雲歴史博物館《平安時代の出雲大社模型などを展示》
■出雲民藝館《豪農の邸宅跡で美しい生活用具を展示》
■NIPPONIA 出雲大社門前町《リノベ宿&誰でも利用可のダイニング》
■旧大社駅 ※2025年12月まで休館中
2. 門前町を散策【ギャラリー&グルメ】
■ANTWORKS GALLERY(アントワークスギャラリー)《作家ものの小物を展示・販売》
■Izumo Brewing Co.(イズモブルーイングカンパニー)TAISHA《地ビールいろいろ》
■いづも寒天工房 出雲大社参道本店《キラキラ・カラフルな寒天菓子》
■御菓子とみや《バラエティ豊かな和菓子たち》
■The Gift Izumo《身体に優しいヘルシーメニュー》
■出雲といえばこれも食べたい! ①出雲そば
■出雲といえばこれも食べたい! ②ぜんざい
紹介スポット一覧MAP
まとめ

「縁結びの神」大国主神(おおくにぬしのかみ)を祀る、日本屈指のパワースポットである「出雲大社」。大きな神社だけに門前町も賑やかです。

ここでは出雲大社の参拝前後に立ち寄りたい、ご当地グルメや観光スポットなどもご紹介。人と人とのご縁だけではなく、美味しいもの、心ときめく逸品、インスピレーションとのご縁もゲットする旅に出かけましょう。

TOP画像 左上:出雲民藝館 右上:NIPPONIA出雲 左下:Izumo Brewing Co. 右下:いづも寒天工房(写真提供:各施設・各店舗)

※本記事に掲載の情報は2023年10月時点のものです。諸事情に変更となる場合がありますので、お出かけの際は各公式サイト・公式SNS等で最新情報をご確認ください

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1. 神話の舞台に行く・歴史と風土に触れる

出雲大社は公共交通機関を使ってアクセスすることができる神社。周辺の観光も車なしでどこまでできるかが気になるところですよね。出雲大社から徒歩20分圏内まで歩いて巡るエリアを広げれば、「稲佐の浜」や「旧大社駅」のほうまで行くことができます。また、バス&電車を使えば出雲民藝館にもアクセス可能。たくさん歩くことになるかと思いますので、歩きやすい靴での散策がおすすめです。

稲佐の浜《出雲のパワースポット》

稲佐の浜。中央の島は弁天島と呼ばれている

稲佐の浜。中央の島は弁天島と呼ばれています(写真提供:一般社団法人 出雲観光協会)

出雲大社から徒歩15分程度の稲佐の浜は、『古事記』や『日本書紀』の国譲り神話の舞台。豊葦原水穂国(とよあしはらのみずほのくに)を治めていた大国主神(おおくにぬしのかみ)に、天照大神(あまてらすおおみかみ)の使いが国譲りを談判したと伝わる浜です。『出雲風土記』では、国引き神話(※)の舞台にもなっています。旧暦10月(神在月)には全国から八百万の神々が出雲にやってきますが、神々を迎え入れるのも稲佐の浜。また、南北で約10㎞にも渡る砂浜は夕陽スポットとしても知られ「日本の渚100選」「日本遺産」に選ばれています。

※国引き神話:島根半島はもともと海の向こうにあった土地で、それを出雲の創造神・八束水臣津野命(やつかみずおみつぬのみこと)が引っ張ってきて本土にくっつけたために、現在のような形になった、という神話

●住所:島根県出雲市大社町杵築北稲佐
●関連サイト:出雲観光ガイド/稲佐の浜
●アクセス:出雲大社「神楽殿」から徒歩約20分

島根県立古代出雲歴史博物館《平安時代の出雲大社模型などを展示》

古代出雲歴史博物館

古代出雲歴史博物館(写真提供:公益社団法人 島根県観光連盟)

「古代出雲歴史博物館」は、国宝の銅剣358本、同じく国宝の銅鐸39個を含む、古代出雲に関するあらゆる資料を収蔵・展示する博物館です。常設展は3つのテーマに分かれ、ひとつめの「出雲大社と神々の国のまつり」では平安時代には48mもの高さがあったという出雲大社本殿の縮小模型を展示しています。2つめの「出雲国風土記の世界」では古代出雲の人々の暮らしを紹介。3つめの「青銅器と金色の大刀」では銅剣や銅鐸のほか、三角縁神獣鏡など貴重な青銅器を展示しています。記紀に描かれた神話や伝承を紹介する神話シアターも必見です。

