日本有数の観光地である沖縄県には、美味しい料理がたくさん存在します。
沖縄そば、タコライス、チャンプルー……。名前を聞いただけでごくりとのどが鳴ってしまいますよね。
今回は、そんな沖縄の名物に隠された伝統や歴史について紐解いていきます。
観光客や地元の人々から愛されている名店も紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね。
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【沖縄名物】名産物を知って食べてみよう
まずは、沖縄でとれる名産物を見ていきましょう。肉、魚、野菜、フルーツ……。
豊かな自然とあたたかな気候を生かして、沖縄ではさまざまな特産品が販売されています。
沖縄の歴史ある「島野菜」
島野菜とは、沖縄に伝わる伝統的農産物のことを指します。伝統的農産物とは、昔から地域に伝わる歴史ある野菜のことです。
「戦前から食べられていること」「郷土料理に利用されていること」「沖縄の気候や風土に適合していること」という3つの条件を満たした野菜が当てはまります。
全国的にも有名な島野菜「ゴーヤ」、根が細長い「島ニンジン」、独特な香りと辛味がくせになる「島らっきょう」など
具体的な種類でいうと「島らっきょう」「唐辛子」などが有名です。
おすすめのお店は、島野菜をふんだんに使った居酒屋「tutan」、新鮮な野菜を使った地料理が魅力の「土香る」、農家カフェ「Cookhal」。栄養たっぷりの島野菜を使った料理をご賞味あれ。
■食べられるのはここ:tutan
住所:沖縄県名護市運天原527
電話:0980-52-8039
■食べられるのはここ:土香る
住所:沖縄県那覇市松尾2丁目6-24 B1F
電話:098-943-9460
■食べられるのはここ:Cookhal
住所:沖縄県名護市名護4607-1
電話:0980-43-7170
熱帯の海で育った美しい「魚」
沖縄グルメといえば、新鮮でうま味たっぷりの魚介類も大人気です。真っ青な海で育った魚介類は、お刺身からフライまで、いろいろな食べ方ができます。
色鮮やかな沖縄の魚
沖縄かまぼこの原料にも使われている「グルクン」や青い色合いが特徴的な「イラブチャー」など、本州ではなかなか食べられないレアな魚を味わえるところもポイントです。
沖縄の人たちに親しまれているグルクンは、唐揚げやフライにすることが多いそう
沖縄の美味しい魚介類を味わい尽くしたいなら、1階の店舗で購入した食材を2階の食堂で調理してもらえる「那覇市第一牧志公設市場」、斬新な魚料理が人気の「糸満漁民食堂」、漁師さんが目利きした魚を食べられる「国頭港食堂」はいかがでしょうか。
■食べられるのはここ:那覇市第一牧志公設市場
住所:沖縄県那覇市松尾2-10-1
電話: 098-867-6560
■食べられるのはここ:糸満漁民食堂
住所:沖縄県糸満市西崎町4-17
電話:098-992-7277
■食べられるのはここ:国頭港食堂
住所:沖縄県国頭郡国頭村字浜477-1
電話:0980-50-1660
色鮮やかな「南国フルーツ」
温暖な風土のもとで育った南国フルーツは、沖縄でも有数の名産品です。お土産としても人気が高く、マンゴー、パイナップル、シークヮーサーは数あるフルーツの中でも特に有名。昔から沖縄県内で広く栽培されています。
シークヮーサーのジュース
最近は、そんな南国フルーツを使ったスイーツが注目を集めているのです。
フルーツの果肉を惜しみなく使ったかき氷屋さん「琉冰(りゅうぴん)」、トロピカルフルーツのパフェやパンケーキが評判を呼んでいる「松田商店」、フルーツタルトの名店「オハコルテ」には、多くのお客さんが集まっています。
■食べられるのはここ:琉冰
住所:沖縄県国頭郡恩納村字仲泊1656-9
電話:090-5932-4166
■食べられるのはここ:松田商店
住所:沖縄県国頭郡本部町健堅127
電話:098-043-6005
■食べられるのはここ:オハコルテ 港川本店
住所:沖縄県浦添市港川2丁目17-1 #18
電話:098-875-2129
風味豊かなブランド肉「アグー豚」
数百年もの間沖縄県内で親しまれてきた豚の品種・アグー豚。風味高く、とろけるような食感が魅力です。
荒い黒毛で覆われているのは在来豚アグーの特徴です
原種は、なんと1385年ごろに中国から伝わってきました。それから戦前まで広く食べられてきましたが、戦争の混乱を理由に絶滅レベルまで生息数が急減してしまいます。