●住所:島根県出雲市大社町杵築東99-4(出雲大社東隣)
●公式サイト:島根県立古代出雲歴史博物館
●開館時間:9:00~18:00(11月~2月は9:00~17:00)
●休館日:毎月第1・第3火曜
●入館料:
 一般 620円
 大学生410円
 小中高生200円
●アクセス:出雲大社「松の鳥居」から徒歩約3分

出雲民藝館《豪農の邸宅跡で美しい生活用具を展示》

出雲民藝館。左上:本館 右上:本館に展示されている染織り 左下:西館の展示 右下:売店

左上:本館 右上:本館に展示されている染織り 左下:西館の展示 右下:売店(写真提供:出雲民藝館)

民藝運動に賛同した出雲地方きっての豪農・山本家の邸宅の一部を出雲民藝館として一般開放。米蔵を改装した本館には「布志名焼(ふじなやき)」などの陶磁器や染織り、木工品など「用の美」に貫かれた生活道具を展示しています。木材蔵を改装した西館には山陰の作り手たちによる民藝品を展示。売店では山陰の民藝品を中心に選りすぐりの品の販売も。民藝関係の書籍も購入できます。

●住所:島根県出雲市知井宮町628
●公式サイト:出雲民藝館
●開館時間:10:00-17:00(入館は16:30まで)
●休館日:火曜(祝日の場合、翌日休)/年末年始
●アクセス:[出雲大社バスターミナル]または[正門前]から一畑バス大社線まはた日御碕線に乗車。[出雲市駅]で下車し、JR山陰本線に乗車。[西出雲駅]で下車し、徒歩約10分

NIPPONIA 出雲大社門前町《リノベ宿&誰でも利用可のダイニング》

左上「能野」の土間と寝室 右上:診療所の面影残る外観 右中:「晴嵐」の廊下 下左:「秋月」の寝室 下中:ダイニングスペース 下右:夕食例

左上:「能野(よしの)」の土間と寝室 右上:診療所の面影が残る外観 右中:「晴嵐(せいらん)」の廊下 下左:「秋月(しゅうげつ)」の寝室 下中:地元食材を使ったモダンフレンチと出雲の地酒がいただける「CuisineOKU」 下右:夕食や朝食は、島根県産のジビエ、鮮魚、山椒などを使った料理がいただけます(写真提供:NIPPONIA 出雲)

出雲大社から徒歩5分の門前町にある「体にやさしいフレンチと地酒のペアリングが楽しめるお宿」が、「NIPPONIA 出雲大社門前町」。築100年余りの元・診療所、奥醫院(おくいいん)をリノベーションした古民家宿です。専用の中庭付き「高浜」をはじめ「千鳥」「能野」「秋月」「春風」「翠松」は、それぞれ趣向を凝らした和モダンな6部屋。併設のフレンチレストラン「CuisineOKU」は、宿泊者以外の人も利用できます。

●住所:島根県出雲市大社町杵築南1359-1
●公式サイト:NIPPONIA 出雲大社 門前町
●時間:
 IN 15:00〜 OUT 10:00
 CuisineOKU 18:00〜21:00(最終入店19:30)
●料金:1泊2食付き 3万3000円〜(2名利用時1名あたり)
●定休日:不定休
●アクセス:出雲大社「勢溜の大鳥居」から徒歩約5分

旧大社駅 ※2025年12月まで休館中

旧大社駅

旧大社駅(写真提供:公益社団法人 島根県観光連盟)

2025(令和7)年12月20日まで保存修理中の旧出雲大社駅は、国指定重要文化財になっている3駅舎のひとつです。ほか2つの東京駅と門司駅は洋風建築なのですが、旧大社駅は出雲大社の表玄関にふさわしい神社様式の純和風建築。1912(明治45)年開業、1924(大正13)年2月改築の駅舎は、1990(平成2)年のJR大社線廃止後も保存・開放されていました。大正ロマン薫るレトロな待合室やホームの保存修理終了が待ち遠しいですね。

●住所:島根県出雲市大社町北荒木441-3
●関連サイト:出雲観光ガイド/旧大社駅
●アクセス:出雲大社「勢溜の大鳥居」から徒歩約20分
※2021年(令和3年)2月1日から2025年(令和7)年12月20日まで休館

2. 門前町を散策【ギャラリー&グルメ】

ANTWORKS GALLERY(アントワークスギャラリー)《風土を感じる作家ものの雑貨》

ANTWORKS GALLERYの店内

ANTWORKS GALLERYの店内(写真提供:ANTWORKS GALLERY)

すみずみに至るまで店主の美意識で統一されたクラフト系ギャラリーショップが「ANTWORKS GALLERY」。月替わりでさまざまな作家の作品を展示しています。店内ではクラフト作家でもある店主の木地雛や生活を彩るアートな小物を展示・販売。コンセプトは「店主のお気に入りだけを集め」て、欲しい人につなげることだそうです。出雲の風土性と木の温もりが感じられるお土産探しをするならここで。

●住所:出雲市大社町杵築南1342-8
●公式サイト:ANTWORKS GALLERY
●営業時間:10:00~17:00
●定休:不定休
●アクセス:出雲大社「勢溜の大鳥居」から徒歩約5分

Izumo Brewing Co.(イズモブルーイングカンパニー) TAISHA《地ビールいろいろ》

Izumo Brewing Co.

左:Izumo Brewing Co.のオリジナル クラフトビール3種 右上:ビールによく合う串焼きもあります。カップやラベルに描かれているお店のロゴは、アルコールの元素記号や出雲の山・北山、夕日をイメージしたものだそう 右下:お店の外にはベンチも(写真提供:Izumo Brewing Co.)

ご縁横丁にある〝出雲から世界を「OH!」と言わせるビールを!〟がコンセプトのビールスタンド。麦芽、ホップ、水などの基本的な原料の配合にこだわりクラフトビールを醸造・販売している「イズモブルーイングカンパニー」の直営店です。ビールのラインナップはオリジナルのIPA3種、IZUMOシリーズ3種がレギュラー。そのほか季節ごとの限定フレーバーがいただけます。オリジナルクラフトビールを飲み比べしたり、島根県産ソーセージや黒毛和牛串焼きをセットで食べ歩きしたり。参拝後はホップの苦みと香りが利いたビールで乾杯!

●住所: 島根県出雲市大社町杵築南840-1
●公式サイト:Izumo Brewing Co.
●営業時間:
 夏 9:00~18:00
 冬 9:00~17:00
 ※最新情報はInstagramでご確認ください
●定休日:不定休
●アクセス:出雲大社「勢溜の大鳥居」から徒歩すぐ

いづも寒天工房 出雲大社参道本店《キラキラ・カラフルな寒天菓子》

左上:雪ふわり 右上:琥珀 左下・右下:可愛らしいお菓子が並ぶ店内

左上:「雪ふわり」 右上:寒天・ザラメ・水飴を炊き合わせ、果汁やリキュールを加えた「琥珀」 左下・右下:可愛らしいお菓子が並ぶ店内(写真提供:いづも寒天工房)

キラキラ輝く寒天菓子がずらりと並ぶ「いづも寒天工房」は、1912(大正元)年創業の津山屋製菓が神門通りに出店した工房&カフェです。おすすめは、ふわふわメレンゲを寒天で固めた生地に小粒の寒天ゼリーを散りばめた「雪ふわり」。3個入りからありますが、8個入りだと「甘夏、いちご、巨峰、珈琲、ラムネ、メロン、みかん、りんご」の8種類の味が楽しめます。

●住所:島根県出雲市大社町杵築南1364-11
●公式サイト:いづも寒天工房
●営業時間:11:00〜16:00
●定休日:水曜 ※祝日の場合、前後どちらかが休みになる可能性あり
●アクセス:出雲大社「勢溜の大鳥居」から徒歩約5分

御菓子とみや《バラエティ豊かな和菓子たち》

左上:雲の大福・自家製こし餡と純生クリーム(2月~3月) 右上:雲太 左下:シャリバー 右下:おくにだんご

左上:雲の大福・自家製こし餡と純生クリーム(2月~3月) 右上:大社町の老舗和菓子店「高田屋」から受け継いだ「雲太(うんた)」 左下:葛のフルーツバー「シャリバー」 右下:小豆(黒ごま)・かぼちゃ(柚子)・よもぎ(中に小さな求肥)の3色が楽しい「おくにだんご」(写真提供:御菓子とみや)