その後、長い時間をかけて交配がおこなわれ、現在の「沖縄アグー豚」が誕生しました。人気の食べ方は、豚の角煮のような料理「ラフテー」やスペアリブを意味する「ソーキ」。
アグー豚のラフテー
おすすめのお店は、しゃぶしゃぶが絶品の「しゃぶしゃぶと島豚料理 みなみ」、スーチカー(豚の塩漬け)や丼料理が有名な「和風喫茶 佗助」です。
■食べられるのはここ:しゃぶしゃぶと島豚料理 みなみ
住所:沖縄県浦添市勢理客4丁目9-19 TARAGAWAビルディング3階
電話:098-943-5156
■食べられるのはここ:和風喫茶 佗助
住所:沖縄県 国頭郡今帰仁村字湧川23番地
電話:0980-56-2259
やんばる地鶏
沖縄は、豚肉だけでなく鶏肉も美味しいことで知られています。やんばる地鶏は、地元の人々に愛されている沖縄唯一の地鶏。
飼料に薬草(ウコン、ヨモギ、島とうがらし、にんにく)などを配合しているため、鶏肉特有の臭みがありません。厳しい条件をクリアした鶏肉だけが認められる、高品質な国産地鶏です。
鶏肉好きの方にぜひ足を運んでほしいのは、やんばる地鶏をさまざまな料理で使用している「やんばる地鶏や 鶏鳥」です。水炊きや骨付き鶏など、バラエティー豊かなメニューが楽しめますよ。
■食べられるのはここ:やんばる地鶏や 鶏鳥
住所:沖縄県名護市大南2-15-22 1F
電話:090-7586-5652
【沖縄名物】ご当地グルメを知って食べてみよう
続いて、沖縄に来たなら絶対に食べておきたいご当地グルメをご紹介します。
沖縄料理の数々が全国的な知名度を獲得するまで、いったいどのような道のりを歩んできたのでしょうか。
郷土料理の定番「沖縄そば」
「沖縄料理といったら、沖縄そば!」という方も多いことでしょう。沖縄そばは、小麦粉のみを使った太めの麺と、濃厚な汁が特徴的な麺料理です。
豚の三枚肉や、かまぼこなどが主な具材。1534年に、琉球王の四十九日供養として汁そばを献上したことが起源だといわれています。
伝統的な沖縄そば。ソーキそばの場合は、上にのる肉がソーキ(スペアリブ)になります
やがて宮廷料理として食べられるようになり、戦後は庶民からも広く親しまれるようになりました。
美味しいお店を探しているなら、「本家 亀そば 港町本店」「沖縄そばの店 しむじょう」「首里ほりかわ」がおすすめです。
■食べられるのはここ:本家 亀そば 港町本店
住所:沖縄県那覇市港町3-1-17亀そば港町本店
電話:098-863-5639
■食べられるのはここ:沖縄そばの店 しむじょう
住所:沖縄県那覇市末吉町2丁目124-1
電話:098-884-1933
■食べられるのはここ:首里ほりかわ
住所:沖縄県那覇市首里真和志町1丁目27
電話:098-886-3032
実は沖縄発祥だった「タコライス」
今や日本全国で食べられるようになったタコライス。メキシコ料理であるタコスをご飯でアレンジした料理です。
1980年代に、金武町の飲食店店主が米兵へ向けて作った料理がはじまりだといわれています。現在は、沖縄県内に数多くのタコライス店が営業していますよ。
ごはんの上にレタスを敷き、サルサミートソースとトマトとチーズをのせた、一般的なタコライス
タコライスだけでなくタコスも大人気の「jam's TACOS」や、タコライスとオムライスをかけ合わせたオリジナル料理・オムタコが楽しめる「タコライスCafe きじむなぁ」で、最高のタコライスを味わってみてください。
■食べられるのはここ:jam's TACOS 国際通り店
住所:沖縄県那覇市牧志2-4-14
電話:070-9053-2109
■食べられるのはここ:タコライスCafe きじむなぁ 恩納村店
住所:沖縄県国頭郡恩納村恩納6092-1
電話:098-966-8389
本場アメリカ仕込みの「ステーキ」
アメリカ文化が根付く沖縄では、ステーキも大きな存在感を示すグルメの1つです。1950年代に県内で初のステーキハウスが開店してから少しずつ店が増えていき、県民の生活に浸透していきました。
ステーキハウス88のジューシーなビーフステーキ
沖縄で提供されるステーキの特徴は、「赤身肉」「ステーキの前にスープとサラダが出てくる」「鉄板皿に乗せられている」「ガロニと呼ばれる付け合わせがついてくる」など。
おすすめのステーキ店は、有名チェーン店「ステーキハウス88」やアメリカンな雰囲気にあふれた「STEAK HOUSE NAKAMA」です!
■食べられるのはここ:ステーキハウス88 辻本店
住所:沖縄県那覇市辻2-8-21
電話:098-868-7888
■食べられるのはここ:STEAK HOUSE NAKAMA
住所:沖縄県国頭郡恩納村字名嘉真2247-1
電話:098-967-7022
王国時代に思い馳せる「琉球菓子」
沖縄のグルメを語るなら、琉球菓子も外せません。琉球菓子とは、琉球王国時代に接待などで使われていた伝統的なお菓子のことです。
具体的な名称は、「ちんすこう」「くんぺん」「花ぼうる」など。王国消滅後は料理人たちが菓子の存在を庶民に伝え、県内に広まっていきました。
写真中央上は小麦粉と卵黄と砂糖で作るクッキーのような「花ぼうる」、左下はピーナッツバターやオレンジで作るあんをパイ生地で包んだ焼菓子「千寿こう」、右下はごま風味のあんをパイ生地で包んだ揚菓子「闘鶏餃(タウチーチャオ)」
伝統的なお菓子を堪能したいなら、首里城公園にある「系図座・用物座内 首里城茶屋」の「呈茶サービス」に足を運んでみてはいかがでしょうか。
さんぴん茶と一緒に、ちんすこうをはじめとした4種類の琉球菓子が味わえます。
■食べられるのはここ:系図座・用物座内 首里城茶屋
住所:沖縄県那覇市首里金城町1-2
電話:098-886-2020
バラエティー豊富な「豆腐」
豆腐は、沖縄料理に欠かせない重要な食材です。そんな豆腐を使った絶品グルメといえば、海水を使って固めた「島豆腐」、落花生を使った「ジーマーミ豆腐」、アイゴの稚魚を塩漬けにしたスクガラスを豆腐に乗せた「スク豆腐」、中国から伝わったチーズのような「豆腐よう」などが有名。
見た目が印象的なスク豆腐
ふわふわとした食感のゆし豆腐が人気の「とうふ屋 Beans」や、ボリュームたっぷりの豆腐メニューがそろう「海洋食堂」がおすすめです。
■食べられるのはここ:とうふ屋 Beans
電話:沖縄県那覇市首里当蔵町2-15-24
Tel:098-927-4849
■食べられるのはここ:海洋食堂
住所:沖縄県豊見城市字名嘉地192-10
電話:098-850-2443
チャンプルー
チャンプルーは、地元の人々に愛されてきた沖縄の庶民料理です。インドネシアから伝わったといわれています。
島豆腐と野菜を炒めた料理を指しており、具体的な種類は「ゴーヤチャンプルー」「ソーメンチャンプルー」など。
家庭で作ることも多いゴーヤチャンプルー(出典:農林水産省「うちの郷土料理」)
豆腐を使わない炒め物は「タシヤー」、炒めたあとにだしで煮る料理は「イリチー」と呼びます。
本当に美味しいチャンプルーが食べたいなら、沖縄返還前から営業している「ゆうなんぎい」、地元の食材にこだわった「笑味の店」へどうぞ!
■食べられるのはここ:ゆうなんぎい
住所:沖縄県那覇市久茂地3-3-3
電話:098-867-3765
■食べられるのはここ:笑味の店
住所:沖縄県国頭郡大宜味村字大兼久61
電話:0980-44-3220
【沖縄名物】料理の背景を知ればもっと美味しい!
沖縄には、数えきれないほどの名産品とグルメがあります。これまでの歴史や伝統を知ることで、今まで見えなかった「料理の奥深さ」が見えてくるかもしれません。
今回ご紹介した中で「食べてみたい!」「行きたい!」と感じた料理やお店があったら、ぜひ足を運んでみてくださいね。
Text:岩井パン Edit:Sakura Takahashi
Photo:PIXTA/PhotoAC
参考:
おきなわ食材図鑑/オキナワングルメ/うちの郷土料理(沖縄県)|農林水産省/くゎっちーおきなわ|沖縄県/食材図鑑|沖縄観光情報WEBサイト おきなわ物語/沖縄こどもランドホームページ|沖縄県/沖縄そばについて|沖縄生麺協同組合/オリオンストーリー|オリオンビール株式会社/沖縄ステーキ史|沖縄タイムスプラス(2023年10月20日閲覧)/沖縄アグー豚|沖縄県アグーブランド豚推進協議会/うちなー美味肉紀行|公益財団法人 沖縄県畜産振興公社/やんばるどり・製品一覧|有限会社中央食品加工/沖縄県の郷土菓子|独立行政法人 農畜産業振興機構/各店公式サイト・公式SNS