御菓子とみやは、手作りの餡にとことんこだわった1947(昭和22)年創業の和菓子店です。お店の実力は、出雲で200余年続いた老舗「高田屋」の銘菓「雲太」最中を受け継いだところにも現れています。店頭には季節の和菓子から秋篠宮殿下献上「黒米・赤米饅頭」や出雲阿国にちなんだ「おくにだんご」などが並びます。出雲ならではのお土産探しや食べ歩きにぴったり。

●住所:島根県出雲市大社町杵築東571
●公式サイト:御菓子とみや
●営業時間:8:00~18:30
●定休日:水曜・元日(繁忙期等は変更あり)
●アクセス:出雲大社「神楽殿」から徒歩約10分

The Gift Izumo《身体に優しいヘルシーメニュー》

左上:美肌粥セット 右上:自家製大豆ハンバーグのライスボウル 左下:ソイクリーム バトンケーキ 右下:明るく開放的な店内

左上:モーニングでいただける「美肌粥セット」 右上:ランチ「自家製大豆ハンバーグのライスボウル」。サラダボウルもあります 左下:卵・乳製品・小麦・白砂糖不使用のスイーツ「ソイクリーム バトンケーキ」 右下:明るく開放的な店内(写真提供:The Gift Izumo)

The Gift Izumoは「古代・出雲の薬草文化を現代に伝え、生活をより豊かにする」をコンセプトに、神門通りに2022年4月にオープンしたカフェです。山陰のハーブや特産物を使ったヘルシーメニューが目白押し。島根産ハトムギや古代米を炊き上げた美肌粥セットの朝食や自家製大豆ハンバーグなどをサラダ感覚で食べられるランチはカラダを優しくいたわってくれます。 店名のG「Gift」には、「たいせつな方や自分へのGift」以外にも「古代出雲からのGift」という意味がありそうですね。

●住所:島根県出雲市大社町杵築南861-1-2F
●公式サイト:IZUMO HERBS/CAFE
●営業時間:9:00~16:30(L.O.16:00)
●定休日:水曜(祝日の場合、翌営業日休)
●アクセス:出雲大社「勢溜の大鳥居」から徒歩約3分

出雲といえばこれも食べたい! ①出雲そば

左:割子そば 右:釜揚げそば

左:割子そば 右:釜揚げそば(写真提供:一般社団法人 出雲観光協会)

出雲そばの代表は、冷たい「割子そば」と温かい「釜揚げそば」の2つです。「割子そば」は丸い朱塗りの器(割子)が数段重ねで提供されます。その割子に盛られたそばに薬味をのせ、そばつゆを直接かけて食べます。「釜揚げそば」は丼に盛られたそばと茹で汁(そば湯)にそばつゆを直接かけて、自分好みの味にします。殻つきの黒いそばの実(玄そば)を製粉した「挽きぐるみ」の野趣豊かな風味と食感が魅力です。

出雲大社周辺で「出雲そば」がいただけるお店


出雲といえばこれも食べたい! ②ぜんざい

出雲ぜんざい

出雲ぜんざい(写真提供:一般社団法人 出雲観光協会)

一説によると、「ぜんざい」は出雲弁の「ずんざい」が「ぜんざい」と訛って京都に伝えられた甘味なのだそう。神在月(旧暦10月)の神在祭でふるまわれた「神在餅(じんざいもち)」に由来すると言われています。参拝後は甘味処に立ち寄って、小豆のあっさりした甘さに癒されてみませんか。

出雲大社周辺で「ぜんざい」がいただけるお店


紹介スポット一覧MAP

上記の「『出雲そば』がいただけるお店」「『ぜんざい』がいただけるお店」を除く、本記事で紹介のスポットの一覧MAPです。

出雲で「ご縁」と出会う旅を!

日本屈指のパワースポット出雲大社参拝前後に、歩いて巡れる観光スポットやお店を紹介して来ました。気になるスポットやお店を見つけたら、ぜひ行ってみてくださいね。出雲ならではの風景やお店との出会いも「ご縁」のひとつです。あなただけの「ご縁」を授かりましょう。

Text:morokoshi Edit:Erika Nagumo